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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

テゼレイター:ファイレクシアと、遥か古代からの刺客と(レガシー)

岩SHOW

 テゼレット、カッコいいんだよなぁ。かつてはニコル・ボーラスに色んな次元に使い走りにさせられ、内心もやもやしつつも最強のプレインズウォーカーに仕えていたテゼレット。『灯争大戦』で支配者から解放され、むしろイキイキ?今度は以前より接触していた新ファイレクシアとつるんで暗躍だ。

 ファイレクシアンの次元渡りやプレインズウォーカーの完成化といった悪事の手助けをしたことで、彼はエリシュ・ノーンから褒美としてダークスティールの身体をもらえることに。改造中にジン=ギタクシアスの策略にハマりそうになるもからくも脱出、次元を渡り故郷のアラーラへ。バントの面々へと対ファイレクシアの有効手段があると伝言を遺したり、神河にてタミヨウの養子のナシに母親は生きていると告げたり……物語を進める役者っぷりが半端ない!正義じゃないけど、ただの悪でもない。そんなダークヒーロー的な地位をまさに確立したテゼレット。今後の動向から目が離せないッ!

 そんなテゼレットが今、レガシーでブームの兆し。過去、テゼレットはアーティファクトに関係のある能力を備えたプレインズウォーカーとして何度もカード化されてきた。いずれも個性が際立ち、どれもデッキを組みたくなるそそるデザインだ。ここ最近その姿を見かける機会が増えたのは《ボーラスの工作員、テゼレット》。ボーラスの手下時代の名残が残る名前が、今になって実に良い(笑)。

 ファイレクシアの深部へと乗り込んだ際の姿がこの2023年にまた注目されるとは。実に12年前のカードだぞ、なんか色々グッとくるじゃないか。そんなわけで今日はテゼレットが主役のデッキ、いってみよう!

Diego Badinotti - 「テゼレイター」
Legacy League Pavia 2位 / レガシー (2023年2月2日)[MO] [ARENA]
4 《教議会の座席
4 《囁きの大霊堂
4 《古えの墳墓
4 《ウルザの物語
3 《不毛の大地
1 《
1 《
-土地(21)-

2 《羽ばたき飛行機械
4 《悪意の大梟
4 《スコーペク・ロード
3 《エーテリウムの達人
2 《金線の打破者、アーミクス
4 《思考の監視者
-クリーチャー(19)-
4 《意志の力
2 《四肢切断
4 《オパールのモックス
2 《水蓮の花びら
4 《虚空の杯
1 《上天の呪文爆弾
1 《影槍
2 《ボーラスの工作員、テゼレット
-呪文(20)-
2 《狼狽の嵐
2 《否定の力
2 《未認可霊柩車
1 《外科的摘出
2 《船殻破り
2 《敵対工作員
2 《疫病を仕組むもの
1 《ハーキルの召還術
1 《倦怠の宝珠
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 テゼレットを主役としたデッキは「テゼレイター(日本ではテゼレッターとも)」と呼ばれる。新型テゼレイター登場となったきっかけは……意外にも多元宇宙の更に向こう、ユニバースビヨンド『統率者デッキ:Warhammer 40,000』の世界からやってきたネクロン軍団の先兵だ!

 ネクロンとは、遥か昔に全宇宙を支配していた種族である。彼らは超存在との取引で肉体を捨てて機械の身体を獲得した。人類が宇宙に進出する時代に永い眠りより目覚め、かつての帝国を取り戻すべく自動修復されるタフさと物理法則を捻じ曲げる兵器で殺戮を繰り広げる……と、なんだかファイレクシアとも共通する部分のある機械の軍勢だ。

 そんなWarhammer 40,000のネクロンをカード化したものの中でも注目の《スコーペク・ロード》。指揮プロトコルなる能力は、ロードの名の通り他のアーティファクト・クリーチャーを強化するもの。ただ単にパワーを上昇させるだけでなく、威迫も与えることでダメージ効率を大幅に上昇させる。自身も威迫持ちなのに加えて、蘇生能力を持つことで墓地から再出撃して攻撃させても強いのが嬉しいところだ。ロード役は真っ先に除去されるのが世の常なので、それでさよならバイバイではなく蘇生でしぶとく戦えるというのは、レガシーでも心底頼もしいぜ。

 このネクロンのロード共にデッキを形成するのは、攻めに優れたアーティファクト・クリーチャーたち。

 特に《エーテリウムの達人》は《教議会の座席》《囁きの大霊堂》《オパールのモックス》とマナ不要で展開できるアーティファクトから叩きつければ怪物の如きサイズになり、さらにはこれもロード能力で仲間を強化する。そして《金線の打破者、アーミクス》は攻撃時に戦場と墓地のアーティファクトの数分、対戦相手のクリーチャーのサイズを減少させる強力な除去能力持ち!

 これらテゼレットの故郷、アラーラ産のアーティファクト軍とネクロンを組み合わせたデッキで、《ボーラスの工作員、テゼレット》は威迫を持った6/5の強烈な攻撃役を作りだしたり、次なる機械の兵士候補を手札に補充したり、対戦相手のライフを直に攻めたり……攻撃的なアーティファクトデッキを成立させている。宇宙から飛来したメタリックな軍勢、ビジュアル面もイカすぜ。

 このデッキにはネクロンに負けじと、『ファイレクシア:完全なる統一』からファイレクシアンの新カードを採用したいところ。最有力候補は《大変成家、アンクタス》!「伝説のアーティファクト・クリーチャー ファイレクシアン・ヴィダルケン」というタイプ表示欄がギッチギチになっているのがたまらないね(笑)。

 第3のアーティファクト・ロード役としても期待しているが、青いクリーチャーが攻撃した際に手札を入れ替える、通称ルーター能力を与える点にも注目だ。《スコーペク・ロード》を捨てて蘇生させたり、不要な土地を捨てつつアーミクスのための墓地カウントを増やしたりと色々と余すことなく恩恵を受けられそうなんだよな。

 テゼレイターに新たなファイレクシア軍勢を迎えたリスト、皆も考えてみてね!ダークヒーロー、テゼレットの明日はどっちだ。

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