READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイと言いつつ4色の隆盛コンボ(パイオニア)

岩SHOW

 イニストラード・チャンピオンシップにて世界中の強豪がMTGアリーナで火花を散らしていた、その週末。世界各地のマジック取り扱い店にてストアチャンピオンシップも開催されていた。

 このイベントの参加者および上位入賞者のみが手に入れられるプロモカードもあって、それがカッコいいのなんの。特に《集合した中隊》はMTGアリーナにて登場したイラストが逆輸入で初めて実物のカードになるとあって、コレクター魂をそそるものであった。

 そんなわけでモチベーション高まったプレイヤーたちが、各地のショップで楽しく熱戦をプレイしていたようだ。SNS上もプロモカードGET報告にあふれていた。

 このストアチャンピオンシップのフォーマットは各店によってさまざま。スタンダードのみならず、モダンやリミテッドなどでも大いに盛り上がっていたようだね。よく見かけたのはパイオニアで開催しているショップでの勝利報告であり、このフォーマットの人気が高まっているのを改めて実感した。

 今回はパイオニアのストアチャンピオンシップの結果にて目にする頻度が高かったデッキを紹介させていただこう!

Saifutdinov Timur - 「ジェスカイの隆盛」
Store Championship @ Volgo Games (Volgograd, Russia) 準優勝 / パイオニア (2021年12月5日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
1 《平地
1 《冠雪の山
3 《ケトリアのトライオーム
1 《ラウグリンのトライオーム
2 《繁殖池
1 《内陸の湾港
1 《寺院の庭
1 《陽花弁の木立ち
1 《踏み鳴らされる地
1 《根縛りの岩山
2 《神聖なる泉
1 《氷河の城砦
1 《硫黄の滝
4 《寓話の小道
-土地(25)-

4 《森の女人像
4 《創造の座、オムナス
-クリーチャー(8)-
4 《考慮
1 《選択
3 《成長のらせん
3 《表現の反復
1 《運命的不在
1 《引き裂き
4 《ジェスカイの隆盛
3 《森の目覚め
1 《轟音のクラリオン
1 《神秘の論争
1 《白日の下に
3 《宝船の巡航
1 《伝承の収集者、タミヨウ
-呪文(27)-
1 《湧き出る源、ジェガンサ
-相棒(1)-

2 《運命の神、クローティス
2 《変容するケラトプス
3 《霊気の疾風
2 《丸焼き
2 《神秘の論争
1 《光輝の炎
2 《目覚めた猛火、チャンドラ
-サイドボード(14)-
mtgtop8 より引用)

 

 このデッキは「ジェスカイの隆盛」。キーカードはもちろん《ジェスカイの隆盛》。

 このエンチャントは非クリーチャー呪文を唱えるとカードを1枚引いて1枚捨てる、ルーターと呼ばれる手札入れ替え能力が誘発。そしてもうひとつ、自身の全クリーチャーが+1/+1修整を受けてアンタップする。この後者の能力に注目し、特にクリーチャーがアンタップすることに利点を見出したコンボデッキである。

 クリーチャーがアンタップするということは、つまりはタップしてマナを得られるクリーチャーであれば、非クリーチャー呪文を唱えればマナがまた得られるということ。呪文を唱えるのに支払ったマナを超えるだけのマナを得られれば、マナがどんどんと増えていくことになる。またマナが増えずとも、ドロー呪文であった場合は手札もマナも減らずに、クリーチャーのサイズを上昇させるというアクションを続けて行うことができる。これにより巨大なクリーチャーを作り上げて攻撃する、それが《ジェスカイの隆盛》コンボのフィニッシュである。

 ではそのコンボを成し遂げるにはどうするか。まずは対戦相手に除去されにくいクリーチャーが必要になる。隆盛を出したはいいが狩り尽くされてクリーチャーが不在、とあってはお寒いからね。

 《森の女人像》はその点優れたヤツで、呪禁のおかげで単体除去の対象となることはない。

 タフネスも3あるので、序盤はブロック役もこなしつつマナ加速でコンボの始動を早めてくれる。隆盛と色は被らないが、緑のマナサポートも含めれば4色にした方がデッキとしては安定するという、不思議な話。

 そして緑を使うもうひとつの理由が、これまた除去されにくいクリーチャーを提供してくれる《森の目覚め》だ。

 自身の土地がすべてクリーチャーになる、つまり隆盛の能力で土地がすべてアンタップするようになる! これは恐るべきマナ加速っぷり。隆盛を置いてから《森の目覚め》で土地がクリーチャーになり、そこからは《考慮》《表現の反復》などドロー付きの呪文を連打。アンタップとタップを繰り返して尽きぬマナを供給しながらライブラリーを掘り進め、土地が十分なサイズに育ったら総攻撃で決着だ。

 この破壊力と絵面の面白さ、繋がった時の達成感とコンボデッキに必要なものがしっかり揃っているのは大変に魅力的だ。

 コンボとは直接の関係はないが、《創造の座、オムナス》がいるのもパイオニアならでは、そして4色デッキならではでアツいね。

 4マナ4/4ドロー付き、土地が戦場に出れば4点回復でコンボが揃うまでの時間稼ぎ。《寓話の小道》で同一ターンに2回土地を出せれば4色のマナが得られて、隆盛&目覚めをセットで唱えるコンボ始動のサポートも兼ねる。

 コンボとは無関係で、単体で勝てるクリーチャーをデッキに仕込めるというのはデッキの強さを一段階引き上げるもの。それがコンボの邪魔をしないどころか助けるものなのであれば、もう言うことなしだ。

 パイオニアで開催されたストアチャンピオンシップではさぞかし活躍したであろう「ジェスカイの隆盛」。このイベントを通じて、各地のコミュニティが活性化、パイオニアもますますの盛り上がりを見せるという美しいシナジーが形成されていれば、いちマジックプレイヤーとして嬉しいね。

 パイオニアをやる際には、この隆盛コンボ、それほど難しくもないしかなりオススメだぞ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索