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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エルフ vs ゴブリン!(ヒストリック)

岩SHOW

 エルフとゴブリン。マジック創生の頃から存在する最古参の部族だ。

 彼らは……ごく一部の例外を除いて、基本的には仲は良くない。それぞれに自分の同族を強化したり強烈な相互作用を発揮するカードを多数持っており、ゴブリンデッキが好きだ! エルフ最高! とそれぞれ熱狂的なファンも多い。マジックの主要種族であるので、定期的に新しいカードが投下されるのも人気の要因だろう。

 今週末に控えたアリーナ・オープンのフォーマット、ヒストリックにおいても……エルフとゴブリン、どちらも魅力的なデッキで甲乙つけがたい。

 かつて『エルフ vs ゴブリン』というデュエルデッキも発売されたぐらい、宿命のライバルであるこの2種族のヒストリックデッキ、ご紹介しよう!

Matteo Falconetti - 「エルフ」
ヒストリック (2020年7月19日)[MO] [ARENA]
19 《
4 《ギャレンブリグ城
-土地(23)-

4 《アロサウルス飼い
4 《ラノワールのエルフ
4 《ドゥイネンの精鋭
4 《エルフの部族呼び
4 《エルフの幻想家
2 《獣相のシャーマン
4 《エルフの大ドルイド
2 《養育者、マーウィン
1 《獣に囁く者
1 《孔蹄のビヒモス
-クリーチャー(30)-
3 《暴走の先導
4 《破滅の終焉
-呪文(7)-
3 《漁る軟泥
2 《クロールの銛撃ち
1 《再利用の賢者
1 《形成師の聖域
4 《英雄的介入
4 《原初の力
-サイドボード(15)-
 

 まずはエルフデッキから。白や黒にもエルフはいるにはいるが、やっぱり緑単がしっくりくる。

 《ラノワールのエルフ》《エルフの大ドルイド》《養育者、マーウィン》らでマナ加速はバッチリ、これらで通常のターン進行では得られないような多くのマナを生産し、さらにエルフを並べて数で押すデッキだ。

 エルフを並べてマナを出し、減った手札は《暴走の先導》《獣に囁く者》で補充。

 手札を減らさずにエルフの頭数を増やす《エルフの幻想家》や、1枚で2体分の《ドゥイネンの精鋭》も良い仕事をする。

 十分なエルフが揃ったらフィニッシュへと持ち込むわけだが、このバリエーションが豊富なのもエルフの強み。まずは大ドルイド、《エルフの部族呼び》で強化して殴る。部族呼びはマナの使い道にもなるのが嬉しい。

 《孔蹄のビヒモス》も他フォーマットにおけるエルフデッキの定番フィニッシャー。

 1枚だけ仕込んでおいて《破滅の終焉》や《獣相のシャーマン》で持ってきてゲームを終わらせる。

 そして、これらとともに新登場したフィニッシャーが『Jumpstart』の新カード《アロサウルス飼い》!

 1マナと軽く、緑の呪文すべてを打ち消しから護る、青系デッキへのアンチカードである時点でもう強い。それに加えて6マナ払うと、すべてのエルフが恐竜のタイプを得て5/5になるというぶっ飛び能力の持ち主。育てたアロサウルスを一気に解き放ってエルフがそれに跨って突撃~というフレイバーなのだろう。十分にゲームを終わらせられる、強力極まる1マナ圏を手に入れたエルフに死角はない!《ギャレンブリグ城》のマナで各種エルフの能力を起動できるのもオイシイよなぁ。

 『Jumpstart』で得た戦力が大豊作のエルフ、組むなら今!

sortreew - 「ゴブリン」
MTG Arena Zone Historic Open #5 優勝 / ヒストリック (2020年7月18日)[MO] [ARENA]
20 《
4 《エンバレス城
-土地(24)-

4 《スカークの探鉱者
4 《人目を引く詮索者
4 《ゴブリンの扇動者
4 《ずる賢いゴブリン
4 《ゴブリンの酋長
4 《ゴブリンの女看守
3 《宝石の手の焼却者
1 《ゴブリンの戦長
3 《群衆の親分、クレンコ
2 《ゴブリンの首謀者
3 《上流階級のゴブリン、マクサス
-クリーチャー(36)-

-呪文(0)-
4 《ゴブリンの鎖回し
4 《ゴブリンの廃墟飛ばし
4 《軍勢の戦親分
1 《宝石の手の焼却者
2 《魂標ランタン
-サイドボード(15)-
MTG Arena Zone より引用)
 

 ゴブリンも『Jumpstart』で大幅に戦力がアップした。何よりも大きいのは《上流階級のゴブリン、マクサス》!

 6マナとゴブリンにしてはヘビー級ではあるが、文字通り出すだけで勝てる、それだけのポテンシャルを秘めている。戦場に出た際にライブラリーの上から6枚見て、その中の(点数で見たマナ・コストが5以下の)ゴブリンを……戦場に出す! 似たような能力持ちの《ゴブリンの首謀者》がかわいく見える、とてつもないアドバンテージの取り方をするのだ。

 そしてゴブリンの得意とする能力は速攻。《ゴブリンの戦長》、そして再録された《ゴブリンの酋長》で全ゴブリンに速攻を与えれば、マクサスから飛び出た全員が攻撃可能。

 さらにさらにマクサスは、攻撃時に全ゴブリンの数だけサイズアップする。冗談抜きでこのカード1枚から20点以上のダメージを叩き出すことも可能なのだ。恐ろしいヤツらだよまったく。

 マクサスというわかりやすいゴールを得たので、そこにいち早くたどり着くことを目指した構成のリストが増えている。《スカークの探鉱者》《ずる賢いゴブリン》らで一気にマナを加速しよう。探鉱者でマナを増やすなら《ゴブリンの扇動者》が相性よし。1ターン目探鉱者、2ターン目扇動者と動けば、3ターン目にはマクサスが神輿に乗って降臨だ。

 また、マナ加速だけでなくマクサスを唱えるためにそれを手に入れる手段も充実している。《ゴブリンの女看守》はゴブリンのすべてとも言える強力サーチで、勝ちに行くときはマクサスを、マクサスまで粘る時には《宝石の手の焼却者》など生き延びる手段をと、デッキの柔軟性を大幅に上昇させている。

 《人目を引く詮索者》もライブラリーの一番上を唱えさせてくれる。マクサスがめくれたらお祭りだ。アドバンテージ手段としても非常に優秀で、同時にライブラリートップのゴブリンの能力を得るというのも侮れない。探鉱者になって加速したり、《群衆の親分、クレンコ》になってトークンをうじゃうじゃ増やしたり、これ1枚でもフィニッシュまで持っていける最強格の2マナ圏だ。

 部族デッキの代表格、エルフとゴブリンを紹介してみたが……ヒストリックで組める部族デッキはこれだけではない。マーフォーク、吸血鬼、人間……『Jumpstart』でプッシュされたものでいえばウィザードなんかもあるね。《反復の学部長、ナバン》で《トレイリアの大魔導師、バリン》などのウィザードの能力をコピーし、《激浪の研究室》で戻して使い回すデッキはなかなか面白そうだ。

 好きな部族があるなら、まずはカードプールをしっかり確認してからデッキを組んでみよう! 集団の力を見せつけてやろうじゃないか。

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