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Making Magic -マジック開発秘話-
『統率者マスターズ』の語り手 その1
2023年7月17日
先週、『統率者マスターズ』の展望デザインとセットデザインについて話した。今週と来週は、このセットのカード個別のデザインの話をしていこう。
《希望の天使アヴァシン》
エッチングフォイル仕様《希望の天使アヴァシン》
最初の計画では、初代『イニストラード』ブロックは、大型セット1つと小型セット1つの2セットでは同じ次元を舞台にして共通のメカニズムを使い、組み合わせてドラフトする。そしてブロックの第3セットは大型で、別の次元で新しいメカニズムで、それだけでドラフトする、というものだった。本来、この第3セットの舞台がイニストラードだったのだ。ブレイディ・ドマーモス/Brady Dommermuthと私は、何年もの間、トップダウンのゴシックホラー・セットを推していた。ついに、マジック担当副社長のビル・ローズ/Bill Roseが大型セット1つでそれを認めてくれたのだ。
他の2つのセットについては、開発部が新しい次元のアイデアを全社から募るコンテストを開いた。多くの人々がアイデアを投稿して、そこから選ばれたのはブライアン・ティンスマン/Brian Tinsmanが作った次元だった。そして、秋セットのデザインを始める直前になって、マーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebがビルに、ゴシックホラーのセットの発売をハロウィンが近い10月にしないのは奇妙だと訴えたのだ。ビルは私のところに来て、『イニストラード』を5月から10月に前倒すことは可能かと聞いてきた。私が、ホラーというジャンルは広大で人気があり、材料は豊富にあると答えたので、前倒しが決まった。春セットは、ブライアンが提案した次元を舞台とすることになった。
当時クリエイティブ・チームもリードだったブレイディ・ドマーモスは、新しい次元を2つもデザインするだけの人員はないと考えた。(今は可能である。)2年前に『ゼンディカー』ブロックをしたばかりだったので、彼はその次元で何か大きな出来事が起これば完全に新しい次元に行かなくても新しいメカニズムを正当化できると提案した。ブレイディの提案は、最初の2つのセットでは、怪物が人間を攻撃していて、人間は絶滅の危機にいるようにする。第3セットでは何かが状況を変えて、怪物が劣勢に立たされる、というものだった。
最終的に、その「何か」が、大天使アヴァシンとなる。かつて、吸血鬼の食料となる人類を絶滅させないようにするため、ソリンが彼女を作った。アヴァシンは悪魔グリセルブランドに囚われ、獄庫と呼ばれるものに封印される。このブロックの「出来事」は、サリアに獄庫を開かせ、グリセルブランドとアヴァシンを開放するというものになった。すべてを動かすのは、解放される(帰還する)アヴァシンなのだ。
つまり、アヴァシンのカード・デザインは、眼を見張るようなものでなければならない。セット全体の根幹なので、彼女の名前はセット名になった。彼女は何でなければならないかの条件がこうである。
- 天使
- 神話レア
- 重いマナ総量
- 飛行と警戒を持つ
- 救世主
私が最初に提案したのはこうだった。
〈アヴァシン〉
{4}{W}{W}{W}
伝説のクリーチャー —天使
7/7
飛行、警戒、トランプル
これやあなたがコントロールしていてこれでないクリーチャーが受けるすべてのダメージを軽減する。
彼女は圧倒的で、味方を守り、彼女だけでゲームに勝てる。私はこれを素晴らしいデザインだと思った。そのセットのリード・デザイナーだったブライアン・ティンスマンは、他の選択肢を掘り下げようと考えた。デザイン中に我々が扱っていた大型メカニズムが、禁断/forbiddenだった。禁断カードは、デッキに入れることが出来ない。禁断カードをデッキに入れてシャッフルする、特定のカードをプレイしなければならないのだ。これは非常に困難な条件なので、それらのカードのコストを低いものにできる。例えば、我々は禁断版の《Ancestral Recall》({U}でカード3枚を引ける呪文)を作ることも可能だった。
我々は、禁断を使うアヴァシンのデザインの反復工程を何度も重ねた。少しずつ、彼女のフレイバーは防御的なものから攻撃的なものに変わっていった。自軍を強化し、天使・トークンを生成するようになった。その後、デベロップは禁断メカニズムに強く反対し、そして我々は禁断をボツにした。(これが後に『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の講義と履修のデザインに影響することになる。)その次の一連のアヴァシンのデザインは、他のクリーチャーを破壊するような能力を持ったさらに攻撃的なものになった。
私は、これは間違った方向に向かっていると感じた。私は、アヴァシンは怪物の逆を示すべきだと考えていた。破壊ではなく、救済を示すべきなのだ。怪物と同じように振る舞うとなると、このセットのテーマが暗いものになりすぎてしまう。そこで、私は私の最初のデザインに戻ることを提案した。そこに1つ大きな変更を加えた。ダメージを軽減するのではなく、破壊不能を持たせ、与えられるようにした。同じようにプレイされるが、ずっと心躍るものに見えると考えたのだ。
デベロップはマナ総量やパワーやタフネスを調整し(てトランプルを取り除い)たが、それ以外は我々が提出したデザインのままになったのだった。
《影武者》
《影武者》
良いゲームデザイナーになるには、ゲームをプレイすることを楽しまなければならない。となると、ゲームデザイナーがデザインからちょっとしたゲームを作るのが好きなのは驚くことではない。《影武者》はそういったちょっとしたゲームの好例である。各色には、その扱える効果の一覧としてカラー・パイ上であてがわれた分野がある(それらの能力すべてを書き出した「メカニズム的カラー・パイ」の記事の最新版)。色の中のものを組み合わせると、その色の範囲の外にあるカードをデザインすることができることは多い。
まさにその一例が、以下のテキストを持つ緑のクリーチャーだ。
〈奇襲する蛇〉
{1}{G}
クリーチャー —蛇
1/1
瞬速
接死
これが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。これはそれと格闘を行う。
緑は瞬速と接死の2種色で、格闘の1種色だが、その弱点の1つがクリーチャー単体除去を苦手としていることである。緑が対戦相手のクリーチャーを破壊したいなら、自分のクリーチャーを使わなければならない。理論上、この呪文はそうしていると言えるが、これはあまりにも黒のクリーチャー除去に似た呪文を緑に与えている。戦場にクリーチャーを出していなかったとしても、この呪文を使って戦場のどのクリーチャーでも殺せてしまうのだ。それは緑ができるべきことではない。これはつまり、カラー・パイの中で組み立てられるカードであっても、その全体がカラー・パイの外にあり、したがって印刷すべきものではないということになる。
とはいえ、他の色の能力を真似られるようにするカードをデザインするのは楽しいことだ。めったに印刷することはないが、楽しみのためにデザインすることはある。《影武者》はその好例である。ある日私は、コピーを使えば基本的にリアニメイトな呪文を青で作れるとひらめいた。青でクリーチャーを墓地からリアニメイトできるべきではないのでどこにも使いはしないが、ただそのデザインは面白かった。
そして『時のらせん』ブロックの第2セット、『次元の混乱』がやってきた。このブロックには、過去、現在、未来というテーマがあった。過去と未来はわかりやすいテーマだったが、「現在」というテーマは難題だった。そもそもどのセットも現在ではないか。結局、私は、異なる選択がされていた場合のマジックの姿を見られる、「もう1つの現実である現在」というアイデアを思いついた。カラー・パイをもう一度作り、そのちょっとしたゲームが扱う奇妙さに寄せるのだ。
これによって、『次元の混乱』は、他の色のメカニズム空間に踏み込んだカードの居場所となった。私はついに《影武者》のためのセットを得たのだ。振り返ってみれば、特にカードが使えなくなることがないエターナルの世界において、私は『次元の混乱』は、少なくともその色変えという一面に関して、誤りだったと考えている。しかし、《影武者》のようなカードが印刷できたのはそのおかげだったのだ。
《狂気を操る者チェイナー》
エッチングフォイル仕様《狂気を操る者チェイナー》
このカードがデザインされた当時(『オデッセイ』ブロックのセット『トーメント』)、物語はフリーランスの作家の手による小説で語られていた。小説がまだ書き終わっていなかったので、デザイン中、我々は物語の単純な大枠だけしか知らなかったのだ。チェイナーは『オデッセイ』の物語を伝える小説「Odyssey」で登場し、2冊めの「Chainer's Torment」の主役になる予定だった。彼が2冊目の主なキャラクターになることがわかっていたので、我々は彼のカードである《狂気を操る者チェイナー》を第2セットの『トーメント』に温存したのだ。
文字通りの悪夢を現実に呼び出す能力を持っているチェイナーは、「狂気を喚ぶ者」として知られていた。さて、それではカードではメカニズム的にどうなっていたか。彼がナイトメアを生成できるようにしなければならない。クリーチャー・トークンで再現できるだろうか。当時、クリーチャー・トークンはほとんどがバニラ・クリーチャーであった(クリーチャー・トークンがいつでも使っていたのは飛行だけである)。そうなると、それでは不充分だ。
次に我々は、クリーチャー・カードを戦場に出してそれにナイトメアのクリーチャー・タイプをもたせるというアイデアを検討した。黒単色のカードなので、どこかの領域から戦場にカードを動かすとなると選択肢はリアニメイトしかなかった。特に黒らしく感じられたので黒マナを重くし、そして悪夢召喚の個人的コストを再現するためにライフの支払いを加えた。次に、カードのバランスをとるため、チェイナーが戦場を離れたらすべてのナイトメアも離れるようにした。これによって、対戦相手がナイトメアの群れに対処できるようになる。さらに、2枚目のチェイナーで同じクリーチャーを戻せないように、追放するようにした。
興味深いことに、すべての変換をおこした能力は、すべてのナイトメアに+1/+1の修整を与えるという、このカードの最初の能力だった。(当時、タイプ的デザインは自分のコントロールしているクリーチャーだけでなくそのタイプのすべてのクリーチャーに影響していた。)そのセットにあったメカニズムの1つが、カード上で名前はついていなかったが、市場では「ナイトメア・メカニズム」と呼ばれていたものである。『トーメント』では、それは黒と赤のクリーチャーが持っていて、それらのクリーチャー・タイプはナイトメアだった。黒のナイトメアは対戦相手の何か(クリーチャー、手札のカード、ライフなど)をそれが戦場を離れるまで取り除く。赤のナイトメアは自分の何かを取り除くが、軽い。
当時、我々のポリシーではセット・メカニズムを伝説のクリーチャーに持たせないことにしていた。これは統率者戦がまだ存在しない頃で、伝説のクリーチャーの数はずっと少なかったことを思い出してほしい。ナイトメアを参照することは我々の規則を破ることになる懸念があった。この規則において名前のないメカニズムをメカニズムとして扱うかどうかという議論が重ねられた。(そうだとして扱われた。)最後の能力を成立させるための唯一の方法がナイトメアを参照することだったので、このカードはそうするしかない。それに気がついたとき、我々は、一度参照しているカードなら複数回参照してもいいと判断した。最終的に我々は、伝説のクリーチャーにセット・メカニズムが必要なのは、それによってそれとそのセットの結びつきをより強く感じさせ、プレイヤーがそれを使いやすくなるときなのだと認識するに到ったのだった。
《嘘か真か》
私が初めて開発部に雇われたのは、デザイナーではなくデベロッパーとしてだった。私は最初から、パワーレベルの調整は私の専門分野ではないと明らかにしていた。それについては他のメンバーを信頼していたのだ。『ウルザズ・サーガ』ブロックでパワー的な面であまりにひどく崩壊したので、私のウィザーズでの28年の間で唯一、開発部がCEOに呼び出されて叱責された。
私は当時の主席デザイナーのビルのもとに向かい、新しい開発部員としてパワーレベルを見極めることができる人員の素晴らしい源があると提案した。それは、プロツアーだった。私はプロツアーの始まりからずっと関わっていて、当時はすべてのプロツアーに出席していた。私が最初に雇うべきだと提案したのは、ランディ・ビューラー/Randy Buehlerだった。私はプロツアーでランディと知り合い、彼は開発部にふさわしいと考えていて、彼はやがて雇われることになった。
ランディが最初に手掛けたセットは『インベイジョン』で、彼はデベロップ・チームの一員になった。私はデベロップ・チームのリードではなかったが参加はしていて、常にランディに楽しい競技プレイにつながるような推せる呪文を探すように励ましていた。彼が一番推したカードが、《嘘か真か》だった。
『インベイジョン』のテーマの1つが、「分配/divvy」とあだ名していたメカニズムだった。分配は、プレイヤー1人が何枚かのカードを2つの束に分け、他方のプレイヤーが束1つを選ぶ。そのカードがどこから来たか、そのカードで何をするのか、誰が束を作るのか、誰が選ぶのか、はカードごとに異なっていた。
最終的に一番クールだったのは、青の、カードを引くカードだった。そのカードのパワーレベルはプレイヤー2人の技量に依って大きく異なるので、ランディはそれを非常に気に入っていた。非常にスパイク向けだったのだ。また、少なくとも、カード1枚は引ける呪文だった。多少は強すぎるカードだったが、ランディはそのカードの弱点も指摘していた。このカード自身でゲームに勝つことはできず、より技量の高いプレイヤーが有利になる。ランディはそれを素晴らしいことだと考えていた。
《嘘か真か》は、世界のスパイクを興奮させる、ゲームを壊さない方向でカードを押す方法をランディが突き詰めたカードになった。彼はコストづけについて軽くするよう強く主張した。最終的に、これはランディが願った通りのものになったのだ。強力だが楽しく、競技フォーマットで見受けられ、そして大問題を引き起こすことはないカードとなった。
《航行長ハナ》
すべてのマジックのプレイヤーにはお気に入りのカードがあり、それはデザイナーも例外ではない。マジックのデザイナーであることの大きな違いは、昔のお気に入りを元に新しいデザインを生み出せることである。《航行長ハナ》はそんなデザインの一例である。私は、自分の昔のお気に入りのカード2枚を組み合わせたのだ。
ここで、私がウィザーズで働くようになる前の話をしよう。私はロサンゼルスに住んでいて、奇妙で楽しい形で勝つ奇妙なデッキを作るのが好きなジョニーだった。私のお気に入りの道具は、パーマネントを墓地から戻すことだった。一回限りの呪文もいいが、何回も繰り返してできるパーマネントのほうが好きだった。私は、ゲームの進行とともに準備を整えるようなデッキをデザインすることを楽しんでいた。
《Argivian Archaeologist》を初めて見たとき、私は心を躍らせた。『アンティキティー』にはアーティファクト・テーマがあって、私はそれに興奮していた。何度もアーティファクトを戻すことができる方法があるなんて素敵だった。私はいくつもアーティファクトをテーマとしたデッキを組み、そのほとんどには《Argivian Archaeologist》が入っていたのだ。
『ザ・ダーク』が発売されたとき、私は《オームの頭蓋骨》にも同じ反応を見せた。《Argivian Archaeologist》よりも重かったが、エンチャントを墓地から戻す方法は他になかったのでそれを使うことにした。再び、多くの楽しいデッキが生まれた。両方とも使うデッキすらあったが、大抵のわたしのデッキはアーティファクトかエンチャントのどちらかをテーマにしていた。
そして数年後。マイケル・ライアン/Michael Ryanと私はウェザーライト・サーガを提案した。私は、用心深く複数のセットを通して少しずつ乗組員を出していった。いよいよ、ハナのカードを作るときが来た。彼女は乗組員のエンジニアで、魔法の物体の専門家である(彼女を魔術師にしたかった彼女の父親の《練達の魔術師バリン》は残念がっていた)。私は、これは新しい《Argivian Archaeologist》を作る最高の機会ではないかとひらめいた。フレイバー的にはまさに相応しい。そして、『アンティキティー』で作られたものよりよいものを作ることができる可能性に気がついた船を維持するには魔法的な呪文が必要なので、《オームの頭蓋骨》も更新できるのではないか。両方の効果を1枚のカードに持たせることもできるかもしれない。
ハナは私が大切にしてきたキャラクターで、彼女はプレイヤーの心を躍らせる用なカードにしたいと思っていたので、お気に入りのカード2枚を組み合わせるアイデアは私にとって最高で、よりよい何かにするには最高の機会だと思われたのだ。そして《航行長ハナ》はその能力を手に入れたのだった。
《不浄なる者、ミケウス》
エッチングフォイル仕様《不浄なる者、ミケウス》
ボーダーレス・プロファイル版《不浄なる者、ミケウス》
テクスチャー・フォイル仕様ボーダーレス・プロファイル版《不浄なる者、ミケウス》
『イニストラード』ブロックのデザインが始まったとき、物語は大枠しか出来ていなかった。当時の私のメモはこうなっている。
『Shake』—怪物に出会う。人間は絶滅の危機に。
『Rattle』—人間にとって状況は悪化。
アヴァシンのところで話した通り、第3セットはまだイニストラードを舞台にしてすらいなかった。
ブロックを計画するとき、私はカード上に進捗を描くのが好きだ。『ミラディン』ブロックでは、まだ印刷されていないカードをほのめかしていた。『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックでは、セット間で少しずつ出てくる10枚サイクルを作った。『ミラディンの傷跡』では、感染メカニズムが新しい色に広がっていくのを見た。『イニストラード』ブロックで、複数のカードを使って、人間の窮状を描くには何ができるだろうか。人間に最も損害を与える何が起こりうるだろうか。
世界構築はまだ初期段階だったが、クリエイティブ・チームは人間が救いを求める宗教というアイデアを思いついていた。アヴァシンができたのはイニストラードに残る理由付けとしての出来事の中だと思うので、アヴァシンはまだ作られていなかったと思う。宗教があるなら、宗教的指導者は当然必要となる。『イニストラード』で指導者を登場させて、『闇の隆盛』で怪物にしてしまうのはどうだろうか。希望の消滅のまさに完璧な具体化だと思われた。導き手と思っていた人物が陥落するという最悪の事態だ。私はこのアイデアをクリエイティブ・チームに提案し、採用された。
比較のため、我々は人間の《月皇ミケウス》を白単色にした。(人間は白と緑が多く、彼は宗教的指導者なので白のほうが筋が通っている。)ここで必要だった性質は彼が人々を救うことなので、彼の上にある+1/+1カウンターを自軍のすべてのクリーチャーに乗せるというメカニズムを持たせた。+1/+1カウンターを自軍の人間だけに置くようにすることも議論したが、それでは少しばかり狭すぎると思われた。
そして、『闇の隆盛』で、いよいよゾンビ・バージョンを作るときが来た。同一のキャラクターだとわかるよう、2枚にはいくらかのメカニズム的並行性を持たせたかった。簡単な選択は、怪物を強化するようにすることだった。このセットで不死は怪物のキーワード・メカニズムだったので、その能力と、プレイヤーがクリーチャー・ロード(タイプ的強化をもたらすクリーチャーのこと)に求める+1/+1を与えるようにした。
怪物への変身を強調するため、このカードが特に反人間的だと感じられるようにすることは重要だった。我々は最終的に《無慈悲》の能力を人間だけに対して持つようにした。これは粗石文(メカニズムよりもフレイバーのために書かれた文章)的なものだと記しておくべきだろう。最後に、彼に威嚇を、雰囲気と5/5のサイズを活かすための両面のためにつけた。私はこの2枚のカードの最終的な仕上がりを気に入っていて、この進化が大きな物語を情緒的な形でほのめかす素晴らしい仕事をしてくれたことを喜んでいる。
「物語の時間は終わり」
本日はここまで。これらの話を楽しんでもらえたなら幸いである。今日の記事や私の話したカード、あるいは『統率者マスターズ』に関する意見があれば、メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、その2でお会いしよう。
その日まで、あなたがこれらのカードで語るべきあなた自身の物語を生み出しますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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