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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
「オープン」の日迫る!①溶接工コンボと“ボーライ”スペシャル(モダン)
ただでさえ短い2月。もう上旬に寒さのピークはきたが、それを越えてすっかり暖かくなってきたと感じる今日この頃。3月が見えてきた……ということは?そう、「プレイヤーズコンベンション横浜 2023」の開催も迫ってきているということ!昨年末の愛知に続き、今度はパシフィコ横浜でマジックの祭典が開かれる。詳細はコチラから。
僕も当日は会場入りして、一スタッフとしてただでさえ楽しいイベントをより盛り上げられるように尽力する予定だ。今回のお仕事、メインはオープンイベントのビデオカバレージの実況。プロツアー参加権利をかけた招待生イベントであるチャンピオンズカップファイナル サイクル2が開催されている中、同会場で誰でも参加可能なオープントーナメントでも賞金や権利などの副賞を目指して、数百のマジックプレイヤーが火花を散らす熱戦が繰り広げられる。この競技イベントが良いものだということをゲームを通じて皆さんにお伝えしていく任務を背負うことになったので、どうぞよろしく。
オープンは土日両日に開催され、フォーマットはモダンとスタンダードになっている。モダンは本当にカードプールが広くなったので、一体どんなデッキが飛び出すのか今からエキサイトしているところだ。モダンの王道、主役格の主要デッキというものもあるのだが、この環境は個々人が好きなものを突き詰めた独自デッキとの遭遇率も高いのが本当に面白い。今回はそんな独特なモダンのデッキを2つ紹介しよう!
24 《山》
-土地(24)- 4 《血に飢えた振起者》 4 《ピリ=パラ》 4 《臭い草のインプ》 4 《農場の収穫者》 4 《マイアの溶接工》 -クリーチャー(20)- |
4 《安堵の再会》 4 《カルニの宝石》 4 《金粉の水蓮》 4 《威圧の杖》 -呪文(16)- |
-サイドボード(0)- |
《マイアの溶接工》コンボ!懐かしい、そういやあったなこのカード!『ミラディン包囲戦』、実に12年前のセットにおけるミラディン陣営の1枚だ。墓地のアーティファクト・カードを追放し、刻印されたそれの起動型能力をすべて持つという面白系カードだね。
このデッキはその能力を用いて、そのまま勝利まで繋げる無限コンボだ。まず必要なのはマナを複数加えるアーティファクト、《カルニの宝石》か《金粉の水蓮》のどちらか(他のカードでも良いよ)。溶接工をタップしてこれらを墓地から追放することで、マイアもマナを加えられるようになる。
その上でこれをアンタップする手段があれば、無限マナになる。自身をアンタップする起動型能力を持ったアーティファクトと言えば、その代表格は《威圧の杖》!
1マナ払えばマイアが起き上がるので、宝石か水連の能力でマナを得ては杖の能力で起こしてを繰り返すことで好きなだけのマナが得られるようになる。無限マナの使い道はそのまま杖の能力に注ぎ込めるのがスマートだ。好きなだけライフを得てカードを引ける。
真面目にライフを0にして勝つデッキはこの時点で勝負ありとなるが、他の勝ち手段を備えたデッキもいるので能動的に勝ちに行くルートも必要だ。そこで用いられるのが《農場の収穫者》。マジック界でも数多くはない、アンタップ・シンボルを持った1枚だ。
タップ状態からアンタップすることがそのコストに含まれており、{2}とアンタップすることで+1/+1カウンターを載せられる。マナを得る→アンタップ&サイズアップと繰り返すことで、無限にパワーを上昇させて対戦相手をノックアウト!マナ・アーティファクトと収穫者の2枚が墓地にあればそのままコンボが決まるのがお手軽で嬉しい。同じくアンタップ・シンボルを持った《ピリ=パラ》も無限マナを促すパーツであり、これらを《安堵の再会》やそれにより捨てた《臭い草のインプ》の発掘で墓地に送り、コンボを完遂するべし!
4 《新緑の地下墓地》 2 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 1 《草むした墓》 2 《血の墓所》 3 《踏み鳴らされる地》 1 《神無き祭殿》 3 《マナの合流点》 2 《真鍮の都》 1 《沼》 1 《森》 -土地(22)- 4 《極楽鳥》 4 《下賤の教主》 4 《雷族の呼び覚まし》 4 《ボール・ライトニング》 4 《地壊し》 4 《稲妻の骨精霊》 4 《火花の強兵》 -クリーチャー(28)- |
4 《発掘》 4 《誰も置き去りにしない》 2 《異界の進化》 -呪文(10)- |
4 《虚空の力線》 3 《窒息》 3 《自然のままに》 3 《虚空の鏡》 2 《タミヨウの保管》 -サイドボード(15)- |
お次は……“ボーライ”デッキ!ボーライとは《ボール・ライトニング》の愛称。
3マナでパワー6、速攻&トランプルとあり得ないほどのハイスペックの持ち主にして、ターン終了時に生け贄に捧げるというデメリットを持った1回こっきり使い捨てのクリーチャーであるボーライ。“歩く火力”とも呼ばれたこのクリーチャーには後継機と呼べる同様のデザインのエレメンタルがいくつか存在する。ボーライ一家はモダン環境で集結させられるので、それらを4種16枚ブチこんだ腕白ワイルド天衣無縫なデッキを組んでみたと言わんばかりなこのリスト。見ているだけでテンション上がるなぁ。
色が緑に変わった《地壊し》、手札を捨てるドでかいおまけ付きの《稲妻の骨精霊》、そして絆魂も持って回復役でもある《火花の強兵》!
逞しいラインナップを《極楽鳥》《下賤の教主》で支える。わがままな構築にはこういった堅実なスタッフが不可欠だ。
このリストもある種のコンボデッキと言える。ボーライらはターン終了時に生け贄になるため、複数回攻撃できないのが唯一とも言える弱点だ。これらは追放ではなく生け贄なので、それを活かして墓地から戦場に戻すリアニメイト戦術を用いるのがスマートな使いまわし術になるね。《火花の強兵》以外は3マナなので、これを見逃す手はないと《発掘》で釣り上げるべし!
1マナで釣れるとかなり美味しいね。格安で6点ダメージを与えられれば、それはちょっとしたコンボのようなもの。《誰も置き去りにしない》も加わったことで、軽量リアニメイトの手段が増えているのも追い風だ。
エレメンタルというタイプが揃っていることも重要なポイントであり、どれもタフネス1であるのも相まって《雷族の呼び覚まし》の対象にすることも可能だ。理想的なのは2ターン目以降にボーライを投げ続け、ゴリ押しでブチ抜いてノックアウト!後退のネジは外して、自分自身がボーライと思い込む勢いで攻撃あるのみ!《異界の進化》からのボーライ降臨も交えて、対戦相手の体制が整う前に勝負を決めよう。
どちらのリストも他のフォーマットではなかなか見ない構成で、これぞモダンといった趣の魅力的なもの。モダンに興味を持ってくれたかな?実際に現地に行くには準備が間に合わないにしても、「プレイヤーズコンベンション横浜 2023モダンオープン」というトーナメントのことが気になってくれたら、フィーチャーマッチをビデオカバレージでお届けする予定なのでどうぞよろしく!「チャンピオンズカップファイナル サイクル2」の生放送が行われている裏で、動画の準備が出来次第順次公開!熱い試合を伝えていけるように、僕自身もこれからモダンを復習していくため、当コラムで同フォーマットを取りあげていく予定だ。春を告げるトーナメント、今から楽しみだね。
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