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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
豆の木は伸びるよどこまでも。各フォーマットの新生多色コントロール!(モダン&レガシー)
前回はエルドレイン次元に生える天空まで伸びる豆の木をカード化したもの《豆の木をのぼれ》とそれを用いたスタンダードのデッキを取り上げた。豆の木、2マナという軽さから2枚以上のカードが引ける可能性を持ったエンチャントはアドバンテージ・エンジンとしての活躍が期待できる。この軽さとドローという確実なアドバンテージの獲得法は、スタンダードに留まらずあらゆる構築フォーマットで試したくなる性能だ。
世界中のプレイヤー達がこの豆の木を活かすことに挑戦し、結果魅力的なリストが誕生した。スタンダードのリストでも組み合わせていた《力線の束縛》は、モダンやレガシーといった土地に恵まれた環境でも大活躍中。この束縛と豆の木の鉄板的な組み合わせを軸に組まれた4色以上のデッキ、これを2つ紹介しよう!
4 《溢れかえる岸辺》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《霧深い雨林》 1 《スパーラの本部》 1 《ラウグリンのトライオーム》 1 《インダサのトライオーム》 1 《神聖なる泉》 1 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《聖なる鋳造所》 1 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《平地》 1 《島》 1 《森》 -土地(26)- 4 《喜ぶハーフリング》 4 《創造の座、オムナス》 4 《孤独》 4 《激情》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 -クリーチャー(17)- |
4 《稲妻》 4 《虹色の終焉》 4 《力線の束縛》 4 《豆の木をのぼれ》 4 《一つの指輪》 4 《鏡割りの寓話》 4 《レンと六番》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(32)- |
3 《狼狽の嵐》 1 《ドビンの拒否権》 1 《虚空の杯》 3 《花咲く沈静》 1 《天界の粛清》 2 《忍耐》 2 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 1 《約束された終末、エムラクール》 -サイドボード(15)- |
まずはモダンのもの……Magic Onlineのイベントで上位入賞したリストから。何故かメインデッキが75枚という、謎に満ちたものだ(笑)。おそらくは豆の木でドローしまくれば、多少ライブラリーが分厚くなろうが問題なし!些細な問題をスルーして使いたいカードを詰め込むことを優先……というところだろうか。
ベースとなっているデッキは4色の《創造の座、オムナス》デッキ!オムナスと《溢れかえる岸辺》などの土地を組み合わせて大量のマナを捻出し、モダンの他のデッキよりも重めの4マナ以上のカードを用いて戦う。4色のクリーチャーがキーカードなので《喜ぶハーフリング》のマナ加速を用い、これと好相性の《一つの指輪》も備えてアドバンテージ勝負を挑む。
このデッキの序盤を支える除去の中でも、インカーネーション達の占める割合は大きい。《孤独》と《激情》、どちらも手札を1枚追放することでマナを支払わずに唱えられる想起能力を持つ。これで失った手札はオムナスや指輪で埋め合わせすれば問題なし、躊躇せずに手札を切って唱えるべし!
というわけなのだが……これらのインカーネーションはいずれもマナ総量が5。つまり、豆の木が誘発する!2ターン目に豆の木設置からこれらを想起で唱えれば、カードが引けるため追放した手札がすぐに補充されるという仕組みだ。ターンが進めばこれらを想起ではなく通常のコストで唱えてクリーチャーとして戦場に出し、手札を増やしながら攻めていくのである。想像しただけで震える光景だ。モダンで豆の木を見たら、これらの想起クリーチャーが飛び出してくることにご用心!
4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 2 《Tropical Island》 1 《Savannah》 1 《Taiga》 1 《ゼイゴスのトライオーム》 2 《神秘の聖域》 2 《不毛の大地》 1 《平地》 1 《島》 -土地(28)- 1 《忍耐》 3 《孤独》 4 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 3 《ロリアンの発見》 4 《豆の木をのぼれ》 4 《一つの指輪》 4 《剣を鍬に》 2 《終末》 1 《火 // 氷》 4 《力線の束縛》 4 《意志の力》 3 《否定の力》 1 《夏の帳》 2 《進め、エオルの家の子よ!》 1 《壌土からの生命》 1 《花の絨毯》 1 《時を解す者、テフェリー》 1 《Comet, Stellar Pup》 -呪文(44)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》(相棒) 2 《花の絨毯》 2 《紅蓮破》 3 《水流破》 1 《活性の力》 1 《溶融》 2 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 3 《外科的摘出》 -サイドボード(15)- |
かわってこちらはレガシー、同じくMagic Onlineにて使用されたリストだ。マナを払わずに代替コストで唱えられる呪文と言えば、やはりレガシーが本家。最も有名な《意志の力》、これだってマナ総量は5!手札の損失を恐れずに唱えられる万能打ち消し……イメージするだけで額に汗が浮かぶな。
また《渦まく知識》でライブラリートップに仕込んでの《終末》を奇跡コストで唱える動き、これはかつてレガシーではよく見られた光景だ。最近では他の除去が台頭してきたためにとってかわられた感があるが、豆の木でドローが出来るとなればこの懐かしムーブの復活も納得。今後また定番になるかも?
そしてレガシーであれば《空を放浪するもの、ヨーリオン》が相棒に指定できる!サイドボードから手札へと舞い降りるヨーリオン、ただでさえアドバンテージをもたらすこの海蛇もまた豆の木との相性がネクストレベル。5マナなので唱えて誘発、そしてヨーリオンの能力で豆の木を追放して戦場に戻し、また誘発してドロー。手札が空っぽでも豆の木とヨーリオンさえあれば一気に立て直せるので、長期戦により強くなった。天空へと延びる豆の木と空を漂うヨーリオンの組み合わせ、ビジュアル的にも相当イケてるぜ。
モダンやレガシーでも華々しいデビューを果たした《豆の木をのぼれ》。アンコモンという手に入りやすいレアリティにも、このように強力なカードが潜んでいる。派手なレアや神話レアばかりに目を取られがちな新セットだが、アンコモンやコモンにも環境を塗り替えるポテンシャルを持ったカードは確かに存在する。どんなカードでも気になったものはまず試す!この姿勢を忘れずにね。
追伸:モダンのリストが75枚の理由は、トロンが用いたりこのリストのサイドにも入っている《約束された終末、エムラクール》で自身のコントロールを奪われた際にライブラリーアウト負けしないという副次的作用があるらしい。どんな負け方だ!マジック奥深過ぎか!
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