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『ゼンディカーの夜明け』コレクター
2020年9月1日
「エクスペディション」が帰ってくる! 「上陸」を持つカードが新たなショーケース版に! 危険と冒険の世界「ゼンディカー」への再訪ということで、『ゼンディカーの夜明け』ではこれまで以上にクールなカードをみんなにお届けするべく、私たちはゼンディカーという世界の本質を改めて見直した。私はマイク・チュリアン/Mike Turian、マジックの主任製品デザイナーだ。『ゼンディカーの夜明け』では、リード・アーキテクトを担当している。ここでは、『ゼンディカーの夜明け』で登場する特別なカード仕様についての詳細をお伝えする! さあ、冒険が待っているから早速始めよう!
(コレクター・ブースターの内容一覧や各仕様のカードが手に入る場所についての情報だけ見たい方は、こちらをクリックしてくれ。)
エクスペディション
「エクスペディション」が帰ってくる! 今回のエクスペディションは、ドラフト・ブースターやセット・ブースター、あるいはコレクター・ブースターをボックスで購入すると手に入るぞ。
- ドラフト・ブースターとセット・ブースターのボックスには、エクスペディション1枚入りのボックストッパーが1つ付いてくる。
- コレクター・ブースターのボックスには、エクスペディション1枚入りのボックストッパーが2つ付いてくる。
ボックストッパーに封入されているエクスペディションは非フォイル仕様で、カード枠の部分が美しく滑らかな高光沢仕上げになっている。この高光沢仕上げについては、滑らかさの点でも耐久性の点でも以前のものより改善されている。デジタル画像ではうまく伝わらないから、ぜひ@wizards_magicのTwitterアカウント(英語)をフォローして実物を紹介する動画を観てみてくれ。
みんなにも早く実物を手にしてほしいね。『ゼンディカーの夜明け』でついに非フォイル仕様のエクスペディション・カードを求めるプレイヤーの声に応えることができて、私も嬉しいよ。
今回のエクスペディションでは、前回の「Zendikar Expeditions」と同様にマジックの歴史に名を残す優れた土地の中から30枚を選定した。エキスパンション・シンボルも、「Zendikar Expeditions」と同じものが印刷されている。これは『ゼンディカーの夜明け』のシンボルと区別することでそれらがスタンダードで使用できないことを示すためのものであり、このシンボルそのものは使用できるフォーマットに影響を与えない。
そしてエクスペディション・ボックストッパーに匹敵するものを作るには、フォイル仕様のエクスペディションしかないだろう! フォイル仕様のエクスペディションはコレクター・ブースターから手に入る可能性があり、およそ6パックに1枚の割合で封入されている。フォイル仕様のエクスペディションも非フォイル仕様のものと同じく高光沢仕上げになっており、内容も同じ30種類だ。
コレクター・ブースターにのみ封入される、フォイル仕様のエクスペディション。そしてドラフト・ブースターやセット・ブースターのボックスに1つ、コレクター・ブースターのボックスに2つ付いてくるボックストッパーに入った、非フォイル仕様のエクスペディション。これらを用意できて、心から満足しているよ。
ショーケース版「上陸」カード
『エルドレインの王権』の「当事者」カード以来、私たちはそのセットの舞台となる世界を象徴する要素を確かめ、カード枠やアートでそれを表現する「ショーケース版カード」を作ってきた。そして『ゼンディカーの夜明け』では、ゼンディカー次元が舞台となるセットに登場するメカニズム「上陸」に注目した。今回の上陸メカニズムが初代の『ゼンディカー』という高みを目指す上で、傑作たる《水蓮のコブラ》の再録は欠かせなかった! 《水蓮のコブラ》の通常版とショーケース版をご覧あれ!
このショーケース版「面晶体」枠と先ほどお見せしたエクスペディション枠の初期バージョンを作成したのは、シニア・グラフィック・デザイナーのジェームズ・アーノルド/James Arnoldだ。『ゼンディカーの夜明け』の上陸持ちのカードに用意されるショーケース版「面晶体」枠について聞いてみると、彼は次のように語ってくれた。
「マジックで最も印象的な世界のひとつであるゼンディカーを形作るのは、幾何学的な自然だ。有機性と精密さが絶妙に混在するそれは、本当に美しい。だから私は、ときに穏やかな一面も見せる雄大な自然に敬意を払い、ゼンディカーという世界を特別なものにする自然の要素をカードに込めたいと思ったんだ」
カード枠のデザインを見てみると、対角に配置された面晶体にカードのアートが収まる構造をしているのがわかるだろう。さらに、面晶体には光り輝く線が走り、活性化していることを示す模様が浮かび上がっている。アートの方は、主任アート・ディレクターのトム・ジェンコット/Tom Jenkotが次のように教えてくれた。
「今回のショーケース版アートの見どころは、自然豊かで陽光降り注ぐ舞台設定や色使いを駆使して、トラベルポスターのようにゼンディカーを表現したことです。この世界の危険さだけでなく、鮮やかさも表現できたと思います」
『ゼンディカーの夜明け』に収録される上陸を持つクリーチャー(数は少ないもののクリーチャーでないカードもあるぞ)には、このカード枠とユニークなアートのショーケース版が用意される。ショーケース版の上陸カードは、ドラフト・ブースター、セット・ブースター、コレクター・ブースターから手に入る。それらのパック製品が同梱されている製品も同様だ。加えて、「Theme Booster」からもショーケース版のコモンやアンコモンが手に入る。
ボーダーレス版のプレインズウォーカーと小道
ボーダーレス版のカードはそれぞれ通常版とは異なるアートで彩られ、キャラクターや場所の異なる一面が見られる。今回のボーダーレス版プレインズウォーカーでは、ゼンディカーでさまざまな危険に立ち向かうプレインズウォーカーの姿を表現したかった。クリエイティブ・マネージャーのアリシア・ミッケス/Alicia Mickesは、そのアイデアについて次のように話してくれた。
「今回のボーダーレス版プレインズウォーカーのアート・コンセプトは、プレインズウォーカーたちのゼンディカーでの冒険を場面ごとに切り取ってまとめ、キャラクターのさまざまな面を映すことでした」
『ゼンディカーの夜明け』のリード・アート・ディレクターを務めたテイラー・イングヴァルソン/Taylor Ingvarssonも、次のように付け加えてくれた。
「今回は、復活した古代文明を登場人物たちが冒険するという物語を伝えたかった。そしてプレイヤーの皆さんにも、スカイクレイブの遺跡を冒険する危険さと、恐れず進んだ先にある宝の貴重さを感じてもらいたかったんだ」
こうして完成したボーダーレス版プレインズウォーカーのアートは、ゼンディカーの本質をうまく捉えたものになった。あまりに良かったから、私たちはそれをポスター用の画像にして店舗向けに配信したんだ。
テイラーはまた、ボーダーレス版の「小道」にも言及してくれた。
「ゼンディカーにいつも驚かされるのは、進むべき道も常にまっすぐ伸びているわけじゃないことだ。この次元の道がどれだけ不安定で歩きにくいものであるかを伝えられるように、力を尽くしたよ」
6種類のボーダーレス版小道は両面カードだから、つまりこの新しい「ボーダーレス版両面カード枠」では、圧倒されるような風景が描かれた新規アートが2つずつ追加されるわけだ。
ボーダーレス版のプレインズウォーカーと小道は、ドラフト・ブースター、セット・ブースター、コレクター・ブースターから手に入る。それらのパック製品が同梱されている製品も同様だ。
拡張アート版
特別なカード仕様が存在しないレアや神話レアについては、「拡張アート版」という形で美しいアートを目立たせることにした。使われるアート自体は通常版と同じだが、アートの部分が広がった独自のカード枠に収められている。
ここで挙げた2枚は、『ゼンディカーの夜明け』の新規メカニズム「パーティー」に関連するカードだ。パーティーの印象を掴むために、テイラー・イングヴァルソンがクリエイティブ・チームに出した指示について尋ねてみた。
「パーティーは今回の主要メカニズムだ。プレイヤーたちがテーブルの反対側からでもパーティーを構成する役職を判別できるように、何としてもそれぞれ独自のビジュアルを持たせたかった。そこで鍵となったのが、優れた冒険者の雰囲気は残しながらもそれぞれの役職に『特技』を与えたことだ」
『ゼンディカーの夜明け』における拡張アート版は、通常のレアまたは神話レアと両面カードのレアまたは神話レアに用意した。とりわけ両面カードの拡張アート版はこれが初めてだから、ぜひ実物を見てほしい。フォイル仕様のものはさらにすごいぞ。『ゼンディカーの夜明け』に収録されるレアや神話レアの中で、上記のショーケース版やボーダーレス版が存在しないものには拡張アート版が存在する。コレクター・ブースターには非フォイル仕様の拡張アート版カードが封入されており、さらに追加でフォイル仕様の拡張アート版カードが入っていることもある。
今回のボックス購入特典プロモは、フォイル仕様の拡張アート版《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》だ。ボックス購入特典プロモは《運命のきずな》や《帰還した王、ケンリス》のような限定カードではなくなるけれど、この拡張アート版はボックス購入特典でのみ手に入るぞ。
コレクター・ブースターの内容
コレクター・ブースターには、これまでご紹介したカード仕様のカードがすべて入っている! 詳しい内容とそれぞれの枠についてご説明しよう。
特別なカード枠のレアまたは神話レア 1枚(フォイル仕様) ― コレクター・ブースターの目玉となる枠がこれだ。この枠で出現するのはレアまたは神話レアのみ。思わず目を見開くようなフォイル仕様のエクスペディションも、6パックに1枚の割合で封入される! フォイル仕様のエクスペディションを引き当てられなくても、フォイル仕様のショーケース版上陸カードやフォイル仕様のボーダーレス版プレインズウォーカーまたは小道、あるいはフォイル仕様の拡張アート版レアまたは神話レアが入っている。
通常のカード枠のレアまたは神話レア 1枚(フォイル仕様) ― 両面カードを含め、『ゼンディカーの夜明け』収録のレアまたは神話レアがフォイル仕様で封入される。
ボーダーレス版またはショーケース版のレアまたは神話レア 1枚(非フォイル仕様) ― この枠では、非フォイル仕様のレアまたは神話レアのみ出現する。ボーダーレス版プレインズウォーカーやボーダーレス版小道、ショーケース版上陸カードが手に入る可能性もある。
拡張アート版レアまたは神話レア 1枚(非フォイル仕様) ― 拡張アート版は今回もコレクター・ブースター限定だ。この枠には両面カードを含め、拡張アート版のレアまたは神話レアが封入される。また、この枠で《スカイクレイブの秘儀司祭、オラー》が手に入る可能性もあるけれど、それは通常アートの拡張版カードであり、ボックス購入特典プロモのアートは特典のみとなっている。
ショーケース版コモンまたはアンコモン 1枚(フォイル仕様) ― 上記でお披露目した画像を見逃してしまった人は、戻ってショーケース仕様のカードを見てくれ! この枠ではコモンかアンコモンしか出現しないものの、それは素晴らしいアートとカード枠に彩られている。コレクター・ブースターからは、少なくとも3枚のショーケース版上陸カードが手に入る。この枠で1枚と、次の枠で2枚だ。
ショーケース版コモンまたはアンコモン 2枚(非フォイル仕様) ― この枠から出現するのは、コモン2枚またはアンコモン2枚、あるいはコモン1枚とアンコモン1枚だ。
通常のカード枠のアンコモン 2枚(フォイル仕様) ― この枠には両面カードを含め、『ゼンディカーの夜明け』収録のアンコモンがフォイル仕様で封入される。ちなみに今回の「モードを持つ両面カード」に合わせて、両面カードのカード枠も改良されている。
通常のカード枠のコモン 5枚(フォイル仕様) ― この枠には『ゼンディカーの夜明け』収録のコモンがフォイル仕様で封入される。なお、この枠では基本土地は出現しない。今回のコレクター・ブースターには、別途フルアート版基本土地の枠があるからだ。
フルアート版基本土地 1枚(フォイル仕様) ― 『ゼンディカーの夜明け』ドラフト・ブースターには非フォイル仕様のフルアート版基本土地が封入されているが、コレクター・ブースターにはその名にふさわしくフォイル仕様のフルアート版基本土地が封入されている。『ゼンディカーの夜明け』では、各土地タイプごとに3種類(全15種類)のフルアート版基本土地が新たに登場する。
両面トークン 1枚(フォイル仕様) ― 『ゼンディカーの夜明け』コレクター・ブースターからは、全12種類のトークンが手に入る。両面カードの片方の面に6種類、もう片方の面にも6種類だ。そして、それらすべてがフォイル仕様になっている!
これらのクールなカードはどうやって手に入れればいいの?
『ゼンディカーの夜明け』で登場するクールなカードの多くが手に入るという点で、コレクター・ブースターが最善と言えるだろう。しかし素晴らしいカードの数々は、他にもさまざまなところから手に入る。『ゼンディカーの夜明け』で発売される各種製品の詳細は、アリ・ツィルルニク/Ari Zirulnikによる記事もあわせて読んでくれ。
エクスペディション ― 非フォイル仕様のエクスペディションは、エクスペディション・ボックストッパーに封入される。エクスペディション・ボックストッパーは、ドラフト・ブースターやセット・ブースターのボックスに1つ、コレクター・ブースターのボックスには2つ付いてくる。フォイル仕様のエクスペディションは、コレクター・ブースターにのみ封入される。
ショーケース版上陸カード ― ドラフト・ブースター、セット・ブースター、コレクター・ブースターのすべてに上陸カードは封入される。
ボーダーレス版プレインズウォーカーや小道 ― ドラフト・ブースター、セット・ブースター、コレクター・ブースターに封入される。
フルアート版基本土地 ― ドラフト・ブースターとセット・ブースターにはフルアート版基本土地が封入される。コレクター・ブースターには、必ずフォイル仕様のフルアート版基本土地が封入されている。また、バンドルセットにはフルアート版基本土地が封入されたドラフト・ブースターが10パック同梱されている他に、通常のカード枠の基本土地も40枚入っている(非フォイル仕様20枚、フォイル仕様20枚)。同様に、統率者デッキにも通常のカード枠の基本土地が収録されている。
アート・カード、シグネチャー版アート・カード、「ザ・リスト」のカード ― マーク・ローズウォーター/Mark Rosewaterによるセット・ブースターに関する記事でも書かれているように、アート・カードと「ザ・リスト」のカードはセット・ブースターからのみ手に入る。
人気次元で「ブースター・ファン」計画が実施されたことで、きっとみんなに気に入ってもらえるような新しいカード仕様を作ることができた。私も『ゼンディカーの夜明け』のパックを開封して遊ぶのが楽しみで仕方ないよ! 今回のカード仕様について何かご意見があったら、ぜひ @mturian のTwitterアカウントまで(英語で)知らせてくれ。最後まで読んでくれてありがとう!
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