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ReConstructed -デッキ再構築-
モダン、新生
モダン、新生
Gavin Verhey / Tr. Yuusuke "kuin" Miwa / TSV testing
2015年6月9日
前々回の記事で、世界中から送られてきた30個のデッキを紹介した。そして、その中から気に入ったものを調整して投稿してくれるよう、愛しの読者たちに提案した。それらを今後の記事で紹介するためにね。
というわけで、今回の記事は、投稿された調整済みデッキを紹介しよう。そしてそのデッキは......背景にちょっとした歴史がある。
知ってのとおり、素晴らしきカイ・ブッディは1999年に、フルーティ・ペブルスと呼ばれるデッキを用いていた。
4 《Plateau》 4 《Scrubland》 4 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 1 《Underground Sea》 2 《アダーカー荒原》 2 《氾濫原》 -土地(19)- 4 《Shield Sphere》 1 《ファイレクシアの歩行機械》 -クリーチャー(5)- |
4 《渦まく知識》 4 《Demonic Consultation》 4 《税収》 3 《魔力の櫃》 2 《悟りの教示者》 4 《ゴブリンの砲撃》 4 《衝動》 3 《秘儀の否定》 4 《永劫の輪廻》 4 《Force of Will》 -呪文(36)- |
このデッキは、今後考案される多数のコンボ・デッキが朝食用のシリアルにちなんで名付けられるという流れを確立しただけでなく、強力な「無限」コンボ・デッキであるという点においても独創的だった。《Shield Sphere》、《ゴブリンの砲撃》、そして《永劫の輪廻》を並べることにより、1点のダメージを好きなだけ対戦相手に飛ばすことができる。
このデッキ、あるいは直後に生まれた(《ネクロポーテンス》を追加するという革新が行われた)ココア・ペブルスなどの派生系は、トーナメントで有名なデッキになった。これに対処するためのカードが使われ始め、このデッキは最終的にトーナメントから姿を消したが、デッキ自体は間違いなく有力なものだった。
その後、「指輪物語」に登場する一つの指輪のごとく、このデッキはマジックの歴史の中で埋もれていた。歴史に関する他の物事と同様、『時のらせん』が《永劫の輪廻》を再び引っ張りだす、その時まではね。当時の開発部は、スタンダードにコンボが解き放たれるのではないかと心配していたが、結局のところ《永劫の輪廻》だけなら問題はない、ということがわかった。(そして、おそらく、これよりも《ドラゴンの嵐》を警戒すべきだったろうね。)私はこの頃、《野生の朗詠者》による《永劫の輪廻》コンボ・デッキを組んだことを覚えている。それはペブルスに近いものではあったが、強くはなかった。
それから、《永劫の輪廻》は再び眠りについた......モダン無限デッキの愛好家がそれに目を向けるまでは!
そして我が友である読者たちよ、これが今回のデッキだ。
6 《島》 6 《平地》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《神聖なる泉》 -土地(20)- 4 《メムナイト》 4 《羽ばたき飛行機械》 -クリーチャー(8)- |
4 《急送》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《血清の幻視》 4 《手練》 4 《差し戻し》 4 《爆破基地》 4 《牧歌的な教示者》 4 《永劫の輪廻》 -呪文(32)- |
その戦術とは
前々回でトニー・ユーセフ(や、ダニエルと同じ地元のプレイヤー、デイビッド・ボール)が投稿してくれたペブルス・デッキに触発されたこのデッキは、ブッディが過去に歩んだ道のりをたどろうとするものだ。いくつかのパーツは変更されているが、《永劫の輪廻》コンボの中核――《永劫の輪廻》そのもの――はそのまま残っている。
コンボはこんな感じで動く。まず必要なのは《永劫の輪廻》と《爆破基地》の2つ、それと《羽ばたき飛行機械》か《メムナイト》のどちらか1つの合計3つだ。その後の手順はかなり単純になっている。
- 0マナのクリーチャーを生け贄にして《爆破基地》で1点のダメージを与える。
- 0マナのクリーチャーが《永劫の輪廻》の効果で手札に戻る。
- 0マナのクリーチャーをもう一度出す。《爆破基地》がアンタップする。
- 1~3を繰り返して対戦相手のライフを0にする。
この手順はエレガントで、簡潔かつ美しい。多くのコンボと同じように、その美しさは対戦相手を倒すためのものだけどね。
クリーチャー除去によってこのデッキが崩壊することは無い、というのは興味深い注意点だ。タイミングよく《焼却》されると失敗することが多い《欠片の双子》のようなデッキとは違い、クリーチャーはすぐに生け贄に捧げてしまうので、このコンボを妨害するには何か別の方法が必要だ!
(前々回の記事で確認できる)トニーオリジナルの構築では《鍛えられた鋼》という予備の計画が用意されていたが、このデッキは全てをこのコンボに委ねている。そしてこのコンボは、極めて手堅い。コンボに全力を向ける方針はそのままにしよう。いかに一貫性と効率を追い求められるかが鍵だ。
コンボを助ける別の手法はあるだろうか? より効率的なカードを採用できないだろうか? 調べてみよう!
デッキ詳細
残せるパーツはどれで、放せるパーツはどれだろう? デッキの中のカードをすべてチェックしていこう!
このデッキのクリーチャーは2種類だけだが、この2名のタッグチームこそが勝利に必要なものだ。コンボ開始時までに彼らのうち1枚を引いておく必要がある。しかしながら、コンボを開始するまでは引きたくないし、2枚目以降を引くと死に札になる。デッキに搭載されている全てのカード選別カードにより、ほとんどの場合、これらを何枚も発見できるだろう。
手札に来るのはほぼ確実なので、考えたいのは《メムナイト》と《羽ばたき飛行機械》のどちらが良いかということだけだ。しばしばこれらをチャンプブロック(一時しのぎにしかならないブロック)に使わなければならないことに気づくだろう。したがって、飛行があることと、タフネス1と相打ちが取れること、どちらを必要とするか、という問題になる。
私はどちらの利点も拮抗していると思うので、この2種類を3枚ずつに分けて採用したい。
これは他に代わりが無い。コンボ開始時までに引いている必要があり、似たような効果を持つ別のカードは無い。どのゲームでも引く必要があるので、絶対に4枚全て必要だ。
《永劫の輪廻》同様、このカードも重要だ。これはコンボの主要パーツだ。
しかしながら、《永劫の輪廻》とは異なり、代わりがなくもない。実際に、1マナ少ないコストでほぼ同様の役目を果たせるカードがある。しかもそれは同サイクルのカードだ! 《研磨基地》のことさ。
《爆破基地》の忘れられやすい兄弟、《研磨基地》はこのデッキではかなり優秀な控え選手だ。使いまわそうとしているクリーチャーは全てアーティファクトでもあるので、それらを使って相手のライブラリーを削り取ることができる。
目を引く欠点は、対戦相手のライブラリーに《引き裂かれし永劫、エムラクール》のような伝説のエルドラージがいる場合だ。と言うものの、それ以外のデッキとの対戦の場合は、よりマナがかからない勝ち手段となりうるだろう。かなり無理があるかもしれないが、もしかしたら、白青コントロール・デッキを相手にライブラリー・アウトさせることすらできるかもしれないぞ!
というわけで、《研磨基地》を4枚、《爆破基地》を2枚入れるのがいいんじゃないかな。
このトリオはモダンで結構見かける重要なカード選別カードであり、コンボ・パーツを発見する速度を高めるカードになる。これらより良いものはない。《血清の幻視》と《手練》は必要なカードを発見する助けになり、《ギタクシア派の調査》はマナを使わずに対面を調査して、安全にコンボを開始できるかどうかを確認できる。
この3種が全て4枚ずつ必要なのは間違いない。
青いデッキ、特に青いコンボ・デッキで強力な《差し戻し》は、デッキを掘り進めつつ時間を稼ぐ便利なカードだ。もし適切なタイミングで用いることができれば、そのゲームの序盤を相当支配できるだろう。
しかしながら、《差し戻し》に関係する1つの問題がある。このデッキはマナを立たせておくよりも、序盤からカード選別カードでデッキを掘り進むためにマナを使っていくことのほうが多いんだ。さらに、恐らく《永劫の輪廻》や《研磨基地》《爆破基地》を出すためにマナを全て使い切ってしまうため、実際にはコンボを守る助けにはなりにくい。
代わりに試してみたいのは《呪文滑り》だ。これはブロッカーとして有効だし、アーティファクトやエンチャントを対象とする呪文や能力のほとんどをマナ無しで自身へと向けなおすこともできるので、コンボを開始する助けになる。これは対応するというよりは先手を打つためのもので、こういったデッキではそういうものが必要だと考えている。
モダンで4マナのカードを見つけるために3マナの教示者を使ってマナを全てタップする、という動きに目をみはるところはない――だが効果的ではありそうだ。実際の問題は、《永劫の輪廻》をすでに引いている場合、《牧歌的な教示者》が無駄になるところだ。せいぜい、《メムナイト》か《羽ばたき飛行機械》以外が揃うとき用に《工匠の直感》を1枚採用できるかどうかだろう。
私が行いたいのは、それらを引きすぎないように《牧歌的な教示者》を2枚に減らしつつ、他の状況でカードをよどみなく回すために《予期》を1枚採用することだ。このデッキだと《予期》が《手練》や《血清の幻視》より弱いのは確かだが、《時間の把握》のようにライブラリーの一番上に1枚カードを残すよりは、全部下に送るほうが良いと思う。次善の選択肢としての採用に問題はない。
これはこういったデッキだと万全の除去呪文だが、必要かどうかはどれほど除去が欲しいかに依存する。そして特定のデッキとの対戦で弱く、コンボの助けになるわけではないので、絶対に4枚必要だとは思わない。
あなたの地元のメタゲームに依存するものではあるが、基本的にメインに入るのは多くて2枚までだろう。残りはサイドボードに入れよう。今回の場合は、メインに2枚採用かな。
デッキの枠がいくつか空いたことに気づいただろうか。それは最後に追加したい別の金属術カード、《オパールのモックス》のためさ。このカードは良いマナ加速をもたらしてくれる。それにより予定よりも少し早く3~4マナに到達し、勝利をさらに加速させる。これが生み出す1マナは、このデッキにとっては莫大な加速となるので、絶対に欲しいサポートだ。
ここまででデッキに加えた変更のほかに、《オパールのモックス》をデッキに入れるためにマナベースに少々手を加えた結果がこれだ。
3 《島》 2 《平地》 4 《神聖なる泉》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《霧深い雨林》 1 《金属海の沿岸》 1 《トレイリア西部》 3 《ダークスティールの城塞》 -土地(19)- 3 《メムナイト》 3 《羽ばたき飛行機械》 4 《呪文滑り》 -クリーチャー(10)- |
4 《オパールのモックス》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《血清の幻視》 4 《手練》 2 《急送》 4 《研磨基地》 1 《予期》 2 《爆破基地》 2 《牧歌的な教示者》 4 《永劫の輪廻》 -呪文(31)- |
読者のみんなが構築して、投稿してくれるモダン・デッキは、私を常に喜ばせつづけている。もちろん、今回のデッキも例外じゃない。
このデッキは、もし対戦相手がちょっと出遅れた場合、即座に決着をつけることが可能な類のデッキだ。普通に《オパールのモックス》を引ければ、3ターン目に対戦相手を倒せるぞ!(しかも、本当に最高の手札と引きなら、2ターンキルすら可能だ!)
モダン環境には予期していなかったコンボ・デッキがいくつも登場してきた。このデッキを楽しもう!
今週のマカトール選
今週のマカトール選は、今回のデッキ募集に投稿されてきたほかのデッキをいくつか紹介する項目だ。前々回の記事の性質上、今回紹介するデッキとフォーマットは色々なものが並ぶことになった。さあ、見ていこう。
3 《溢れかえる岸辺》 3 《沸騰する小湖》 2 《乾燥台地》 2 《島》 2 《山》 2 《聖なる鋳造所》 2 《蒸気孔》 1 《神聖なる泉》 1 《平地》 1 《金属海の沿岸》 -土地(19)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《若き紅蓮術士》 1 《瞬唱の魔道士》 4 《どぶ潜み》 -クリーチャー(13)- |
4 《稲妻》 4 《流刑への道》 4 《血清の幻視》 3 《無傷の発現》 3 《思考掃き》 2 《ギタクシア派の調査》 4 《ボロスの魔除け》 4 《稲妻のらせん》 -呪文(28)- |
8 《平地》 4 《剃刀境の茂み》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《森》 1 《ドライアドの東屋》 1 《ペンデルヘイヴン》 1 《寺院の庭》 -土地(21)- 4 《セラの高位僧》 4 《魂の管理人》 4 《魂の従者》 3 《本質の管理人》 3 《貴族の教主》 4 《アジャニの群れ仲間》 4 《縫合の僧侶》 2 《オーリオックのチャンピオン》 4 《台所の嫌がらせ屋》 -クリーチャー(32)- |
3 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 -呪文(7)- |
8 《森》 6 《平地》 4 《豊潤の神殿》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《花咲く砂地》 -土地(24)- 4 《森の女人像》 4 《クルフィックスの狩猟者》 4 《開花の幻霊》 1 《太陽の神、ヘリオッド》 4 《囁きの森の精霊》 2 《古鱗のワーム》 1 《女王スズメバチ》 -クリーチャー(20)- |
3 《見えざるものの熟達》 1 《マナの花》 4 《払拭の光》 4 《光変化》 4 《空封じ》 -呪文(16)- |
10 《森》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《マナの合流点》 2 《平地》 2 《豊潤の神殿》 -土地(21)- 4 《鱗の召使い》 4 《毅然さの化身》 4 《棲み家の防御者》 2 《族樹の精霊、アナフェンザ》 4 《恭しき狩人》 2 《狩猟の神、ナイレア》 -クリーチャー(20)- |
4 《硬化した鱗》 4 《ドロモカの命令》 1 《部族養い》 4 《鼓舞する呼び声》 4 《集合した中隊》 2 《城塞の包囲》 -呪文(19)- |
4 《魂の洞窟》 4 《剃刀境の茂み》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《銅線の地溝》 2 《マナの合流点》 2 《寺院の庭》 1 《平地》 1 《踏み鳴らされる地》 -土地(20)- 4 《ハーダの自由刃》 4 《アクームの戦歌い》 4 《カザンドゥの刃の達人》 4 《オラン=リーフの生き残り》 3 《ジュワーの多相の戦士》 2 《ヘイラバズのドルイド》 2 《オンドゥの僧侶》 4 《カビーラの福音者》 2 《城壁の聖騎士》 -クリーチャー(29)- |
4 《霊気の薬瓶》 3 《硬化した鱗》 2 《流刑への道》 2 《テゼレットの計略》 -呪文(11)- |
7 《山》 4 《古えの墳墓》 4 《裏切り者の都》 4 《沸騰する小湖》 4 《樹木茂る山麓》 -土地(23)- 1 《雷口のヘルカイト》 1 《龍王コラガン》 4 《ボガーダンのヘルカイト》 -クリーチャー(6)- |
4 《金属モックス》 4 《信仰無き物あさり》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《炎の儀式》 3 《師範の占い独楽》 4 《魔力変》 4 《煮えたぎる歌》 4 《ドラゴンの嵐》 -呪文(31)- |
始まりの先へ
次々回には、『マジック・オリジン』のプレビューが始まる!(訳注:ReConstructedの最初のプレビュー翻訳記事は0時掲載の予定です。)そのため、今回はデッキ構築の募集はない。プレビュー開始を待っていてくれ!
質問や感想などがあれば、何でも教えてほしい! 私へのツイートや、Tumblrで気軽に意見を送ってほしい。そうしたら必ず拝見させてもらうよ。
次回は普段とは少し違う内容でお送りする予定だ。それまでは、自分のデッキに好きなシリアル食品の名前をつけてみたらどうかな!
また次回お会いしよう!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
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