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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

緑単フード:食えば食うほど強くなる(スタンダード)

岩SHOW

 最近、食が進む。いやまあ大飯喰らいなのは幼少時から今日に至るまで途絶えたタイミングがないのだけれども、最近は結構食べる期にさしかかっているように実感する。ライフスタイルが変化したというのが大きいだろう。職業柄、食べ物に接する時間も長くなっているし。

 それだけだと太ってしまうので、しっかりと日々の運動を心がけてダメージを最小限に抑えるようにしている。いっぱい食べることは老若男女問わず良いことだと、そう個人的に考えているので、これからもたくさん食べて生きていこうと、改めて決意表明する次第である。

 マジックの世界でもよく食べる、たくさん食べる、モリモリ食べる者やその姿を表現したカードはいくつもある。名は体を表すのが《大喰らいのワーム》《大喰らいの巨人》、どちらもマジックを始めたころの基本セットで出会った思い出のカードだ。《超大なベイロス》のフレイバー・テキストには「そいつの餌は、果物、植物、森の小動物、森のデカい動物、森そのもの、果樹園、果樹園の農夫、小都市などだ。」と非常にスケールの大きい食べっぷりが記されているのが妙に印象に残ったもんだ。

 緑の連中はサイズが大きく、その巨体を維持するためにその分食べる。近年のクリーチャーで食べっぷりが強調されているもののひとつといえば、《貪るトロールの王》だな。

 何せ名前に「貪る」ときたもんだから、食べることへの執着心は凄まじいものだろう。戦場に出ると前菜だと言わんばかりに食物を3つも並べる。この食物、どう使うかはあなた次第。そのまま食べて3点回復、《金のガチョウ》でマナにする、《意地悪な狼》の餌にする、そして死したトロール自身が3つまとめ喰らい尽くす……今日のデッキは「緑単フード」!

sandoiche - 「緑単フード」
Magic LATAM Challenge トップ8 / スタンダード (2020年11月29日)[MO] [ARENA]
16 《
4 《ギャレンブリグ城
3 《眷者の居留地
-土地(23)-

4 《金のガチョウ
4 《絡みつく花面晶体
4 《カザンドゥのマンモス
4 《恋煩いの野獣
3 《打ち壊すブロントドン
4 《意地悪な狼
4 《貪るトロールの王
1 《巨大猿、コグラ
-クリーチャー(28)-
1 《魔女のかまど
4 《パンくずの道標
3 《グレートヘンジ
1 《精霊龍、ウギン
-呪文(9)-
3 《鎖巣網のアラクニル
3 《漁る軟泥
1 《打ち壊すブロントドン
2 《探索する獣
2 《魔女のかまど
2 《怪物の代言者、ビビアン
2 《精霊龍、ウギン
-サイドボード(15)-
streamdecker より引用)

 

 《貪るトロールの王》を中心に食物とシナジー(相互作用)を形成するカードで固めた緑単色のクリーチャーデッキだ。

 緑は小型から大型までクリーチャーのスペックが優秀な色。それらを毎ターン、マナに沿って唱えて戦場に繰り出し攻撃しているだけで対戦相手にとっては脅威となる。トロールの王は6マナ7/6警戒・トランプル。攻防を同時にこなし、相手のライフを追い詰め自分への攻撃はしっかり受け止めるタフなヤツだ。

 ただし除去を防ぐ能力は一切ないので、6マナ払った割にそれよりもコストの軽いカードで対処されてしまいがち。これで終わりだと悲しいが、食物を3つ生け贄に捧げれば旺盛な食欲とともに戦場に戻ってくる。このしぶとさが他のクリーチャーには真似できない利点であり、食物デッキを組むだけの価値はあるってわけだ。何度も這い出てくるパワー7……想像するだに恐ろしい。

 食物は《意地悪な狼》に捧げて破壊不能&+1/+1カウンターを置いてやるのも良い使い方だ。

 狼もトロールも、食物を喰らう際にマナを用いないのが偉い。そのおかげで《パンくずの道標》に支払うマナが用意できる。これにマナを注いでさらなるパーマネント・カードを手に入れよう。大丈夫、デッキ内にはパーマネント・カードしかないからハズレはないよ!

 食べれば食べるほど次の食欲がわいてくる、もはや飢えているレベルの貪欲さがデッキの強みだ。メインとサイドに採用されている《魔女のかまど》は除去対策。対戦相手によって破壊されたりコントロールが奪われそうになったりしたクリーチャーはこれで食物に変換し、他の者の役に立たせようという算段だ。ちょっとホラーだが気にせずに喰らおう。

 序盤は《金のガチョウ》からマナを増やしながら、3マナのクリーチャーを中心に展開し盤面を作っていく。2ターン目に《カザンドゥのマンモス》などは実に理想的な展開だ。

 マンモスや《恋煩いの野獣》などパワー5を超える面々は相手のライフを削るのに秀でているだけでなく、《グレートヘンジ》のコストを大幅ダウンさせてくれるという点にも注目。

 緑のクリーチャー主体デッキを使う上で《グレートヘンジ》の存在は非常に大きい。それらのデッキを使う理由と言っても過言ではないだろう。クリーチャーを、手札を減らさずに展開し続けられるというのはそれだけで脅威だ。これに食物シナジーも絡んでくるのだから、クリーチャーデッキだからって長期戦ができないと思うと痛い目を見るぞ。

 サイド後は《精霊龍、ウギン》も増えてコントロール的にも立ち回れる。

 先手後手と相手デッキを見て、食物でライフを保ちながらウギンで勝つというプランも狙ってみよう。

 個人的には《巨大猿、コグラ》が採用されているのも最近の緑単色デッキの愛おしいところだ。

 デカい猿はいいぞ。6マナ7/6というトロールの王と同等のスペックで、狼と同じく戦場に出れば格闘で相手の小物を撃墜。殴り出せばエンチャントやアーティファクトをバキバキ粉砕。このリストには人間がいないので最後の能力は活きないと思いきや、《恋煩いの野獣》の出来事により生成したトークンを用いることで破壊不能を得させることも不可能ではない! こういうカードで対戦相手を圧倒すると大変に気分が良い。

 好きなカードが使える、きちんと強いスタンダードのデッキが見つかれば、君のランクもグングン伸びること間違いなしだ。

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