READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!シミック・テラーで遊びましょ(スタンダード)

岩SHOW

オイ!スタンダードの時間だぞ!起きろ!

 正月休みも終わり、さて始まるのは……日常?いつも通りの学校や仕事やその他もろもろの日々か……特別な休みが懐かしくも感じるけども、逆に考えてみよう。変わらないいつも通りって…それスタンダードじゃないか?我々の生きる日常は即ち、スタンダード!生きていることがスタンダード、スタンダードこそが人生!

 というわけで今週もとことん暑苦しくいってみよう!スタンダードへの愛を語るコーナーの始まりだ。今回は筆者がお正月休み終わりにプレイしてみたスタンダードのデッキを紹介しよう。このリスト、かなり濃いぜ。

とことん!シミック・テラー!
Randall Uebbing - 「シミック・テラー」
地域チャンピオンシップ予選(米国オハイオ州シドニー) 優勝 / スタンダード (2025年1月5日)[MO] [ARENA]
1 《地底の大河
2 《ヤヴィマヤの沿岸
4 《植物の聖域
3 《グルームレイクの境界
1 《ハッシュウッドの境界
2 《迷路庭園
2 《
1 《
1 《
-土地(17)-

1 《群れの巣人
4 《トレイリアの恐怖
4 《渦泥の蟹
-クリーチャー(9)-
4 《薮打ち
2 《花粉の分析
3 《希望の種子
4 《蓄え放題
4 《手練
4 《豆の木をのぼれ
2 《送還
2 《ローナの渦
2 《逃げ場なし
4 《この町は狭すぎる
4 《嵐追いの才能
-呪文(35)-
2 《喉首狙い
2 《羅利骨灰
1 《脚当ての陣形
2 《鋭い目の管理者
2 《否認
1 《平地
2 《僧院の導師
2 《幽霊による庇護
1 《覆われた羊飼い
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 今スタンダードで旬のデッキ「シミック(緑青)テラー」!テラーとは恐怖のこと、《トレイリアの恐怖》を意味する。この海蛇は墓地のソーサリーとインスタントの数だけコストが軽減されるので、青のドロー呪文や緑の切削系呪文で墓地を貯めて、可能な限り低コストで運用しようというのがこのアーキタイプだ。テラーだけでなく同様のコスト軽減能力を持った《渦泥の蟹》もセットで用いる。この蟹は瞬速で相手のターンに戦場に繰り出して、クリーチャー2体タップで攻撃を防いだり、あるいは自ターンにタップしてやることで攻撃を無理やりねじ込むのをサポートするなど非常に頼もしいキーカードだ。

 これらを円滑に運用するために《手練》でカードを引き込んだり、《希望の種子》《蓄え放題》で切削&パーマネント回収などを行い、序盤から手札を整えつつ墓地を耕していく。土地の枚数が少ないのも特徴で、このリストでは17枚と切り詰められている。先述のカードでこの少ない土地をかき集めたり、《花粉の分析》《薮打ち》で手札に加えたりすることでこのような構成でも十分にマナを確保できるというわけだ。現行スタンダードの奥深さを実感できるね。

 

 そして緑とテラーら高コストのクリーチャーを用いるのだから、ということで《豆の木をのぼれ》は外せない。コスト軽減されたテラー&蟹を唱えて、手札をしっかりと補充。さらにコスト軽減可能な5マナ以上の呪文ということで《この町は狭すぎる》も採用。このインスタントをいかにうまく使うかがこのデッキの鍵。相手のクリーチャーなどをどかしつつ、自分の蟹や豆の木を回収してその能力を再利用。あるいは《太陽降下》などの除去から貴重なクリーチャーを緊急回避……などなど、アドリブが問われる1枚。

 これと《嵐追いの才能》という現スタンダードのゴールデンコンビがこのデッキでも炸裂。才能をレベル2にして墓地からこの町を回収、それで才能を戻してまたレベル2にして……というループが完成すれば、相手によってはこれで完封してしまえる。

 

 そんな「シミック・テラー」のメインデッキに黒を足しているのがこのリストの特徴だ。黒いクリーチャー除去を取り入れて柔軟性アップを狙っているわけであるが、そのチョイスが《逃げ場なし》なのが面白い。これはエンチャントであり、即ちパーマネント。《希望の種子》《蓄え放題》で拾える除去を優先したということだね。

 さらに黒を足しているならということで《群れの巣人》が投入されているのも注目ポイントだ。飛行持ちの昆虫2体を提供してくれるこのカカシ、それら昆虫を強化する昂揚能力の達成も、墓地を作るのが得意なこのデッキなら比較的容易。また《この町は狭すぎる》や《送還》で戻しても美味しいと、これもプレイヤーの発想と判断でそのポテンシャルを発揮するタイプの1枚。地べたがにらみ合いになったら、昆虫で空から攻めろ!

サイドボードに4色目!?
 

 さて、このリストはサイドボードも見どころだ。なんと白いカードがある!それも5枚もだ。《覆われた羊飼い》は出来事で使うとして、あとの2種類はしっかりと白マナを要求する。これをメインの《ハッシュウッドの境界》と……あとはサイドの《平地》で運用しようという野心ギラギラな作りだ。そんな《平地》1枚足すだけでなんとかなるのか?と思うかもしれないが、1枚だけじゃないぞ!《薮打ち》でサーチできるので、実質的に《平地》5枚体制だ。こういう尖った作りのデッキも組めるのが今のスタンダード環境の魅力だ。

 さて、白を足すことで除去兼クリーチャー強化、特に絆魂付与が赤いデッキ相手に強い《幽霊による庇護》と、そして往年の名カード《僧院の導師》をサイドインできる。導師は非クリーチャー呪文を唱えるとモンクを生成、このモンクと導師が共に果敢能力持ちなので、《手練》などを連打することでバンバンに強い盤面を作り上げることが可能に。墓地対策がたっぷりの相手などには、墓地の枚数や墓地回収ができない分を導師に補ってもらって勝とうという算段なのだろう。実際意識していないところから突然飛び出してきて、対処が遅れたらそれだけでゲームが決まってしまうだろうなぁ。

 使ってみて本当に心地よい時間を過ごせた「シミック・テラー」。各種トーナメントでの勝利が目立ってきていたが、それにはきちんとした理由がある。文句なしに強く、楽しい。旬のデッキを手に、日常というスタンダードを乗り切ろう!さあ、今週もスタンダードで遊びましょ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索