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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
バント毒性:霧が晴れたら、そこには亭主が……(スタンダード)
さあもう今週末の7月26日にはスタンダードのローテーションがやってくる。4つのセットが使用不可になることで、スタンダード環境が大きく変化する。一部のデッキは存続するのが難しくなる……コンセプトによってはもう組めなくなってしまうものもあるだろう。だが安心してほしい、何かが去る時には他の何かがやってくる!というわけで今回はまずは去ってしまうかも?なデッキから。
4 《アダーカー荒原》 4 《金属海の沿岸》 2 《剃刀境の茂み》 3 《植物の聖域》 4 《種子中枢》 2 《スランの門》 2 《ミレックス》 1 《島》 -土地(22)- 4 《這い回る合唱者》 4 《離反ダニ、スクレルヴ》 4 《敬慕される腐敗僧》 4 《顎骨の決闘者》 -クリーチャー(16)- |
2 《ダニの突撃》 4 《消えゆく希望》 4 《渦巻く霧の行進》 3 《血清の罠》 2 《呪文貫き》 2 《終焉よ来たれ》 1 《有貌体の向上》 4 《スクレルヴの巣》 -呪文(22)- |
3 《別館の歩哨》 2 《邪悪を打ち砕く》 2 《運命的不在》 2 《痛烈な一撃》 2 《有貌体の向上》 2 《終焉よ来たれ》 1 《呪文貫き》 1 《ミレックス》 -サイドボード(15)- |
「バント(緑白青)毒性」――その名の通り毒性という能力で勝つのがメインコンセプト。毒性を持つクリーチャーは対戦相手に戦闘ダメージを与えると設定された値の数だけの毒を与える。この毒というカウンターが10個乗せられたプレイヤーはゲームに敗北する。ダメージでライフを0にして勝つこともできるが、ライフは様々な方法で回復することができるもの。その点毒をどうにかする方法というものは、スタンダードにはほとんど存在していない。
《スクレルヴの巣》などから毒性持ちを繰り出して、ラッシュを仕掛け続ける。そしてただ殴るだけでなく、《敬慕される腐敗僧》で直接毒を乗せることでも勝利を目指す。自身のクリーチャーが呪文の対象になると対戦相手に毒が与えられるもので、対戦相手が除去を撃ち込んできた時はもちろん、自分でクリーチャーを強化する類の呪文を撃ったりしても相手の最後の時が迫ってくる。『ファイレクシア:完全なる統一』のファイレクシアン及び毒に関するカードを、白を中心に青と緑を足すという形で作られているものが一般的だ。
ファイレクシアン達と毒に関するカードはローテーションには関係がない。スタンダードに残留するのにこの「バント毒性」が姿を消すかもしれないその理由は……《渦巻く霧の行進》という最大最強の必殺技を失うからだ。ある時は相手のクリーチャーをまとめてフェイズ・アウトさせて攻撃を通す。またある時は自身のクリーチャーを対象にして除去を回避する……対象を取るものも全体除去も関係なく。そしてまたある時は自身のクリーチャーをまとめて対象にして、腐敗僧を一気に誘発させて毒を与えてフィニッシュへ!除去・打ち消し・フィニッシャーと1枚が3つの役割を担える、超便利カードがあるからこそ白と緑の毒性デッキに青を足すという構成を取っていたわけだ。
この行進に加えて《消えゆく希望》のような扱いやすいインスタントもローテーション落ちするため、青を足す旨味は明らかに減少する。《終焉よ来たれ》《血清の罠》のような毒デッキで用いろといわんばかりの青いカードもまだ残ってはいるが……果たして行進抜きのバントがどこまで通用するものになるのかはまだまだ未知数というところだ。
3色で通用するかが不確かなデッキであれば、2色にしてこちらも不確かな新カードを用いてマナの問題だけは安定させるというアプローチもアリではないだろうか。というわけで白緑2色、セレズニアで毒関係のデッキを組むのであれば、何か相性がいいカードはないか……そんな観点でリストを見まわしてみると、白に与えられたテーマが毒性デッキのカードと好相性のように思える。白のメイン種族の一つであるハツカネズミは、自身のクリーチャーが呪文の対象となることを推奨している。白にはそのハツカネズミたちを対象に取るための呪文が《メイブルの血気》のように用意されている。こういったインスタントを青のそれの代わりに用いて戦うというスタイルはどうだろうか。
そして、これぞ毒デッキで使えと言わんばかりに作られたエンチャント、それが再録となるクラスの一つである《亭主の才能》!クリーチャーに+1/+1カウンターと護法を与える強化系のカードだが、レベル3まで育てることでクリーチャーやプレイヤーにカウンターを置く場合、その数が2倍になる。プレイヤーにカウンターを置く、これ即ち毒を与えるということで、毒の数が2倍になるならかなりの効率で相手を敗北に落とし込めそうだ。自分のファイレクシアンをゴリゴリのマッチョに育てつつ、相手は毒で弱らせる。なんという(こちらにだけ)あったかい亭主だ!こんなお店に飲みに行きたい。
4 《低木林地》 4 《剃刀境の茂み》 1 《不穏な大草原》 4 《種子中枢》 2 《ミレックス》 4 《平地》 3 《森》 -土地(22)- 4 《這い回る合唱者》 4 《離反ダニ、スクレルヴ》 4 《敬慕される腐敗僧》 4 《顎骨の決闘者》 4 《殺戮の歌い手》 2 《ふくれた汚染者》 2 《別館の歩哨》 -クリーチャー(24)- |
2 《痛烈な質問》 2 《逃走のまやかし》 2 《メイプルの血気》 4 《スクレルヴの巣》 4 《亭主の才能》 -呪文(14)- |
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というわけで新カード《亭主の才能》を組み込んだ白緑2色の毒性デッキ、そのサンプルリストを組んでみた。これを考えた段階ではまだ『ブルームバロウ』のカードが全て公開されていないので、これを読む皆はもっと相性の良いカードを使ったリストを構想しているかもしれない。その辺はご勘弁を!《渦巻く霧の行進》という必殺の1枚は去ってしまうが《亭主の才能》という期待のルーキーがやってくる!このワクワク感、ローテーションがあるスタンダードだからこその感覚だ。初ローテーションを経験する人は、このマジックの醍醐味をぜひとも味わって、毎日新デッキを考え続けてほしいね。次期スタンダードで毒性デッキ、どこまでいけるのか?
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