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プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その3

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プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内 その3

The Magic Creative Team / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori

2012年9月19日


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 この記事は「プレインズウォーカーのためのラヴニカへの回帰案内」の第三回となる。第一回ではラヴニカそのものとセレズニアギルドについて、第二回ではイゼットとゴルガリの両ギルドについて述べた。今回、アゾリウスとラクドスの両ギルドでこのシリーズは完結となる。

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 ラクドス教団は強力なデーモンであるラクドスに従う、快楽主義者とサディストと犯罪者と精神病質者の一大集団である。ラクドス教団は破壊的衝動と快楽への欲求を併せ持っている。その構成員達は、単に愉快であるという理由で嗜虐性と残忍性を示す。過激な娯楽と自分自身の悦楽が彼らの目的である。ラヴニカを思いのままにしようと望む彼らにとって、目の前や近くに居合わせた者は、恰好の獲物となってしまう。

 穢すものラクドスがギルドの明白な長ではあるが、それ以上に、ラクドスに正式な組織というものは存在しない。この教団の信者は規則や自分たちの自由を抑制するものはすべて忌み嫌っており、主人である悪魔を喜ばせようという認識以外の法は存在しない。日中彼等は白昼堂々互いを攻撃し合い、夜には同じ乱痴気騒ぎへと赴く。表面上、このギルドの活動はゆるやかに繋がる「リング」によって運営されている。それぞれのリングは、影響力を持ち交易品なども手掛け、自らの信奉者まで擁するリングマスターなる人物が率いている。利己主義と快楽主義が教団員の行動の指針であり、彼等が結果について考えることはほとんどない。ラクドスの構成員達は自身が楽しむという欲求に突き動かされ、その過程で彼らが害をなす事について気にとめはしない。


アート:Vincent Proce

 穢すものラクドスは何千年もの間生きてきた。我々が最後に見た彼の姿は、意識を失った彼の身体がリックス・マーディの溶岩穴へと投げ入れられるというものだった。だが今、ラクドスは目覚め完全な力を取り戻した。彼はラクドス教団を完全に掌握し、構成員の生存率は低いにもかかわらずギルドは繁栄し成長している。教団員の気質は快楽主義と破壊的邪悪の間全般に広がっているが、ラクドスはその延長線の終端に位置している。彼は破壊的邪悪、よじれた娯楽の全てを内包している。

 ラクドスの年齢や素性は定かではない。彼は移り気で誇大妄想癖がある。彼はあらゆる物事が大がかりに起こることを望んでいる。ある時、彼は役者達を眺めて満足の雄叫びを上げる。次の瞬間、彼は役者達に火をつけるよう命じ、彼らが焼け死ぬのを見て残酷に笑う。彼には人々を惹きつける神秘的な魅力があり、信奉者達へと彼らのよじれた欲求を満たしてやることで報いる。大虐殺と肉欲的な歓楽――それがリックス・マーディの信用通貨である。

 ラクドスが覚醒している間は、疑いようもなく彼が注目の的となる。殺害だろうと切除だろうとその気紛れな望みは叶えられ、信者は主を喜ばせるためならばどんな犠牲も厭わない。ラクドスは数日間に渡って眠りにつくことがあり、この時は信者も殺戮と混沌の手を緩める。その代わりにリックス・マーディには政治的な空気が漂うようになり、血魔女達は支配を画策する。だがラクドスが目覚めると、またしても流血と騒乱の乱痴気騒ぎが始まる。

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ラクドスのリング

 ラクドス教団は、保護や教団への所属と引き換えにラクドスに賛辞を捧げる人々の流動的な集まりである「リング」からなる。ラクドス教団への所属は形式的な協定ではない。自身がそうであると認めること、逸脱性を共有すること、そして道徳観念の欠落を正当化し共有することである。目下主要なラクドスのリングは九つ存在し、幾つかは他よりも堕落している。そしてそれぞれがリングマスターと呼ばれる、究極的にはラクドス自身へと通じている下位の指導者に率いられている。リングの数は流動的であり、ラヴニカにおける評判やラクドスの気まぐれ、そしてリングマスター個々の勢力争いに左右される。

 リングは彼らが経営するクラブの物理的所在地の周囲を縄張りとし、必要とあらば暴力をもって縄張りの支配を主張する。多くのリングが複数のクラブを経営しているが、それらは大規模殺戮や大火事や何かが発生し、他のギルドの法の強制によって閉鎖されるまで数週間から数ヶ月しか続かないこともある。


アート:Jason Felix
娯楽クラブ

 現在、五つのリングがラクドス系列の娯楽クラブを提供している。クラブはあらゆる種類の食事と飲み物、歪んだサーカスの余興、浴場施設、そして身の毛のよだつような道化の茶番劇を売り物としている。ラクドス構成員の多くがこれら娯楽クラブの従業員や役者、取り巻きとして関わっている。教団員の多くは若く、乱痴気騒ぎの夜型生活と低級な犯罪に生きる傾向にある。ラヴニカ中で不法占拠の放浪生活を送るでたらめな「ファミリー」と同様に、教団員間にも多くの争いが存在する。多くの教団員の人生は厳しく、長生きはできない。

放蕩クラブ

 現在、三つのリングが放蕩クラブを提供しており、それらは通常、堕落の程度がより大きい。これらのクラブは多様な娯楽、刺青や傷害、ピットファイト他のサービスを提供している。そのほとんどは一般大衆が見てそれとわかるような明白な店構えを出してはいない。彼らの元に集いたいと願う者達は高額の入場料、もしくはラクドス個人への貢物を支払わねばならない。

拷問者

 拷問を売り物とするリングが一つだけ、リックス・マーディの奥深くに位置している。ラクドスはこの苦痛を与える「娯楽」を血魔女と彼女らのマゾヒスティックな下僕や取り巻きのために託している。これは最も堕落したリングであり、犠牲的な殺人が任意と不本意の両方で行われている。リックス・マーディの溶岩穴から離れた洞窟の一つは、あらゆる種類の拷問用具で満たされている。


リックス・マーディのギルド魔道士》 アート:Karl Kopinski
迷宮の宮殿、リックス・マーディ

 ラクドスが住まう場所は地底街の溶岩穴の周囲に建てられた本拠地、リックス・マーディである。リックス・マーディまで最短距離で行くには、ワームによって地下深く掘られ太い石柱がそびえる古えのトンネルへと続く、巨大な石の階段を下りて行かねばならない。ラクドスの構成員達はこの地下通路を「悪魔の玄関口」と呼んでいる。崩落しかけたトンネルの壁は色鮮やかな旗と太古の血痕で覆われている。これら色あせ、引き裂かれた旗には娯楽クラブと「祝祭」を売り込むだけでなく、ありとあらゆる種類のグロテスクな行為が描かれている。これらが作り出す暗黒のカーニバルの雰囲気は、君がリックス・マーディに到着するまで続く。地底街へと下りてゆくにつれ、気温は上昇する。あらゆるものが壁や地面を枝分かれして伝う融けた岩の赤い輝きで照らされている。ラヴニカが都市に覆われる以前、この一帯は火山であった。火山の頂上は遠い昔に削られ、建造物に取って代わられたが、融けた核と溶岩穴は今も生きている。

 リックス・マーディは中庭の先に建っており、華美な石造りの殿堂の両脇には溶岩が絶えず溢れるゴツゴツとした玄武岩の柱が見える。ラクドスのこの本拠地の中で、実際の建物らしく見えるのはリックス・マーディの正面だけである。その内部は大きな自然の洞窟で、天井は高く、広大な溶岩の湖が横たわっている。


ラクドスのギルド門》 アート:Eytan Zana
祝祭の庭

 リックス・マーディの正面には遺棄された広大な中庭があり、その中心には摩耗した大きな泉が位置している。その泉の中央には、かつては美麗であった立ち上がるケンタウルスの彫像が部分的に破壊され、様々な物質で汚されている。中庭は軽業師の一団が備品を置き去りにして逃げ出したように見える。緩いタイトロープが中庭に張られている。数台の空中ぶらんこが錆ついた鉤からぶら下がっている。人間サイズの木製の檻が横転して放置されており、使用目的の定かでない尖った道具がでたらめに散らばっている。近づいて見ると、全てのものに血が飛び散っている。この中庭はラクドスの最も悪名高く破滅的な祝祭の場である。

ラクドスギルド内の役割

暴動の魔道士

 この魔道士達はラクドスの祝祭を先導する。彼らはしばしば芝居がかって混沌とした個性と多彩な名前を持ち、ピット・ファイターとして張り合っている。彼らはいかにしてショーを進め、傍観人達を扇動して祝祭に加えるかを心得ている。ラクドスの構成員達はこれらの祝祭をこよなく愛するが、後に瓦礫を片付け葬儀を執り行うべく残される一般市民にはひどく嫌われている。ラクドスの祝祭は教団員達への報酬だけではなく、住人達が気をそらされている間にその手に入れられる物は何でも盗むラクドスの盗賊達のためのものでもある。

血魔女

 彼女らは強大な力を持つ幹部の魔女達であり、リックス・マーディに居住し、ラクドスへの忠告者となっている(もしくはそうであることを許されている)。現在最も力を振るっているのはエクサヴァであるが、彼女もその地位を維持するために熱心に活動している。ラクドス教団内で起こる政治的工作のほとんどはこの魔女達の間で起こり、そのほとんどは女性からなる。ラクドスは混沌と残酷さを尊ぶため、血魔女達は自身の力と権力への願望を抑えながらも、これらを洗練させている。

人足

 彼らは娯楽クラブや道楽クラブで働く、もしくは祝祭の間に暴動魔術師を補佐する教団員達である。人足はクラブに入り浸る教団員で、血飛沫を掃除し、死体を引きずり出して別の地区の排水溝へ放置するなど、リングマスターが必要とするあらゆる仕事を行う。これは正式な雇用契約ではなく、人足は通常、現金以外の何かを報酬として受け取る。


不気味な人足》 アート:Steven Belledin
ラクドスの用心棒、棘打ち

 彼らはその名を今や現存しない、犠牲者達の口を棘で貫いて殺害したグループから取っている。リングマスターはそれぞれ棘打ちを雇い、その暴力を制御している――それが制御か扇動かは問題ではない。棘打ちの中には独自のギャング団を形成する者達もおり、それぞれが苦痛の儀式を行っている。棘打ちギャング間の抗争は賭けと聴衆の参加で完成するラクドスの見世物スポーツでもある。ギャング団の一つ、「虐殺乙女」の棘打ち達はその手当たり次第の暴力で特に名高い。棘打ちとなる種族にはオーガが多い。途方もない腕力を持つことに加え、彼らは良い子分となりえ、自身の事を考える程の理解力を持つ、または複雑な命令を遂行できる者は稀だからである。

向こう見ず

 彼らはラクドスの芸人達である。この名で呼ばれる者達は軽業師からキャバレーの踊り手、一輪車乗りのグレムリンまでの全員を含んでいる。向こう見ずの多くは娯楽に見せかけて身の毛のよだつような誇示的殺害を行う逸脱殺人者達である。向こう見ず達の多くは自身の力ではラクドス教団を生き延びることのできない小型の人型生物達であり、それを彼らは「芸術的」であることによって埋め合わせている。良い芸人であることは生き延び続けるのに十分な資産となりうる。


戦慄掘り》 アート:Wayne Renolds

他のギルドに対するラクドスの態度

 アゾリウス:「アゾリウスを踊らせたいか? 背骨をはぎ取って操り人形にしてしまえ」

 ボロス:「殺しの練習に天使はもってこいだな」

 ディミーア:「手を汚すのを厭わないのはいいだろう。だがもっと生を楽しんだらどうだ」

 グルール:「粗末で愚かな従兄どもよ。革の切れ端と肉の塊よりも素晴らしいものがあるぞ。それとも、そうだな。少なくとももっと楽しい使い方がな」

 ゴルガリ:「茸にあそこまで手間をかける惨めな奴らを楽にしてやろう」

 イゼット:「退屈にもほどがある。とはいえ、ばかでかくて素晴らしい爆発はいい暇つぶしだ」

 セレズニア:「無私無欲の皮をかぶったドライアドは実にラクドスの殺戮本能を駆り立てる」

 シミック:「誤った理由で自然を混乱させる、頭のおかしい奇人どもだ」

 オルゾフ:「山ほどの規則よりも悪いものが一つだけある。その規則を他へと押しつける力を持つ馬鹿どもだ。ラクドスに力を!」

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 高等判事団としても知られるアゾリウス評議会は、ラヴニカの表向きの政府である。アゾリウスが定める無数の法令はほとんど無視されているのだが、彼らは自らを他の全ギルドの活動を調停し、管理する立場にあると捉えている。しかし、それはアゾリウス評議会が無力だというのではない――その正統性と影響力は経済状況や文化の動向、そして他のギルドの活動に応じて増減している。最良の時には、究極の階級組織であるアゾリウス評議会はまさしく先見の明を持ち、公明正大な存在である。最悪の時には、そのギルドは冷たく無意味で、官僚的な存在である。


至高の審判者、イスペリア》 アート:Scott M. Fischer

アゾリウスギルドの構造

イスペリア、至高の審判者

 スフィンクスのイスペリアが現在のアゾリウスのギルドマスターとなっている。スフィンクスは何よりも孤独を尊ぶ超然とした存在であるため、イスペリアにギルドを統べるよう納得させるには何年もの時間を要した。だがギルドパクト無きラヴニカでは犯罪と混乱が蔓延し、住民達が声高に法とその執行を求め叫ぶようになってイスペリアは己の性向など問題にならないほどに自身の力が必要とされていることを悟った。

三柱

 アゾリウス評議会を成す三柱の構造はギルドのほぼ創設時から存在し続けていたが、一万年の間それは形式的なものであり重要視されていなかった。ギルドパクトの失効とプラーフ再建の中でアゾリウスはその構想を復活させ、三柱はギルドの構造と階級の中で意義深く、有力なものとなっている。

  • ソーヴァ隊:司法部に相当する。この柱は判決を下し、調停を行い、和解を勧告し、アゾリウスの法の影響力を研究する。

  • ジェーレン隊:これはギルドの立法を担当する。彼等は法の事実上の作成者であり、新たな法の必要性を査定し、彼らの専門的言語を明文化することを含んでいる。

  • リーヴ隊:法を執行するとともに実践することがリーヴ隊の領域である。

アゾリウスギルド内の役割

 ギルドは魔法の使用を三つの機能に分担する傾向にある。制定、維持、洗練(あるいは建造、守備、改良)。これらの機能は三柱(ジェーレン、リーヴ、ソーヴァ)へと明白に分割されているように見えるが、三つの機能全てが三柱全てに表れているのが見てとれる。例として、

軽騎兵と歩兵隊

 アゾリウスの軍隊の大部分はリーヴ隊に属するが、大まかには騎乗兵と非騎乗兵とに分けられる。軍馬やグリフィン、大型の獣に騎乗した兵士達は軽騎兵と呼ばれる。例としてグリフィン乗りは空騎兵となる。騎乗でない部隊は全て歩兵隊となる。アゾリウスの歩兵隊はファランクス、密集陣形の訓練を受けている。槍を用いるファランクスも存在するが、魔術師達を背後にタワーシールドを構えるファランクスは、群衆を制御するためのアゾリウス独特の戦略となっている。


アート:Seb McKinnon
法術士と神聖術士

 アゾリウスの方法論における大転換――魔法によって執行される法から、自発的に従うよう設計された法へ――それによって法魔道士達は極めて稀な存在となった。だが幾らかの魔法は今もラヴニカの日々の平和を守るために必須となっている。法魔道士は辺鄙な地区にて物事を強制または抑制し、警察的機能を支えるために呪文を創造する。神聖術士は場所や物を聖別や保護するために呪文を創造する。彼らは大規模な作戦の際にのみ、時には財産の保護のために召集される。

建術士

 アゾリウスの建築家や建築技師は世界でも最高の腕を誇り、建術士達は彼らの建造計画を魔法で強化・加速する。新プラーフ計画の規模と速度はギルドの建術士達の小集団の手に委ねられた。その塔の全くの高さは彼らの存在なしには建造不可能であった。

弁術士

 根気良く、長々と語るアゾリウスの技量はギルド内だけでなく一般市民や他ギルドの間でも尊重されている。弁術士という名は単純な伝言役――スピリットが多い――から対立の調停役まで、伝達に関連するあらゆる職を含んでいる。ヴィダルケンの弁術士達は財産や所有権の絡む複雑な交渉において特に重宝されている。人間の弁術士達は感情的な対立において好まれている。彼らでも最良の者達は対話の中にとらえがたい魔法を織り込み、感情を抑えて協調を促す。

拘引者

 拘引者は物事が起こるのを予防する、もしくは止める専門家である。アゾリウスの考え方は前世紀と異なるとはいえ、そのギルドは今も現状維持を良しとし、あらゆる行動は無分別であると信じている(アゾリウス曰く、「行動とは考えなしの反応にすぎない」)。拘引者は不必要な法が制定されるのを防ぐという目的から、犯罪者を逮捕するというものまで、あらゆる姿で表れる。


アート:Wayne Reynolds

アゾリウスの重要地点

アゾリウスの庁舎、新プラーフ

 法の尖塔とも呼ばれた元のプラーフはボロスの空戦艇パルヘリオンの墜落によって倒壊した。アゾリウスの内部ではいつ、どこに、どのように新庁舎を再建するかの審議が続き、役所仕事によって時間ばかりが無為に過ぎていった。ひとたび人々に支持され、イスペリアがギルドの指揮を引き受けると、ようやく再建に向けての歯車が動き出した。旧プラーフの跡地は自然のままに放置され、現在は自然保護区になっている。

 新プラーフは同じ地区の反対側に建造され、三面の柱が三つ聳え立って円形の中庭を形作っている。新プラーフの塔はラヴニカの地表にある建造物としては最も背が高い。三つの塔はギルドの構造を体現しており、それぞれの建物が三つの柱(ソーヴァ、ジェーレン、リーヴ)の本部を担っている。

 新プラーフの塔はギルドの信念である美の体現でもある。質実剛健なこの建造物は、優雅でありながら飾り気がない。建材は白大理石と雪花石、そして鋼鉄。 通路は幅が広く弧を描いており、その周囲に数々の小部屋と事務室が並ぶいくつもの議場につながっている。通路も議場もさほど際立った特徴がないため、新プラーフの来訪者は案内人がいなければ決まって道に迷ってしまう。


神聖なる泉》 アート:Jung Park
アゾールの公会広場

 この巨大で完全に平坦な石畳の広場は、アゾリウスの忍耐、寛容、奉仕の記念碑である。ラヴニカ人民であれば誰でも訪れ、耳を傾けることができる大規模な公的広場である。その雅量を示すために、アゾリウスは他ギルドへと境界線周囲の土地を寄贈し、そのうち8つ(ディミーアを除く)がその区域に「新人募集所」やその類を置いている。広場には三つの演壇が離れて置かれている。それらは幅広の完璧な正三角形をしており、話し手は周囲の群衆へと呼び掛けることができる。三つの演壇の中央の地面にはアゾリウスのシンボルが、幅百フィートの大きさで豪華に象眼されている。かつてアゾリウス評議会は法の厳密な執行のためにこの場所を使用しており、その的外れさと気ままさの見本となっていた。ギルドパクト崩壊から数年、イスペリアは広場にかけられた魔法を解除するよう布告し、今やそこは健全で混沌とした、あらゆる者達が集う活気溢れる場所となった。

他ギルドに対するアゾリウスの態度

 オルゾフ:「彼等の金融規制工作員達は我々の重要な資金源となっています。ですが無論、我々には究極の客観性があります。彼等の慣習は不気味であり、その手段は過酷です。ですが彼等が法を順守する限りは問題となるものではありません」

 ディミーア:「我々の宿敵です。ラヴニカの全てがその存在を認めようとも、我々は表面上はその存在を否定し続けねばなりません。裏では、我々は彼等を常に妨害し、可能であれば彼等の計画を初期のうちに食い止めます。我々へとこれほどまでに直接害をなすギルドは他にはありません」

 イゼット:「価値ある資産です。イゼット団は第二のリーヴ隊のようなもの、評議会の手では不可能な法の制定をもたらしてくれます。彼等はまた我々の法の限界を興味深い、悪意なきやり方で調査してくれます」

 ラクドス:「この哀れな魂達に差し伸べる手などありません。我々ができる最善の行動は彼等の行き過ぎを防ぎ、犠牲者を救助することです。いつの日か、彼等は不要の存在であると社会が見出す日が来るでしょう」

 ゴルガリ:「我々にとって最も理解し難いギルドです。とはいえ彼等は必要不可欠な目的の為に奉仕し、我々と少なからずの観念を共有しています。我々の方針は慎重な緊張緩和ですが、自己統治という彼等の慣例とともにそのギルドをよりよく理解できればと思います」

 グルール:「我々の最大の挑戦にして最大の好機です。グルールの土地に法が行き渡れば、その非ギルド民達は法の支配のための最強の福音者となるでしょう。そしてグルールの土地を遊ばせておくことを決して許してはなりません」

 ボロス:「我々がボロス軍へと耳をそば立てているうちは、彼等は評議会にとって不可能な、もしくは引き受けることのない法の施行の実行手段です。彼等が他のギルドの道具となった時は、それ以上の敵は存在しないでしょう」

 セレズニア:「議事会は概して法に従い、法を守り続けています。それが脅威となる時が来るかもしれませんが、目下のところは無害です――盟友ではないとしても」

 シミック:「連合のこの新たな台頭は注視せねばなりません。彼等の正確さは称賛しますが、残酷で無秩序な混乱状態へとあまりに行きすぎることを許してはなりません」


プレインズウォーカーのための「ラヴニカへの回帰」案内

『ラヴニカへの回帰』
『ギルド門侵犯』
  • オルゾフ
  • ディミーア
  • グルール
  • ボロス
  • シミック
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