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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

おしえてあなたの望むこと

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おしえてあなたの望むこと

Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2016年3月7日


 先月、私は私が使っている様々なメディアやソーシャルメディアについての記事を書いた。今回の記事は、その派生に当たる。承知の通り、私がソーシャルメディアにこれほどの時間を費やしている理由の1つが、諸君とコミュニケーションを取りたいからである。諸君みんなを幸せにしたいなら、諸君の望むことを知る必要がある。したがって、私の仕事の重要な部分として情報収集が含まれるのだ。この話をすると、必ず返ってくる質問がある。プレイヤーが望んでいるものは一体何なのか、だ。そして、これが今日の記事の題材でもある。特に多い要求は何か。

 少し考えて、私はそれらの要求を分類することにした。これから挙げる順序は、別に好きな順番というわけではない。同じような質問を並べているのだ。ここで語っている内容は、特によくある要求であるということを明記しておこう。

要求#1:作ってほしいブロック

 プレイヤーは舞台になる世界に非常に興味があるので、将来のブロックの舞台としていろいろな提案を投げてくる。

......お気に入りの世界に戻りたい

 『ミラディンの傷跡』、『ラヴニカへの回帰』、『戦乱のゼンディカー』、『イニストラードを覆う影』を見ると、我々は一度訪れた世界を再訪するつもりがあるということは明らかだ。したがって、これまで訪れたことがあるあらゆる場所への再訪を求める声がある。その中でも特に多かったものとして、以下のものが挙げられる。

  • 神河 ― 統率者戦の人気からか(『神河物語』ブロックのすべてのレア・クリーチャーは伝説のクリーチャーである)、日本をモチーフにしていることからか、神河への再訪を求める声は多い。
  • ドミナリア ― マジックの始まりの地にして、この10年以上再訪していない場所である。長年プレイしているプレイヤーから、最も要求されているのがドミナリアへの帰還だ。
  • テーロス ― テーロスへの再訪を求めるグループは2種類ある。ギリシャ神話が好きでマジック版のギリシャ神話を楽しんだ人々と、エルズペスに起こっていることが知りたいエルズペスのファンたちだ。
  • タルキール ― 物語の終わり方が、サルカンが時間線を変えた時に氏族が完全になくなったわけではないとほのめかしていたので、氏族のファンたちは物語の続きを求めて再訪を望んでいる。
  • ローウィン/シャドウムーア ― ローウィンやその闇版のシャドウムーアが好きな人ばかりではないが、好きな人は本当に心から好きなのだ。
  • ラヴニカ ― マジック史上最もと言っていいほど愛された次元である。すでに一度再訪しているが、もう一度の再訪を望む声は多い。
  • アラーラ ― 最近、楔3色を使った。今度はアラーラと、断片3色を再訪しよう。
  • ウルグローサ ― これは『ホームランド』の舞台である。この世界を求める声には、今なら可能だと証明するという課題がついてくるものだ。

魔道士輪の魔力網》 アート:Jung Park
......瞥見したことはあるがブロックの舞台にはなっていない世界に行きたい

 これらの世界は、プレイヤーが知っているので完全に新規というわけではないが、注目を集めたことはないので完全に古いというわけでもない。その中でも特に多かったものとして、以下のものが挙げられる。

  • カラデシュ ― 『マジック・オリジン』で初登場したチャンドラの出身地で、すぐに人気が出た。多くのプレイヤーが、スチームパンク世界でのマジックを期待している。
  • フィオーラ ― コミックで(プレインズウォーカーの《ダク・フェイデン》とともに)初登場した世界で、『コンスピラシー』の舞台になっている。多くのプレイヤーがこの次元の陰謀を好み、フィオーラを舞台にしたブロックを期待している。
  • シャンダラー ― この次元はマイクロプローズ社から1997年に発売されたコンピュータ・ゲームに起源を持つ。それ以降も基本セットの定番となったハイファンタジー的な世界観の次元で、プレイヤーはブロックで扱ってほしがっている。
  • ヴリン ― この世界が初めて登場したのは『プレインチェイス』の時で、その後『マジック・オリジン』ではジェイスの出身地だと明かされて多少注目を集めた。ジェイスは非常に人気が高いので、プレイヤーは彼の出身地について、また謎めいた魔道士輪について知りたいと思っている。
  • ムラガンダ ― この世界は『未来予知』のミライシフト・カードで初登場している。この先史時代の世界のことを、多くのプレイヤーが知りたいと強く思っているのだ。
......現実のネタ元があり、マジックで取り上げたことのない世界に行きたい

 プレイヤーは古典的なもののファンでもあるが、同時に新しいものも好きなものだ。現実世界の何かに関連している世界で、よく聞かれるものは次のようなものがある。

  • バイキングの世界 ― ギリシャ神話を元にした世界はもう舞台にした。では、北欧神話を元にするのはどうだろうか。マジックが北欧を元にしたのは『アイスエイジ』があるが、それは1995年、20年以上も前の話だ。マジックで神々を扱うこともあるので、北欧神話を元にした神々は面白いに違いない。
  • エジプト風の世界 ― もう1つ有名な神話は、エジプト神話だろう。マジックでそれに近いものを扱ったことはないし、ポップカルチャーではよく用いられているモチーフの1つだ。
  • インド風の世界 ― インド神話は多少知名度に劣るが、非常に独特のイメージに満たされている。
  • メソ・アメリカ風の世界 ― マジックはヨーロッパやアジア(さらにアフリカさえも)には注目してきた。南米はどうだろう。
......物語のジャンルを元にした世界に行きたい

 『イニストラード』はゴシック・ホラーを次元にしたもので、これまでの次元の中でも最も人気が高いものの1つだ。プレイヤーからよく質問されるジャンルには、次のようなものがある。

  • 海賊の世界 ― マジックで海賊を扱ったことはないわけではないが、海賊というジャンルにしっかり取り組んだことはない。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のようなブロックを作るとどうなるだろう。
  • 妖精物語の世界 ― 『ローウィン』ブロックや『イニストラード』ブロックは妖精物語の縁に触れた。では、ゴシック・ホラーの『イニストラード』のように、古典的な妖精物語をマジックで描いたらどうなるだろう。
  • 西部劇の世界 ― 西部劇を元にした世界でマジックがどうなるのか、プレイヤーたちは強く興味を持っている。
  • 先史時代の世界 ― 恐竜、窟居人、古の動植物、恐竜。プレイヤーたちは、マジックではるか昔の世界を見たがっている。

死霧の猛禽》 アート:Filip Burburan

要求#2:再録してほしいもの

 マジックのプレイヤーたちは、過去のセットにいい思い出がある。そのため、要求の多くはかつて楽しんだものを再録してほしいというものになる。

......特定のメカニズム

 多くのメカニズムについて問い合わせを受けているが、その中でも多いものを挙げれば次のようになる。

  • 両面カード ― 『イニストラード』で初登場した時はとても賛否両論だったが、やがてプレイヤーたちが気に入り、そして再録して欲しいと常々言われるようになった。
  • 分割カード ― 両面カード同様、分割カードも非常に新奇なもので、プレイヤーたちから次はいつ出すのかと尋ねられる。
  • 混成マナ ― 次に混成マナが登場するのはいつかとプレイヤーからいつも質問される。
  • 単色混成マナ ― 『シャドウムーア』ブロックには、有色マナ1点か不特定マナ2点のどちらでも払えるカードがあった。それ以来存在していないが、プレイヤーは常々これについて質問してくる。
  • ファイレクシア・マナ ― これも賛否両論のマナ・メカニズムだ。
  • フラッシュバック ― プレイヤーは呪文を2度唱えられるようにすることが大好きで、中でもこのメカニズムはそうだ。
  • 蘇生 ― 蘇生はフラッシュバックの亜種なので、これも要求が多い。フラッシュバックと違い、蘇生を再録したことはない。
  • サイクリング ― このメカニズムは常磐木でないメカニズムの中では最も再録回数が多いが、今でも要求の多いメカニズムだ。
  • キッカー ― プレイヤーは追加コストを支払ってさらなる効果を得るのが好きなのだ。
  • ストーム ― この質問が多かったことから導入された、ストーム値について先週話した。
  • 発掘 ― もう1個の、気に入っているプレイヤーは常々求めてくる、ひどく壊れたメカニズムだ。
  • 武士道、忍術 ― プレイヤーたちはこれらのメカニズムが好きだが、その一方でこの名前ではほとんどのセットに入れられないということも認識している。よくある質問は、名前を変える必要があるならそうしてでも再録してほしいというものだ。
  • 連繋 ― 連繋(秘儀)を再録してほしいという声はないが、連繋(インスタント)の可能性に興奮しているプレイヤーは多い。
  • 感染 ― 感染は最も対立の多いメカニズムである。再録を求める声も、再録しないでほしいという声も最も多いのだ。
  • 増殖 ― 『ミラディンの傷跡』ブロックでユーザー人気の高いもう1つが増殖である。興味深いことに、増殖に関して最も多い要求は、感染以外の何かがあるブロックで再録してほしいというものなのだ。
  • 多相 ― 緑のあのゼラチンを再録してほしいというプレイヤーはほとんどいないが、メカニズム的にすべてのクリーチャー・タイプを持つクリーチャーが必要という声は多い。
  • 想起 ― この要求の中のどれだけが《熟考漂い》を再録してほしいというものなのかは把握していないが、想起は常々求められるメカニズムの1つである。
  • 馬術 ― これはまあ冗談なのだろうが、馬術(『ポータル三国志』における飛行の代わり)は私のブログでよく名前が上がる。
  • からくり ― ああ、《蒸気打ちの親分》! カード1枚でこれほど質問を産んだものはないだろう。知らない諸君のために一言で説明すると、『未来予知』のミライシフト・カードで、「からくりを組み立てる」(デザイン中は「碑を建立する」)ことを参照するカードを作った。アーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheは彼のデベロップ記事で(何年も前、彼が「デベロップ最先端」を執筆していたのだ)これが冗談であり、からくりを組み立てる予定はないと宣言した。それを受けて、プレイヤーはいつの日かからくりを組み立てるよう要求するようになった。そのつもりはなかったので、この問題のためにはからくり周りのルールも必要になる。しかし、私は引退前には(いつという話ではない)このからくり問題を解決することを誓っている。
  • 壮大 ― これは伝説のクリーチャーの人気(ほとんどの部分は統率者戦に因っている)と関連している。多くのプレイヤーが大量の伝説のクリーチャーを求め、そして伝説のクリーチャーで使えるメカニズムを好んでいるのだ。
  • 探査以外の各種ミライシフト・メカニズム(吸収、オーラ交換、消術、城砦化、激情、墓地ストーム、有毒、変形) ― 『未来予知』のミライシフト・メカニズムは、少しだけ使っていて完全には使っていないメカニズムをほのめかしている。そのため、プレイヤーは常々これについて尋ねてくる。探査が例外なのは、探査はセットで使った(『タルキール覇王譚』『運命再編』)からである。
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......特定のカード

 メカニズム全体ではなく、特定のカード1枚だけを再録してほしいという声もある。その中で多いのは以下のカードだ。

  • 対抗呪文》 ― 《稲妻》が『基本セット2010』で再録されて以来、他にも初期の定番カードがスタンダードに帰ってくることを期待するプレイヤーがいる。
  • 稲妻》 ― ああ、1回再録したよ。
  • 嵐雲のカラス》 ― これはマジックの身内ネタだ。チャック・ノリスの冗談を元に、チャック・ノリスを《嵐雲のカラス》で置き換えればわかるだろう。奇妙な人気のせいで、再録を求める声が多いのだ。
  • Force of Will》 ― この要求にはたいてい、なぜこのカードをスタンダードに入れても問題ないのかという長い説明がついている(なお、再録の予定はない)。
  • 倍増の季節》 ― トークンが好きなプレイヤーは多い。カウンターが好きなプレイヤーは多い。倍が好きなプレイヤーは多い。このカードを求める声は多い。
  • モダン関連のカード ― モダンはどんどん成長しており、モダンで人気のカードを探すのはどんどん困難になっている。そこで、(コジレックを中心にした『ゲートウォッチの誓い』における《コジレックの審問》のように)それらのカードにフレイバー的に接点があるようなセットを作ると、プレイヤーはソーシャルメディアで私にそれらのカードを再録してほしいと訴えてくるのだ。
  • 強力なプレインズウォーカー・カード ― リリアナが物語上登場するなら、《ヴェールのリリアナ》を再録してはどうか、と言ってくる。1つ前の分類と似たようなものだ。
  • モダンには存在しないがモダンに欲しいカード ― モダンで使えるようになるためにはスタンダードを経由しなければならないので、スタンダードにではなくモダンに必要なカードの再録を求める声がある。私は、上記の《対抗呪文》や《Force of Will》はこれだろうと思っている。
  • ミライシフト・カード ― メカニズムだけでなくカードでも、『未来予知』のミライシフトなものは魅力的だ。新セットごとに、プレイヤーはミライシフト・カードを見て、その中から新セットにふさわしいと思われるものを選んでくる(その好例が、エンチャントの多い『テーロス』ブロックにおける《夜明けの宝冠》だ)。
......特定のテーマ

 もう1つよくある要求が、初登場時に面白かった、あるいは隅々までは扱ったことのない、テーマを求めるものだ。よくある要求は以下のとおり。

  • 「エンチャント関連」ブロック ― これは後者の一例である。『ウルザズ・サーガ』ブロックはエンチャントをテーマにしてはいたが、壊れたカードに隠されていた。『テーロス』ブロックはエンチャントをテーマにしていたが、トップダウンのギリシャ神話フレイバーの補助的な役割だった。エンチャントを主役に据えてほしいと思っているエンチャント好きは多いのだ。
  • 部族ブロック ― 『オンスロート』や『ローウィン』は部族テーマに強く焦点を当てていた。最近でそれに近いのは『イニストラード』だが、その部族テーマは過去の2ブロックよりもはっきり薄い。そのため、濃い部族テーマのブロックを求める声が多くなっている。
  • ― 勝利条件カードはいつでも人気で、広いフォーマットで結果を残している毒はよく求められている。興味深いことに、感染とともに戻してほしいという声と、感染だけはなしで戻してほしいという声の両方があるのだ。
  • 他の勝利条件カードのブロック ― 毒以外の勝利条件カードにも注目してほしいというプレイヤーがいる。
  • -1/-1カウンターのブロック ― マジックで通常使うのは+1/+1カウンターだが、『ミラディンの傷跡』と『シャドウムーア』ブロックは+1/+1カウンターと-1/-1カウンターが置き換えられることを示した。その選択肢があることを知って、-1/-1カウンターのブロックを求める多くの声が私のもとに届いている。
  • インスタントやソーサリーに焦点を当てたブロック ― クリーチャー中心のゲームへの変化には多くの支持者がいるが、クリーチャーがずっと弱く、マジックの主役が呪文だった時代が好きな古株プレイヤーが存在する。呪文中心のマジックに戻してほしいという要求もよくあるものだ。

火花魔道士の計略》 アート:Mathias Kollros

要求#3:今まで存在していない何か

 この最後の要求は、マジックにまだ存在しない何かに焦点を当てたものである。

......伝説の○○

 よくある要求が、今まで伝説のクリーチャーが存在していなかったクリーチャー・タイプに伝説のクリーチャーが欲しいというものだ(ああ、《霧衣の究極体》は考えない)。よくあるものを挙げれば次の通り。

  • ― なぜ多くのプレイヤーが伝説の熊を望むのかは分からないが、その声は多い。『タルキール覇王譚』ブロックでの大きな後悔が、フレイバーにおける熊中心というテーマに早く気づいて伝説の熊を作ればよかったというものだ。つまり、スーラクが戦った熊には名前が必要だったのだ、うん。
  • 蜘蛛 ― これもよくある要求である。数年前、マジックに伝説の蜘蛛が存在するのかと尋ねられていたら、おそらくいると間違えて答えていただろう。
  • 狼男 ― 『イニストラード』では、他の部族には伝説のカードが存在したが、不幸にして両面カードという性質から狼男には存在していなかった。その顛末については知らない。
  • 青赤の工匠 ― これは人気のある青赤のアーティファクト・デッキでちょうどいい統率者がいないことからの要求だ。
......不完全なサイクルを完成させるもの

 人間がパターンの完成を求めるものだという話は常々してきている。以下に記したサイクルのほとんどはサイクルとしてデザインされたものですらないが、それは関係ない。よく完成を求められるものは、以下のとおり。

  • 「壊れた」2マナの赤クリーチャー ― 白には《石鍛冶の神秘家》、青には《瞬唱の魔道士》、黒には《闇の腹心》、緑には《タルモゴイフ》がいる。赤にはこのサイクルに並ぶものがないと考えるプレイヤーがいるのだ。我々が推薦したことがあるのは、《ゴブリンの群衆追い》、《ゴブリン徴募兵》、《若き紅蓮術士》だたが、どれも謎の水準には達していないらしく、今でもこの要求は続いている。
  • セレズニアのX呪文 ― 『ラヴニカへの回帰』ブロックで、セレズニア以外の各ギルドにはX呪文があった。そこで、当然、いつそれを作るのかという質問が多い。
  • 友好色の剣 ― 『ミラディン』ブロックには、《火と氷の剣》と《光と影の剣》があり、その後の『ミラディンの傷跡』ブロックには《肉体と精神の剣》、《饗宴と飢餓の剣》、《戦争と平和の剣》があった。これでサイクルは完成しているが、敵対色の組み合わせだけである。プレイヤーからは、友好色の剣を作るのはいつになるのかという質問が多い。
  • 白や黒の○異種 ― まず『ウルザズ・サーガ』に、起動型能力を5つ持つ青のクリーチャー《変異種》がいた。その後、『次元の混乱』に赤の《炎異種》が、『コンフラックス』に緑の《茨異種》がいた。このシリーズの白や黒はまだ登場しておらず、プレイヤーはいつ○異種サイクルが完成するのかとよく質問してくる。
  • 黒の誓い ― 『ゲートウォッチの誓い』には「誓い」カードが、ギデオン(白)、ジェイス(青)、チャンドラ(赤)、ニッサ(緑)の4枚ある。では、黒の誓いは?
  • 『未来予知』の土地サイクル全体 ― 『未来予知』には、まだ作っていないサイクルから1枚ずつの友好色2色土地のサイクル(《雨雲の迷路》《涙の川》《偶像の石塚》《燃え柳の木立ち》《地平線の梢》)というクールなものがあった。《偶像の石塚》のサイクルは後に『シャドウムーア』で登場したが、他の4枚の2色土地については元のサイクルがまだ登場していない。これについての質問も多い。
  • 4色の伝説のクリーチャー ― サイクルそのものが存在していないこれがここにふさわしいかどうかは分からないが、非常に多い質問であり、ここ以外に入れる場所が見つからなかった。統率者戦では、デッキの主軸として働く伝説のクリーチャーが必要である。そのクリーチャーの固有色(マナ・コストやルール文に含まれる色)によって、そのデッキで使える色が定まる。マジックには4色の伝説のクリーチャーは存在していないので、この問い合わせも非常に多い。
......まだカードになっていない人物のカード

 マジックの物語やフレイバー・テキストで登場していれば、その人物をカードにしてほしいというプレイヤーがいるものだ。人物が大きければ大きいほど、カードにしないのが不公正になる。よく言われる人物として、以下の人物が挙げられる。

  • ウルザ ― 初期のマジックのほとんどで、ウルザは主役である。なぜ彼がまだカードになっていないのか?
  • ヨーグモス ― ウルザをスーパーマンに例えれば、ヨーグモスはレックス・ルーサーだ。ファイレクシア人は多くのカードで登場しているが、その古き主はカード化されていない。
  • セラ ― 《セラの天使》を作った人物であるセラは『アルファ版』から触れられており、『ホームランド』の物語でも登場している。セラのカードを求める声は多い。
  • フブルスプ ― カード1枚(『ギルド門侵犯』の《道迷い》)のイラストやフレイバー・テキストで登場している小さなホムンクルスが、マジック史上でももっとも愛されることになろうとは誰がわかったろうか。いつフブルスプがカード化されるのかという問い合わせは後を絶たない。伝説のクリーチャーとしてという声もあれば、プレインズウォーカーに違いないという声もある。
  • テイガム ― 『タルキール龍紀伝』には前の時間線のカンたちのサイクルがあったが、他の4人と違いナーセットはプレインズウォーカーだった。これを不完全なサイクルだと感じた人は多く、オジュタイを代表するにもっともふさわしい人物であるテイガムを伝説のクリーチャーとして作ることを求めていた。
  • 鴉の男 ― この人物は『マジック・オリジン』のリリアナのオリジン・ストーリーで登場しており、それ以来ずっとカード化を求める声がやまない。
  • フェザー ― 本名をフィンレンといい、ラヴニカの小説の主人公、アグルス・コスのパートナーであった。彼女はボロスの炎まといの天使で、彼女がカードになっていないことを不満に思っているプレイヤーは多い。
  • アリクスメテス ― アリクスメテスはキオーラの物語に登場する巨大な海蛇で、伝説の海蛇としてカード化してほしいという声があった。

あなたの望んだこと

 今日はここまで。1つお伝えしておこう。ここまで語ってきたことの多くは、現在の7ヶ年計画の中に含まれている。ぜひ諸君同士で話し合ってみてくれたまえ。

 諸君からの要求を垣間見ることで、何か得ることがあったなら、そして面白かったなら、幸いである。いつもの通り、諸君からの反響を楽しみにしている(特に今回は、反響への反響なのだ)。今回の記事を楽しんだかどうか、また将来このような記事を読みたいかどうか。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、『イニストラードを覆う影』のプレビューが始まる日にお会いしよう。

 その日まで、あなたの望みが私のもとに届けられますように。

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