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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
忌まわしき眼魔は“メンター”デッキで使おう!(パイオニア&スタンダード)
かつてのマジック……四半世紀以上前の話だが、その時代においては《新緑の魔力》が絶対的なフィニッシャーとして活躍していた。本人が7/7とデカい。その上で各アップキープに1/1の苗木を生成する。戦場に出してターンエンドと言えば、対戦相手のターンがやってきてアップキープに1/1が並ぶ。もし魔力自身を除去されても、最低限クリーチャー1体は残る。この時点で相手のカード1枚と魔力1枚の交換、こちらには苗木が残ってアドバンテージで得をしている。うっかり生き延びて自分のターンが返ってこようものなら……さらにトークンがモリモリ増えて、アドバンテージどころの話ではなくなってしまう。デカい本体で殴りつつ、苗木で相手の攻撃をブロックという攻防一体の動きも可能で、当時のマジック少年には憧れのフィニッシャーだった。
そんな往年の名カード《新緑の魔力》を思い起こさせるカードが『ダスクモーン:戦慄の館』に収録されている。《忌まわしき眼魔》だ。唱える条件は通常のコストに加えて墓地を6枚追放、難易度は高いがマナだけで見れば3マナで5/5飛行が得られてコストパフォーマンスは破格のもの。そして対戦相手のアップキープに戦慄予示を行える。これはライブラリーの上から2枚を見て、片方を裏向き2/2のクリーチャーとして戦場に、もう片方を墓地に置くというアクション。2/2として出したカードがクリーチャーであれば、そのコストを支払って表に出来る。そうでなくともとりあえず2/2確保ということで、これをマナ不要で相手のターンごとに行えるのはかなり強力。
《新緑の魔力》の末裔と呼ぶにふさわしい、眼魔は多くのプレイヤーが注目カードとして挙げている。この癖のある1枚を使うなら、どんなデッキが良いのか?そのヒントは有名配信者が参加するストリーマーイベントにて一例が示されていた。
4 《神聖なる泉》 4 《金属海の沿岸》 4 《連門の小道》 4 《アダーカー荒原》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 1 《ストーム・ジャイアントの聖堂》 2 《島》 1 《平地》 -土地(22)- 4 《錠前破りのいたずら屋》 4 《帳簿裂き》 4 《僧院の導師》 4 《忌まわしき眼魔》 -クリーチャー(16)- |
4 《考慮》 3 《異世界の凝視》 4 《宝船の巡航》 2 《失せろ》 4 《救いの手》 2 《再稼働》 3 《第三の道の創設》 -呪文(22)- |
1 《霊気の疾風》 2 《跳ねる春、ベーザ》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《失せろ》 1 《神秘の論争》 1 《神秘の論争》 2 《覆いを割く者、ナーセット》 3 《一時的封鎖》 2 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
こちらはパイオニア(MTGアリーナ的にはエクスプローラー)の「アゾリウス(白青)メンター」。メンターとは導師の意味、即ち《僧院の導師》のこと。果敢を持つモンクを生成する、通好みのこれまた往年の名カードだ。
軽い除去やドローなどのインスタントと組み合わせることがこのカードを一番輝かせる方法で、このリストも《考慮》《失せろ》などがその枠を担っている。この導師が除去されても《救いの手》《再稼働》でリアニメイトして戦場に戻す、継続戦闘能力の高さを武器にしたデッキだ。《考慮》《異世界の凝視》などの諜報や切削を行うカードで墓地に導師を落とし、それをリアニメイトするという動きも狙っていく。このデッキに《忌まわしき眼魔》はまさにうってつけだ。墓地を肥やしていくことで唱えることもOK、墓地に落ちたら《救いの手》などの対象にもなる……戦慄予示は墓地にカードが置けるので次にもつながる、と噛み合った新戦力が加入することに。
この「アゾリウス・メンター」はスタンダードでもマニア人気を獲得しているアーキタイプだ。このスタンダードのメンターに採用したリストというのを今回は考えてみることにしよう。
スタンダードには《考慮》のような便利なカードはないのだが、それでも十分に墓地を増やす手段は存在している。《錠前破りのいたずら屋》の出来事モードはインスタントなので相手のターンエンドに唱えられて、4枚切削してその中からインスタント・ソーサリー・フェアリーのいずれかを拾える。これで《救助の手》などを確保しつつ墓地に導師や眼魔を落とせれば完璧だ。1枚コンボとも言えるだろう。
そういう意味では《第三の道の創設》も同じく墓地耕し&墓地のインスタントorソーサリーを使いまわせるため、これも1枚でコンボとして成立する可能性がある。そういったベストムーブができなくとも、切削で墓地が落ちるのは眼魔を唱える足掛かりになり、これを実質的に手札の消費なく行えるので魅力的だ。
また、せっかく釣り上げた導師や眼魔を一瞬で除去されてはたまったものではない。それを回避するためには……《下支え》を活用しよう。クリーチャーに呪禁を与え+1/+1修整とアンタップもついてくる。これで相手の除去を弾きつつ、導師がモンクを生成。アンタップすることで相手の裏もかける。さらに《洪水の大口へ》や《魂の仕切り》といった相手のクリーチャーに対して使う一時しのぎ系の除去も、いざとなれば自身のクリーチャーに撃ち込んで生存させる手段として用いることも可能だ。
こういったアドリブが要求されるため、デッキジャンルとしては難しいものにはなるが、メンター系デッキならではの引き出しで戦うスタイルは、マジックプレイヤーであれば一度は経験しておきたいものだ。
4 《アダーカー荒原》 4 《金属海の沿岸》 4 《行き届いた書庫》 2 《フラッドファームの境界》 4 《島》 2 《平地》 -土地(20)- 4 《錠前破りのいたずら屋》 4 《忌まわしき眼魔》 4 《僧院の導師》 -クリーチャー(12)- |
4 《手練》 2 《謎への突入》 2 《決定的瞬間》 2 《航路の作成》 3 《洪水の大口へ》 2 《望まれぬ改作》 1 《魂の仕切り》 3 《下支え》 4 《救いの手》 2 《再稼働》 3 《第三の道の創設》 -呪文(28)- |
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というわけでダスクモーン環境の「アゾリウス・メンター」のサンプルリストだ。眼魔以外にも新カードからちょっとピックアップ。《望まれぬ改作》は1マナでクリーチャーを破壊できるすごいインスタント除去!壊されたプレイヤーは戦慄予示を行うので、場合によってはもっと強いものも出てくるかもしれないが……1マナでその場しのぎできるなら安いもの。
同じく1マナ呪文からは《謎への突入》にも注目。クリーチャー1体がブロックされなくなるという、最強の回避能力を付与。これで導師やモンクの果敢を誘発させながら、対戦相手に確実にダメージをねじ込む動きに期待。1枚ドローが付いているので手札を減らさずにこれが狙えるのが偉く、積極的に唱えて墓地を増やすという点からもこの手のデッキにはいくつか採用しておきたいね。
他にも見落としているカードは既存にも新規にも色々あると思うので、皆でそれぞれに気付いたカードを採用して、《忌まわしき眼魔》が活躍するデッキを完成させてほしい。これが生き延びれば、かつての《新緑の魔力》のように勝利を呼び込んでくれると信じている。ビジュアルもホラーセットらしく、イカすしね!
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