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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ハイスピードvsロウスピード(スタンダード)

岩SHOW

君は初速重視?それとも後から勝負?

 いよいよ春らしくなってきた!この春は楽しいことが待っている、そんな予感がする!この冬は大阪でも久しぶりに雪が降ったなぁ。引きこもってマジックが捗った。そして春……早くも花粉の雰囲気を感じるぞ。引きこもってマジック、だなぁ。やるならスタンダードだ、何せ春の新セットの情報が公開されてホットな状態になっているからなぁ!

 『タルキール:龍嵐録』!いやぁついにタルキール次元再訪だ。『タルキール覇王譚』は氏族の戦いを描いた3色のカードに満ちたセット。続く『運命再編』ではサルカンが時間旅行しウギンを救い、歴史が改変された新たな現代『タルキール龍紀伝』はドラゴンに支配されたかつてないほどのドラゴンセット!この3つのフェイズを経て、新ファイレクシア侵攻後のタルキールを舞台にした次期セットは……再び3色の氏族が台頭!というわけでファーストルックでも懐かしさを感じるカードが公開されて話題になっている。

 なのでこの春は3色以上のデッキを見る機会が増えるだろう。そこに至るまではまだ時間があるが……さて、スタンダードはどんな流れで新セットを迎えるだろうか?というわけでスタンダードをとことん楽しむという姿勢の当コーナー、今週は『霊気走破』プロツアーを経た環境のデッキを皆でチェック!

とことん!赤単系!

 プロツアーのトップ8デッキはもうチェック済み……だよな?まだの人は↑から目を通しておこう、得することはあっても損することはないぞ。さて、今大会の上位には赤いアグロデッキが2種類食い込む結果に。赤単と緑をタッチしたものの2つだ。赤単系の強みはとにかく速いこと、速度には自信あり。相手が姿勢を整えてやりたいことをし始めるその前に叩く!さっさとゲームを終わらせるに越したことはないのだ。というわけで赤単系のアグロ、サンプルリストを紹介しよう!

 
Wada Yuki - 「ボロス・アグロ」
チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3 プレミアム予選 トップ4 / スタンダード (2025年2月23日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《感動的な眺望所
4 《眠らずの露営
2 《サンビロウの境界
7 《
-土地(21)-

4 《雇われ爪
4 《僧院の速槍
3 《次元の先駆者、ケラン
4 《精鋭射手団の目立ちたがり
2 《炎心の決闘者
2 《叫ぶ宿敵
-クリーチャー(19)-
4 《噴出の稲妻
4 《稲妻のらせん
4 《稲妻波
4 《ボロスの魔除け
4 《巨怪の怒り
-呪文(20)-
3 《塔の点火
2 《抹消する稲妻
4 《邪悪を打ち砕く
1 《炎心の決闘者
2 《叫ぶ宿敵
3 《真紅の鼓動の事件
-サイドボード(15)-
BIGWEB より引用)

 

 

 こちらのリストは赤単に白を足した「ボロス・アグロ」!《僧院の速槍》《精鋭射手団の目立ちたがり》のような軽くて打点に優れたクリーチャーらを中心に、《噴出の稲妻》《稲妻波》《巨怪の怒り》などで畳みかけてダメージの最大効率を目指す!焼いて殴って、兎に角瞬く間にゲームを終わらせるのが目的だ。それ以外の何も求めていない、ピュアな魂を感じるアグロの王道……ここまで来るとバーンの域だね。

 そこに白を足す意味とは?まずは《ボロスの魔除け》!2マナで本体に4点は効率抜群だし、二段攻撃も果敢や目立ちたがりのパンプ、《巨怪の怒り》などと組み合わされば4点以上のダメージも狙える。そして破壊不能付与も目立ちたがりなどを守れてナイス。というわけで魔除けが強いのは当然として、それだけでも白を足す意味があるレベルだが、《稲妻のらせん》が使えるのもボロスの強みだ。これはダメージを与えると同時に回復するので、特に赤系アグロ同型でのクリーチャー除去に用いることでライフレースが大きく有利になる。ここに《炎心の決闘者》が加われば、インスタントやソーサリーに絆魂がついてさらにダメージ呪文の打ち合いでリードすることが可能!

 というわけで白を足して得られる最大の恩恵は同型への高い耐性。プロツアーの結果を見るに赤単系アグロは今後も最大勢力の一つとして君臨することになるだろう。そんな時こそ、赤の激しさと白の優しさを併せ持ったこんなリストが活躍する予感!

コントロールだってやれるんだッ!
Arne Huschenbeth - 「Azorius Control」
プロツアー『霊気走破』 / スタンダード(2025年2月21~23日)[MO] [ARENA]
3 《金属海の沿岸
2 《行き届いた書庫
1 《アダーカー荒原
2 《噴水港
4 《フラッドファームの境界
5 《平地
3 《
2 《爆発域
1 《解体爆破場
3 《不穏な投錨地
-土地(26)-

2 《ミストムーアの大主
1 《有角の湖鯨
3 《跳ねる春、ベーザ
-クリーチャー(6)-
4 《完成化した精神、ジェイス
1 《太陽降下
3 《審判の日
4 《食糧補充
4 《全損事故
2 《喝破
1 《方程式の改変
2 《否認
4 《失せろ
3 《一時的封鎖
-呪文(28)-
2 《ミストムーアの大主
1 《強情なベイロス
1 《跳ねる春、ベーザ
2 《萎れ葉のしもべ
3 《ティシャーナの潮縛り
1 《敬虔な命令
1 《否認
2 《解剖道具
2 《安らかなる眠り
-サイドボード(15)-
 

 さて、そんなスピードに全振りしたデッキが力を示す一方、プロツアーではトップ8まであと一歩というところにそれらハイスピードなデッキを受け止める白青2色、アゾリウスカラーの伝統的なコントロールデッキの姿が。つまり速さが全ての環境ではないということでもある。

 このアゾリウスのリストは打ち消し・パーマネント除去・アドバンテージ源の要素で構成された古典的なコントロールだが、カードチョイスに注目。例えば全体除去。単体のカードパワーで観た場合には《太陽降下》が勝るが、そうではなく《審判の日》を優先する形に。単純にマナコストが軽い方を優先していると。これと《一時的封鎖》により可能な限り早いターンに一対複数の交換ができる除去で速いデッキを妨げ、コントロールの土俵へと引きずり込んでいく。

 アドバンテージを獲得する要素には新カードの《食糧補充》が選ばれている。ソーサリーではあるが3マナで2枚の手札になり、しかもライブラリーの上から5枚を見て2枚選ぶという方式なのでかなりの枚数を掘ってより必要なカードが手に入る。質と量を両立するハイスペックっぷりを評価して、隙なく立ち回れる各種インスタントよりもこちらを優先している。打ち消しの枚数もそれほど多くないため、構えて戦うというよりはこの《食糧補充》で常に必要なカードをかき集めながら《全損事故》などで対処していく、より能動的に動くコントロールに仕上げられている。今の時代に合わせた進化が好成績につながったのだね。

 速いデッキも遅いデッキも、それぞれに活躍できるというのは理想的なスタンダード環境じゃないか。というわけで春を迎えて活動的になっていくこの季節、スタンダードを遊びまくってきたるべきタルキールに備えていこう。この道を皆で迷わず駆けようぜ!

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