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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラクドス・サクリファイス(スタンダード)
マジックは毎セット「こいつが今回の目玉だぜ」と思えるカードがある。
それは個人個人で異なるものなので、各々が自分にとっての目玉カードを設定してパックを剥く際にエキサイティングに感じてほしいところ。これはあらゆるデッキで使い倒したい、あるいはイラストやカードの雰囲気が最高でコレクションとして集めまくりたい! そう思えるカードと巡り合えると、人生はちょっと豊かになるね。
『ストリクスヘイヴン:魔法学院』における僕の目玉カードは……《ひきつり目》!
……いや、冗談ではないよ本気だよ! 文字通りの目玉のカードだ。
何せクリーチャータイプにも「眼」を持っている。正規のカードとしては実に3枚目となる希少タイプで、再録を除けば実に15年ぶりの登場となる。これだけでもマジックマニアとしてはワクワクしてしまう。単眼のコウモリというイラストも味わい深くて、どこか90年代のマジックっぽさがあるのも素晴らしい。
フレイバー・テキストからは「眼術師」なる職業があることが伺える。お医者さんも眼を専門とする方がいるくらいなので、魔術師も目玉を主力とした者がいてもおかしくはないか。
そして肝心のカードとしては、1マナ1/1飛行で使いやすい! そして能力が新しいものでイカす! 履修を行うことで、サイドボードから講義・カードを手札に加えることが可能だ。これは死亡すると誘発するので、何か生け贄に捧げるタイプのカードと組み合わせたいところ。
黒にはそういったカードがたくさんあり、生け贄がメインテーマのデッキもスタンダードにはすでに存在している。そこに《ひきつり目》の席があるか、リリース前から気になっていたが……すんなりと馴染んだようだ。
今日は黒赤の生け贄デッキのリストをご覧いただこう!
6 《沼》 4 《山》 4 《荒廃踏みの小道》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(19)- 4 《ひきつり目》 4 《鋸刃蠍》 3 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《砕骨の巨人》 2 《悲哀の徘徊者》 2 《悪ふざけの名人、ランクル》 1 《イマースタームの捕食者》 -クリーチャー(18)- |
4 《初子さらい》 4 《村の儀式》 4 《禁じられた友情》 3 《禁忌の調査》 4 《想起の拠点》 1 《カズールの憤怒》 1 《髑髏砕きの一撃》 2 《アガディームの覚醒》 -呪文(23)- |
1 《拡張解剖学》 1 《壊死放出法》 1 《害獣召喚学》 1 《ご破算》 1 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 4 《強迫》 1 《レッドキャップの乱闘》 3 《乱動する渦》 2 《アクロス戦争》 -サイドボード(15)- |
オンライントーナメントで200人中3位の好成績を残した「ラクドス・サクリファイス」のリストだ。
このデッキも登場してからなかなか長い。相手のクリーチャーを奪う《初子さらい》とマナ不要でクリーチャーを生け贄に捧げられる《悲哀の徘徊者》などが揃った頃から姿を現し、スタンダードでは1年以上存続していることになる。
カードの採用枚数やオプションによりいくつかのバリエーションはあるが、根本的な思想は共通する。対クリーチャーデッキに強いデッキというスタンスだ。《初子さらい》や《アクロス戦争》で対戦相手のクリーチャーのコントロールを得て、それを《悲哀の徘徊者》や《村の儀式》で生け贄に捧げる。こちらは得をしつつ、相手は損失。こうしてアドバンテージ差を開いていけば、勝利は自ずと舞い込むという思想だ。
《ひきつり目》は1マナと軽く、生け贄に捧げても手札が得られて損はしない。《村の儀式》で生け贄にすると新しい手札が3枚得られて超お得だ。
で、この目玉が死亡した際の履修で得たい講義は……《害獣召喚学》!
カード1枚でクリーチャーが2体得られて、しかもここから出てくる邪魔者は死亡するとライフを得られる。生け贄に捧げるにもちょうど良いトークンだ。
そして『ストリクスヘイヴン:魔法学院』から得た新戦力がもう1つ。《禁忌の調査》だ。
生け贄に捧げてドローするという《村の儀式》と似ている呪文だが、クリーチャーを好きなだけ生け贄に捧げられるというのがこのカードの最大の特徴だ。奪った相手のクリーチャーを処理するのはもちろん、これだけ派手に生け贄にできるならゲームを終わらせるフィニッシャーとしても運用してしまえる。《想起の拠点》との組み合わせだ。
《禁じられた友情》なども併せてトークンを展開し、拠点を置いた状態でそれらをまとめて生け贄に捧げて一気に相手のライフを吸い尽くそうという魂胆だ。
《死の飢えのタイタン、クロクサ》での一点突破と、履修トークン拠点と、2パターンの勝ち筋を得たことで、サクリファイス・デッキは大きくパワーアップしたのだ!
4 《沼》 2 《山》 4 《サヴァイのトライオーム》 4 《荒廃踏みの小道》 4 《陽光昇りの小道》 4 《針縁の小道》 -土地(22)- 4 《ひきつり目》 4 《鋸刃蠍》 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 2 《悲哀の徘徊者》 4 《オリークの首領、エクスタス》 2 《イマースタームの捕食者》 -クリーチャー(18)- |
4 《初子さらい》 4 《村の儀式》 4 《禁忌の調査》 2 《禁じられた友情》 1 《検体探し》 4 《想起の拠点》 1 《カズールの憤怒》 -呪文(20)- |
1 《謹慎補講》 2 《壊死放出法》 2 《害獣召喚学》 1 《ご破算》 2 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 1 《強迫》 2 《乱動する渦》 2 《真っ白》 2 《アクロス戦争》 -サイドボード(15)- |
これもオンライントーナメントで6勝0敗のリストで、こちらはさらにストリクスヘイヴン新戦力を迎えたタッチ白(ほんのり白を足したの意)型。《オリークの首領、エクスタス》を用いる意欲的なリストだ。
エクスタスは魔技で墓地のクリーチャーを手札に戻せる。《村の儀式》や《禁忌の調査》の生け贄は追加のコストなので、唱えられ魔技が誘発した時点でそのクリーチャーは死亡して墓地にいる。つまりすぐさまエクスタスで回収可能なのだ。
《ひきつり目》を生け贄に捧げつつその《ひきつり目》を戻し、もう1回履修しちゃおうというテクニックもある。クロクサを拾って手札を攻めても良いね。
エクスタス自身も二段攻撃を持つので見た目以上に打点はあるし、エクスタスのために白を足したおかげで《謹慎補講》という講義の選択肢が増えたのも嬉しい。
またエクスタスはもう1つのモード《血の化身の目覚め》もデッキに噛み合っている。奪ったクリーチャーやトークンを生け贄に捧げて3/6速攻のアバターを低コストで目覚めさせ、攻撃して計6点対戦相手のライフを失わせよう。クロクサや拠点と合わされば一気にライフを削り取れるぞ。
《ひきつり目》以外にもストリクスヘイヴンには目玉カードがまだまだあるはずだ。君にとっての目玉カードを使ったデッキで、スタンダードで皆の視線をを集めようぜ!
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