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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

土建組リアニメイト:今日の狙いはタイタン? それとも……(スタンダード)

岩SHOW

 皆は「リアニメイト」はお好きかな?

 僕は……言うまでもないか、大好きだ。「リアニメイト」とは墓地にあるクリーチャーを戦場に戻す戦術のことで、黒が得意としている。死体を蘇らせてアンデッドとして使役するというファンタジーにおけるネクロマンサーなどの定番技だね。

 僕がマジックを始めた『ウルザズ・サーガ』の頃には《犠牲》という、非常に強力で、かつさまざまな使い道のある面白いカードがあった。

 毎日授業や食事をしている時にも《犠牲》を使ったリアニメイトデッキを考えていたものだ。学生プレイヤーあるあるだよな。

 後に《繰り返す悪夢》や《生ける屍》といったヤバすぎるリアニメイト呪文があることを知り……以降は新セットが出るたびにリアニメイト呪文をチェックする生活の始まりだ。

 リアニの魅力は……やっぱりシンプルに、マナの支払いを踏み倒して大型クリーチャーを出せることかな。結局のところ、僕がマジックに求めているのはデンジャラスすぎるモンスターを解き放つことなんだな。強い、強すぎるクリーチャーを本来出てくることのない早いターンに降臨させる。これぞリアニの本懐だ。

 今回紹介するデッキも、大怪物蘇生作戦を実行するパワフルなデッキだ!

Shlop - 「土建組リアニメイト」
スタンダード (2022年5月26日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
3 《ジアトラの試練場
2 《憑依された峰
4 《荒廃踏みの小道
2 《死天狗茸の林間地
3 《闇孔の小道
3 《落石の谷間
2 《岩山被りの小道
1 《目玉の暴君の住処
1 《バグベアの居住地
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹

-土地(25)-

4 《税血の収穫者
3 《ラトスタイン翁
4 《産業のタイタン
2 《薄暮の刻み獣

-クリーチャー(13)-
2 《罠を探す
2 《パワー・ワード・キル
4 《鏡割りの寓話
4 《土建組一家の魔除け
2 《ハグラの噛み殺し
4 《戦墓の再誕
1 《不憫な悲哀の行進
3 《食肉鉤虐殺事件

-呪文(22)-
2 《真夜中の空、殉至
3 《レイ・オヴ・エンフィーブルメント
2 《削剥
1 《罠を探す
3 《真っ白
1 《食肉鉤虐殺事件
3 《エシカの戦車

-サイドボード(15)-
Shlop氏のTwitter より引用)

 

 現スタンダードにおいてリアニメイト呪文はいくつかあるが、このデッキが選んだのは《戦墓の再誕》。

 黒に緑を加えた2色であるという点では他のものよりもデッキを選ぶものになっているが、クリーチャーを死亡させた分コストが軽減されるという面白いデザイン。さらにはフラッシュバックもついているので、しつこく何度も怪獣をよみがえらせる、まさしくゾンビのごとき精神を体現した1枚だ。

 黒と緑とくれば……スタンダードの土地事情であれば2色デッキも3色でも同じだということで、赤も交えてのジャンド改め土建組一家のカラーでまとめあげている。

 墓地という釣り堀から大物を釣り上げる竿が《戦墓の再誕》であれば、ではそこに泳ぐ魚はどうやっておびき寄せるか。撒き餌の部分もまた土建組カラーの得意とするところだ。

 スタンダードの顔とも呼べる1枚、《鏡割りの寓話》はこのデッキでその持てる力を最大限に発揮する。

回転

 宝物生成ゴブリンによるマナ加速、変身し《キキジキの鏡像》になるとリアニメイトしたクリーチャーをコピーしてやりたい放題。そしてこのデッキではⅡ章の能力がただの手札入れ替えに留まらない、墓地に大物を送り込むパイプラインになるわけだ。

 先置きにしておいて、マナを使わずに手札を捨てられるというのはスムーズなコンボを演出してくれる。墓地に置いて相手にターンを返すと、何かのカードで追放されるというリスクが高まる。そんなリアニの負けパターンは極力避けたいからね。

 そういう意味では《ラトスタイン翁》も、運に頼る部分はあるが、アップキープに大物を落としてくれるかもしれない釣り堀の凄腕管理人だ。

 釣り竿を墓地に落っことしてしまう可能性もあるカードではあるが、その点《戦墓の再誕》はフラッシュバック付きで安心。宝物・手掛かり・昆虫とトークンもゲームの流れを変えるスパイスになり得るのが面白い。あとは《税血の収穫者》の血・トークンも用いて、大物の興味を引く餌はバッチリ。

 で、肝心かなめの大物について。当コラムでも何度も取り上げている、問答無用のパワーカード《産業のタイタン》。

 ライフ回復、トークンの横展開、パーマネント除去に除去耐性となんでもアリの大怪物。これを釣り上げたら強いのは、もう今さらどうこう言う必要もないとは思うのでここらに留めて……もう1体の大物《薄暮の刻み獣》を。

 こいつ、サイズはそこそこだけどもその能力はまさに災害。唱える際に3つのオプションからデメリットを1つ選ぶが、戦場に出ると相手にはその3つを全部プレゼント。リアニメイトならそのデメリットすら受けないとあっては、まさに理想的なターゲットだ。

 ライフ・手札・クリーチャーを奪うこの能力、特に4点のライフ喪失が強烈。これをキキジキでコピーすれば、ライフで優位な相手も一瞬で溶けてしまう。守りのタイタン、攻めの刻み獣。何を釣ろうか楽しみだな。

 リアニメイトコンボを擁しながらも、パーマネント除去で相手のペースを崩してマナ加速から大物を素出しする、コントロール的なデッキとしても機能するのがこのリストの良いところだ。リアニメイトは尖った戦略であり、噛み合いも要求される。そこに固執せず戦えるという工夫は常に意識しておきたいところ。

 お手本のようなこのリストを参考に、君も楽しいリアニメイトライフを!

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