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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
今週のCool Deck:アサーラック・レリック(ヒストリック)
おっ、金曜日じゃねぇか。じゃあこのコーナーいってみよう。
今週のCool Deck!
世界中で日夜作られるマジックのデッキ。幾万幾億のデッキがこの世に生を受け、その中で世界チャンピオンなどの華々しいスポットライトを浴びるデッキは限られたもの。輝かしい実績を誇ったデッキ、桁違いの強さを見せたデッキ、それら以外にも数えきれないほどの素敵なデッキが世の中には溢れている。当コーナーではクールに感じるというのを第一にデッキを選定し、そのデッキがどれだけクールかをお伝えするものですっと。
クールに感じるっていうのは人それぞれの価値観だと思う。僕がマジック少年だった頃(今もまあ心は子どものままか)、マジック取扱店に行ってデュエルスペースを目にした時、そこでコンボデッキを正確にプレイして勝利を収めているプレイヤーを目にすると「クールだなぁ」と思ったものだ。そこで刺激を得たら地元の公民館のフリースペースに帰って、カードが足りないながらにコンボデッキもどきを作って、それを淡々と回す自分もクールなプレイヤーになれるようにと不完全なデッキを無理やりプレイしていたものである。無限ループやそれに準ずるものを形成するコンボは特にクールに見えたね。自分も無限への扉を開いたんだと、そういう実感が満足を与えてくれた。
というわけで今回も無限ループ系コンボデッキだ!どのようにコンボが決まるか解説していこう。MTGアリーナ専用フォーマット、ヒストリックの「アサーラック・レリック」をご覧あれ!
4 《血の墓所》 4 《硫黄泉》 4 《荒廃踏みの小道》 3 《ファイレクシアの塔》 2 《バグベアの居住地》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《ロークスワイン城》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 2 《山》 1 《沼》 -土地(24)- 4 《ゴブリンの罠探し》 4 《アーチリッチ、アサーラック》 -クリーチャー(8)- |
3 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 4 《致命的な一押し》 1 《大群への給餌》 3 《初子さらい》 3 《村の儀式》 1 《骨の破片》 1 《信仰無き物あさり》 4 《悪魔の意図》 4 《伝説の秘宝》 2 《苦悶の触手》 -呪文(28)- |
4 《神聖の力線》 2 《思考囲い》 2 《マインド・スパイク》 1 《コジレックの審問》 1 《屍呆症》 2 《兄弟仲の終焉》 1 《似姿焼き》 1 《忌まわしい印章》 1 《初子さらい》 -サイドボード(15)- |
さあ無限への扉を開こう!用いるのは3枚のカード。
この3つをどう組み合わせるのか?まずは《ゴブリンの罠探し》。死亡時に3マナ以下のクリーチャーをライブラリーからランダムに選ばれて手札に加えられる。それは速攻を持ち、ターン終了時に生け贄に捧げられるという能力を永続的に得ることになる。これぞデジタルならではのクレイジーでクールな能力!ここにさらに加わるもう一つの処理がこのデッキでは非常に重要。その手札に加えられたクリーチャーはマナ・コストが{2}軽減される。マナ・コスト軽くしといたぜ!賞味期限は縮まったけどな!というゴブリンらしいクールな置き土産を残していく。
2枚目の《アーチリッチ、アサーラック》はまさしく罠探しでサーチしてくるクリーチャーであり、ランダムにカードを加える道探しでこれを手札に持ってくる可能性を高めるためにクリーチャーの採用はこの2種類に留めてある。アサーラックと言えばTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の世界におけるボスキャラであり、ダンジョンの奥深くでプレイヤーたちを待ち続けている恐怖の存在だ。
悠久の時を生きる(死んではいるが)ゾンビの魔術師であるクールすぎるアサーラックは、ダンジョン探索を行う能力を所持している。このリッチは戦場に出るたびに《魂を喰らう墓》というダンジョンを踏破しているかを確認してくる。
もしまだ踏破していないなら、ダンジョンを探索してアサーラックは手札に戻る。ダンジョンの最深部に来るまでは相手にしてくれないってことだな。この時に行われる探索では《魂を喰らう墓》以外のダンジョンに潜入することも許される。これを利用して手札に戻ったアサーラックを戦場に出しなおしてまた探索→手札に帰還と繰り返すことで、いつも何度でも探索をし続けることが可能なのである。
そして3枚目、これがクール極まるカードだぜぇ《伝説の秘宝》。マナを加えるアーティファクトだが、これの特殊なところは秘宝自身ではなく伝説のクリーチャーをタップすることでマナを加えられるという点。そのクリーチャーは召喚酔いでも良いので、伝説のクリーチャーをどんどんと展開していくことが可能なデザインになっている。つまり……このデッキでは、
② マナ・コストが軽減されたアサーラックを唱える ②アサーラックが戦場に出て手札に戻り、ダンジョン探索の能力が誘発 ③その能力の解決前にアサーラックを秘宝でタップして黒マナを得る
このサイクルを延々繰り返す無限ループを形成できる。《ファンデルヴァーの失われた鉱山》というダンジョンを周回すれば「暗黒の泉」で対戦相手のライフを吸い尽くすことが可能。これで勝利するのが狙いだ。パーツが揃えば瞬殺で爽快感溢れるものであり、《ゴブリンの罠探し》を生け贄に捧げるための《ファイレクシアの塔》や《村の儀式》と組み合わせることで対戦相手への妨害にもなる《初子さらい》というチョイスがクールだ。こりゃあプレイしたくなるデッキだぜ!
…
……
………
と、原稿を作成して一息。最近はコーヒーを淹れるのにハマっている。袋を開けた時のふわっとくるパンチのある香り、粉にお湯をかけた瞬間の特有の香り、少しずつコーヒーをドリップして、出来た一杯を口に含んだ時の香り……至福のひと時だ。さて、クールな気持ちでアリーナを起動してみるか……お、アップデートか。アルケミー関係の修正があったんだね。どれどれ……。
《ゴブリンの罠探し》弱体化されとるやないかいッッ!
これもまたデジタルならではあるが、このゴブリンが支配的な存在になっていることを危惧してマナ・コスト軽減能力が{2}から{1}へと弱体化された。コーヒーを逆噴射しそうにもなったが……まあ幸い、このコンボが頓挫してしまうような修正ではなかった。以前までは罠探しで持ってきたアサーラックと《伝説の秘宝》、この3枚のみでループできた所を、何かしらでさらにコストを軽減するなどのもうひと手間が必要になった。
4 《血の墓所》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《硫黄泉》 2 《鉱滓造の橋》 2 《ファイレクシアの塔》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《バグベアの居住地》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 2 《沼》 2 《山》 -土地(24)- 4 《ゴブリンの罠探し》 1 《ゴブリンの技師》 4 《アーチリッチ、アサーラック》 -クリーチャー(9)- |
4 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 4 《致命的な一押し》 3 《初子さらい》 4 《悪魔の意図》 3 《伝説の秘宝》 2 《雲の鍵》 1 《パラドックス装置》 4 《大いなる創造者、カーン》 -呪文(27)- |
3 《神聖の力線》 2 《思考囲い》 1 《トーモッドの墓所》 1 《魔女のかまど》 1 《防御の光網》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《液鋼の塗膜》 1 《未認可霊柩車》 1 《領事の旗艦、スカイソブリン》 1 《先駆のゴーレム》 1 《伝説の秘宝》 1 《雲の鍵》 -サイドボード(15)- |
いや~今回は自作リストを載せるつもりはなかったが、スクランブルでとりあえず形だけでも……と、罠探しのコスト軽減が{1}になってもアサーラック・コンボを成立させるために選んだカードは……《雲の鍵》!これでクリーチャーを指定してコスト軽減、罠探しコンボが成立するように。鍵2枚が並べば罠探し抜きでもアサーラックが黒マナ一つで唱えられるようになり、これでも秘宝ループが可能になる。《パラドックス装置》もアサーラックを唱えるたびに秘宝自身がアンタップするようになり、これでアサーラックを唱えて2マナ加えてその2マナでアサーラックを唱えて、とループ完成だ。
それらのコンボパーツをサーチするための手段として《大いなる創造者、カーン》や《ゴブリンの技師》も盛り込んだ。カーンによってサイドボードから《ワームとぐろエンジン》《液鋼の塗膜》などのコンボとは無関係の勝ち筋も得られるようになってアドリブの効くデッキになったかな。
まさかのアクシデントもあったが(笑)、コンボデッキとして終わってしまったわけではなく、むしろ弱まった→周りの警戒が薄れる→良い形を作れればまだまだ戦える!という不撓不屈の精神が大事だと、今一度確認できたね。皆も、あえて今こそ《ゴブリンの罠探し》や《伝説の秘宝》を用いたデッキを作ってみよう。まだまだコイツは強いぞ!それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Never give up, finder!!
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