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お知らせ
「MTGアリーナ」禁止制限告知
2019年2月14日
告知日:2019年2月14日
「マジック:ザ・ギャザリング アリーナ」
「アリーナ・スタンダード(1本先取)」において《運命のきずな》禁止。なお、2本先取のゲームや特殊フォーマットでは禁止されません。
発効日:2019年2月14日
制限カード、禁止カードのフォーマット別一覧はこちら(編訳注:「MTGアリーナ」の禁止カードの項目については、後ほどリンク先ページに追加いたします)。
次回禁止制限告知日:2019年3月11日
《運命のきずな》
《運命のきずな》を禁止すべきかそうでないか? そのことについては、実に多くの議論が交わされてきました。
私たちがあるカードを禁止すべきかどうか決断するときには、多くのことを確認します。ですがそれらは最終的に、以下の2つの疑問に収束します。
1.そのカードは強力すぎるか?
あるデッキの全体的なパワーレベルを判断する際に、私たちはさまざまなデータを考慮に入れます。メタゲームを見て、支配的な戦略が環境を停滞させていないかどうかや、皆さんがプレイするアーキタイプに多様性はあるかどうかといったことを確認したり、あるデッキの勝率を見て、環境に存在する他のデッキがそのデッキと渡り合えているかどうかを確かめたりしているのです。そして問題が生じているようであれば、そのデッキにフォーマットの枠を超えるほどのパワーレベルをもたらしているカードの特定に取り組みます。
《運命のきずな》は、カードパワーの基準においては禁止に値しません。このカードは「マジック25周年記念プロツアー」に先がけていくらか話題になり、スタンダードで「ターボ・フォグ」が再登場しましたが、プロツアー本戦では165人中6人の使用者数に留まり、トップ4入賞を成し遂げた者もいませんでした。最近のグランプリに目を向けても、《運命のきずな》が最後にトップ8入りしたのはエリック・フローリッヒ/Eric Froehlichが使用して入賞したグランプリ・ロサンゼルス2018(リンク先は英語)、つまり昨年の8月までさかのぼります。『ラヴニカのギルド』の発売とともに『カラデシュ』ブロックと『アモンケット』ブロックがローテーションでスタンダードから去り、私たちはそれに伴いメタゲームが再び変化するのを見守り、健全な環境であることを確認しました。《運命のきずな》はコントロール・デッキに居場所を見つけましたが、環境を支配するまでには至りませんでした。スタンダードは引き続き多様性にあふれ、さまざまなアーキタイプがしのぎを削っています。
それにも関わらず、《運命のきずな》は特に「MTGアリーナ」を中心に議論を巻き起こし続けてきました。私たちはそのことについて話し合い、プロ・プレイヤーたちが言及しているのを目にし、コミュニティが議論を交わすのを見てきました。議論の中に、パワーレベルに関する内容はほとんどありませんでした。そのため私たちは、カードの禁止を検討する際に考慮する2つ目の疑問と向き合うことにしました。
2.そのカードは通常のプレイを妨げるものか?
たしかにこの基準は主観的なものであり、私たちが《運命のきずな》の処遇について長らく悩む理由のひとつになりました。あるカードが禁止に値するかどうかを決断する上で「通常のプレイを妨げるものかどうか」を考慮したのは、今回が初めてではありません。この基準の最大の例と言えるのはおそらく「Eggs」デッキですが、近年行われた《霊気池の驚異》や《クラーク族の鉄工所》の禁止においても、ひとつの要素として考慮されました。《運命のきずな》によるループを受けたことのある方は証言できるかと思われますが、このカードは通常のプレイを大きく妨げることが容易に可能です。
《運命のきずな》の扱いの難しさは、このカードがフラストレーションを引き起こしている原因がそのカード・デザインとループの処理方法による複合的なものであることに起因します。テーブルトップにおいては特定の行動の省略がルールで認められているため、問題とされている状況にはなりません。ある一連の行動がループしている場合、双方のプレイヤーがお互いの意図を理解できるのであれば、そのループが終わるまで(ループを作ったプレイヤーが勝利するかゲームの状態が望ましいものになるまで)省略することができます。最悪の場合でも、競技レベルであればジャッジを呼んで停滞したゲームの状態を動かすことができます。しかし、ゲーム中の選択すべてをひとつひとつ明示しなければならないデジタル版では、同じことができません。ゲームルール・エンジンを呼び出して状況を説明し、省略するというわけにはいきませんし、ゲームルール・エンジンにはその行動が意図のあるものなのか遅いプレイなのかの判断もできません(少なくとも今はまだ!)。こういったループに関する問題の難しい点は、たとえ私たちが「ゲームの状態が変わらない場合は強制的に敗北になる」と定めたとしても、私たちの考える「通常のプレイ」を妨げるのは依然として可能であることです。例えば《運命のきずな》の場合、勝ち手段を完遂するのに30分以上かかることもあり、その大部分あるいはすべてにおいて、駆け引きが存在しません。その一方で《運命のきずな》側がよどみなくゲームを決着させる場合もあるため、このカードの禁止をめぐる議論はこれほどまで長引いたのです。
こうして、私たちは通常のプレイの妨げとなるものを軽減すべく、《運命のきずな》を「MTGアリーナ」における「アリーナ・スタンダード(1本先取)」フォーマット(Play/プレイ、Ranked Play/ランク戦、Constructed event/構築イベント)にて禁止することを決定しました。なお、2本先取のフォーマットでは禁止されません。
2本先取のフォーマットについて
今回の決定は、多くの点で1月末にお伝えした内容に通じるものです。繰り返しになりますが、改めてお伝えします――当初から、「MTGアリーナ」は本格的なデジタル・マジック体験をご提供する計画であり、私たちはそれを変えるつもりはありません。サイドボード込みの2本先取マッチは変わりませんし、禁止制限リストもテーブルトップのものに準拠します。したがって、《運命のきずな》は引き続き(Traditional ConstructedやTraditional Rankedを含む)「アリーナ・スタンダード」以外のイベントやフォーマットで使用できます。
しかしながら、私たちは今後も「MTGアリーナ」における《運命のきずな》のようなカードやその他のコンボ的な挙動の扱い方について、改善に取り組んでまいります。主にゲーム中のタイマー関連の改善を今後も続けつつ、繰り返される行動や誘発のシステム上の処理を改善する方法を模索してまいります。改めてお伝えしますが、《運命のきずな》が引き起こすフラストレーションの大部分がゲームの楽しさや観戦の体験を損なうことに起因したものであり、このカードのパワーレベルやルール上の複雑さによるものではないことを、私たちは気にかけています。
その上で、私たちは弊社のデジタルゲーム・セキュリティ部門とビジネス・インテリジェンス部門とともに、ループを意図的に悪用していると思われるプレイヤーを特定する方法の改善に取り組み、必要な措置を取るつもりです。「MTGアリーナ」でのミシックチャンピオンシップを開催するために、より高度な競技環境において皆さんが期待するルールや処置と同じものを実装することが私たちの目標です――それには非紳士的行為や遅いプレイといった違反に対するものも含まれるのです。皆さんの中には、私たちのこの姿勢を証明するものを目にした方がいらっしゃるかもしれません。今後のさらなる動きにご期待ください。
告知タイミングについて
今後の禁止制限告知につきましては、アリーナ・スタンダードについての告知も可能な限りプレイデザイン・チームによる告知に合わせて行います。
プレイヤーのコレクションについて
この告知以前から「MTGアリーナ」のゲーム内コレクションで《運命のきずな》を所持しているプレイヤーは、本日のアップデート後に同量の神話レア・ワイルドカードを受け取ります。ワイルドカードは自動的にコレクションに加わり、ゲーム内での通知はありません。また、ゲーム内ストアの『基本セット2019』セットを購入した際に得られる《運命のきずな》は、アップデート後《全知》に変更されます。
また、ワイルドカードと《運命のきずな》を交換し、アリーナ・スタンダード以外のフォーマットで使用することは今後もできます。
構築イベントについて
この告知以前から《運命のきずな》を含むデッキを使用して構築イベントに参加中のプレイヤーは、そのままそのデッキでイベントを続けることができます。禁止によって不正なデッキとして表示されますが、それにより参加中のイベントを正常に終了できないということはありませんので、ご留意ください。参加中のイベント終了後は、《運命のきずな》を含むデッキでは参加できません。改めてお伝えしますが、今回の禁止はアリーナ・スタンダードに限ったものです。Traditional Constructed event/マッチ構築戦を含む2本先取のフォーマットにおいては、引き続き《運命のきずな》を含むデッキを使用できます。
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