READING

読み物

翻訳記事その他

マジック:ザ・ギャザリングについてのマジックのセット

Ethan Fleischer
authorpic_ethanfleischer.jpg

2019年5月23日


 『時のらせん』は、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストにとっての大災害だった。あまりにも複雑だったあのセットがもたらした低迷は、複雑さを管理するためのゲーム・デザインの標準である「新世界秩序」を『アラーラの断片』で導入するまで収まらなかった。

 『時のらせん』は高尚な芸術だった。マジックのセットという形をとった、マジックというゲームの超回顧録は、マジックにはほとんどまったく前例のないものだった。近いものは、銀枠セットだけだったんだ。

 『時のらせん』は、最も熱心なマジック・プレイヤーに報いるものだったけど、その一方で少しだけ熱心だったり新人だったりするプレイヤーを積極的にふるい落とすものだった。

 僕がウィザーズで働き始めた当時、一番好きなマジックのセットは『時のらせん』だった。今でも、『ドミナリア』『コンスピラシー』と並んでトップ3に入っているよ。『アルファ版』からプレイし続けている1人として、私は『時のらせん』は特に僕のために作られているかのように感じたんだ。それは僕だけじゃなかった。『時のらせん』が大好きな人はたくさんいた。でも、大好きな人がたくさんいただけじゃ足りなかったんだ。

 問題は、『時のらせん』が『時のらせん』であることじゃなかった。問題は、マジックのすべてのプレイヤーが出会うことになる主な表象としての『時のらせん』(と『次元の混乱』と『未来予知』)だったんだ。マジックは、芳醇で身近なときに繁栄する。『時のらせん』ブロックは自己言及的で不可解なものだ。

 ただし、妥当でないユーザーにとっては。妥当なユーザーにとっては、『時のらせん』は面白いんだ。どのカードも内輪向けのジョークで、内輪には『時のらせん』は肘で脇腹をつついて「わかるか?」と聞いてくる。『時のらせん』は、マジックに打ち込んだ日々を称えてくれるんだ。

 『コンスピラシー』や『Unstable』といったセットの成功から、僕は「『時のらせん』のような、最も熱心なプレイヤーのマジックへの関わりを称えるセットを作れないだろうか。それをマジックの3か月間の主な表象にするのではなく、補助的な製品にすることはできないだろうか」と考えるようになった。

ハッカソン

 1~2年に1度、僕たちはハッカソンと呼ばれる集中的なデザイン集会を開催している。そこでは多くのデザイナーが1週間仕事の手を止め、新しい製品を創作するんだ。僕のチーム(マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater、アリー・メドウィン/Alli Medwin、ナット・モース/Nat Moes)と僕は、「時のらせん2」というコンセプトを掘り下げた。プレイできるプロトタイプとその製品を説明する文書を、その週の終わりまでにハッカソンを運営していたマーク・グローバス/Mark Globusに渡さなければならなかった。ほとんどの製品の提案では、プレイ可能なプロトタイプというのは切り出した断面、製品の最終版の一部で、その製品の深ささえわかればそれを広げる必要はなかったんだ。

 でも、僕たちのチームにとっては、やろうとしていることを示す一番簡単な方法は4日間で大型セットを作り上げ、そしてそれでプレイすることだった。だからやったんだ。

 このセットはこれ以上ないほど荒削りで、全体としてバランスも悪く、パワーレベルもばらばらだった。それでも、『モダンホライゾン』をドラフトして体験するものの基本はそこにあったんだ。セットの、豊潤で退廃的な未開地だった。マーク・グローバスがデモ・ドラフトの間ずっと笑い続けていたのを見て、僕は勝利を確信したよ。

展望デザイン

 さて、ゴーサインが出てセットを作ることになって、印刷までのスケジュールはかなり厳しいものだった。僕たちはすぐさま飛び込んで展望デザインを始めたんだ。このセットは、スタンダードで使われることなく直接モダン・フォーマットに投入されるという前例のないことをすることも決まった。モダンは成長し続けているので、スタンダードのセットがモダンに与える影響はどんどん小さくなっていくということはわかっていた。モダンのプレイヤーが興奮するようなカードを、スタンダードのバランスを心配することなく作りたいと思っていたんだ。

 『モダンホライゾン』の展望デザインのやり方はすこしいつもと違っていた。僕は、マーク・グローバスと共同でリードを務めた。僕は、会議を主導したりメカニズム的テーマを先導したり、リミテッドのフォーマットを作ったり、カード・デザインを評価して完成させたりといった、デザイン・チームのリードが通常することを担当した。マークは、スタンダードで使えずモダンで使えるセットを作る上でのさまざまで特別な問題に取り組んだんだ。彼は、プレイデザイン・チームと協力して構築向けカードの期待できる空間を識別し、社内の各部署と話し合ってこの普通でない状況の準備をしてもらい、このセットがモダンに与えるべき影響の目標を定め、この製品独自の性質を示す新しい手順を切り開いたんだ。

 展望デザインの終わりまでに、僕たちはこのセットのあるべき姿を掴んでいたよ。

『モダンホライゾン』のデザインの目標

豊潤で複雑なリミテッドのプレイ

 基本セットが単純で基本的な食べ物で、スタンダードで使える人気のセットが素敵な高級料理だとしたら、『モダンホライゾン』は豊潤で退廃的なデザートなんだ。マジックのプレイヤーは複雑さが大好きで、『モダンホライゾン』ではセットに含まれるメカニズムの数やカードに書かれている文章量の上限を広げている。

プレイヤーのマジックへの没頭と熱心さを称える

 このセットは、経験豊富なマジック・プレイヤーだけに向けたものだ。昔のカードや昔の舞台、昔のキャラクターを元にしたカードが大量存在する。

 幅広い「熱心なプレイヤー」がいるので、いろいろな種類のプレイヤーにアピールするカードを作った。メルやヴォーソスを笑顔にしたい。ティミー、ジェニー、スパイクが皆自分向けのカードを大量に見つけられるようにしたい。統率者戦プレイヤーやレガシー・プレイヤー、キューブ・プレイヤー、もちろんモダン・プレイヤー向けのカードを作りたい。

 マジックのセットには、例えば墓地の相互作用とかギリシャ神話とか発明とか、必ず何かテーマがある。『モダンホライゾン』は、マジック:ザ・ギャザリングをテーマとしたマジックのセットなんだ。幸い、経験豊富なマジック・プレイヤーは例外なくマジック:ザ・ギャザリングが大好きだ。

モダンをあっと言わせる

 『モダンホライゾン』は、スタンダードを通らずにモダンにカードを導入する初めてのセットだ。『モダンホライゾン』のカードの多くはそれぞれにモダン環境に入っていくだろうけど、僕らにとって重要なのは、モダンを楽しんでいる人のために、そのフォーマットをもっと楽しくすることなんだ。

反復

 『モダンホライゾン』には、過去のマジックのカードを元ネタにしたカードが大量にある。一般に言えば、派手で、かなりのマジック・プレイヤーが知っているカードを元ネタにしているんだ。ゲームプレイ上の目的から、あまり派手でないカードを元ネタにしたこともある。元ネタがわかりにくくなればなるほど、当然、その新カードはそれ自身で魅力的なゲームの要素にならなくちゃならない。

 この種のアレンジは何種類かに分けられる。

拡大や縮小

 元となったカードの、拡大版や縮小版。拡大したカードの例はあるが、近日公開でまだ表に出ていない。縮小したカードの例は、今日僕が見せるプレビュー・カードの1枚目だ。これまでで最強の装備品・カードの1枚《梅澤の十手》を元にして、コモンのインスタントに変えたんだ。

uDWWxEVs9v.png jp_JlpwW0gXcM.png
合成

 予想外の共通要素を持つ2枚のカードを組み合わせることで面白いカードが生まれた。《Serra Aviary》と《セラの天使》と《崇拝》という、どれもクリエイティブ的にセラに関係したカードを組み合わせて《慈悲深きセラ》を作ったみたいに、特定のカード群を組み合わせて1枚のカードにしたりした。

uDWWxEVs9v.png jp_BKuWVDcRZ1.png

 他にも、僕の2枚目のプレビュー・カードのように、キーワードやキーワードでないメカニズムを含む合成もあるんだ。《接合者の技法》は、『新たなるファイレクシア』に、戦場に出たときにゴーレム・トークンを生成する接合者というクリーチャーがいたことを元にした、カードの形をとったダジャレだ。これらのカードはどれも「splice」という単語を使っていて、これは神河ブロックの連繋(秘儀)メカニズムと同じ単語なんだよ。

uDWWxEVs9v.png jp_OpV7UHGZbC.png

 神河のカードと違って、《接合者の技法》はどんなインスタントやソーサリーにも連繋できる。これはとても強力な相互作用を生み出すかも(例えばストーム・メカニズムと組み合わせるとか)。

カラーシフト

 カラーシフトは、既存のマジックのカードの、色マナ・シンボルだけが違う完全なコピーだ。色の単語やクリーチャー・タイプ、基本土地タイプもそれぞれ変更されてもいい。重要なのは、最終的な結果がカラー・パイに従っていることなんだ。《調和》と《激浪のこそ泥》のようなカードは、今回はふさわしくない。

 3枚目のプレビュー・カードは、カラーシフト・カードの一例だよ。カラー・パイ違反のカード《内にいる獣》を元に、もっとふさわしい色に変えたんだ。

uDWWxEVs9v.png jp_YmKd8LDXha.png
サイクルの拡張

 マジックの歴史上の5枚サイクルの一部が、『モダンホライゾン』で拡張された。5枚サイクルという定義にはちょっと当てはまらないけど、今週パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosaがプレビューした敵対色《地平線の梢》土地5枚もこの分類に入るよ。

uDWWxEVs9v.png
///
//

 他のサイクル拡張にもプレビューされるのがあるから、今後も注目だ。

キーワードの追加

 既存のマジックのカードをもとに、機能を追加するためにキーワードを追加した。マジックのデザインの中で僕のお気に入りの瞬間の1つが、こんなささいなことなんだ。『基本セット2012』で、狂喜メカニズムの前段として《苛まれし魂》を収録した。その次の年、『基本セット2013』で《苛まれし魂》を再録したのは、賛美メカニズムの前段とするためだったんだ! 同じ部品がこれほど違う働きをすることに、僕の中のメルが大喜びしたよ!

 『モダンホライゾン』で忍者の前段を選ぶ段になって、僕は単純なクリーチャーに多相キーワードを持たせることで変化させられる例として《苛まれし魂》を思い出したんだ。こうして、僕の4枚目のプレビュー・カード、《変わり身ののけ者》ができたんだ。

uDWWxEVs9v.png jp_6sO2eWgTsf.png
クリエイティブ的解決策

 バニラ・クリーチャーやフレンチバニラ・クリーチャーといった単純なカードが魅力的になるのは、カード名、フレイバーテキスト、アートのおかげというところが大きい。キャラクターの再登場やフレイバーテキストの冗談、陣営なんかを再登場させることで、最も単純なカードでさえ長期のプレイヤーを称えるものにできるんだ。

回避していたデザイン空間

 『モダンホライゾン』には、『時のらせん』ブロックから流用したテーマがある。ただし、展望デザイン・チームは『時のらせん』ブロックの要素の中で『モダンホライゾン』にはふさわしくないものを特定していたんだ。

  • ミライシフト・カード:『モダンホライゾン』は懐古的なもの。新しいキーワード・メカニズムはなく、飛び抜けて新奇なデザインも避けているんだ。
  • カラー・パイ違反:再録カードも新カードも同じく、スタンダードで使えるセットと同じ、現代のカラー・パイに従っている。
  • あまり知られていないカードをわかりにくい元ネタにしたカード:《嵐雲のジン》は文脈なしでは意味がわからず、その元ネタにしたカード(《Electric Eel》と《雲のジン》)を公開してもクールなイースターエッグにならないカードの一例だ。単に変なだけだね。
  • 近未来のスタンダードで使えるデザイン空間:将来のスタンダードで必要とする空間は避けたんだ。
  • 特殊カード枠:『時のらせん』ブロックでは特殊カード枠を大規模に使った。すべてのカードがモダンで使える『モダンホライゾン』で旧枠を使うのは混乱を招くだけだ。多くのプレイヤーは、カラーシフト枠は『次元の混乱』で混乱すると知っている。『モダンホライゾン』ではミライシフト系のカードはデザインしなかったので、ミライシフト枠は使えないね。

複雑さ

 通常の「新世界秩序」の基準は、『モダンホライゾン』にはまったく適用されない。あの中には、複雑な相互作用の退廃にふけるという目標と矛盾するものもあるんだ。ゲームが必要以上に長引いてしまわないよう、他の新世界秩序の基準には従っている。

  • 理解上の複雑さ:これは、カードを読み、その内容を理解することが主なんだ。『モダンホライゾン』では、理解上の複雑さは高い。理解上の複雑さをだいたい測るために、僕らは「コモン語数」という基準を使っている。セットのコモン語数というのは、そのセットのコモン・カードのルール文の単語数の平均のことなんだ。『モダンホライゾン』のコモン語数は約25.9だ。『時のらせん』のコモン語数は26.5だから、かなり近いんだ。ちなみに、『基本セット2019』は11.1で、『灯争大戦』は16.8。
  • 盤面の複雑さ:僕たちは、通常より高い盤面の複雑さを試した。プレイテスターからの結果は賛否両論だった。僕たちは、盤面の複雑さに関しては、通常よりもいくらかゆとりは認めるにしても、新世界秩序を守ることにしたんだ。盤面の複雑さが高くなりすぎると、安全に攻撃やブロックができるかどうかプレイヤーが判断するのが難しくなって、ゲームは遅くなることになる。
  • 選択の複雑さ:サイクリングのようなメカニズム、墓地で有効なカード、モードを持つカード、起動型能力などは、プレイヤーがしなければならない選択の数を増やしていく。これらは経験豊富なプレイヤーにはとても楽しく、推奨されるものだ。ただし、プレイヤーが混乱して無駄にしている時間がどれぐらいかには注目していて、プレイヤーが考え込んでいるせいでゲームがあまりにも遅くなっていたら、選択が重要なカードの両を減らすようにした。
  • 戦略的複雑さ:戦略的複雑さはいくらか高めたけど、伝統的戦略を代償にはしていない。『エルドラージ再誕』のような、2マナ2/2が何の役にも立たないほど弱い環境にはしたくなかったんだ。
  • カード・アドバンテージ:通常の最善の実装に基づいて、コモンには過剰なカード・アドバンテージは持たせなかった。あまりにも多くのゲームが削り合いになるのはよくないと思ったんだ。コンボでカード・アドバンテージを生み出せるようにするのは楽しいけど、環境が直接、1対1の除去で1枚引く、によって定義されるのは『モダンホライゾン』的には面白い方向じゃなかったんだ。

くまったくまった

 僕が『基本セット2019』のデザインのリードをしているとき、そのセットのテーマを扱う、レアの単色の伝説のクリーチャー5枚のサイクルを作った。緑のは、パワー4以上のクリーチャーを大量に入れたデッキを作ることを推奨していたんだ。ジェームズ・ワイアット/James Wyattはこの伝説のクリーチャーを、「パワー4以上関連」テーマと熊との象徴的つながりを持つ『タルキール覇王譚』のティムール氏族を元に、熊だと位置づけた。最初のスケッチが出来てすぐ、僕は腹の底で嫌な気分になったんだ。この熊はとてもクールで、このメカニズムに全体としてふさわしかった、けどカード・デザインはマジック初の伝説の熊カードに求められていたものではなかったんだ。僕も求めていなかった人の1人なので、その理由を説明しよう。

 僕は、壊れたものが大好きなのさ。

 言ったよ。

 最悪のカードを組み合わせて勝つのが最高に楽しいんだ。無作為に作られたデッキを作ることはできるけど(そしてやったけど)、テーマに深く入っていくのがもっと楽しい方法なんだ。

 ただの熊をテーマにするのが、僕にとって奇妙なほど楽しいことだった。奇妙な運命の巡り合いで、2マナで能力を持たない2/2の熊は5種類以上いる。

 このテーマはとても一般的なので、2マナ2/2のことを俗に「熊」と言うようになった。

 そうなれば、僕が統率者戦用に熊・部族デッキを作ろうとするのは当然だよね。《龍爪のスーラク》を統率者にして、その固有色の熊はもちろん、アートに熊がいるカードを全部詰め込んだんだ。マジックの記事にはデッキリストがあるものだから、ここでご紹介しよう。

イーサンの熊・部族 (統率者:龍爪のスーラク)
統率者戦[MO]
1 《龍爪のスーラク

-統率者(1)-

12 《
7 《
6 《
1 《繁殖池
1 《踏み鳴らされる地
1 《霧深い雨林
1 《樹木茂る山麓
1 《開拓地の野営地
1 《シミックの成長室
1 《グルールの芝地
1 《カザンドゥの隠れ家
1 《神秘の神殿
1 《奔放の神殿
1 《茨森の滝
1 《岩だらけの高地
1 《忘れられた洞窟
1 《統率の塔
1 《Mishra's Toy Workshop

-土地(40)-

1 《幻影の熊
1 《ウルヴェンワルドの足跡追い
1 《灰毛皮の熊
1 《Balduvian Bears
1 《仔熊
1 《森の熊
1 《灰色熊
1 《金属ミミック
1 《ルーン爪の熊
1 《Spectral Bears
1 《熊人間
1 《順応する自動機械
1 《高山の灰色熊
1 《鉤爪の統率者
1 《狩りの統率者
1 《龍傷負いの熊
1 《残忍な精霊信者
1 《Pale Bears
1 《ウルヴェンワルドの熊
1 《ビビアンの灰色熊
1 《野生の獣使い
1 《ドルイドの使い魔
1 《金色熊
1 《カミソリ爪の熊
1 《河熊
1 《シマクマ
1 《自然の伝令、イェヴァ
1 《熊の仲間
1 《真鍮の伝令
1 《Polar Kraken

-クリーチャー(30)-
1 《巨大化
1 《力説
1 《原初の激情
1 《閃光
1 《凶暴な殴打
1 《Really Epic Punch
1 《冬の宝珠
1 《Water Gun Balloon Game
1 《熊の覚醒
1 《熊の谷
1 《末裔の道
1 《森林の好意
1 《暴露する風
1 《時の引き潮
1 《Venarian Gold
1 《野生の言葉
1 《熊の陰影
1 《遠くの旋律
1 《運命の扉
1 《カマールの召喚術
1 《捕食者の衝動
1 《追い返し
1 《魂の鋳造所
1 《旗印
1 《灰毛の定め
1 《冬眠の終わり
1 《激浪の複製機
1 《勝者の戦旗
1 《ヴォルラスの研究室

-呪文(29)-

 モダンで強化するデッキの方向性を掘り下げていて、一番簡単に手が届きそうだったのは部族デッキだった。僕らは『モダンホライゾン』に、いろいろな部族向けのクールな部族褒賞を入れたんだ。部族褒賞をいくらか入れるなら、プレイヤーがさまざまなロードと多相クリーチャーをリミテッドのデッキに入れられるように、低いレアリティに多相を持つクリーチャーをいくらか入れるほうがいい。これらの多相は、僕らがこのセットに……あまり普通じゃない部族のロードを入れることができたということを示しているんだ。ま、冗談半分ということで。

 僕の(僕が手がけた中で一番わがままなセットの中での)ちょっとしたわがままを許してくれるよね。そして最後のプレビュー・カード、《熊の女王、アイユーラ》をお見せするよ。

jp_VCPTVq7eAe.png

 女王陛下バンザイ! 彼女はマジック史上初の伝説の熊ではないけれど、熊部族を報奨する伝説のクリーチャーを求めていた全員が満足すると思うよ。

 僕が完全に無責任だと思われないように、僕らが作る製品のレアや神話レアについてどう感じたかを計る内部の投票を紹介しよう。アイユーラは、『モダンホライゾン』のレア投票で、他の全カードを抑えて優勝したんだ。

 『モダンホライゾン』のカードの中で、僕の熊デッキに入るのはアイユーラだけじゃない。プレビュー期間の、他の素敵な熊にも注目してね。

 これからも『モダンホライゾン』についてどんどん喋りたいと思う。このセットを作るなかで何かを言ってない気がして仕方ないんだ! 僕にとっては好きでやる仕事だったし、カード名やフレイバーテキストも手がけたんだよ! でも今日の枠はそろそろいっぱいだ。Twitterでも『モダンホライゾン』のカードについて話すから、@EthanFleischer をフォローしてほしいな(英語)。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER