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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
氷雪コントロール:一日はやり直せる……ただし一名様のみ(レガシー)
もしも今日という一日をやり直せたら。誰しもが一度は思ったはずだ。
うっかりミスしてしまった時、寝坊した時、誰かと喧嘩してしまった時……本当はもっと良い一日にしたかった、しかし覆水盆に返らず、もう今日という日は戻ってこない。二度と同じ間違いは繰り返さない、明日からはこうしよう、そういった決意を胸に新しくやってくる今日を生きるしかないのだ。やり直しのきかないものだからこそ、今日という日はどんな平凡な一日であろうとも何よりも尊いものなのである。
しかしながら多元宇宙においては、この我々の常識は通用しない。一日は、やり直せるもの。決して過ぎ去るだけではなく、取り返すことができるというのだ。プレインズウォーカーや偉大な魔道士たちなど、時間操作の魔術を用いるものがいる。それは決して簡単なことではないが、不可能でないのも事実だ。
やり直せるのであれば、あなたはどんな一日を送るのだろう。
3 《冠雪の島》 1 《冠雪の森》 1 《冠雪の平地》 2 《Tropical Island》 1 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 1 《神秘の聖域》 4 《霧深い雨林》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《汚染された三角州》 1 《虹色の眺望》 -土地(20)- 2 《氷牙のコアトル》 2 《船殻破り》 2 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》 -クリーチャー(6)- |
4 《アーカムの天測儀》 4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《剣を鍬に》 1 《花の絨毯》 1 《狼狽の嵐》 1 《森の知恵》 2 《一日のやり直し》 2 《否定の力》 4 《意志の力》 1 《終末》 2 《覆いを割く者、ナーセット》 2 《王冠泥棒、オーコ》 2 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(34)- |
1 《封じ込める僧侶》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《紅蓮破》 1 《猛火の斉射》 1 《花の絨毯》 1 《赤霊破》 1 《大祖始の遺産》 1 《夏の帳》 2 《減衰球》 1 《安らかなる眠り》 1 《萎れ》 1 《終末》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
というわけで今日はレガシーのデッキを紹介だ。
このリストは「Snowko」や「Snow Pile」などと呼ばれることもある、レガシーを代表するコントロールデッキ。黒以外の4色を用いる基本氷雪土地をベースとしたコントロールだ。氷雪マナを扱うので《アーカムの天測儀》を用いて簡単に好きな色のマナを獲得できる。
《不毛の大地》《血染めの月》《基本に帰れ》といった基本でない土地に対するアンチカードがあふれるレガシーにおいて、ほぼ基本土地で4色以上のデッキが組めるというのは無視できない利点であり、そのためマナを一定量必要とするコントロールはこのような土地構成が主体になっている。
4色のうち、赤はサイドボードで用いる。また天測儀であれば5色目の黒も出せるので《仕組まれた爆薬》をX=5で唱えられると考えれば5色デッキとも言える。まあそれはさておき、メインには白青緑の3色のカードのみという構成になっている。
青はレガシーでコントロールをするのであれば必須とも言える打ち消し、《意志の力》をはじめとする低コストで唱えられ、序盤から相手が仕掛けてきても対応する手段として外せない。
白は環境最軽量のクリーチャー除去である《剣を鍬に》、そして奇跡であればこちらも1マナの《終末》のために。
そして緑はパワーカード担当。瞬速で飛び出て接死で討ち取り、1枚ドロー付きで手札が減らない除去と言える《氷牙のコアトル》。3マナで1枚ドローと回復とマナ加速、《溢れかえる岸辺》など墓地に落ちる土地のおかげで脱出も容易な《自然の怒りのタイタン、ウーロ》。
そして「Snowko」のデッキ名の由来にもなっている、クリーチャーおよびアーティファクトへの対策であり、これ単体でもゲームに勝てる《王冠泥棒、オーコ》。
これらで盤面を掌握し、こちらのペースでゲームを進める。これぞバント(白青緑)カラーの王道マジック。
で、ここからが一日をやり直す手段のお話。そのためのカードはその名も《一日のやり直し》。そのまんまである。
3マナという現実的なコストでお互いの手札と墓地をライブラリーに混ぜ、そこから7枚カードを引く。盤面はともかく、それ以外の部分はゲーム開始時の状態に戻してやり直そうよ、ということだ。
このソーサリー、自分のターンに唱えた場合はそこでターンが終了する。ソーサリーなので何の工夫もしなければまあ自分のターンに唱えて、それで終わりとなるだろう。3マナで7枚ドローと考えれば破格ではあるが、問題は相手もカードを7枚引くということ。いくら手札を混ぜてシャッフルしランダムな内容になろうとも、7枚も引けばそれなりに強い手札になるだろう。その状態でこちらのターンは終了し、相手からその7枚を使って仕掛けてくるというのは少々厳しい。その7枚の手札での猛攻に対して《意志の力》などで対応していては何のためのドローなのか本末転倒だ。
そこで、対戦相手のドローに制限をかけるカードと組み合わせる。《覆いを割く者、ナーセット》が戦場にいれば相手は手札1枚、こっちは7枚という状況でターンを返す。これは圧倒的な差だ。鬼である。
これでも十分に強い動きではあるが、3マナのカード2枚の組み合わせで計6マナ。同一ターンに2枚唱えようと思うと、レガシーではこれはかなり重い。では前のターンにナーセットを出してからということになるが、コントロールとして能動的に動いた際のリスクもある。もちろんリターンも大きいんだけどもね。
そういう点で見れば、より安全に運用できるカードがある。《船殻破り》だ。
ナーセットと同じ3マナだが、こいつには瞬速がついているので相手のターンのアクションを見てから、ターン終了時に戦場に出すことができる。より隙なく展開できるこのクリーチャー、戦場にいる時に対戦相手がドロー・ステップの最初の1枚以外のカードを引こうとした場合、代わりにこちらの戦場に宝物トークンが出てくるようになる。つまり、《一日のやり直し》と組み合わせると……こちら手札7枚、相手0枚。そしてこちらの戦場に宝物7個と、極大マナブーストがかかる。次にターンが返ってくれば、どんなアクションでも無理なく行えるだろう。えげつないね……。こんなコンボ決められたらその場で勝負アリ。青系コントロールは恐ろしい武器を手に入れたものだ。
《船殻破り》は単体でも対青系デッキに強いのが素晴らしいね。相手の《渦まく知識》解決前に滑り込ませて、こちら宝物3個ゲット相手手札2枚をトップへ、なんてシャレにならない大被害だ。
今後、レガシーではこのマーフォークの海賊に要注意。対抗策を用意せずに大量ドローを狙ったデッキでプレイするのは、この上なく無謀な行為となってしまうぞ!
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