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2013年のプレミア・プレイの全体図
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2013年のプレミア・プレイの全体図
Helene Bergeot / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年12月10日
私たちは過去12ヶ月、長い旅をしてきました。ワールド・マジック・カップとマジック・プレイヤー選手権の開催、プロ・プレイヤーズ・クラブの再編、プレインズウォーカー・ポイントによる招待システムへの変更、そして大幅拡充されたグランプリ。2012年はまさに変化の年だったと言えましょう。
また、この2012年は組織化プレイに関する情報のプレイヤーの皆さんとの共有、意見交換も進化すべく努力してきました。この努力は今日も続けられており、2013年に何をするべきか検討しています。
2013年のグランプリ日程が決定し、全世界で45個のグランプリが開催されることになりました。2012年にグランプリの日程を大きく拡張したときに、私たちの目標はグランプリ経験をより多くのプレイヤーの皆さんに提供することでした。私たちはその目標を2013年にも続けていきます。マジック・プレイヤーの数(イベントに参加しているプレイヤーの数)に応じて、地域ごとにグランプリを割り振ります。現時点では、世界のマジック・プレイヤーの60%は北米に、25%はヨーロッパに、10%は(日本を含む)アジア太平洋に、5%がメキシコなど中南米にいる、となっています。
2013年のグランプリの割り当てはこの割合を元に、地理的特性を踏まえてアジア太平洋を少し増やしたものになっています。この比率はその地域で行われた全てのマジック・イベントに基づくものであり、特定の国や都市でのグランプリの参加人数に基づくものではないということを明記しておきたいと思います。2013年のグランプリの全リストは、この記事の最後にフォーマットとともに掲載されています。
日程の拡張により、今までにないほどグランプリへの参加は簡単になりました。そしてプレイヤー数もまた記録を更新しています。この増加を踏まえて、2012年12月のグランプリ・インディアナポリスから、参加者が1200人以上となったグランプリにおいては、プロツアーへの招待(とトラベル賞)をトップ8にまで拡大することにしました。また、同じくインディアナポリスから、新しいグランプリ・プロモカードとして《原始のタイタン》が参加者全員に配られるようになります(在庫のある限り)。このプロモカードが配布終了するのは6月のヒューストンあたりになりますが、2012年と同じように、2013年の後半にはまた違うプロモカードがプレイヤーに配られることになります。
ワールド・マジック・カップとマジック・プレイヤー選手権
アムステルダムで8月2?4日に開催されるワールド・マジック・カップには、いくらかの調整が加えられます。ワールド・マジック・カップの参加者から、1日目の足切り後に行われるチーム・シールドデッキ部分に参加できないのが残念だという多くのご意見を頂きました。2013年には、このフィードバックを踏まえてフォーマットの合理化を行います。1日目には基本セット2014のチーム・シールドデッキを3回戦、共同デッキ・チーム・スタンダードを4回戦行ってから上位32チームへの足切りを行います。ワールド・マジック・カップに参加するチームは、変わらず、ワールド・マジック・カップ予選の優勝者3人と(プロ・ポイントに基づく)国内王者1人の4人で編成されます。しかしながら、2013年には、イベント途中での3人への足切りはありません。チーム内で、各フォーマットでどの3人が戦うかを選ぶことになります。なお、どのメンバーも各日必ずどちらかのフォーマットでは戦わなければなりません。
2日目は、対戦の興奮を盛り上げるため、2012年と同じく4チームをポッドとするシステムを用います。2日目の第1ステージはラヴニカへの回帰・ブロックを用いたチーム・シールドで、16チームに絞った後の第2ステージは共同デッキ・チーム・スタンダードとなります。決勝進出の8チームは日曜日、シングル・エリミネーションで共同デッキ・チーム・スタンダードで対戦することになります。
2012年ワールド・マジック・カップ王者・台湾代表チーム 左から、Tung-Yi Cheng、Tzu-Ching Kuo、Yu Min Yang、Paul Renie |
2012年のこのイベントからもう一つ省かれたのは、プレイヤーの皆さんから不満が出た2日目の複数の構築フォーマットです。そのチームがこのイベントのその部分に参加できるかどうかもわからない状況では、そのフォーマットに向けての十分な調整はできませんでした。そこで、2013年には、誰がチームのスタンダード・デッキを構築することに集中するか、誰がチーム・シールドデッキに専念するかを前もって決めることができるようにしました。共同デッキ構築ルール、すなわちチームの3つのデッキを通して同名カードを合計4枚までしか使えないというルールによってデッキに多様性が生じるので、ミラーマッチばかりにならないことでしょう。
本年のワールド・マジック・カップ予選の運営から様々なことがわかりました。71カ国で予選が開催され、それまで縁遠かった多くの国にもプレミア・プレイの最高峰への入り口が作られました。2013年にもまた、多くの国々が参加してくれることでしょう。ワールド・マジック・カップ予選は4月から6月まで開催されます。さらなる情報やその日程については、来年の早いうちに公開される予定です。
ワールド・マジック・カップとプロツアーの賞金総額が、イベントあたり25万ドルに増額されたということもお知らせしておきたいと思います。世界最高のマジック・プレイヤーたちに手渡される金額は、なんと、100万ドルにのぼったのです。
ワールド・マジック・カップがマジック最強国を決めるためのものであるのと同じように、マジック・プレイヤー選手権は12ヶ月の成績を加算するのではなく直接対決によって年間最優秀選手を決めるためのものです。年間最優秀選手という称号は、マジックの歴史を通して最高の名誉であり、マジックの最強を示すものです。しかしながら、他の称号、つまり「世界王者」という称号の方がより広く訴求するものであるということも理解しています。そこで、2013年には、マジック・プレイヤー選手権は世界選手権と改称し、その優勝者はマジック世界王者となります。年間最優秀選手という称号は、再び、12ヶ月のプロ・シーズンを通してもっとも多くのプロ・ポイントを得たプレイヤーに与えられるようになります。
世界選手権は16人のプレイヤーのみが参加できるイベントであり続けます。招待は、今年と事実上同じ条件によります。このイベントでは構築が2つ(モダンとスタンダード)、ブースタードラフトが2つ(モダン・マスターズと基本セット2014)の合計4つのフォーマットを行い、トップ4の決勝をモダンで行うことになります。世界選手権はアムステルダムで開催されるワールド・マジック・カップと合同で行われ、7月31日から5日間のマジックの祭典となります。水曜日と木曜日は世界選手権のスイス式ラウンドを行い、金曜と土曜がワールド・マジック・カップの1日目と2日目、そして日曜日は王者の日と銘打って世界選手権の決勝とワールド・マジック・カップの決勝を行います。5日とも生中継が行われ、マジック史上最大の視聴者数を刻むことになるでしょう!
プロツアー予選
プロツアーへの第一の入り口であるプロツアー予選(PTQ)もまたプレミア・プレイの重要な足です。プレイヤーがプロツアーへの招待を目指す準備を万全にできるようにするため、完全な情報や日程についてシーズン開始の4週間前までに告知できるようにすることが私たちの目標です。このポリシーは12月22日に始まるプロツアー「ドラゴンの迷路」から適用されます。
通常よりも早くプロツアー「ドラゴンの迷路」予選の日程を公開するようにした結果、その地域でのPTQ同士、あるいはPTQとグランプリの間での日程が衝突するという反応が起こりました。日程の衝突を可能な限り減らすのは私たちの目標ですが、グランプリ(や、一般的にマジックのイベント)の数の増加により、衝突を避けることは非常に難しくなっています。さらに、あるプレイヤーが日程が衝突していると感じても、他のプレイヤーはそう感じないこともあります。そこで、衝突を完全に避けられるようにすることはできないとご理解を頂くことが必要となりました。
プレイヤーの体験を向上させることは私たちの最優先事項で、これは2013年にも変わりません。プロツアー「ドラゴンの迷路」の予選ラウンドから、私たちはPTQプログラムに2つの変更を加えました。1つめに、PTQシーズンの情報ページにある通り、全世界でトップ8決勝に進んだプレイヤーは特製のプレイマットを手に入れるようになります。2つめに、プロツアー予選の優勝者は期間プレインズウォーカー・ポイント1000点のボーナスを得ます。このボーナスはマジック・オンラインPTQを含む全てのPTQの優勝者に与えられます。
PTQトップ8に進んだプレイヤーは特製のPTQをテーマとしたプレイマットを与えられます |
プロツアー予選で優勝したプレイヤーはそれ以上PTQでプレイできませんので、グランプリの不戦勝を得るためのプレインズウォーカー・ポイントを稼げるような高倍率のイベントに参加できないということが起こっていました。この変更によって、PTQの優勝者はそのシーズンと次のシーズンのグランプリで2回戦の不戦勝を得られる750点を自動的に超えることになりますし、店舗でのイベント参加などを経れば1500点も見えてきます。この変更の前提となっているのは、グランプリでの不戦勝を求めているプレイヤーがPTQで優勝することの「不満」に答えるということ、同時に参加者の増え続けているPTQで優勝することの難しさを認めているということです。
マジックが成長し続けていく中で、私たちは私たちのプログラムがどう受け取られているか確認し続け、私たちのイベントを世界中にもっとも良く広められるようにしていきます。これらのプログラムについてのより詳細な情報については、更新されたプレミア・イベント招待ポリシーをご確認ください。
来年のマジック・イベントにおける皆さんの体験の質を向上させるため、皆さんからの反応を募集します。ツイッターでは@HeleneBergeotです。私はこれらの変更についての皆さんからの反響や、プレミア・プレイのイベント環境を可能な限り素晴らしいものにするための皆さんのアイデアを頂くことが本当に楽しみなのです。
イベント名 | 日付 | フォーマット |
グランプリ・インディアナポリス | 2012年12月22-23日 | ラヴニカへの回帰・リミテッド |
グランプリ・デンバー | 2013年1月5-6日 | レガシー |
グランプリ・アトランティックシティ | 2013年1月12-13日 | スタンダード |
グランプリ・シンガポール | 2013年1月12-13日 | ラヴニカへの回帰・リミテッド |
グランプリ・ビルバオ | 2013年1月19-20日 | モダン |
グランプリ・シドニー | 2013年1月19-20日 | ラヴニカへの回帰・リミテッド |
グランプリ・ロンドン | 2013年2月9-10日 | ギルド門侵犯・リミテッド |
プロツアー「ギルド門侵犯」(モントリオール) | 2013年2月15-17日 | スタンダード / ブースタードラフト |
グランプリ・ケベックシティ | 2013年2月23-24日 | スタンダード |
グランプリ・シャーロット | 2013年2月23-24日 | ギルド門侵犯・リミテッド |
グランプリ・横浜 | 2013年3月2-3日 | ギルド門侵犯・リミテッド |
グランプリ・ヴェローナ | 2013年3月9-10日 | スタンダード |
グランプリ・リオデジャネイロ | 2013年3月9-10日 | スタンダード |
グランプリ・サンディエゴ | 2013年3月16-17日 | モダン |
グランプリ・ユトレヒト | 2013年3月16-17日 | ギルド門侵犯・チーム・リミテッド |
グランプリ・ピッツバーグ | 2013年3月23-24日 | ギルド門侵犯・リミテッド |
グランプリ・ストラスブール | 2013年4月13-14日 | レガシー |
グランプリ・ポートランド | 2013年5月11-12日 | モダン |
グランプリ・北京 | 2013年5月11-12日 | ラヴニカへの回帰・ブロック・リミテッド |
プロツアー「ドラゴンの迷路」(サンディエゴ) | 2013年5月17-19日 | ブロック構築 / ブースタードラフト |
グランプリ・グアダラハラ | 2013年5月25-26日 | スタンダード |
グランプリ・プロビデンス | 2013年6月8-9日 | ラヴニカへの回帰・ブロック・チーム・リミテッド |
グランプリ・ヨーテボリ | 2013年6月8-9日 | ラヴニカへの回帰・ブロック・リミテッド |
グランプリ・ヒューストン | 2013年6月15-16日 | ラヴニカへの回帰・ブロック・リミテッド |
グランプリ・ラスベガス | 2013年6月22-23日 | モダンマスターズ・リミテッド |
グランプリ・バンコク | 2013年6月22-23日 | ラヴニカへの回帰・ブロック・リミテッド |
グランプリ・マイアミ | 2013年6月29-30日 | スタンダード |
グランプリ・カンザスシティ | 2013年7月6-7日 | モダン |
グランプリ・カルガリー | 2013年7月27-28日 | スタンダード |
グランプリ・リミニ | 2013年7月27-28日 | 基本セット2014・リミテッド |
世界選手権(アムステルダム) | 2013年7月31-8月4日 | 混合 |
ワールド・マジック・カップ(アムステルダム) | 2013年8月2-4日 | 混合 |
グランプリ・ワルシャワ | 2013年8月10-11日 | スタンダード |
グランプリ・北九州 | 2013年8月24-25日 | スタンダード |
グランプリ・オークランド | 2013年8月24-25日 | 基本セット2014・リミテッド |
グランプリ・プラハ | 2013年8月31-9月1日 | 基本セット2014・リミテッド |
グランプリ・デトロイト | 2013年9月14-15日 | モダン |
グランプリ・オクラホマシティ | 2013年10月5-6日 | "Friends" リミテッド |
グランプリ・ブリスベン | 2013年10月5-6日 | モダン |
プロツアー"Friends"(ダブリン) | 2013年10月11-13日 | モダン / ブースタードラフト |
グランプリ・ルイビル | 2013年10月19-20日 | スタンダード |
グランプリ・香港 | 2013年10月19-20日 | "Friends" リミテッド |
グランプリ・アントワープ | 2013年10月26-27日 | モダン |
グランプリ・サンチアゴ | 2013年11月2-3日 | スタンダード |
グランプリ・バレンシア | 2013年11月9-10日 | "Friends" リミテッド |
グランプリ・ワシントンDC | 2013年11月16-17日 | レガシー |
グランプリ・アルバカーキ | 2013年11月23-24日 | スタンダード |
グランプリ・京都 | 2013年11月23-24日 | "Friends" チーム・リミテッド |
グランプリ・トロント | 2013年11月30-12月1日 | "Friends" リミテッド |
グランプリ・ウィーン | 2013年11月30-12月1日 | スタンダード |
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