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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

アゾリウス・ソルジャー:スタンダードからの刺客(パイオニア)

岩SHOW

 「チャンピオンズカップファイナル サイクル1」および「プレイヤーズコンベンションオープン 2022 supported by 日清食品」のフィーチャーマッチはもう観てもらえたかな?

 どちらもパイオニアで開催され、頂点を目指すプレイヤーたちの熱戦・激闘が繰り広げられた本当にアツいトーナメントだった。

 どの試合も手に汗握る面白いものだったが……観戦していて気付いたことはないかな?

 それは盤面に出てくるカードの多くが現行スタンダードでも使用可能なカードであるということ。《税血の収穫者》《苦難の影》《墓地の侵入者》《鏡割りの寓話》《黙示録、シェオルドレッド》……「ラクドス・ミッドレンジ」は特に顕著だ。

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 他にも《有望な信徒》《輝かしい聖戦士、エーデリン》、《熊野と渇苛斬の対峙》《無謀な嵐探し》といったアグレッシブなカードの採用率は非常に高い。

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 つまりはスタンダードのデッキを組んで、あと少しカードを追加すればパイオニアを遊ぶこともできるということ!

 そして今回のチャンピオンズカップファイナルにはこれを体現するデッキの姿が。スタンダードのカードをふんだんに取り入れたパイオニアのデッキとは……

satoshi nakayama - 「アゾリウス・ソルジャー」
チャンピオンズカップファイナル サイクル1 38位 / パイオニア (2022年11月26~27日)[MO] [ARENA]
2 《平地
4 《神聖なる泉
4 《要塞化した海岸堡
1 《さびれた浜
1 《アダーカー荒原
4 《連門の小道
1 《フロスト・ドラゴンの洞窟
1 《皇国の地、永岩城
4 《変わり谷

-土地(22)-

3 《徴兵士官
1 《アクロスの英雄、キテオン
4 《毅然たる援軍
4 《雄々しい古参兵
3 《先兵の飛行士、ハービン
2 《粗暴な聖戦士
2 《天空射の士官

-クリーチャー(19)-
4 《軍団の上陸
1 《精霊への挑戦
4 《急報
3 《交渉団の保護
2 《かき消し
1 《カビーラの叩き伏せ
4 《心を一つに

-呪文(19)-
2 《聖戦士の奇襲兵
1 《粗暴な聖戦士
4 《ポータブル・ホール
1 《疎外
1 《呪文貫き
2 《神秘の論争
2 《トカシアの歓待
2 《未認可霊柩車

-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 「アゾリウス(白青)・ソルジャー」! ソルジャー、兵士だ!

 現スタンダードでプッシュされている兵士たちがズラリ。メインデッキのクリーチャー19枚のうちなんと18枚がスタンダードのカードで構成されている。圧倒的な割合じゃないか。

 《雄々しい古参兵》《先兵の飛行士、ハービン》と軽くて兵士のサイズを引き上げる、「ロード」と呼ばれる役目のクリーチャーがしっかりと揃っているのが強みだ。

 パイオニアはフィーチャーマッチをご覧になっていただければ一目瞭然なのだが、とにかく軽いカードが強い。序盤から攻めていくデッキは1~2マナのカードを可能な限り優秀なもので固めてデッキを構成している。そういった低コストの優良クリーチャー群の中でも、これら2種のロードは見劣りするものではないってことだね。

 兵士たちを展開して強化して殴る、そのシンプルなゲームプランを遂行するクリーチャー陣……1マナ圏には「白単人間」デッキでもお馴染みの顔ぶれ。

 《徴兵士官》はパワー2と打点に優れ、ロングゲームに陥っても手札補充の能力で息切れを防ぐ。《アクロスの英雄、キテオン》もまたパワー2でパンチ力があり、《歴戦の戦士、ギデオン》に変身すればさらに打点アップと1マナとは思えない高性能が武器だ。

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 兵士ではないが4枚採用されている《軍団の上陸》も注目ポイント。

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 絆魂と、これまたキテオンと同じく3体以上のクリーチャーでの攻撃で変身するので、土地カウントの水増しとクリーチャー切れ対策になる点を買ってのチョイスなのだろう。

 《毅然たる援軍》《急報》はこれらの変身をスムーズに達成させてくれる。

 1枚で兵士2体、ロードも絡めば「たかが1/1」と笑えなくなるぞ。

 《天空射の士官》もこれらの兵士・トークンと好相性。自身も攻撃で兵士を生成し、それら3体タップでドローが可能。

 こうしてみるとリソース(資源)での勝負に強く作られていて、コントロールやミッドレンジへの耐性を高めてあることがうかがえるね。

 青の要素は兵士だけでなく、この色が得意とする2つのテーマも取り入れている。青のお家芸である打ち消し、これは《かき消し》と《交渉団の保護》が担当。

 《かき消し》はいざとなれば兵士・トークンを生け贄に。交渉団はキッカーで兵士の数も増やせて、このデッキなら大抵の呪文を打ち消してしまえるだろう。

 もうひとつの得意技、ドローは《心を一つに》。

 シブいチョイスだ。兵士・トークンはカードに印刷されたイラストを見ると人間のように見えるが、そうでないのを利用してこれで1マナ2枚ドローを狙う。軽量クリーチャーを躊躇なく展開しつつも手札の枚数は絶対に減らさない、そんな強い意志を感じる構築だ。

 デッキを構成する要素の多くがスタンダードのものでありつつ、パイオニアだからこそ採用できるカードも堪能する。これぞ皆にオススメしたいリストだね。

 他のカラーリングやコンセプトでも、スタンダードのカードを中心に他のセットで肉付けをしたデッキは組めるので、皆にもパイオニアに挑戦してみてほしいね!

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