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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.03.07

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ・バリスタ(スタンダード)

by 岩SHOW

オオノ セイタ
プロツアー『アモンケット』地域予選・名張 権利獲得 / スタンダード (2017年2月26日)
3 《平地》
3 《沼》
4 《秘密の中庭》
2 《乱脈な気孔》
4 《感動的な眺望所》
1 《鋭い突端》
1 《凶兆の廃墟》
4 《産業の塔》
2 《霊気拠点》

-土地(24)-

4 《スレイベンの検査官》
3 《模範的な造り手》
4 《屑鉄場のたかり屋》
2 《ピア・ナラー》
3 《大天使アヴァシン》
3 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(19)-
4 《致命的な一押し》
4 《無許可の分解》
4 《キランの真意号》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-呪文(16)-
1 《異端聖戦士、サリア》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《ショック》
3 《精神背信》
2 《燻蒸》
2 《グレムリン解放》
2 《隔離の場》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
カードボックス名張店「RPTQレポート VOL.2」 より引用)

 こちらは先日のプロツアー地域予選を通過し、プロツアー『アモンケット』への切符を掴んだデッキの1つだ。以前、「マルドゥ機体」のプレイヤーごとのカスタマイズを紹介したが、その中でも軽く触れた「《経験豊富な操縦者》を抜いて《歩行バリスタ》を採用する」というアプローチで組まれたデッキだ。

 バリスタの採用により、相手の低タフネスのクリーチャーに対処しやすくなっている。すなわち、機体同型に対して少し優位に立てる。また、マナを支払わずにプレイヤーに飛ばせるダメージは《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》コンボを抑止することもできる。何せ1点ダメージ飛ばすだけで止められるのだから、楽勝ってなもんだ。

 これらのことができる無色のアーティファクト・クリーチャーか、占術2と機体のサイズアップ能力を持った赤白の2マナ3/1か......どちらがベストだというのはなんとも言い切れず、それはそのトーナメントが終わるまで分からない、トーナメントのデッキ分布次第といったところだ。

 上述のプロツアー地域予選と、グランプリ・ユトレヒト2017ではバリスタ型が勝ち組となった。こっちではTOP8に2名、そして優勝。頂点を取っちゃったわけだ。これはいよいよ無視できなくなってきた......と同時にひとつ、はっきりさせなければならないことも浮かび上がってきた。

「これって機体デッキなのか?」

 う~ん、違うね! 機体は《キランの真意号》4枚のみ、機体サポート関連のカードは採用なし。このようなデッキを我々はどう呼ぶべきか。英語版カバレージには「マルドゥ・バリスタ」と記載されていた。これでいこう。

Samuel Vuillot - 「マルドゥ・バリスタ」
グランプリ・ユトレヒト2017 優勝 / スタンダード (2017年2月25~26日)
2 《平地》
2 《沼》
2 《山》
4 《秘密の中庭》
4 《感動的な眺望所》
1 《鋭い突端》
1 《凶兆の廃墟》
4 《霊気拠点》
4 《産業の塔》

-土地(24)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《模範的な造り手》
4 《屑鉄場のたかり屋》
2 《異端聖戦士、サリア》
4 《歩行バリスタ》

-クリーチャー(18)-
4 《致命的な一押し》
4 《無許可の分解》
4 《キランの真意号》
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
2 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文(18)-
1 《領事の権限》
3 《チャンドラの誓い》
3 《リリアナの誓い》
4 《グレムリン解放》
2 《先駆ける者、ナヒリ》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
グランプリ・ユトレヒト2017 イベントカバレージ より)

 「マルドゥ・バリスタ」はより盤面のコントロールを重視した「マルドゥ機体」の亜種であり、《模範的な作り手》から始まるブン回りパターンで相手のライフを一気に押し切ることもできるが、そんなに序盤バタバタしなくとも良いデッキ。バリスタと除去でクリーチャーを捌いて、4枚しっかり採用された《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に繋げれば大体勝てるだろうと。サイドには定番だった《反逆の先導者、チャンドラ》もメインに採用され、より重いマナ域で戦おうという意志がここからも汲み取れる。

 特徴的なのはサイドボードだ。《先駆ける者、ナヒリ》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》と2種類のプレインズウォーカーを採用。サイド後にはこれらのカードを足して、マルドゥ・ウォーカーズとでも呼びたくなるどっしりコントロールにシフト可能だ。

 プレインズウォーカーを多数採用するデッキにシフトする、ということは......誓いサイクルを使えばその真価を発揮するってことだ。このデッキではクリーチャー除去でありながら、対戦相手のライフやプレインズウォーカーにダメージを与える手段にもなる《チャンドラの誓い》を採用。これは「コピーキャット」でもよく見るカードだが、さらに採用されたもう1種類が珍しい。《リリアナの誓い》だ。

 対戦相手のクリーチャーを確実に葬る生け贄強要能力を用いて相手のクリーチャーを捌きつつ、プレインズウォーカーが戦線に加わるたびにお供のゾンビを呼び出す。このゾンビ、相手にすると結構厄介だろうなぁ。誓い→ギデオンと動かれた時のことを想像してみてほしい......うん、相手にしてる方は正直しんどい。ここに《キランの真意号》なんかも絡んでくると考えると......なかなかに鉄壁。ガッチリ籠城戦も楽しめそうで、こりゃ「マルドゥ機体」と同じデッキ扱いしない方が良さそうだなと。

 これまでのスタンダードの歴史でも、ビートダウンから派生して、より中速のビートダウンを食えるデッキが誕生するという光景は何度か見られた。「マルドゥ機体」「マルドゥ・バリスタ」も、ここから別の道を歩んでいって、それぞれにさらなる進化をたどっていくのだろうか。グランプリ・静岡2017春の結果も楽しみだ。

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