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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

第5回:ナベは僅かな勝利の可能性を見つける?グランプリ・パリ シールド編

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渡辺雄也の「リミテッドのススメ」

2011.02.21

第5回:ナベは僅かな勝利の可能性を見つける~グランプリ・パリ シールド編

 どうも皆さんこんにちわ、渡辺です。

 今回は先週のマジックウィークエンド、プロツアー・パリと併催で行われたグランプリ・パリの実践編をお送りしたいと思います。

 プロツアーはリミテッドラウンドの成績は良かったものの構築が奮わず良い成績が残せませんでしたが、グランプリ・パリはリミテッドオンリーのイベントなので純粋なリミテッドの腕を競うことになります。

 ただ一つ懸念材料なのが、筆者はこの包囲戦が入ってからのシールドを一回も練習していないということ。

 発売してから開催まで間もない短期間で、プロツアーに向けての構築とドラフトの練習に加えて更にシールドの練習をする時間を捻出することは不可能でした。これは正直厳しい状態と言えるでしょう。

 シールドとドラフトは同じパックを使っていても、用いるべき戦術が大きく違うことがほとんどです。
 ある程度ピックの取捨選択で好きに組めるドラフトとは違い、シールドは与えられたプールの中での最善を目指さなければいけません。
 その最善のデッキの組み方を知るのはやはり練習なのです。

 ドラフトでは強いカードでもシールドでは弱い場合があったり、その逆の場合があることもあります。

 簡単な例を挙げるとすれば「シールドでは重いカードが強い」ことです。

 ドラフトで組むような早く攻めるデッキが組みづらいので、普段では使わないような重くて効果の強いカードが活躍することが多いです。

 そういったシールドならではのカード評価をグランプリ前はいつもしていたのですが、今回は時間の都合上評価付けをすることができず、全くと言っていいほど練習無しの状態での参戦となってしまいました。
 頼りになるのはドラフトで得た知識のみ。かなり厳しい状況ですが、貰ったプールによっては色の強弱がはっきりしていて組みやすいプールもあるので、組みやすいカードプールを期待したいですね。

グランプリ・パリ2011

 流石はヨーロッパのグランプリと言わんばかりの人だかりで、参加人数は余裕の2000人オーバー、2182人。会場は人、人、人という感じでごった返していました。

 人数が多すぎたのか、参加者は黒・青・緑の3ブロックに分かれての初日となります。筆者は黒ブロックに割り振られました。

 指定された座席につき、自分以外の誰かが使うパックをチェックした後に、本日使うことになるパックが手元にやってきました。
 もうここまできたら腹をくくってやるしかありません。カモンゴッドレア!

 そして貰ったパックのカードプールがこちら。
 なお、分かりやすいように起動に色マナが必要な各種模造品や呪文爆弾はその色のところに分類しています。

渡辺 雄也 / グランプリ・パリ2011 初日
{W} {U} {B}
1 《オーリオックの太陽追い
1 《オーリオックの刃工
1 《主の呼び声
1 《ロクソドンの旅人
1 《ノーンの僧侶
1 《オーリオックの模造品
1 《枝モズ

2 《魂の受け流し
1 《大あわての回収
1 《起源の呪文爆弾
1 《ヴィダルケンのセルターチ
1 《謎鍛冶
1 《かき鳴らし鳥
1 《ヴィダルケンの解剖学者
1 《ルーメングリッドのドレイク
2 《尖塔の海蛇

1 《着実な進歩
1 《冷静な反論
1 《水銀の噴出
1 《堕落した良心
2 《飛行の呪文爆弾
1 《苦痛鍛冶
1 《疫病のとげ刺し
1 《ドロスバッタ
1 《解剖妖魔
1 《ファイレクシアの憤怒鬼
1 《吸血術士
1 《肉食いインプ
1 《黒割れのゴブリン
1 《災いの召使い
2 《腐食の猟犬

2 《恐ろしき天啓
1 《ファイレクシア化
1 《感染の賦活
1 《病気の拡散
2 《虚無の呪文爆弾
{R} {G} {0}
1 《刃族の狂戦士
1 《オーガの抵抗者
1 《カルドーサのフェニックス
2 《オオアゴザウルス

2 《突撃のストロボ
1 《不純の焼き払い
1 《金属の熟達
1 《地形の融解
2 《エズーリの射手
1 《ヴィリジアンの密使
1 《荒廃のマンバ
1 《グリッサの急使
2 《絡み森のカマキリ
1 《信号の邪魔者
1 《屍百足
2 《危険なマイア
1 《銀のマイア
1 《マイアの溶接工
1 《ダークスティールのマイア
1 《回転エンジン
1 《平和の徘徊者
1 《核をうろつくもの
1 《ドロスの切り裂き魔
1 《剃刀ヶ原のサイ
1 《六角板のゴーレム

1 《叫び角笛
1 《胆液の水源
1 《回復の三角護符
1 《感染の三角護符
1 《ヴェンセールの日誌

2 《こだまの飾り輪
1 《銀皮の鎧
1 《逆刺の戦具
1 《ダークスティールの板金鎧
1 《縒り糸歩き
1 《アージェンタムの鎧

 出せば勝ち!というような強力レアには恵まれませんでした。残念。

 とりあえず最初に目を引くのが《吸血術士》《病気の拡散》を擁する黒。
 《ファイレクシアの憤怒鬼》や《肉食いインプ》といった優良クリーチャーもいるので概ね使用、という感じです。

 次に目が行くのが青。

 相手の強力クリーチャーを手駒にできる《堕落した良心》と、生き残ったら盤面を掌握できる《ヴィダルケンの解剖学者》の存在は大きいです。
 どんな時でも抱えていれば安心の《冷静な反論》もありますね。


 というか、ぶっちゃけてしまいますが、このカードプールは黒と青以外の色が弱すぎます。

 白はカードの内容的に惹かれるカードがなく、赤は《カルドーサのフェニックス》はあるもののカードの枚数が少なく、これを使うためにメインカラーにするにはかなり厳しい内容になっています。緑に至ってはカードの枚数的に論外。

 以上の消去法により、青と黒を使うことになりました。

 一応黒メインで青と赤の比較をしてはみましたが、《カルドーサのフェニックス》よりも《堕落した良心》と《ヴィダルケンの解剖学者》の方が勝利貢献度が高いと感じました。

 そして出来たデッキがこちら。

渡辺 雄也
グランプリ・パリ2011 初日シールドデッキ[MO] [ARENA]
9 《
8 《

-土地(17)-

1 《疫病のとげ刺し
1 《苦痛鍛冶
1 《謎鍛冶
1 《屍百足
2 《危険なマイア
1 《銀のマイア
1 《ヴィダルケンの解剖学者
1 《ファイレクシアの憤怒鬼
1 《吸血術士
1 《肉食いインプ
1 《ドロスの切り裂き魔
1 《核をうろつくもの
1 《災いの召使い

-クリーチャー(14)-
1 《冷静な反論
1 《感染の賦活
1 《水銀の噴出
1 《堕落した良心
1 《病気の拡散
1 《ダークスティールの板金鎧
1 《感染の三角護符
1 《縒り糸歩き
1 《アージェンタムの鎧

-呪文(9)-

グランプリ・パリ2011 デッキ写真1


 青黒の感染デッキ。といっても感染ではないクリーチャーもいるので準感染といったところでしょうか。

 正直に言ってしまえばデッキは弱いです。デッキとしては下の中くらい。
 クリーチャーの戦闘能力や除去の枚数、ゲームを決定づけるための強力レアとそのどれもが不足していると言えます。
 《アージェンタムの鎧》のようなワンチャンスカードもありますが、これを出すまでに相手の《粉砕》系のカードの避雷針となるようなカードも無いので正直心許ないです。

 自分の構築が悪かったのかと思いBYE中に何人かの友人にデッキを見てもらいましたが、プロツアー・パリを制したBen Staekから「これは組みようがないね。カードプールが悪すぎる。残念だったねユウヤ」と言われる始末。

 そう言われ正直諦めかけましたが、それでも勝つためには全力を尽くすのが我らマジックジャンキー。

 自分の最初の構築以外に何か組み方は無いかと必死に模索し、色んな人に意見をもらったりとBYE中の時間をフル活用して、何とか別の組み方を見つけました。

シールドデッキ組み直し後[MO] [ARENA]
8 《
8 《

-土地(16)-

1 《謎鍛冶
1 《屍百足
2 《危険なマイア
1 《銀のマイア
1 《ヴィダルケンの解剖学者
1 《ファイレクシアの憤怒鬼
1 《吸血術士
1 《肉食いインプ
1 《ドロスの切り裂き魔
2 《尖塔の海蛇
1 《剃刀ヶ原のサイ

-クリーチャー(13)-
1 《冷静な反論
1 《感染の賦活
1 《堕落した良心
1 《病気の拡散
2 《飛行の呪文爆弾
1 《銀皮の鎧
1 《胆液の水源
1 《逆刺の戦具
1 《縒り糸歩き
1 《アージェンタムの鎧

-呪文(11)-

グランプリ・パリ2011 デッキ写真2


 組み直した後のデッキ姿は青黒の金属術。カードプール的にやはりこの2色しか見るべきところがなく色は変わらなかったのですが、内容が大きく変わっています。

 それは最初組んだときに入っていた感染関係のカードをごっそりと抜いて、そこの部分を全部金属術関係のカードに充てたこと。

 数の多くない感染クリーチャーではどうしても勝つまでが長かったので、それらとそれらをサポートするカードを抜いて、2枚の《尖塔の海蛇》と《剃刀ヶ原のサイ》を無理やり金属術して頑張ろうというプランです。

 正直これでも強いデッキとは言いづらいですが、練習でデッキを回してみて、最初に組んだものよりも勝率は上がっていると感じたので、本戦では毎回サイド後はこの形で戦っていました。


 そんなサイドプランが上手く嵌ったりして、グランプリ初日はBYE込みで8勝2敗。
 このデッキでこの成績なら文句なしです。

 ただサイド後にメインよりも強い形になるというのはやはりまだ練習が足りてない証拠。
 これからのイベントに向けてこのフォーマットの練習も疎かにしてはいけないと思いながら、この日は帰路につきました。


 長くなってしまうので、2日目のドラフト編は次回とさせていただきますが、今回の締めくくりとして、筆者がこのマジックウィークエンド中のリミテッドのプレイで気をつけていたことを紹介したいと思います。


白を相手にした時の戦闘

 この環境の白は3マナで戦闘に関与するカードが3種類あります。

 《主の呼び声》《窒息の噴煙》《正義の施行》の3つです。

 どれも場面場面で大きく戦闘に関与できるカードですが、《主の呼び声》と《窒息の噴煙》に関してはタフネス1のクリーチャーに対して強いカードになっています。したがって、白い相手が3マナ立てているときはタフネス1のクリーチャーは極力殴りに行かない方が良いでしょう。

 また《主の呼び声》でいきなり金属術が達成する場合もあります。《金属の駿馬》や《ガルマの保護者》がいきなりサイズアップすることもあるので戦闘時は注意が必要ですね。

 《正義の施行》は通常時で使ってもそれほど効果の強いカードではないですが、金属術が達成されている時は2体のクリーチャーを持っていく極悪スペルに変わります。普通に打たれてもそれほどではないので相手の金属術が達成されているかどうかは常に気に留めておくことにすると良いでしょう。

 以上のことを踏まえて白を相手にした時は、

  1. タフネス1は極力殴りに行かない。
  2. 金属術はインスタントでも達成される。
  3. 相手の金属術のON/OFFのチェック。

 ということを念頭にプレイしていました。

 やや複雑ですが、白いデッキを相手にした時に覚えておくと良いでしょう。


相手が6マナ立っているときはできるだけ殴りに行かない。

 これは《ダークスティールの歩哨》を常に警戒したプレイです。

 上で書いた白相手の戦闘とは違い、《ダークスティールの歩哨》は無色のカードなのでどの相手からでもプレイされます。
 しかも一方的に損をする戦闘がほとんどなので、自分のクリーチャーが討ち取られてしまった時の被害は甚大です。

 これを根本的に対処できるのは《冷静な反論》などの打ち消し呪文ですが、プレイで回避することも不可能ではありません。

 それは至って簡単で、相手が6マナオープンの時には殴りに行かなければいいのです。

 《ダークスティールの歩哨》は6マナと、構えるために必要なマナが重いので、相手のクリーチャーが攻撃してくるまで我慢するにはいささか重すぎます。1ターン様子見をされたら相手は観念してプレイしてくるでしょう。

 もしそのターン相手から《ダークスティールの歩哨》が出てこなくても、「相手は《ダークスティールの歩哨》を持っていない」という情報を数点分のダメージで買ったと思えば安いものです。

 もっとも、殴らなさ過ぎて本来与えられていた分のダメージをただ損する場合もあるので、そこはリスクとリターンを天秤にかける必要がありますね。

 個人的には与えるダメージが3点以下なら殴らない、4点以上なら殴るというよなうな感じでプレイしていました。
 また、タフネス4以上のクリーチャーは積極的に殴っていましたね。

 傷跡3つの時より若干出現率が低くなりましたが、それでも警戒しすぎて損ということはありません。

 どうしても殴らなければいけないというような場合もありますが、そうでないときは相手のマナが6マナオープンの時には殴りに行かないのが無難でしょう。


 プレイ中に気をつけていたのは上の二項目。
 要は戦闘で出来るだけ損をしないような立ち振る舞いをするということですね。


 それでは今回はこの辺で。

 また来週お会いしましょう。

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