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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:セレズニア・レジェンズ(ヒストリック)

岩SHOW

 ヒーロー映画ってのが好きでねぇ~、特に複数のヒーローが一堂に会する集結シーンは本当に「クール」でジーンとくるなぁ。

 オッス、岩SHOWです。今週もやって来た金曜日、クールなデッキを紹介していくCool Deckのコーナー。前々回が公開された後にこれを書いているのだが、多くの人に反応がもらえてモチベーションが上がっているところだ。

 やっぱり記事を書くにはエネルギーを使うもので、だからこそテンションを上げて臨みたいものである。なので、時折ヒーロー映画を垂れ流しながらその横で作業することもある。身体に染みついている作品を流すことはむしろしっかりと集中できるものだったりするのだが、好きなシーンでは手が止まってしまうのもご愛敬。仕事はクールに楽しみながら信条、マジックもクールなデッキに酔いしれながらやるのが一番。

 ヒーローがクールな存在であるならば……このデッキはクール以外の何物でもない。そんなリストと出会ったので早速ご紹介しよう!

Frank Turngrove - 「セレズニア・レジェンズ」
ヒストリック (2021年10月18日)[MO] [ARENA]
7 《
4 《平地
4 《寺院の庭
4 《陽花弁の木立ち
4 《枝重なる小道

-土地(23)-

4 《ラノワールのエルフ
3 《造命の賢者、オビア・パースリー
3 《贖われし者、ライズ
4 《ドーンハルトの主導者、カティルダ
3 《スレイベンの守護者、サリア
1 《協約の魂、イマーラ
2 《樹の神、エシカ
2 《ピーマの改革派、リシュカー
4 《艦長シッセイ
1 《黎明をもたらす者ライラ
1 《大修道士、エリシュ・ノーン
2 《月皇ミケウス

-クリーチャー(30)-
4 《モックス・アンバー
3 《ウルザの殲滅破

-呪文(7)-
2 《安らかなる眠り
1 《傑士の神、レーデイン
1 《神に愛された者、シグリッド
2 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
1 《外交官、マンガラ
1 《探索する獣
1 《秘密を知るもの、トスキ
1 《永遠神オケチラ
1 《不和のトロスターニ
1 《巨大猿、コグラ
1 《試練に臨むギデオン
1 《ビビアン・リード
1 《不撓のアジャニ

-サイドボード(15)-
Frank Turngrove氏のTwitter より引用)

 

このクールなデッキは?

 フォーマットはヒストリック、このデッキは……「セレズニア(白緑)レジェンズ」!

 マジックの世界にもヒーローたちがいる、多元宇宙における唯一無二の英雄たち。サブタイプ「伝説の」を持ったクリーチャーとプレインズウォーカーだ。

 このリストを見るとすぐにわかることだが、大量にいるクリーチャーのうち《ラノワールのエルフ》のみが非伝説、残りは伝説というとんでもない構成だ。クリーチャーのみならず土地と《安らかなる眠り》以外もすべて伝説! これはレジェンズ以外に例えようがないデッキってわけだ。

 伝説のパーマネントは同名のものを戦場に並べることができない。そんなわけで多数採用するとデメリットが働きそうなものだが……その弱点を補って余りあるクールさを解き明かしていこう。

どこがどうクールなのか?

クールポイントその1:艦長の名のもとに

 すべてが伝説となると、一体どのような恩恵があるのか? ヒストリックでの最たるもの、このデッキの主役の《艦長シッセイ》だ。

 4マナ2/2と彼女自身のスペックは低く、単独で戦うようなカードではない。シッセイのすごいところはタップすることでライブラリーの中から任意の伝説のカードを持ってきて手札に加えられるというその能力。一度でも起動できれば、強力な伝説を得て大きなアドバンテージを得られる。2回も起動できれば勝ったようなもんである。

 彼女は背景世界での役割と同じく、皆の司令塔として伝説の英雄たちを集結させる優れたリーダー。さながらヒーロー映画を観ているような感覚を味わえるクールなデッキなのだ。

 対戦相手を足止めする《スレイベンの守護者、サリア》、クリーチャー全体を強化する《月皇ミケウス》《ドーンハルトの主導者、カティルダ》や、

 単体での殴り合い最強《黎明をもたらす者ライラ》、《鎮まらぬ大地、ヤシャーン》《巨大猿、コグラ》など各種デッキに刺さるサイドボード……

 などなど、シッセイの号令で馳せ参じるクールなヒーローたちは数あるが、その中でも最たるものはやはり《大修道士、エリシュ・ノーン》!

 クリーチャーデッキはこれを戦場に出すだけで完封できると言っても過言ではない……ノーンはヒーローじゃなくて倒すべきヴィラン(悪役)じゃないのかって? しかもシッセイの宿敵とも言えるファイレクシアの新世代って……まあまあ、細かいことはあまり気にせずに! 敵が味方になってくれる展開もクールの王道じゃないか!

 本来は多めの採用が難しい《大修道士、エリシュ・ノーン》などを《艦長シッセイ》でサーチすることで水増しする、そんな見た目も機能もクールなデッキなのである。

クールポイントその2:伝説級のマナ加速

 ノーンというゴールは7マナ、そもそもキーカードのシッセイも4マナと、ヒストリック的には重めのカードを主役にしたデッキである。マナを加える能力を持ったカードを搭載しないことには、ヒストリックの他のデッキのスピードにはついていけない。

 このデッキはほぼ伝説で構成されながらもその点は抜かりがない。唯一の非伝説《ラノワールのエルフ》に加えて、他にも1ターン目から機能するマナ加速カードが搭載されている。それが《モックス・アンバー》!

 クールなアーティファクトが堂々の4枚採用だ。自身がコントロールしている伝説のクリーチャーと同じ色のマナが得られるので、これの効果をいち早く得るために《贖われし者、ライズ》《造命の賢者、オビア・パースリー》と1マナの伝説クリーチャーが採用されているのが非常に印象的でクールだ。

 《ドーンハルトの主導者、カティルダ》や《ピーマの改革派、リシュカー》《樹の神、エシカ》ら別の役目も持ったマナ加速もたっぷりとあり、クールにスムーズに展開していくぜ。

クールポイントその3:伝説のみが生きる世界

 他のデッキのスピードにマナ加速で追いついたとしても、切り返すのに間に合うかどうかは不安が残るところ。こちらと同等のスピードで戦場を作られた場合、力負けしてしまう可能性はとても高い。

 なので火を噴くのが《ウルザの殲滅破》!

 伝説でも土地でもないパーマネントは全破壊、伝説の中の伝説ウルザの怒りと悲しみが爆発したシーンに相応しい、ド派手な全体除去である。こちらのパーマネントはほぼ被害を受けず、相手は絶大なる深手を負う……一方的すぎるゲーム展開はクールとしか表現不能。

 しかもこの殲滅破、「伝説の」ソーサリーである。つまりはシッセイからサーチしてくることが可能! 恐ろしや……艦長の最終指令で戦場を焼け野原に!

さらなるクールのために

 これは個人の好みの問題だが、土地事故が起きがちなプレイヤーのために伝説の土地カードを採用するというアレンジも大いにあり。ヒストリック環境の伝説の土地は現在《ファイレクシアの塔》と《発明博覧会》の2枚。

 どちらの能力も活かしきることはできないが、あと1マナでノーンが唱えられる! 土地欲しい! という時はいつかやってくるのでこういう保険もデッキに忍ばせておくのがクールの道の第一歩。

 あとは土地であれば《総動員地区》なんかも面白そう。{0}で3/3警戒になるというクールな盤面もこのデッキなら夢じゃない。

クールなまとめ

 多元宇宙のヒーローがシッセイの元に集い、ウルザの名のもとに対戦相手が叩き潰される……一大スペクタクルを味わえる、まさしくクールなデッキとはこれだと言わんばかりの教科書のようなリストだったね。皆も何か面白いテーマを見つけて、自分なりのクールを極めよう。それじゃ今週はここまで。Stay cool! Be legend!!

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