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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

ローズウォーター・トーナメント

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Making Magic

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ローズウォーター・トーナメント

Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2013年3月11日


 もう何年も前の話になるが、イニストラードのデザインをしていたときのこと。私はそれが13回目のリード・デザイナーだと思い、(13はイニストラードの小テーマだったので)イカしていると思った。数日後、数え直してみたらイニストラードは私にとって14個目のリード・デザイナーを務めたセットだった。数え間違えていたのだ。14個ということは、あとたった2つで16個。16個ということは、プレイヤーの投票によって毎日1戦ずつ、テーマに基づいたプレイヤーの投票による1対1のトーナメントを行なうことができる。トーナメントをするには2の累乗でなければならないが、8個のときは私はこんなことを考えていなかった。

 16個目のセットが世に出たとき、私は1対1のトーナメントを開催しようとに決めていた。そして、16個目となったのはギルド門侵犯(正確にはマーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebとの共同リーダーだ)で、そのデザインが終わってから数年待った今、いよいよトーナメントの準備ができたことになる。そう、ローズウォーター・トーナメントの幕開けだ。各ソーシャルメディア(TwitterTumblrGoogle+)で告知し、Twitterで投票を募った。何百人ものプレイヤーが投票してくれて、トーナメントと呼ぶにふさわしいものになったのだ。

 さて、手法の説明が終わったところで、メンバーの紹介と実際の試合内容を説明していこう。トーナメントを観戦していなかった諸君のために、各試合の説明前に結果を予想する機会を与えようと思う。その後、もし私だけが投票していたら、という話もしよう。言ってみれば、マーク・ローズウォーター・トーナメントというわけだ。

 まずは選手紹介。私がリード・デザイナーを務めた発売済みのマジックのセットはこの16個である。時系列順に並べると......。

テンペスト

Unglued

ウルザズ・デスティニー

オデッセイ

ミラディン

フィフスドーン

Unhinged

ラヴニカ

未来予知

シャドウムーア

イーヴンタイド

ゼンディカー

ミラディンの傷跡

イニストラード

闇の隆盛

ギルド門侵犯


 Countrymenのデザイン・チーム(イーサン・フライシャー/Ethan Fleischer、ダン・エモンズ/Dan Emmons、マット・タバック/Matt Tabak、それに私。エリック・ラウアー/Erik Lauerもデザイン・チームのメンバーだが、この日は病欠していた)が仮に付けた順位はこうなった。

1. ラヴニカ

2. イニストラード

3. テンペスト

4. ゼンディカー

5. ミラディン

6. Unglued

7. ギルド門侵犯

8. シャドウムーア

9. 闇の隆盛

10. ミラディンの傷跡

11. 未来予知

12. ウルザズ・デスティニー

13. Unhinged

14. オデッセイ

15. イーヴンタイド

16. フィフスドーン


 そして、これを伝統的な上位16人によるトーナメント表に当てはめた。仮の順位での上位同士が早い間に衝突するようなことはなくなっている。

 さて、トーナメント表はできた。いよいよ試合開始だ!

 組み合わせを提示したときに私がプレイヤー諸君に説明したのは、どのマッチアップにせよ、どちらのセットが好きか選んで欲しいということだけだった。どういう基準で投票するかは、投票者の自由に任せられたわけである。

 ここからは試合ごとに見ていこう。投票できなかった諸君は、結果を見る前にどちらのセットに投票するかを考えてみてくれたまえ。投票したのはTwitterでの私のフォロアーであり、マジックにはまり込んでいるプレイヤーであることを書き添えておこう。

 それではトーナメント表を公開しよう

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