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Making Magic -マジック開発秘話-
記事の書き方
記事の書き方
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2014年3月17日
時折、諸君は私に新しい記事の構想を送ってくれる。それに意義があると思ったなら、私はそれを自分の「短いリスト」(カギ括弧を付けた理由は、最近は名前ばかりで短いとはとても言えないからだ)に書き入れる。長年にわたってこの短いリスト上にあった話題が、記事を書くことに関する記事だ。私は2002年からこのMaking Magicの執筆者で、それ以前からもDuelist誌上で多くの記事を書き、コラムを書いてきた。つまり、私には記事を書く経験がいくらかあると言える。
〈疲れきった編集者〉 アート:Jim Pavelec |
そこで、今回の記事では記事を書く上でのべし・べからずについて語ることにした。執筆に興味のある諸君は、この記事が何か考えるきっかけになれば幸いである。執筆に興味がない諸君も、この記事を通してMaking Magic執筆の裏側を読み取ることができるだろう。その中でいくらかの技を紹介させてもらおう。それでは、始めるとしよう。
記事を書くにあたって考えなければならないことはいくつか存在する。
#1:よいタイトルを選ぶべし
一番最初から始めるとしよう。記事にはタイトルが必要だ。そして基本的にタイトルにはある役目が存在する。その役目とは、人々を説得して記事を読ませるということである。記事がいくら素晴らしいものでも、誰も読まなければ意味はない。私には、記事のテーマを問わず毎週ここにやってきて、そして記事を読んでくれる多くの諸君がいるこの連載がある。それでも、私はこのDailyMTG.comにやってくる全ての人に私の記事を読んでもらいたいと思っているので、記事のタイトルはやはり重要なのだ。
タイトルを決めるにあたって、次のようなことを考えている。
それは記事の内容を示しているだろうか?
今日の記事を見てみよう。これ以上ないほどに簡明だ。いつもこれほど簡明ではないが、私はテーマの単語をタイトルに入れ込んでいることが多いので、大抵の場合には記事のテーマをタイトルから推測することができるようになっている。来週は「神」特集なので、来週の記事のタイトルには「神」が入ることになる。多くはポップ・カルチャーをもじったものになる(執筆者ごとに自分なりの仕掛けがあるべきだ)が、そこに「神」の語を入れるのだ。
それは読者の興味を引くだろうか?
良かれ悪しかれ、記事を読むかどうか決めるときに読者が目にするのはタイトルである。幸いにして私は内容を紹介する数行の解説文付きで大きな枠をもらっているが、それでも読者を惹きつけるタイトルを付けられたかどうかによってクリック数は大きく変わってくる。つまり、内容を示しているだけでなく、魅力的でなければならないのだ。なぜもじりやポップ・カルチャーを使うかというと、それが人々の注意をひくからである。その反応が呆れであっても、クリックしてくれるのだ。
それは独特のものか?
マジックの記事は大量に存在する。一番避けなければならないのは、タイトルを見て、もう読んだことがある記事だと勘違いされることだ。区別できるようにしよう。物書きとしての立ち位置を見付けたければ、自分自身だけのものだと言える印象を作る必要がある。これはタイトルにおいてさらに顕著だ。タイトル付けが上手ければ、読者はそれをあなたのタイトルであると識別するようになる。もし私と似たような方向性のタイトルでマジックの読者に向けて発信するなら、読者の多くは(もちろん私の記事を読んでいる諸君なら)「これはマロのだ」と思うことだろう。
なぜタイトルに5段落も費やしたかというと、それだけ重要だからである。世界最高の記事を書いても、誰もクリックして読んでくれなければ何の役にも立たないのだ。私が執筆に関して師事した教授の1人は、「小さいものを中間の媒体に書くことで大きくなる」とよく言っていた。タイトルは重要なのだ。
#2:論旨の段落を使うべし
この文章を例に取ろう。最初の2つの段落を、論旨の段落と呼ぶ。最初にその記事の内容について説明するのだ(なぜ1つでなく2つの段落を使って、そして論旨の段落を1まとめだけにしているのはなぜか、この後説明する)。論旨の段落が重要なのは、それが記事の構造を整える助けになるからである。
読者は0から読む。前提となる知識は存在しない。ああ、よくできたタイトルなら手がかりを与えているかもしれない(上記の通り)。始めなければならない。ただ書くというだけでなく、伝えなければならないのだ。教師が最初に教わることは、生徒にこれから教える内容を最初に説明するということだ。書き手も同じである。
読者が自力で掴めれば、物事はよく吸収されることになる。良い記事の目標は、読者を混乱させることではなく、読者を物事へと導くことだ。そのために、語る内容を理解してもらうことが必要となる。
例を示そう。「ティーカップの中の『テンペスト』」という名前の私の記事をクリックしたとする。その第1文が
1週間、私たちは剃らなかった。
というものだったとしよう。タイトルを読んだことで、『テンペスト』についての記事だということが予想できる。タイトル内で二重括弧がついており、これはマジックの記事なのだ。私はいつもデザインについて書いているので、今回もおそらくデザインに関する記事だと想像できる。それでも、この第1文を読んだ読者の多くは「え? 誰が剃ってないって? 何を? 何のことだ?」となるだろう。
ではここで、もう一つの仮定を。
『テンペスト』特集へようこそ。今回はマジックの歴史の初期に作られたあるセットとブロックについて語ることになる。『テンペスト』は私が初めてデザインしたセットで、心の中に特別な場所を占めているので、私は非常に興奮している。語ることは多いので、さっそく始めたいと思う。諸君も楽しんでもらえれば幸いである。
嵐の前の嵐
1週間、私たちは剃らなかった。
《信頼ある相談役》 アート:Jim Nelson |
違いがわかるだろうか? 数行を前置きに費やすことで、読者を物語に導入することができる。「1週間、私たちは剃らなかった」という行が、混乱を招くものでなく、読者を物語に引き入れるつかみになっているのだ。
読者を記事に導入するだけでなく、論旨の段落はもう一つ、興味のない読者が読むのをやめるための引き金としても素晴らしい役割を果たしてくれる。なぜ読むのをやめて欲しいのかというと、話題に興味を持てない人が多くの段落を読み、無駄な時間を費やすことになれば、将来、新しい記事をクリックしてくれなくなるだけだからである。
執筆者というものは、読者に奉仕するものだ。読者が興味を持てない内容について書くなら、そうだと知らせるべきである。読者が喜ばない記事を無理に読ませても、誰も得をしない。また、知らせることで、執筆者と読者の間の信頼関係を形作る助けとなる。透明性を示せば、読者は戻ってこようという気になるものだ。喩えるなら、良いセールスマンは決して望まないであろう商品を売ったりしないのだ。押し売りは、近視眼しか持たない悪いセールスマン(や執筆者)のすることなのだ。
#3:物理的提示を意識すべし
文章を書くということは、芸術でもあり技術でもある。これは技術面の話だ。文章を取っつきやすいものにするためにもっとも重要なことの1つに、それをどうやって示すかがある。この節では、精神的負荷と美学という2つのことを理解してもらおう。
精神的負荷とは、人が同時に精神的に処理できる量のことである。誰かに快適に処理できる以上のことを処理させようとすれば、他のことに逃げてしまうのが普通の反応である。記事を読むときに精神的負荷があれば、読み飛ばすか、あるいは記事そのものを読むのを止めるかということになる。
美学は、何が存在するかを判断する精神に作用するものだ。精神にはある種のものを好む性質がある。美学がここで重要なのは、読者が快適に読めるかどうかを決めるもう1つの因子だからである。不快であれば読者は読むのを止めるだろう。そして、それは執筆者が自分の記事に求めている影響ではないのだ。
それはつまり、単純に言うと、情報を示す方法を考えろ、ということである。このことから、次の教訓が得られる。
段落を短く保つべし
この節で示したことを、段落で切らずに1つの段落として再掲してみよう。
文章を書くということは、芸術でもあり技術でもある。これは技術面の話だ。文章を取っつきやすいものにするためにもっとも重要なことの1つに、それをどうやって示すかがある。この節では、精神的負荷と美学という2つのことを理解してもらおう。精神的負荷とは、人が同時に精神的に処理できる量のことである。誰かに快適に処理できる以上のことを処理させようとすれば、他のことに逃げてしまうのが普通の反応である。記事を読むときに精神的負荷があれば、読み飛ばすか、あるいは記事そのものを読むのを止めるかということになる。美学は、何が存在するかを判断する精神に作用するものだ。精神にはある種のものを好む性質がある。美学がここで重要なのは、読者が快適に読めるかどうかを決めるもう1つの因子だからである。不快であれば読者は読むのを止めるだろう。そして、それは執筆者が自分の記事に求めている影響ではないのだ。それはつまり、単純に言うと、情報を示す方法を考えろ、ということである。このことから、次の教訓が得られる。
違いは感じられるだろうか。ここで「感じる」と言ったのは意図的である。書いている単語自体は完全に同じだが、今回のほうが取っつきにくい。なぜなら、短い単位に分かれていないからである。長い段落は精神的な負荷を生み出すだけで得るものは何もない。段落を入れるのはタダなのだから、どんどん入れよう。
見出しを使うべし(強調文字にすると良い)
これも基本的には同じ話である。内容を細かく一口サイズに切り分ければ、読者は恐れることなく親しんでくれることになる。先の教訓では段落について語ったが、今度はもう1つ大きな単位になる。段落を分割するのと同様に、記事を分割するのだ。記事を節に分けることができれば、読者にとって掴みやすいものになる。
そのために重要なのが、見出しの使用である。見出しは各節のタイトルのようなものである。見出しを節のタイトルだと感じられるようにするために、見出しを強調文字にすることを強くお勧めする。見出しの役目は記事を小さな単位に分けることであり、強調文字にすることでそれはさらにはっきりしたものになるのだ。
また、美学的な意味で、読者は記事全体の明確な構造を好むものであり、強調文字の見出しはそういう構造を示したものだと言える。挿絵も記事の分割には有用で、長い塊を複数の節だと感じさせることができる。私は見出しにテーマ的な結びつきを与えることで関連性を感じさせることにしているが、それは本質ではない。
最後に、もし記事に(今回のように)自然と節単位に分かれるような構造があるなら(この記事は教訓ごとに分割されている)、それを見出しとして使えばいい。強調文字を使うのを忘れずに、だ。
必要に応じてリストを使うべし
記事を節単位に分ける方法は色々と存在する。ここではもっとも有用なものについて説明しよう。人間は、リストを好むものである。インターネット上にある多くの記事を読んでみれば、リストが大量に存在することに気付くだろう。なぜなら、上記で書いた2つのこと、記事を小分けにすることと構造化することを達成する、簡単な方法だからである。
コミュニケーション理論について私から聞いたことのある諸君(聞いたことのない諸君はこちらを読んでくれたまえ)は、記事には安心と驚きと完成が必要だということを知っているだろう。リストが優れているのは、この3つ全てを提供してくれるからである。だからといって、当てはまらないときにもリストを使うべきだという話ではないが、ポイントを列記する必要があるときなら、リストは価値ある道具なのだ。
#4:話題を一貫させるべし
記事の最初で、語ろうという内容について説明している。次に意識すべきことは非常に単純で、その内容について語ること、その内容だけについて語ることだ。これは単純に聞こえるが、経験の浅い執筆者が犯してしまう最大の誤りの1つが焦点を見失うことである。良い執筆者が書いた文章はまるで考えをたどっているかのように有機的に聞こえるが、実際は単語ごと、文ごと、段落ごとに注意深く考慮して選んでいるものなのだ。
《探検者の望遠鏡》 アート:Vincent Proce |
脚本の授業中、教授は「どんな文もシーンより軽く、どんなシーンも映画より軽い」と教えてくれた。それはつまり、どれだけすばらしい、軽妙な、心に残る1文があっても、それがシーンに相応しくなければ入れてはならない。同じく、どれだけ心に響く、おもしろおかしい、素晴らしいシーンが書けても、それが映画を先に進めるものでなければお蔵入りだ。記事を書くことも同じである。話題は一貫していなければならず、記事の全ての部分はその記事を先に進めるためになければならない。記事の中に不要な部分があって、それがなくても記事として成立しているのであれば、それは取り除くべきなのだ。
もう1つ、脚本の教授からの言葉がある。「書くことは難しい。書き直すことは残酷だ。」 記事を書き終わったなら、書き直さなければならない。書き直しの間、批判的に読み、また書いたときの全ての決定に関して再考するのだ。正しく書き直すための鍵は、その記事が何に関するものなのかを常に考え、そしてその目的にそぐわないあらゆるものを削り落とすことである。
#5:話題と読者を繋ぐべし
なにか大きな出来事があったら、地方のニュースではどうするかといえば、それを地方の目で見て捉えようとするはずだ。そこに関わっている地元の人間がいないか探し、その出来事が地元にどう影響するかを考え、その出来事に関する地元の反応を求める。なぜ地方のニュースは必ずそうするのか? それは、これから説明する内容を彼らが理解しているからである。
ある物に対して個人的な繋がりがあれば、人々はよりそれに意識を向けるものである。対岸の火事は、自分のことほどは気を惹かない。記事を書くことも同じである。読者の気を惹きたければ、その書いている内容がどう読者に関係するのかを見付けなければならない。執筆者の役目として、話題が読者に響くようにすることは重要なのだ。
この記事を例に取ってみよう。諸君がこれを読んでいるということは、諸君は記事を読むということだ。分析するにあたって、諸君のその性質を踏まえた。もし諸君が執筆者でないとしても、諸君が興味を持っていることの裏側を見るのは面白いものである。
話題が何であれ、そこに絶対的真実を見付けることは可能である。それが良い執筆者のすることである。良い執筆者は話題を取り上げ、そしてそれを読者が認識できるものにする。実際、良い執筆者になるための鍵は、話題の中で読者が没入するのが何かを理解する能力なのである。
つまるところ、記事を書くにあたっては、常に読者が何を求めているのかを考える必要がある。話題は何で、それを読者と関連づけるのは何か。その答えがわからなければ、何とかして答えを見付けなければならないのだ。
#6;論調を理解すべし
記事の中で話題が一貫しているだけでなく、論調も一貫していなければならない。記事を書くにあたっては、何を書くかと同時にどう書くかが重要である。単語はそれ単体で存在しているわけではなく、その選択によって文脈が成立するのだ。どんな雰囲気にしたいのか、主張をどうやって届けたいのか、そして読者からどんな反響を得たいと思っているのか?
《アゾールの雄弁家》 アート:Johannes Voss |
コミュニケーションの学校で、私はコミュニケーション理論の哲学者マーシャル・マクルーハン/Marshall McLuhanに師事した。彼は「メディアはメッセージである」という発言で最も有名かも知れない。この発言の意味は、コミュニケーション手段は伝えられるメッセージと同じようにコミュニケーションである、ということである。「手段」は「内容」と同じく意味を持つのだ。
それはつまり、伝えようとする内容だけでなく、その方法も意識しなければならないということである。私の記事を例に取ってみよう。ある週に、真面目な話題、例えばマジックに大変革が、という話をする。次の週に、マジック開発部の草創期の話をしたいとする。この2つの記事を書く方法は、大きく異なっているものだ。
1つめの記事は非常に真面目な論調が必要となる。冗談を交えたり、閑話を入れたりはしない。非常に明確な言い回しを使い、表現も直接的なものになる。2つめの記事はより砕けた調子にしたい。物語なので、口語調になり、より軽い論調を使って記事を盛り上げる。言葉の選択、文の構成、段落の組み立て、記事全体の構造、画像、例、土産(これについては後で説明しよう)。そのすべてが第1週と第2週で大きく異なってくる。それはそれぞれの記事の論調が大きく異なるからである。
この教訓は、話題選びだけでなく論調決めも重要だということである。書きたい内容を伝えるためにどうすればいいか? その答えが、執筆中の様々な決定を形作ることになる。
#7:例を使うべし
比喩は非常に強力な道具である。なぜなら、比喩は橋渡しになるからだ。伝えたいことがあるがそれが相手に理解されるかどうかわからないとき、どうすればいいか? 相手も理解できると信じている何かを例として使い、そのレンズを通して新しいことを説明するのだ。比喩によって、わかっていることと新しいことの間の橋渡しをするのである。
《ふるい分け》 アート:Jeremy Jarvis |
文章中の例も、これと同じ目的を果たす。文章中で何かを表現しようとして、読者が理解できないことはよくあることである。それを繋ぐ鍵となるのが、例を導入することなのだ。その一例として、この節の書き出しを見てみよう。私は何かを表現しなければならなかったので、そのために例を用いたわけだ。読者の多くは比喩に馴染みがあるとわかっているので、私は比喩を例として使って説明したのである。
例を使うことを恐れるべからず。複数の例を使うことを恐れるべからず。図を使うことを恐れるべからず。示したいポイントを読者に伝えるために使える道具を使うことを恐れるべからず。記事において最優先される目標は、読者とコミュニケーションを取ることである。伝えたいことを読者に理解してもらうため、道具を使うのだ。
どれだけ説得力があるかは問題ではない。読者が理解できなかったなら、何の意味もないのだ。
#8:土産を書くべし
すべての執筆者が、記事を書くにあたって守るべき規定がある。読者が読み終えたとき、何かを得ているかどうか。記事を読んだことで何か人生に活かせるものを得たか、記事を読んだことで人生に何らかの変化が得られたか。
その変化は大きいものでなくても良い。別に読者が自分の人生を見返すようなものである必要はない。しかし、読者が何か具体的なものを読み取って手に入れられるようにすべきなのだ。構想でも、提案でも、助言でも、なんでもいい。
ここでの問題は、記事を印象強いものにしたければ、読者が人生に活かせるような何かを提示しなければならない。私にこれを教えてくれた教授(特に書いていなければ、この記事は私が執筆の講義で学んだ多くのことを示すものである)は、それを「土産」と呼んでいた。彼女の言に拠れば、執筆のあらゆる部分は読者が人生にに何か土産を与えるものであるべきなのだ。
これがそれほど重要な理由は、それによって文章が高まるからである。もし読者が何か土産を手にできたなら、執筆者はとても重要なことをしたのだ。執筆者は、自分の言葉を使って他の誰かの人生に影響を与えたのである。これはもちろん素晴らしいことであり、執筆者なら誰でも目指すべきことである。
土産というのはそう大きなものである必要はない。読者に、考えるべき何かを示せればいいのだ。それを取り上げ、そして自分の人生に当てはめるというのは人間の性質である。そして、執筆者として、それを読んだ誰かが文章から影響を受けたと伝えてくれること以上の褒め言葉は存在しないのだ。
土産を作るための方法を、いくつか例示してみよう。
- 読者が知らなかった情報を与えること
- 読者に何かのやり方を教えること
- 読者が何かに新しい光を当てて再検討することを助けること
- 読者に、本や映画といった新しい情報源を紹介すること
- 読者に、人生経験を語りその対処法を伝えること
- 読者に思い出を振り返らせること
- 読者がネタにできるようなジョークを伝えること
- 読者が話題にできるような話をすること
- 読者に考えさせること
土産を文章に付け加える方法は色々と存在する。そうすることで文章は読者が読むだけのものから読者に影響を与えるものに向上するのだ。
#9:自分を使うべし
執筆者として、絶対に自分しか持っていないものは何かと言えば、それは自分自身である。他の誰にも書けない内容は、自分自身だけの観点である。この利点を活かすべきなのだ。
《威名の英雄》 アート:Aaron Miller |
これを言い換えればこうなる。自分の書いた記事の名前を隠した時に、誰もその筆者がわからないようであれば、執筆者としてあなたは何をしたと言えるのか。記事それぞれの目的は、自分だけが書ける何かを書くことである。つまり、自分の視点、自分の表現、自分の人生からの例示を使うべきなのだ。
記事を書くために机に座って、その記事で書かなければならないことだけを考えてはならない。伝えるべきことを考えるのだ。なぜその記事を書くのか? その記事の目的は? なぜあなたがその執筆をしているのか?
この教訓で伝えたいのは、全ての執筆者は向上せよということである。文章を書くなら、その文章は読む価値があるだけでなく、その文章について書く価値があるものにすべきなのだ。最高の文章は、執筆者自身がそこに反映されたときに生まれるのだ。
例として、私は自分の人生からあらゆることを書いてきた。デート中の弱点(リンク先は英語)、ハリウッド(リンク先は英語)での生活(リンク先は英語)、妻との恋愛、結婚(リンク先は英語)の話(リンク先は英語)、子供の話。それに人生(リンク先は英語)経験(リンク先は英語)、決断(リンク先は英語)、良かったこと、悪かったこと(リンク先は英語)。色々と語ってきた。それは、繋がりを得たかったからである。他の誰も書けないことを書き、それを諸君全てに語りたかったのだ。
私は、これらの結果として、読者の多くと繋がりを得ることができたと確信している。そして、これらの記事を10年以上も読んでいる諸君もいるのだ。私が筆を置く日には、私は、何か言いたいこと、教えたいこと、語りたいことがあって書いたのだとわかってそうすると確信している。私は自分の人生や魂を執筆に注ぎ、全力を尽くしたのだと。もし諸君が文章を書くのなら、目標は高く置いてもらいたい。
#10:結論の段落を書くべし
まず書くことを掘り下げることから始め、最後は言った内容を思い出させることで終わるものである。その中間は記事ごとに大きく異なるが、最初と最後はほとんどの場合には(特別な理由があればこの構造が変わることもある。例えばこれ(リンク先は英語)やこれ、これ(リンク先は英語)など)想定されるとおり同じである。安心の構造を軽視してはならない。
この10個の教訓が今日の記事を読んだ執筆者諸君の執筆に関する考えに何らかの影響を与え、次にペンを取るとき(まあキーボードかな)の土産になれば幸いである。執筆をしていない諸君は、私が毎週やっていることについて今日の記事からいくばくの洞察を得られたならば幸いである。
いつものとおり、読んでくれたことに感謝する。今日の記事は少しばかり特別なので、いつも以上に感想を聞かせて欲しい。メール、掲示板、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で是非聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、真実の神呪文となる日にお会いしよう。
その日まで、この記事があなたに影響をもたらしますように。
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