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新セットめった切り!
KJ&フジケンの『基本セット2012』トップ5!前編
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新セットめった切り!
By 鍛冶 友浩 & 藤田 憲一
年に1度のお楽しみ、『基本セット2012』発売間近!
新たな発想を提示してくれる新規カードと、過去に一時代を築いた再録カードの融合は、マジックに新たな風を呼び起こしてくれることでしょう。
そこで今回お送りする企画は「KJ&フジケンの『基本セット2012』トップ5!」
週刊連載「今週のリプレイ!」でおなじみ、カバレージライターも務め最新トーナメント事情にも精通する『世界のKJ』鍛冶 友浩と、日本初のグランプリ・東京1997優勝など、マジック黎明期からの歴史を知る伝説のプレイヤー、『フジケン』こと藤田 憲一がタッグを組んで、新旧両面から各5枚のカードを厳選してレビューします!
今回は前編として、『KJ』サイドからの5枚をお届けします。
それではさっそくまいりましょう!
※なお、今回はランキング形式ではなく、表示順=評価順ではありませんので、ご留意ください。
《忘却の輪》 |
《忘却の輪》
待ってました!
かつて、ローウィンでプレインズウォーカーが登場した際に、同セットで現れた万能除去の《忘却の輪》は、アラーラブロックを代表する除去呪文である《大渦の脈動》と共に、土地でないパーマネントが幅をきかせるのを抑制する優秀なカードだった。
続く基本セット2010で初代プレインズウォーカー達が収録される際は、《忘却の輪》はアラーラの断片への再録という形でスタンダード環境にあったのだが、何故か基本セット2011では忘れられてしまった。
お陰で《ギデオン・ジュラ》はダメージでは全然破壊できなかったり、《復讐蔦》はすぐ墓地から帰ってきたりと、散々な目にあった方も多いだろうが、これからはそんな心配は不要だ。構築シーンに与える影響は、かなり大きそう。
※ 当初発表の文章で、一部、事実と異なる点がありましたので修正いたしました。こちらの確認不足で、読者の皆さまにご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。(編集)
《思案》 |
《思案》
《先触れ》のリメイクとして登場した《思案》は、エクステンデッドやレガシーといったカードプールの広いフォーマットでもお馴染みのドロースペル。
最序盤はマナトラブルを防ぎ、中盤以降には大切な呪文を探したり、見たカードが気に入らなければシャッフルもできるのにたった1マナと、非常にお買い得なデッキの潤滑油だった。
しかし、基本セット2011ではその座を《定業》へと譲り、現役を引退したかにみえた・・・が、晴れて基本セット2012で復帰となった。
スタンダード的には同時に使えるのは限られた期間だが、《定業》と《思案》の共演によって、《紅蓮術士の昇天》の復権なるか!?
《復讐に燃えたファラオ》 |
《復讐に燃えたファラオ》
今までに無い斬新なカードのデザインに、ワクワクさせられる1枚だ。
戦場にいる分には5マナ5/4と、色拘束の割に大したスペックを持たないが、彼は墓地に落ちてから本領を発揮する。
昔、《無慈悲》というカードがあったが、クリーチャーがまるでソーサリー火力に見えてくるエンチャントで、自分のライフさえ支払えばカードアドバンテージを簡単に稼げてしまうカードだった。
つまり、《溶岩の斧》を構築で見かけないことは、裏をかえせば《復讐に燃えたファラオ》にも可能性があるということでは?
発掘というシステムや、《生き埋め》というカードは今はもう無いが、あえて自分のライブラリーを削るという手段は残されている。
クセの強いカードだが、だからこそ構築の腕が問われる1枚だ。
《堂々たる撤廃者》 |
《堂々たる撤廃者》
生きた《中断》こと《堂々たる撤廃者》は、今までの「熊(2マナ2/2)」界でも突出した才能を持っている。
打ち消し呪文が豊富な青いコントロールは、2ターン目にキャストされてしまうだけでそのほとんどの呪文は意味を失い、《獣相のシャーマン》といったクリーチャーもメインでの起動を余儀なくされる。
そして、流行りの《呪文滑り》もただの0/4と化し、対戦相手はゲームの半分の時間を完全な無防備にさらされることになるだろう。
クリーチャーなので、すぐに除去できれば問題ないのだが、例えばレガシーの「セファリッドブレイクファースト」で、
「《霊気の薬瓶》を起動していいですか?」
と聞かれたら、もう介入できるタイミングは残されていないのかもしれない。
《記憶の熟達者、ジェイス》 |
《記憶の熟達者、ジェイス》
《石臼》って知ってますか? と聞きたくなるほど強力なライブラリー破壊能力を持った、新しいジェイスこと《記憶の熟達者、ジェイス》。
この2つめの能力は《肉体と精神の剣》と同じく10枚削りと効果が大きく、積極的なライブラリーアウト戦略を今後は見かけるようになるのではと思わせてくれる。
そうなれば《引き裂かれし永劫、エムラクール》といったエルドラージがサイドボードに使われるかもしれないし、新しいメタゲームが始まるだろう。
ところで、今から10年前のプロツアーで、Kai Buddeが《Illusions of Grandeur》と《寄付》のコンボデッキに、《変異種》と《紅蓮破》というコントロールへの変形というプランを披露してくれたことがあった。
この対戦相手のサイドボードごと対策をかわすエレガントな回答に、何か学べるものがあるんじゃないだろうか?
お楽しみいただけましたか?
次回は後編として、『フジケン』サイドからのレビューを5枚、お届けします。
はたしてどんなカードと評価が飛び出すか!?
そして『基本セット2012』では、全カードリスト、全カードギャラリーも公開されていますので、この記事の右上と右下にあるツイッターボタンを利用して、「あなたのトップ5」を語ってみてください!
それでは、この後も『基本セット2012』特集記事をお楽しみに!
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