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翻訳記事その他
復帰プレイヤーのためのマジック・ガイド
2018年4月24日
『ドミナリア』は文字通り 「記憶」に溢れたセットであり、記憶を喚起するセットです。私も友人の家で床に座って《Skeleton Ship》や《Lim-Dul's Paladin》を駆り、航海の先に立ちはだかるものを退けたあの日々を思い出しています。
実に11年ぶりに訪れるドミナリアですが、私のデッキの好みと同様に変わっていない部分は多くあります。しかし変わった部分も多くあるのは事実です。ここでは、「ドミナリア」という名前や見覚えのあるキャラクターに心惹かれてマジックへ復帰したばかりのプレイヤーの皆さんへ、新たに加わった要素や変わらない部分、再びこのゲームを楽しむための方法などをまとめたガイドをお届けします。
これまで登場した新たな要素をすべてご紹介するわけにはいきませんが(新たなセットが発売されるたびに新たなキーワードが登場していますからね)、大きなものはできるだけご紹介したいと思います。見落としがありましたら、ぜひTwitter(@blakepr)で私へ(英語で)お知らせください。のちほどリストに追加します! なお変更点は5年ごとに項目分けしています――なので7年ぶりに復帰した方は、「5年ぶりの方」と「10年ぶりの方」の項目を確認してください。18年ぶりに復帰した方は、すべてに目を通すことをおすすめします。30年ぶりに復帰したぞという方はタイム・トラベラーか嘘つきのどちらかなので、ここはお引き取りください。
まあ単に読みたい方はすべて読んで、思い出を巡る旅へ出かけるのも良いでしょう。現時点で、巡る場所はたくさんありますから。
皆さん、おかえりなさい。
全員向け
フォーマット
遊べるフォーマットはたくさんあります! 特に人気を集めているのはスタンダード、モダン、ドラフト、統率者戦ですが、シールドデッキやレガシー、ヴィンテージ、Pauper(リンク先は英語)、Canadian Highlander(リンク先は英語)、そして新たに登場したブロールなど、あらゆる遊び方で楽しめます。各フォーマットの詳細については、それぞれのリンク先をご確認ください。
イベント
店舗イベントについては、最近見直されました。あなたがどれくらいぶりに復帰したかにもよりますが、知っているイベントも知らないイベントもあることでしょう。
- マジック初心者体験会:このイベントは新規プレイヤーや復帰プレイヤーに最適なものです。経験豊富なプレイヤーが新規プレイヤーに遊び方を教えるこのイベントでは、参加者にプロモカードも配布されます。
- プレリリース:私としては、これが最高に楽しいイベントだと思います。最新セットをいち早く楽しめるこのイベントは、その場の誰もが盛り上がるお祭りです。中には「深夜プレリリース」を開催している店舗もありますよ。
- ドラフト・ウィークエンド:以前は「発売記念ウィークエンド」として行われていたイベントですが、ドラフトを求める声が非常に多く、公式に「ドラフト・ウィークエンド」となりました。
- フライデー・ナイト・マジック:これは昔ながらのイベントです。毎週金曜日の夜は世界中の店舗でマジックのイベントが開催されます。スタンダードやモダン、ドラフトが人気ですが、プレイヤーの皆さんが望むならどんなフォーマットも楽しめます!
- マジック・リーグ:このイベントは少ないパックで始めることができ、いつでもどこでも気軽に楽しめます。また、3敗するごとにパックを追加してデッキを強化して遊べます。
- スタンダード・ショーダウン:スタンダードのデッキを手に戦い、特別な「スタンダード・ショーダウン賞品用ブースターパック」を獲得しましょう。実にシンプルなイベントですね。
- ストアチャンピオンシップ:以前は「ゲームデー」と呼ばれていたこのイベントは、名前が変わりました。「店舗最強」を決める戦いであるのは変わりません。
動画コンテンツ
ここ最近のことですが、Twitchにマジックの公式チャンネルを開設しました(Twitch.tv/magic:英語)。グランプリやプロツアーの模様から、各種情報発信やMagic Onlineの特別なイベント、特別なプレリリース・イベントまで、さまざまなコンテンツを配信しています。
(編訳より:日本ではニコニコ動画、YouTube、Twitch.tv/mtgjpにて動画コンテンツをお届けしております。)
5年ぶりの方
ちょっと休止していた方にもお伝えしたい新たな要素があります! この5年間で、私たちはマジックに素敵な変化を加えてきました。また、ルールの変更も行われていますので、ぜひご確認ください。
『ドミナリア』におけるルール変更
『ドミナリア』では、カードの見た目やルールに変更が加えられました。詳しくはこちらに書かれていますが、ここでも簡単にお伝えしておきましょう。まず、伝説のクリーチャーや伝説のソーサリー(これも新要素です!)用に新たなカード枠が登場しました。それから、フレイバー・テキストとルール・テキストの間に罫線が引かれるようになりました。「あなたのマナ・プールに{G}を加える」というテキストから「あなたのマナ・プールに」という表記がなくなりました。テキストに「they」の単数形が導入されました(英語版のみ)。「プレインズウォーカーの移し変えルール」が廃止され、多くのカードがエラッタを受けました。その他、テキストの表記が簡潔になりました。各変更の詳細やエラッタを受けるカードの一覧につきましては、ルール・マネージャーのイーライ・シフリン/Eli Shiffrinによる記事(リンク先は英語)をご確認ください。
プレインズウォーカーが伝説のカードに
これにより「プレインズウォーカーの唯一性ルール」は廃止され、さまざまなジェイスを同時にコントロールできます。
1ブロック1セット構成
ドラフト体験の向上や物語を柔軟に展開できるようにするため、1ブロック2セット構成から1ブロック1セット構成に変わりました。『ドミナリア』は『ドミナリア』ブロック唯一のセットです。つまり今後、複数のセットを用いたドラフトは行われません(もちろん皆さんが個人的に楽しむことはできます)。
バンクーバー・マリガン
マリガン・ルールにも微調整が行われました。以前はゲームの開始時に手札をマリガンするか選ぶことができ(かつては土地0枚か土地7枚の手札しかマリガンできなかったことをご存知ですか?)、マリガンするたびに1枚少ない手札を引き直すことができました。それに加えて、マリガンにより手札が7枚より少なくなったプレイヤーはゲームが始まる前に占術1を行うことができるようになりました。
デジタル・ゲーム
デジタル版マジックの最新作「Magic: The Gathering Arena」(リンク先は英語)が、現在クローズドβテスト中です。また、「Magic: The Gathering Puzzle Quest」(リンク先は英語)をはじめいくつかのデジタル・ゲームを開発中です。その一方で、「Magic: The Gathering Online」(リンク先は英語)は15周年を迎えました!
果敢
ときにマジックには新たな常盤木メカニズムが導入され、その最新のものが『タルキール覇王譚』で登場した「果敢」です。果敢は基本的に青と赤の能力であり、果敢を持つクリーチャーのコントローラーがクリーチャーでない呪文を1つ唱えるたび、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+1/+1の修整を受けます。《僧院の速槍》や《僧院の導師》のような果敢持ちは、さまざなフォーマットで活躍しています。
ゲートウォッチ
ここ数年にわたり私たちが注目している5人のプレインズウォーカーによるグループ、それが「ゲートウォッチ」です。ニッサ、ジェイス、ギデオン、チャンドラ、リリアナの5人は『ゲートウォッチの誓い』の頃から力を合わせ、多元宇宙をまたがって戦っています。その後アジャニもゲートウォッチに加わりました。それぞれのキャラクターは以前からいましたが、この6人組(『ドミナリア』でテフェリーが加わるので7人組ですね)が物語の中心になっているのです。もう少し知りたい方は、プレインズウォーカーのページ(米国公式サイト)や物語のページをご覧ください。
エルドラージ
『ゼンディカー』ブロックのエルドラージを思い出したことでしょう。それは最近再び現れ、ゲートウォッチによって退治されました……おそらく。詳しくは、『イニストラードを覆う影』や『戦乱のゼンディカー』の物語をご覧ください。
新たなカード・タイプ
ここ数年で新たなカード・タイプやサブタイプが登場しました。特に面白いのはクリーチャーが「搭乗」することで機能するアーティファクト「機体」と、強力で神秘的なクリーチャーが持つ「神」でしょう。
10年ぶりの方
時間を遡っていくにつれて少しずつ大まかな内容になっていきますが、ご了承ください。過去10年間では、いくつか重要なルール変更が行われ、新たな製品やキーワードが登場しました。中でも大きなものは、『基本セット2010』と『基本セット2014』で行われたルールの変更です。
『基本セット2010』におけるルール変更
この変更により直感的でなかった部分が払拭され、用語もすっきりしました。「場」は「戦場」になり、「ゲームから取り除く」は「追放する」となり、「プレイ」まわりの直感的でない部分が修正されました。現在は呪文を「唱え」、能力を「起動」します。また、このときの変更でマナバーンは完全に廃止され(厄介なルールがなくなりホッとしますね)、戦闘ダメージはスタックを用いなくなり(《桜族の長老》や《モグの狂信者》は弱体化しましたね)、ブロック・クリーチャーの宣言についても更新されました。そして接死や絆魂にも変更が加えられました。
『基本セット2014』におけるルール変更
『基本セット2010』ほど大規模でないものの、『基本セット2014』でも大きな変更が行われました。このときレジェンド・ルールが更新され(プレイヤーごとに適用されるようになり、ついに両プレイヤーが同時に《シヴィトリ・スカーザム》をコントロールできるようになりました!)、現在は(プレインズウォーカーが伝説のカードになったため)廃止された「プレインズウォーカーの唯一性ルール」が導入されました。その他にもいくつか小さな変更があるものの、特に押さえておきたいのはこの2点ですね。
神話レア
『アラーラの断片』にて、「レア」の上のレアリティである「神話レア」が導入されました。細かい封入率は場合によって変わりますが、だいたい通常レアの6分の1ほどと言われています。プレインズウォーカー・カードは神話レアに設定される傾向がありますが、その他の神話レアは各セットの必要に応じて設定されます。公式のカード検索エンジン「Gatherer」にて神話レアの例を確認できるので、ぜひご覧ください。
変身するカード
『イニストラード』にて、ゲーム中に条件を満たすと「変身」する「両面カード」が登場しました。例えば《高原の狩りの達人》を見てみてください。なお、どのセットにも両面カードがあるわけではありません。現行スタンダードでは『イクサランの相克』と『イクサラン』に何枚か収録されていますが、両面ともテキストが印刷されているのに違和感を持たれるかもしれませんね。でも両面カードはスムーズに機能し、とても素晴らしいものですよ。
呪禁
《トロールの苦行者》を覚えていますか? その能力がキーワード化しました。それから《トロールの苦行者》といえば……
再生
現在私たちは、再生を用いないようにしています。ルール上は残りますが、新しいカードには代わりに「破壊不能」を与えています。
新製品
新製品は常に登場していますが、中でも特に注目してもらいたい製品がふたつあります。ひとつは、統率者戦向けに毎年発売される『統率者』シリーズ。もうひとつは昨年再訪した「銀枠」セットです。「銀枠」と聞いて、『Unglued』や『Unhinged』を思い出した方も多いのではないでしょうか。昨年発売された『Unstable』は、好評を博しました。
ファイレクシアが再登場しました!
ジェラードやウルザ、カーンがヨーグモスとファイレクシアの軍勢からドミナリアを救ったことを覚えていますか? そう! ファイレクシアはいなくなった! 大団円のはずでは? 実は終わっていません。カーンはファイレクシアの油に侵され、新ファイレクシアという世界が生まれました。ヨーグモスは滅びたもののファイレクシア人は生きており、今なお多元宇宙の脅威となっているのです。
15年以上ぶりの方
ついにここまで遡りましたね。「ドミナリア」と聞いて興味を引かれたあなたはきっと、人生を振り返ったことでしょう。マジックをプレイしていた子供の頃、ゲーム店を探し歩いたあの日々を。覚え直すべきルールの変更はたくさんありますが、再びマジックを楽しむのはそう難しいことではありません。《セラの天使》は覚えていますか? そのカードは現行のスタンダードにもあり、お好みであなたが持っている古いバージョンのものも使えます。ですがその前に、いくつか知っておくべきことをご紹介しますね。
『第6版』におけるルール変更
『第6版』にて史上最も大きなルール改訂が行われ、あらゆる部分が改善されました。かなり前のことなので情報も古くなっていますが、こちらの記事(リンク先は英語)で変更の大部分が伝えられています。もう「後入れ先出し」と繰り返さなくて大丈夫です。ゲームが快適になりましたよ。
プレインズウォーカー
プレインズウォーカーといえば、彼らがカードになりプレイできるようになったことはご存知でしょうか? そのことを言い忘れていましたね。『ローウィン』で登場したプレインズウォーカー・カードは、今やゲームを大きく左右する存在になっています。
装備品
『ミラディン』で登場した「装備品」は、クリーチャーにつけられるアーティファクトです。槌や剣、盾など、クリーチャーが扱う武器やツールが表現されています。「エンチャント(クリーチャー)」(現在は「オーラ」と呼ばれます)と異なり、装備品をつけたクリーチャーが死亡しても装備品は戦場に残り、その後別のクリーチャーにつけ直すことができます。
15年以上にわたって実施されてきたマジックの変更点を巡る旅は以上です。深く潜ろうとすればまだまだありますが、こういった多くの変更を経て、マジックは偉大なゲームになっています――探求したいだけできる深いゲームに。復帰プレイヤーの皆さんもきっと、すぐにフブルスプが心配になり、ティボルトのファンになり、チーム「Peach Garden Oath」の素晴らしさを称え、《欠片の双子》の解禁を望むようになることでしょう。
おかえりなさい。仲間が待っていますよ。
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