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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
スゥルタイ根本原理(スタンダード)
スタンダードは直近2年ほどの期間にリリースされたセットを用いるフォーマット。当たり前だが最新のセットの影響を受けやすく、環境に変化が起きやすいこともあって、競技シーンでは最も採用される頻度の高いフォーマットだ。セット・チャンピオンシップや日本選手権など、スタンダードのトーナメントを配信で目にする機会も多いだろう。
昨シーズン『カルドハイム』の参入により最も隆盛を極めることになったデッキ……平たく言うと、中継で最も目にすることが多かったデッキは「スゥルタイ根本原理」だったに違いない。
《出現の根本原理》から効果の大きい単色の呪文を3枚引っ張ってきて、その中から2つが唱えられる。この3色のコストが超ヘビーな呪文は、『カルドハイム』によりその持ってくる候補を多数得た。
問答無用の追加ターン《アールンドの天啓》を筆頭に、根本原理から《星界の騙し屋、ティボルト》として唱えられる《嘘の神、ヴァルキー》、プレインズウォーカーや英雄譚と相性抜群の《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》と、キラーカードがズラリ。
また、3色7マナと重い根本原理に繋ぐためのカードとして、この上ない繋ぎ役となる《古き神々への拘束》の獲得も非常に大きい。
この除去でありマナ加速であるエンチャントは《空を放浪するもの、ヨーリオン》で使いまわせるので、これらで盤面を掌握しているだけでも勝てるようになった。
とにもかくにも、前スタンダード環境で最も得るものが多かったデッキは「スゥルタイ根本原理」であることは疑念の余地がない。
では、このデッキは『ストリクスヘイヴン:魔法学院』で得たものは何か。まず前提条件として、今回は2色をフィーチャーしたセットであること。《マグマ・オパス》などの強力な重い呪文はあるものの、目を引くものはほとんど2色だ。
これでは根本原理から唱えられない、ということで勝ち筋のバリエーションとしては単色のカードから探すことになる。その中でも《オニキス教授》は候補の1つにカウントできる。
ヴォリンクレックスとの相性が良く、一気にゲームを終わらせられるポテンシャルはある。根本原理は計3回分呪文を唱えることになるので、魔技を誘発させてライフも詰められる。
細かいカードの中にもいくつかこのデッキに採用する価値のあるカードがあるようだ。今回は新カードを採用した、前環境の王者とも呼べるデッキのバリエーションを紹介しよう。
2 《沼》 3 《森》 3 《島》 3 《疾病の神殿》 4 《闇孔の小道》 4 《清水の小道》 4 《樹皮路の小道》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 4 《寓話の小道》 -土地(32)- 1 《嘘の神、ヴァルキー》 1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 1 《クアンドリクスの栽培者》 2 《長老ガーガロス》 1 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》 -クリーチャー(6)- |
4 《海の神のお告げ》 4 《狼柳の安息所》 3 《取り除き》 3 《無情な行動》 2 《ジュワー島の撹乱》 2 《ウィザーブルームの命令》 1 《精神迷わせの秘本》 4 《耕作》 2 《神秘の論争》 1 《エルズペスの悪夢》 1 《ペラッカの捕食》 4 《古き神々への拘束》 2 《絶滅の契機》 2 《影の評決》 4 《出現の根本原理》 2 《アールンドの天啓》 2 《海門修復》 1 《キオーラ、海神を打ち倒す》 -呪文(44)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 2 《悪意に満ちた者、ケアヴェク》 2 《長老ガーガロス》 2 《星界の大蛇、コーマ》 3 《強迫》 2 《否認》 1 《無情な行動》 1 《ウィザーブルームの命令》 1 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
このリストで存在感を放っている新カードは《ウィザーブルームの命令》。
このカードのできることをチェックしてみよう。
- 《寓話の小道》などの土地を拾って、根本原理などの呪文のために土地を途切れることなく置ける
- 《エッジウォールの亭主》《精鋭呪文縛り》などのタフネス1のクリーチャーを除去
- 同型の《狼柳の安息所》やコントロールデッキの《精神迷わせの秘本》を破壊可能
- 一番下のモードと《オニキス教授》を組み合わせ、相手のライフを一気に吸い尽くす
2マナの軽さでかゆいところに手が届く、なかなかに万能なソーサリーのようだ。もちろんこれ1枚でゲームの流れを変えるような強さというものではないが、2マナでモードが選べるカードにそこまでの仕事は望み過ぎというものだ。
とにかく、求められているのは根本原理などの重いカードを唱える体制が整うまでに繋ぐためのカード。そのための軽い呪文の選択肢が増えたことはこのデッキにとって十分に喜ばしいことなのである。
2 《沼》 3 《森》 3 《島》 4 《疾病の神殿》 4 《闇孔の小道》 4 《清水の小道》 4 《樹皮路の小道》 4 《ゼイゴスのトライオーム》 1 《ケトリアのトライオーム》 4 《寓話の小道》 -土地(33)- 1 《嘘の神、ヴァルキー》 4 《クアンドリクスの栽培者》 1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 1 《長老ガーガロス》 1 《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》 -クリーチャー(8)- |
4 《海の神のお告げ》 4 《狼柳の安息所》 2 《取り除き》 2 《無情な行動》 1 《ジュワー島の撹乱》 1 《否認》 1 《エルズペスの悪夢》 1 《神秘の論争》 1 《方程式の求解》 4 《古き神々への拘束》 2 《ひらめきの瞬間》 2 《絶滅の契機》 4 《影の評決》 4 《出現の根本原理》 2 《アールンドの天啓》 2 《海門修復》 1 《キオーラ、海神を打ち倒す》 1 《オニキス教授》 -呪文(39)- |
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン》
-相棒(1)- 1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス》 1 《長老ガーガロス》 3 《強迫》 3 《才能の試験》 2 《取り除き》 1 《否認》 3 《神秘の論争》 -サイドボード(14)- |
こちらのリストは《オニキス教授》採用型。また他にも積極的に新カードを取り入れている。
マナ加速には手札が増える《ひらめきの瞬間》、そして4枚採用されている《クアンドリクスの栽培者》。
この栽培者、3/4とブロック役に回っても活躍が見込めるスペックで、基本のみではあるが島か森を持ってこられる。アンタップ状態で出せるのが肝で、持ってきた土地ともう1枚アンタップの土地があれば、2マナでドローだの打ち消しだの除去だの《アールンドの天啓》を予顕だの、マナを無駄なく使い切れてGOOD。戦場に出た時に誘発する能力なので、ヨーリオンで追放することでさらにマナを伸ばすということも可能で……噛み合っているカードといえるだろう。
ただ実際にこのリストを使ってみたところ、《耕作》がないことで4マナ揃うまでに行動が取れないというのが辛い状況もあったので、先に紹介したリストと良いとこ取りしたものをプレイすると強さを保ったまま新カードをあれこれ試せるかもしれない。
どちらのリストもオンラインのトーナメントで結果を残したもので、やはり「スゥルタイ根本原理」は継続してスタンダードの上位に君臨することになりそうだ。使う側は新カードを一通り試してリストを整えるのに精を出し、使われる側は《乱動する渦》のような対策カードを忘れずにサイドボードに用意しておこう。
《出現の根本原理》、新環境でもフィーチャーマッチに多数登場するのか? 各種トーナメントの配信をお楽しみに!
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