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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!サバイバルでエルドレインを満喫(スタンダード)

岩SHOW

「新カードで滾(たぎ)る……滾ろうぜ!」

 今、マジックプレイヤーの心を最も滾らせているのは『エルドレインの森』に間違いない。このセットからほとばしるもの、受け取った側は滾らずにはいられない!スタンダード・プレイヤーには待ちに待った超刺激。日々新カードがお目見えするたびに、それがどんな変化をもたらすか、ざわついている様も大変楽しい。

 スタンダードはローテーションなしでドカッと新カードが加入するという、フォーマット変革の影響が最も体感できる瞬間がやってくる。『イニストラード:真夜中の狩り』以降のカードが、エルドレインのカードと結びついた時……そこには何が起こるのか?今からワクワクが止まらない、どうも岩SHOWです。スタンダードについてとことん熱く語り、この長く険しく、そして最高に楽しい道を極めんとする同士を歓迎する「とことん!スタンダー道!」。今週も元気よくいくぞッッ。

とことん!ナイトメア・サバイバル!
Michael Rooks - 「ゴルガリ・サバイバル」
The Pizza Box Open: Standard 87位 / スタンダード (2023年8月14日)[MO] [ARENA]
4 《ジアトラの試練場
4 《憑依されたぬかるみ
4 《死天狗茸の林間地
4 《ラノワールの荒原
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《ミレックス
3 《
3 《
-土地(25)-

4 《硬化した屑鉄喰らい
4 《獣相のシャーマン
2 《穢れた敵対者
1 《腐れ花
2 《ブランチウッドのうろつくもの
1 《回路の修理屋
1 《温厚な襞背
1 《闇叫び
2 《黙示録、シェオルドレッド
1 《空漁師の蜘蛛
1 《シェオルドレッド
1 《ヴォリンクレックス
1 《墓所の冒涜者
1 《蝕むもの、トクスリル
1 《産業のタイタン
-クリーチャー(24)-
1 《セレスタス
3 《喉首狙い
3 《ギックスの残虐
4 《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー
-呪文(11)-
3 《強迫
2 《石の脳
3 《雑草学の指導者
3 《ぎらつく氾濫
2 《温厚な襞背
1 《腐れ花
1 《ティラナックス・レックス
-サイドボード(15)-
MTGMelee より引用)

 

 早速リストから。黒緑2色、いわゆるゴルガリのこれは……機械的に分類するならミッドレンジ、中速デッキとなってしまうだろう。ただ、そんな簡単に済ませて良いものじゃないぜ。このリストは大昔のスタンダードと繋がっている!そのデッキは……「ナイトメア・サバイバル」!

 手札からクリーチャーカードを捨て、ライブラリーからクリーチャーを探して手札に加える《適者生存》。これで場面ごとに必要なクリーチャーをサーチ。手札に加えたそれらで盤面をコントロールしたりマナ加速しつつ、捨てたクリーチャーを《繰り返す悪夢》で戦場に戻す。戦場で圧倒的優位に立って勝利する、王者のマジックを体感できるえげつないデッキだった。僕がマジックを始めた頃には既にこのデッキは最強時代を築き上げた伝説のデッキとして語られていた。いつか自分もサバイバルを組みたい……そう願った少年時代が懐かしいようで、そんなに時間も経っていないような不思議な感覚だ。

 思い出話はそこらにしておいて、今回のこのリストにはサバイバルの系譜である要素が組み込まれている。《適者生存》という強力無比な1枚を、壊れカードにならないように絶妙に調整された後継機《獣相のシャーマン》!手札からクリーチャーを捨てて別のクリーチャーを持ってくるという能力はそのままに、クリーチャーとなったことで除去されやすく、また戦場に出したターンには速攻でも持たない限り能力が起動できなくなった。本家に比べると大人しいカードになってはいるものの、どっこいシャーマンもなかなかの強力クリーチャー。うっかり生き残ってしまうと、毎ターンより局面にマッチしたクリーチャーを引っ張ってきて好き放題。

 そしてこのシャーマンで捨てた大型クリーチャーを《ギックスの残虐》で釣り上げるギミックはまさしく現代によみがえった《繰り返す悪夢》!このギックスによるリアニメイトは繰り返すものではないようにも見えるが、Ⅱ章能力でもう1枚残虐を持ってくれば文字通り数ターンに渡って繰り返すことが可能だ。

 このシャーマン×残虐エンジンを用いて、戦場に大型クリーチャーを降臨させる。野心溢れている構築がたまらないね、これは滾る。《蝕むもの、トクスリル》で喰らい尽くすか?《産業のタイタン》で押しつぶすか?望むがままに大暴れしようぜ!これらを捨てつつ《腐れ花》や《空漁師の蜘蛛》、《温厚な襞背》などのクリーチャーを引っ張ってきて、リアニメイトが決まるまでの時間を稼ごうではないか。

エルドレインまで待てないッ!デッキアップデート

 今回はこのスタンダードを楽しんでいるリストに敬意を表しつつ、『エルドレインの森』参入以降はこんなカードを加えたらよりエキサイティングなものになるんじゃないか?そういう考察をしていこう!

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 まずは……エルドレインにおける黒と緑のクリーチャーを確認。ゴルガリ・カラーはいつも癖のあるヤツらが揃っているものだが……今回も例外にあらず。黒緑の2色のテーマ、これは食物。《甘歯村の断罪人、グレタ》はお菓子の軍団を薙ぎ倒すファンシー(?)なイラストが味わい深く、能力もまたスイートなもの。食物を生け贄に捧げることで何かしらのアクションが行える。また自身でも食物・トークンを生成できるので、とりあえず回復薬的な運用も。ライフに余裕があれば彼女の能力でドローに代えたり、あるいは他のカードの協約のための生け贄にしても良いね。

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 クリーチャーの中でもモードを持つものがいれば、シャーマンから持ってくるカードで出来ることのバリエーションが増える。《失われし伝承の歩哨》は今セットがもたらす出来事に関する能力を持っており、できれば対戦相手の出来事をライブラリー下に送ることでクリーチャーとして唱えさせない妨害を狙いたいね。あるいはシンプルに墓地対策としてもGood。《駆け抜け侯の解体屋》も派手さはないが、使いこなせると幸せになれるタイプのカードな予感。全クリーチャーに威迫を与えてフィニッシュというのを基本線としつつ、ネズミで頭数を増やしたり、ドローしたりとテクニカルな運用をして「うお~今マジックやってるなぁ」という感覚に浸りたいものだ。

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 対クリーチャーデッキの選択肢も充実。タフネス4までの相手なら《フォーン忌みのトロール》での格闘で討ち取れる。5/5トランプルとして攻めを任せても良いね。並んだクリーチャーをまとめて流すなら《必滅の死霊》!墓地のクリーチャーを追放してその分のマイナス修正というのも、シャーマンと噛み合っているではないか。そして見た目もメチャカッコいい。これ重要。

岩SHOW - 「ゴルガリ・サバイバル」
スタンダード (2023年8月24日)[MO] [ARENA]
2 《ジアトラの試練場
4 《眠らずの小屋
4 《死天狗茸の林間地
4 《ラノワールの荒原
2 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
2 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《ミレックス
3 《
3 《
-土地(24)-

4 《硬化した屑鉄喰らい
2 《木苺の使い魔
4 《獣相のシャーマン
1 《穢れた敵対者
1 《腐れ花
1 《食事を終わらせるもの、ジンジャー卿
1 《ブランチウッドのうろつくもの
2 《下水王、駆け抜け侯
1 《駆け抜け侯の解体屋
1 《甘歯村の断罪人、グレタ
1 《温厚な襞背
1 《闇叫び
1 《黙示録、シェオルドレッド
1 《空漁師の蜘蛛
1 《フォーン忌みのトロール
1 《シェオルドレッド
1 《ヴォリンクレックス
1 《必滅の死霊
1 《墓所の冒涜者
1 《蝕むもの、トクスリル
1 《産業のタイタン
-クリーチャー(29)-
2 《執念の徳目
3 《ギックスの残虐
2 《歓喜する喧嘩屋、タイヴァー
-呪文(7)-

-サイドボード(0)-
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 というわけで新カードを盛り込んだ「ゴルガリ・サバイバル」の叩き台を。とにかく1枚挿しをずらりと並べることにこだわってみた。ここまでやってしまうとシャーマンを引けなかったり即対処されてしまった時にデッキが滑らかに動かないかもしれないが……まあ、その辺はご愛敬ってことでね!クリーチャー以外の新カードでは《執念の徳目》に注目しているよ。出来事の《ロークスワインの嘲笑》はとても使いやすいクリーチャー除去であり、終盤には徳目として唱えれば、毎ターン自動でリアニメイト!これは対戦相手の墓地からも対象を取れるので、強烈なフィニッシャーになってくれるはず。

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 ゴルガリと言えば、エルドレインでやってくる土地はかなり強そうと話題になっているね。《眠らずの小屋》、まずサイズがデカい!4/4!キーワード能力は持っていないが、土地がこれだけのサイズになってくれれば戦力として十分すぎるものだ。そして攻撃すれば墓地追放&食物生成!対戦相手への妨害を行いつつパーマネントの数が増えるのはかなりスゲェな。グレタでこれをクリーチャー強化やドローへと変換できるようになればもう勝ったも同然。真っ先に揃えたい土地だなぁ。

 現スタンダードをエンジョイしているデッキを見て、もうすぐやってくる次の環境に胸を膨らませる。スタンダードにおける至福のひと時だ。そういえば……。

 激熱なイベント、発表されたね。我らスタンダー道を極めんとする者、この機械を逃す手はないッッ!皆で乗り込んで、優勝を目指すぞ!賞金で焼き肉じゃ~なんて白昼夢を見つつ、今日もスタンダードの練習、やりますかね!

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