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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.02.09

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:殺戮デックウィン(スタンダード)

by 岩SHOW

 最近のアグロデッキは器用である。《経験豊富な操縦者》で占術、《模範操縦士、デパラ》で手札を補充できる「マルドゥ機体」、《ピーマの改革派、リシュカー》によりマナを伸ばす戦略も取れる「黒緑アグロ(コンストリクター)」......

 昔はパワーとタフネスが優れ、そして戦闘に関するキーワード能力が何かしら書いてあるクリーチャーをバババッと並べて......あっという間に息も切れて、《神の怒り》を撃たれないことを願ったものである。そんなころに比べたら、本当に器用になった。カードって進化したんだなぁと。

 そういった中にあって、ちょいと胸躍る極上の「~デックウィン」なデッキを発見!「~デックウィン」については当コラム「RDW」にて解説しているのでそちらにも目を通してくれるとおじさんは嬉しい。「Red Deck Wins」よろしく、~デックウィン系はどちらかというと不器用な方がそれっぽい。とりあえずはリストを見てみよう。激シブな赤黒ビートダウン、「殺戮デックウィン」!

Samuel Tharmaratnam - 「殺戮デックウィン」
プロツアー『霊気紛争』 スタンダード部門 8勝2敗 (2017年2月3~5日)
10 《山》
5 《沼》
4 《燻る湿地》
4 《凶兆の廃墟》

-土地(23)-

4 《ボーマットの急使》
4 《発明者の見習い》
4 《屑鉄場のたかり屋》
3 《殺戮の先陣》
4 《速接会の技師》
3 《ピア・ナラー》

-クリーチャー(22)-
2 《ショック》
4 《焼夷流》
3 《無許可の分解》
4 《キランの真意号》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文(15)-
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
3 《致命的な一押し》
4 《精神背信》
2 《集団的蛮行》
2 《街の鍵》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》

-サイドボード(15)-
プロツアー『霊気紛争』 イベントカバレージ より)

 赤と黒の軽いクリーチャーと除去を取り揃えた、シンプルなビートダウンデッキだ。《発明者の見習い》《屑鉄場のたかり屋》《ピア・ナラー》という「マルドゥ機体」でもお馴染みのクリーチャー陣に加えて、《ボーマットの急使》。これは前の環境でも赤黒ビート愛好家には使用されていた、玄人好みのする人選。

 そしてそれに続くのは......《殺戮の先陣》!?

 見慣れないカードではあるが、『戦乱のゼンディカー』のアンコモンである。デュエルデッキ『ゼンディカー vs エルドラージ』に先行収録されたことで話題にもなったよ、思い出して!

 そのスペックは{B}{R}3/2で欠色、{1}払うと無色のクリーチャーに速攻を付与することができる、というもの。うーん、なかなか良くないかな? どうして今まで気づかなかったんだろうというカードではある。

 まず、2マナでパワー3あるので......《キランの真意号》に単体で乗り込むことができる。この2マナの機体を用いるデッキでは、2マナ以下でパワー3というのはそれだけで価値あることなのだ。

 そして、その能力。無色クリーチャーに速攻、ということはトップした《キランの真意号》を即投げつけることが可能ということ。3マナで4点......すごい!思わずマローのようなリアクションになってしまう。

 この機体デッキにも真似できない速攻シュートをウリにし、さらに《速接会の技師》まで絡めて打点アップまで狙っている。地上クリーチャーしかいないと思ったら、いきなりパワー6のクリーチャーが飛んでくるのだ......しかも必要なのは3マナだけ(下準備は抜きで)。このお得感、試すっきゃない。

 実際問題、2色にまとめると「マルドゥ機体」が頻繁に陥っている、いわゆる「色事故」をかなり和らげることができる。3色デッキ(という名の4色デッキ)を《霊気拠点》《産業の塔》で運用するというのはそう簡単なことではないし、《感動的な眺望所》などの土地をフル採用しているので、4マナ目をアンタップインで置けるかどうかも定かではない。そういった問題も2色にまとめれば怖くないのだ。このデッキはその実「赤黒機体」と言っても差し支えはない(あるにはあるが気持ちの問題)。

 プロツアー『霊気紛争』では初日全勝を果たしていたセザル・セゴヴィア/César Segoviaもこの赤黒のアグロデッキを用いていた。短期決戦、バレないうちに走り抜けるにはもってこいのデッキだったろう。

 問題はプロツアーを経て広く認知されたこれからだ。ただプロツアーでもTOP8入賞は果たせなかったので、まだ脅威としての認知度は抑えめ。8勝2敗という成績に名を連ねているのを、皆がどう見るか次第! まあ2色で組みやすいので、フライデー・ナイト・マジックやゲームデー、プロツアー予備予選などの大会ではよく見るデッキになると思う。こういう不器用なヤツが鋭利な得物を隠し持っているデッキを好むプレイヤーは少なからず存在するのだ。

 これと対峙する側になるか、使う側になるか。いずれにせよ、怪しいと感じたらライフ6以下で飛行耐性の無い状況は作らないように心がけると良いだろう。『インベイジョン』あたりで赤黒を回していたプレイヤーは、ホクホクしながら回しちゃってください!

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