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市川ユウキの「プロツアー参戦記」

2017.05.26

市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『アモンケット』 後編

前回の記事もあわせてお読みください


yuukiichikawa.jpg

 こんにちは!チーム「武蔵」の市川です。

 今回は前回の続きとして、プロツアーに向けての大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。


0.ドラフト雑感

 大会レポートの前に恒例のドラフト雑感です。

■オフェンス優位な環境

 『アモンケット』ブロックの新キーワード能力「督励」。

 攻撃時に督励するか選択する能力で、督励すると次のアンタップ・ステップでアンタップしない代わりに、何かしらのボーナスが得られるといったもの。

 攻撃時に選べる能力ですから、アクティブプレイヤーにイニシアチブがあることが多くなりました。

 相手にブロッカーがいないから督励せずにアタック、ブロッカーが出てきたので《突風歩き》を督励して飛ばして3点。と言ったように有利に戦闘を進めることができます。

 また、《頭巾の喧嘩屋》や《燃えさし角のミノタウルス》など、督励すると同一のマナコストのクリーチャーよりワンサイズ以上大きくなれるクリーチャーもコモンに存在し、クリーチャーで受けることはほぼほぼ難しいと言えます。

 もう一つの新キーワード能力「不朽」。

 これも攻撃優位と言える能力でしょう。

 相手のクリーチャーサイズがこちらを圧倒していたとしても、ライフさえ詰めていれば不朽持ちのクリーチャーたちでチャンプアタックであったとしても攻撃に向かうことができますし、「不朽」でマナフラッドも受けやすくなります。

 特に《断固たる修練者》は白の5マナ域と言う手薄になりがちなマナ域で不朽することができ、白いビートダウンでは必須のカードと言えるでしょう。

■除去が弱い

 環境唯一の確定除去の《最後の報賞》が5マナと重かったり、ある程度の範囲に届く《感電》も4マナとやや重め。

 《強制的永眠》は2マナと軽いですが、不朽持ちのクリーチャーだったり、後続で《横断地のクロコダイル》などの-1/-1カウンターを乗せるクリーチャーが出て来て文字通り生け贄にされたりと長期的なゲームを見据えるデッキで使うと裏目が多かったり。

 と、環境の除去が重かったり、限定的だったりするのでオーラ戦略が有効。

 《断固たる修練者》に《結束のカルトーシュ》を付けて4/3警戒先制攻撃でビタ止まり!なんてウソのような話ですが、これが案外ゲームを決めてしまったりします。

 《野望のカルトーシュ》は除去が薄い+環境にタフネス1のクリーチャーが多いことが起因して、大型クリーチャーに付けてライフレースをまくれるゲームのキーとなり得るカードです。


 これまでのことを踏まえて、プロツアーでやりたいアーキタイプをある程度絞ると以下のようになりました。

赤軸ビートダウン

 何枚取っても嬉しい《燃えさし角のミノタウルス》を軸としたビートダウン。

 2マナ域が《ネフ一門の鉄球戦士》、《道拓きの修練者》とやや心細いので、白と組み合わせるのが最良か。

 《感電》は取らずに除去は《マグマのしぶき》。他は《凶暴な力》などのコンバットトリックで固める。《投げ飛ばし》はあるとライフレースを一気にまくるので1枚は必要。

白軸ビートダウン

 環境トップコモン《突風歩き》を擁する白軸ビートダウン。

 赤と合わせた愚直ビートダウン型と、青と組み合わせたトークン型とある。

 白青は低マナを安い《聖なる猫》や《選定の司祭》などで埋められるのが利点ではあるが、《風案内のエイヴン》や《ナクタムンの侍臣、テムメト》などのマルチカラーカードから行かないとパワー不足の印象。

緑軸多色

 一転してビッグマナ戦略の緑軸多色。

 「カブト虫」こと《潰滅甲虫》や、貼ったら勝ちな《サンドワームの収斂》からスタートしたい。

 《進化する未開地》や《ナーガの生気論者》、《楽園の贈り物》などでマナベースを整え、《鱗ビヒモス》、《双陽の熾天使》などのパワーカードを連打する。

 序盤はビートダウンデッキにライフレースを先行されるので、《野望のカルトーシュ》、《活力のカルトーシュ》などのライフレースをまくる手段が必要。


 と、「赤軸ビートダウン」「白軸ビートダウン」「緑軸多色」の三つの引き出しを用意。

 実は私は新ブロックの最初のセットのみで行われるドラフトに滅法弱く、今までのプロツアーでは、

  • プロツアー『タルキール覇王譚』 2勝4敗
  • プロツアー『戦乱のゼンディカー』 0勝3敗(初日落ち)
  • プロツアー『イニストラードを覆う影』 3勝3敗
  • プロツアー『カラデシュ』 1勝2敗(初日落ち) ※ドラフト成績のみ抜粋

 ともうメロメロ。

 今回も正直、環境理解が低く、なかなか言語化できていない状態でのプロツアーとなり、ドラフトに対して苦手意識を持った状態での本番となりました。


1.プロツアー

 プロツアー本戦です。

1日目/ドラフト

 と、いうことで不安の残るドラフトからです。

 まずは座って周りのプレイヤーを確認。

 プラチナプレイヤーのティアゴ・サポリート、プロツアー『カラデシュ』準優勝のカルロス・ロマオ。殿堂プレイヤーのパトリック・チャピン、ゴールドプレイヤーのミカエル・ボンデなどなど......。

強豪プレイヤー多いなー、これは厳しい戦いになりそうだ......。あれっ、と言うか単純に座っているプレイヤーが多い......???

 ってこれ、10人ドラフトだー!!

 10人ドラフトはプロツアー『イニストラードを覆う影』に続いて二度目

 10人ドラフトはまず、「最後のドラフトポッドに座ること」+「プロツアー参加者が8で割り切れない」タイミングでのみ発生するレアなドラフトで、且つ少し前まではそういう半端な人数になった際は最後の方のポッドから7人卓にしていく形式を取っていたため、10人ドラフト方式になったのは比較的最近。

 世界広しと言えど、2回の10人ドラフトをプロツアーで体験しているのはたぶん私だけだと思います。

市川 ユウキ - 「1日目ドラフトデッキ」
プロツアー『アモンケット』 / 『アモンケット』ブースタードラフト (2017年5月12日)
7 《森》
6 《沼》
2 《島》
2 《進化する未開地》

-土地(17)-

1 《着飾ったラクダ》
2 《悪運尽きた造反者》
1 《苦刃の戦士》
1 《毒物の侍臣、ハパチラ》
1 《ナーガの生気論者》
1 《好戦的な巨口》
1 《飛びかかるチーター》
1 《不毛地の蠍》
2 《グレイブディガー》
1 《ホネツツキ》
1 《魂刺し》
1 《潰滅甲虫》
1 《微光鱗のドレイク》
2 《大いなるサンドワーム》

-クリーチャー(17)-
1 《超常的耐久力》
1 《権威の殿堂》
1 《楽園の贈り物》
1 《ロナスの碑》
1 《主張》
1 《開拓+精神》

-呪文(6)-

 初手は何枚取っても嬉しい、絶対にデッキに入ることで有名な通称「東京ビッグサイト」(私しか言っていません)《権威の殿堂》からスタート。

 2手目に緑軸多色のキーカード《潰滅甲虫》が流れて来て即ピック。

 3手目に《主張》が流れて来たこともあり緑軸多色は確定路線に。

 《楽園の贈り物》や《開拓+精神》が安く取れたり、3パック目で喉から手が出るほど欲しかった《大いなるサンドワーム》が2枚取れ、また《毒物の侍臣、ハパチラ》が流れてきたり、なかなかの噛み合い&出来栄え。

 これは2-1は固いでしょう!


  • 第1回戦 赤緑(Thiago Saporito) ×○○
  • 第2回戦 白黒(Michael Bonde) ××
  • 第3回戦 青黒 ××

 って、あれー?

 何とか緒戦は取るも、その後ボコボコにされて1-2。

 やはり10人ドラフト=卓に出るカードが多いため、みんなデッキが強い強い。

 特に最後の青黒戦は《暗記+記憶》を2発撃たれたり、さらには《貧窮+裕福》も飛び出したりとレア打線を前に完封負け。

 緒戦の赤緑戦も相手の動きが芳しくなくて勝てただけといった具合で、1勝2敗も御の字といった様子でした。


1日目/構築

 次は構築ラウンドです。

 使用デッキはティムール《霊気池の驚異》。

市川ユウキ - 「ティムール・霊気池の驚異」
プロツアー『アモンケット』 / スタンダード (2017年5月12~14日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
4 《植物の聖域》
2 《伐採地の滝》
4 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》
1 《見捨てられた神々の神殿》

-土地(22)-

4 《ならず者の精製屋》
2 《つむじ風の巨匠》
1 《奔流の機械巨人》
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー(10)-
4 《霊気との調和》
4 《蓄霊稲妻》
4 《織木師の組細工》
3 《検閲》
3 《造反者の解放》
1 《否認》
1 《コジレックの帰還》
4 《天才の片鱗》
4 《霊気池の驚異》

-呪文(28)-
2 《守られた霊気泥棒》
4 《不屈の追跡者》
3 《逆毛ハイドラ》
1 《払拭》
1 《マグマのしぶき》
2 《否認》
2 《光輝の炎》

-サイドボード(15)-

「ブース、ゾンビ人気だってよ」

Avignon - 「黒単ゾンビ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年5月10日)
22 《沼》
2 《ウェストヴェイルの修道院》
1 《泥濘の峡谷》

-土地(25)-

4 《墓所破り》
4 《戦慄の放浪者》
4 《金属ミミック》
4 《無情な死者》
4 《戦墓の巨人》
4 《呪われた者の王》

-クリーチャー(24)-
3 《致命的な一押し》
2 《闇の掌握》
3 《闇の救済》
3 《リリアナの支配》

-呪文(11)-
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
1 《致命的な一押し》
4 《精神背信》
2 《没収》
1 《ヤヘンニの巧技》
1 《リリアナの支配》
1 《不帰+回帰》
1 《闇の救済》
2 《最後の望み、リリアナ》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 実際、Magic Online(以下MO)ではかなりの頻度でマッチアップしていて、MOの5-0リストにも度々掲載されていました。

 しかしながらゾンビは青赤コントロールと併せていわゆる「MOデッキ」、「MOで流行ってはいるが値段が安いだけで特段強くないデッキ」として今まで存在を軽視していました。

 実際チーム「武蔵」での調整でも序盤に渡辺さんが白黒バージョンを持ちこんでいましたが、「機体に勝てない」と言う理由で調整から早々に切られており、仮想敵からも廃されていました。

 つまり我々からすると完全に盲点。台風の目だったのです。

 悪い予感がしたチーム「武蔵」一同は直ぐにホテルに戻り、ゾンビを仮組みして使用予定のティムール《霊気池の驚異》とテストプレイ。その結果は著しく悪く、みんなでリスト提出数時間前に頭を抱えることに。

 緊急的な対応として、

  • 2枚か3枚かで議論していた《検閲》は3枚に
    →ゾンビの要所である3マナ域をスマートに打ち消せる。
  • メインの《否認》は1枚に減量。
    →対ゾンビ戦では基本不要牌で、多重に引くと負け筋になり得る。
  • サイドの《コジレックの帰還》は《光輝の炎》に。
    →2点ではゾンビの盤面を流せないため。

 と変更。

 その他、サイドの《否認/Negate(AER)》3枚のうち1枚を《マグマのしぶき》にするかで意見が割れましたが、そこは各々の判断でと言うまとめになり解散。(結果として私と八十岡さんのみ《否認》2枚、《マグマのしぶき》1枚で提出。)

 直前の変更、吉と出るか凶と出るか......!!


  • 第4回戦 マルドゥ機体 ○×○
  • 第5回戦 ティムール・ミッドレンジ ○○
  • 第6回戦 スゥルタイ昂揚 ○○
  • 第7回戦 ティムールミッドレンジ ○×○
  • 第8回戦 マルドゥ機体 ×○×

 構築は4勝1敗!

 ドラフトラウンドと併せて5勝3敗で2日目へ。

 構築ラウンドは想定していた「マルドゥ機体」の他、「ティムール・ミッドレンジ」と「スゥルタイ昂揚」と、ティムール《霊気池の驚異》が得意としているミッドレンジデッキと当たれてツイていました。

松本 友樹 - 「ティムール・ミッドレンジ」
BIG MAGIC Invitational vol.3 優勝 / スタンダード (2017年5月4日)
3 《森》
1 《島》
2 《山》
4 《植物の聖域》
3 《燃えがらの林間地》
4 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《導路の召使い》
2 《媒介者の修練者》
4 《不屈の追跡者》
2 《つむじ風の巨匠》
2 《逆毛ハイドラ》
4 《栄光をもたらすもの》

-クリーチャー(18)-
4 《霊気との調和》
3 《マグマのしぶき》
4 《蓄霊稲妻》
2 《造反者の解放》
2 《キランの真意号》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
3 《自然に仕える者、ニッサ》

-呪文(21)-
3 《払拭》
1 《マグマのしぶき》
3 《否認》
1 《造反者の解放》
1 《人工物への興味》
2 《即時却下》
2 《慮外な押収》
1 《バラルの巧技》
1 《霊気圏の収集艇》

-サイドボード(15)-
BIG MAGIC より引用)

 ティムールミッドレンジはBIG MAGIC Invitationalを制した松本さんのリストに《老いたる深海鬼》や《逆毛ハイドラ》を足したような形でした。

 珍しいデッキでしたが、2回ともほぼほぼ同じ構成であったことから、チームなどでシェアされていたのかなーといった感想。

 第8回戦のマルドゥ機体は《発明者の見習い》や《経験豊富な操縦者》などが入った速い形で、サイドボード後も速度帯を変える形ではなく《金属の叱責》を入れる構成で、ティムール《霊気池の驚異》への対応を練っている構成でした。

 見事に《金属の叱責/Metallic Rebuke(AER)》が刺さってしまい敗北。

 ただ、4勝1敗は僥倖。

 ドラフトラウンドで背負ってしまった負債を構築で返した形。

 私自身、懸念だったゾンビデッキとマッチアップしていませんが、チーム「武蔵」の面々はそれなりにマッチアップしていたようで、「サイド後は《不屈の追跡者》を全力で入れた方が良い。」という渡辺君の気付きも共有され、負け越してはいない様子。

 今回は調整中に比較的自分で回していたデッキを選んでいたこともあり、プレイミスも少なく、「構築はイケそう。」という漠然とした自信も沸いてきました。いよいよドラフトさえ何とかなってくれれば好成績も望めます。頼む2日目、頼む~。

2日目/ドラフト
市川 ユウキ - 「2日目ドラフトデッキ」
プロツアー『アモンケット』 / 『アモンケット』ブースタードラフト (2017年5月13日)
7 《森》
5 《平地》
1 《沼》
1 《色彩の断崖》
2 《進化する未開地》

-土地(16)-

4 《苦刃の戦士》
1 《修練者の相棒》
1 《ナーガの生気論者》
2 《頭巾の喧嘩屋》
2 《横断地のクロコダイル》
1 《アン一門の勇者》
1 《ター一門の精鋭》
1 《巨大百足》
1 《名誉あるハイドラ》

-クリーチャー(14)-
2 《結束のカルトーシュ》
1 《弱さからの脱皮》
1 《強制的永眠》
2 《同期した一撃》
1 《野望のカルトーシュ》
1 《活力のカルトーシュ》
1 《蜘蛛の掌握》
1 《食餌+給餌》

-呪文(10)-

 2日目のドラフトデッキはほぼ緑単のビートダウン。

 最初の方針から、あまり緑軸のビートダウンはやりたくは無かったのですが、プロツアー初日に掲載されたドラフト記事によって緑が最弱色であることが数字で出てしまった結果、緑だだ流れ状態に。

 優良アンコモンである《横断地のクロコダイル》が2枚に、《名誉あるハイドラ》が運よく流れてきたりと、緑白はやりたくないカラーではあるものの、構成は悪くないはず。

 目指せ3-0!!


  • 第9回戦 青赤(Ari Lax) ×○○
  • 第10回戦 白黒 ××
  • 第11回戦 白赤(Huang, Hao-shan) ××

 と思ったらブブー!!

 またも初戦勝ちからの負け負けで1勝2敗。

 2戦目の白黒戦で《賞罰の天使》2回でコロッと負けた後(緑白だと全く触る手段無し)、白赤戦では1マナから始まるビートダウンに手数が追い付かず圧敗。

Kelvin Chew
グランプリ・北京2017 優勝 / 『アモンケット』ブースタードラフト (2017年5月7日)
8 《山》
8 《平地》

-土地(16)-

2 《聖なる猫》
1 《血に飢えた振起者》
1 《炎刃の達人》
3 《ネフ一門の鉄球戦士》
1 《戦場のゴミあさり》
1 《血怒りの喧嘩屋》
1 《捷刃のケンラ》
1 《道拓きの修練者》
1 《療治の侍臣》
1 《アン一門の壊し屋》
1 《献身的な門友》
1 《燃えさし角のミノタウルス》

-クリーチャー(15)-
5 《激情のカルトーシュ》
1 《結束のカルトーシュ》
1 《強制的永眠》
1 《力強い跳躍》
1 《結束の試練》

-呪文(9)-
1 《猛火の斉射》
1 《ただれたミイラ》
1 《第六感》
2 《力ずく》
1 《凶暴な力》
1 《オケチラの名のもとに》
1 《捷刃のケンラ》
1 《ター一門の散兵》
1 《むら気な召使い》
1 《叱責の風》
1 《ケンラの戦車乗り》
1 《周到の書記官》
1 《ホネツツキ》
1 《栄光の探究》
1 《戦炎の投槍手》
1 《打擲場のマンティコア》
1 《オケチラの従者》

-サイドボード(18)-
グランプリ・北京2017 イベントカバレージ より)

 チーム「MTG Mint Card」ではこの1マナから始める高速ビートダウンのドラフトテクニックは共有されていたようで、最終戦のHuang Hao-shanも決め打ちを敢行していたようです。

 終わったあと見せてもらったら《炎刃の達人》も4枚入っていて、明確にこの環境への理解度の差が出たなと感じました。

 今回のドラフトの反省点としては、序盤にピックしていた《結束のカルトーシュ》2枚に引きずられ、あまり流れていない白を継続してしまったこと。

 2パック目の後半で流れてきた《天導+先導》は接死クリーチャーの多い緑黒ではエンドカードになり得るカードで、卓での空き具合を考えると全然あのタイミングからでも参入できたレベルでした。

 3パック目の2手目で《不帰+回帰》も流れて来る始末で、もっとアーキタイプの引き出しを持っていれば受けられたのになぁ......と反省。

 今回のプロツアーでのドラフトは「受けピック」か「決め打ち」、どちらかに振り切れているプレイヤーが勝ち切っていた印象で、対して自分は非常に中途半端な方針だったなと猛省。

「受けるなら受ける、決め打つなら決め打つ。」

 と心に留め、気持ちを切り替えます。

 第11回戦にして5敗を喫してしまいましたが、プロツアーはまだ終わっていません。プロポイントを1点でも多く取ることを目指して構築ラウンドへ。

2日目/構築
  • 第12回戦 黒単ゾンビ ○○
  • 第13回戦 マルドゥ機体(熊谷陸) ○×○
  • 第14回戦 黒単ゾンビ ××
  • 第15回戦 黒単ゾンビ(Josh Utter-Leyton) ○○
  • 第16回戦 ティムール・霊気池の驚異 ○○

 初日と同じく4勝1敗。

 ドラフトラウンドと併せて2日目は5勝3敗、初日の成績と併せて10勝6敗でフィニッシュ。

 2日間通して感じたのは《見捨てられた神々の神殿》の重要さ。

 コントロール型の「ティムール・霊気池の驚異」は《天才の片鱗》や《奔流の機械巨人》などでアドバンテージを得て、土地を伸ばして《霊気池の驚異》からではなく手札から《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱える展開も少なくありません。

 その時の《見捨てられた神々の神殿》の頼もしさたるや。

 土地9枚と10枚では雲泥の差で、これのおかげで《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が間に合って勝利。という展開が何回もありました。

 その他に後半に《織木師の組細工》を土地1枚から軽くプレイできたり、《コジレックの帰還》を実質2マナで打てたり。土地7枚の時に《霊気池の驚異》をプレイしながら《天才の片鱗》をプレイしたり。

 マナベースが許すなら後半の手数を増やす可能性がある、とても恩恵の大きい土地であり、採用して本当に良かったです。

 こういう、細かい調整が実った時はとても気持ちいいものですね!

 と、いうことで構築ラウンドは8勝2敗と好成績ながらも、ドラフトラウンドが2勝4敗と足を引っ張りに引っ張ってしまいました。

 ドラフトは元々私が苦手としているフォーマットであり、今に始まったことではありません。

 どうしても構築の方が好きで、毎日そちらばかりやってしまうのですが、マジックも日々の積み重ねが大事と言うことで、時間を見つけてはドラフトを練習して、克服していきたいものです。

 とか反省の弁を考えていると......。

//

 ふ、2人もチームからトップ8入ってるー!!!

 渡辺さんは74枚同じリストの「ティムール・霊気池の驚異」。

 行弘さんはデッキこそ違いますが一緒に研鑽を重ねたチームメイト。

 2人ともトップ8+プラチナレベル到達、おめでとうございます!

順位チーム名ポイント
1Musashi119
2Genesis94
3MTG Mint Card88
4Lingering Souls74
5Puzzle Quest73
(プロツアー『アモンケット』終了時の暫定順位。上位5チームを上記ページから抜粋)

 彼らの活躍もあって(私も陰ながらにポイントを稼いで)、チーム「武蔵」は2位のチームと20点以上の差を付けて堂々の1位獲得!

 あとの加点チャンスはプロツアー『破滅の刻』(京都)のみ。「トップ2になって世界選手権でドリームチームとこの6人で戦いたい。」という夢をぜひとも叶えたいですね!


2.デッキ解説

 せっかく、74枚同じデッキの渡辺雄也さんがプロツアーで準優勝という素晴らしい結果が出たので、それに便乗してざっくりとデッキを解説。

渡辺 雄也 - 「ティムール・霊気池の驚異」
プロツアー『アモンケット』 準優勝 / スタンダード (2017年5月12~14日)
5 《森》
1 《島》
1 《山》
4 《植物の聖域》
2 《伐採地の滝》
4 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》
1 《見捨てられた神々の神殿》

-土地(22)-

4 《ならず者の精製屋》
2 《つむじ風の巨匠》
1 《奔流の機械巨人》
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー(10)-
4 《霊気との調和》
4 《蓄霊稲妻》
4 《織木師の組細工》
3 《検閲》
3 《造反者の解放》
1 《否認》
1 《コジレックの帰還》
4 《天才の片鱗》
4 《霊気池の驚異》

-呪文(28)-
2 《守られた霊気泥棒》
4 《不屈の追跡者》
3 《逆毛ハイドラ》
1 《払拭》
3 《否認》
2 《光輝の炎》

-サイドボード(15)-

 渡辺さんとのデッキの差は、前述した通りサイドボードの《否認》の4枚目か《マグマのしぶき》か。

 《否認》は「ティムール・霊気池の驚異」ミラーと「青赤コントロール」を見ている形で、《マグマのしぶき》は「黒単ゾンビ」と「マルドゥ機体」をメタった形です。

 4枚派と3枚派に分かれますが、私は断固として3枚派です。

 3枚でも2枚引くこともあるし、《奔流の機械巨人》が《霊気池の驚異》でめくれても十分嬉しいです。

 《霊気池の驚異》から《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が一発でめくれてほしいのはティムール《霊気池の驚異》ミラーのみで、《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を序盤に複数枚引いて負けてしまうリスクに対してリターンが見合っていないと感じます。

 原宿で100人に聞いた、《霊気池の驚異》でめくれて嬉しいカード2位。

 ビートダウン相手にはほぼ《Time Walk》でありながら、もう一度《霊気池の驚異》を起動するエネルギーが溜まりますし、ダブルマリガンであっても《織木師の組細工》と《霊気池の驚異》があれば勝利することができます。

 4枚以外考えられない!

 「マルドゥ機体」、《霊気池の驚異》ミラーを見越してメインから3枚の採用。

 ただ、前述したように「黒単ゾンビ」を意識していなかったからの構成なので、2枚くらいが適正だったのかもしれません。

 デッキに入っていると《絶え間ない飢餓、ウラモグ》とあわせて夢が見られます。

 よくサイドに1~2枚入っている《奔流の機械巨人》ですが、サイドには取らず、メイン1枚のみに抑えました。

 《没収》を打たれることを想定して、1枚目で《霊気池の驚異》を抜かれるのはやむを得ないのですが、本来腐るはずの相手の2枚目の《没収》が有効に機能してしまうことを防ぐためです。特に《奔流の機械巨人》は6マナと手札に溜まりやすいカードなので、《没収》で手札から抜かれる可能性が高い=Die の方程式が調整の結果です。

 本当にギリギリでサイドに取って良かった《光輝の炎》。

 何度も助けられました。

 《不屈の追跡者》ラブ。

 ミラーマッチは基本的に、サイドボード後《織木師の組細工》を抜いて、《否認》や《造反者の解放》でお互いの《霊気池の驚異》を対処し合う展開になります。

 《不屈の追跡者》がゲームの勝敗を分けることがとても、とても多いのです。

 つまり、4枚以外考えられない!

「サイド後《不屈の追跡者》でカード引くために『ティムール・霊気池の驚異』選んだし。」

 はチームメイトの八十岡さんの弁です。


3.おわりに

 今回のプロツアー参戦記は以上です。

 10勝6敗でプロポイント6点獲得。

 チームとしては大成功! 個人としてはヒットのような結果でした。

 プラチナレベル到達を目指すにはまだまだ険しい道のりが続きますが、プロツアー『破滅の刻』(京都)で勝てるように研鑽を積んでいこうと思います!

 それでは、また次の記事でお会いしましょう!

市川

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