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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

迷路の終わり(ヒストリック)

岩SHOW

 どんなものにも終わりはやってくる。望むらくは、それが満ち足りたものであらんことを……最近、映画とかには捻ったエンディングよりも王道ハッピーエンドを求めがちな岩SHOWですこんにちは。

 マジックにける「終わり」を体現したカードはいろいろとある。例えば……ターンを強制的に終わらせる《時間停止》。この呪文が解決されると、そのターンは問答無用で終了する。戦闘中だろうが、スタックに解決されていない呪文や能力があろうがおかまいなし。

 このマジックの歴史上でもかなり特殊なカードの後継機、《不連続性》がこの夏登場する。

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 自分のターンであればたった2マナで終わらせられるこのカード、一体どのように使うべきだろう? ゲームに敗北する類の能力が誘発した際に用いるのが最も効果的だと予測できるが、それで何か面白いコンボが組めたら嬉しいね。

 終わりといえば、ターンどころかゲームが終わってしまうものだってある。解決すれば即座に勝利する、勝利条件カードの類だ。即座に勝利と書けばいとも簡単なように見えるが、もちろんそれらの勝利条件カードはそんな簡単なものではない。相手のライフを0にする、相手がカードを引けない状況に追いやる、それらの通常の勝利方法と同じく、あるいはそれ以上に手間がかかるのがマジックの特殊勝利だ。

 現スタンダードにも《めでたしめでたし》があるが、これなんかはかなり難しいことが書いてあるね。その無理難題を解決しつつ、同時に対戦相手の猛攻からも耐えねばならない。そりゃあ並大抵のことじゃないぜ。

 ただ、厳しいけどそれなりになんとかなりそうなことが書いてある勝利条件は、何とも満たしたくなってくるというものでもある。デッキ作りを楽しむプレイヤーにとっては魔性の囁きだ。罠なのか、あるいは最高のデッキとの出会いなのか。

 今日はゲームを終わらせる、ある「終わり」にまつわるカードを用いたデッキを紹介しよう!

岩SHOW - 「迷路の終わり」
ヒストリック (2020年6月)[MO] [ARENA]
3 《
1 《
3 《繁殖池
2 《踏み鳴らされる地
1 《神聖なる泉
1 《アゾリウスのギルド門
1 《オルゾフのギルド門
1 《ボロスのギルド門
1 《セレズニアのギルド門
1 《ディミーアのギルド門
1 《イゼットのギルド門
1 《シミックのギルド門
1 《ラクドスのギルド門
1 《ゴルガリのギルド門
1 《グルールのギルド門
1 《ギルド門通りの公有地
4 《調和の公有地
3 《死者の原野
2 《迷路の終わり

-土地(30)-

4 《樹上の草食獣
2 《エルフの再生者
1 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
3 《不屈の巡礼者、ゴロス
1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ

-クリーチャー(11)-
2 《成長のらせん
4 《燃え立つ門
4 《ギルド会談
4 《迂回路
2 《空の粉砕
3 《時を解す者、テフェリー

-呪文(19)-

 《迷路の終わり》、初出は『ドラゴンの迷路』。

 このカードの言う迷路とは、実際に壁や通路で構築された物質的な迷路ではなく、ラヴニカの都市に走るマナの力線のことである。各ギルドの領域を横断するこの力線の謎を解き明かすために、10のギルドのチャンピオンたちが競争するというのが『ドラゴンの迷路』のストーリーだ。

 で、その迷路の終着点こそが《迷路の終わり》。すべてのギルドをたどる迷路のゴールに相応しく、各ギルドの門カードに関する能力を持っている。門をライブラリーから戦場に直接出す起動型能力で必要な色マナを得つつライブラリーを圧縮。そして、この能力の解決時にあなたが10種類の門をコントロールしていたなら、そのままゲームに勝利と相成る。

 手札から門を置き、能力で引っ張ってきて、それぞれ別の名前の門を10枚。結構大変なので、スタンダード当時にはこれで勝てるデッキを作るのは難しかった。だが時が流れて……門を2枚ライブラリーから引っ張ってくる《迂回路》が登場。

 そして《迷路の終わり》が『ヒストリック・アンソロジー3』に収録されたことで、ヒストリックにて門デッキを作ることが可能となったのである。長く待っていた門デッキファンにもお待たせってところだね。

 《迷路の終わり》を組む難点は、とにかく土地がタップインする(タップ状態で戦場に出る)ところだ。真面目にやっていたら常に相手よりも使えるマナが少なく、手数で負けてしまう。これを回避するためにも、土地を戦場に出すあらゆる手段を用いる。

 《樹上の草食獣》は序盤の壁を兼ねてくれる。《成長のらせん》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》はドローももたらす。

 ウーロはたくさん入れたくなるが、5色デッキで安定して運用するのは簡単ではないので《エルフの再生者》を優先した方が扱いやすいかなと個人的には感じている。

 そして前述の《迂回路》、さらにその上には《不屈の巡礼者、ゴロス》が控える。

 このラインナップ、なんだか懐かしい気がしないだろうか。『基本セット2020』リリース当初に登場した《死者の原野》デッキを支えたメンバーなのだ。というわけでこのデッキにも《死者の原野》がそのまま採用されている。

 これらの土地を置くカードで序盤から盤面を築き上げ、《死者の原野》を可能な限り早いターンに機能させ、そのままゾンビ軍団で盤面を埋め尽くして圧倒するもよし。ゾンビたちを盾に相手の攻撃をしのぎながら《迷路の終わり》を起動して勝利するのを狙ってもよし。勝ち手段の基盤が土地なので、手札破壊や打ち消しなどで妨害されにくいというのは大きな利点だ。

 また、門デッキであるので当然門シナジーも重視している。門がドローに直結する《ギルド会談》で手札をチャージ。相手のクリーチャーが並んだところに《燃え立つ門》で一掃する。

 これだけでは除去が足りないので《空の粉砕》も採用している。

 《調和の公有地》で回復しつつゾンビ量産なり迷路走破なりのゴールに向けて繋いでいきたい。フィニッシュはコンボチックだが、根っこはコントロールである。

 コントロール手段の最大級のものであり、同時に勝つための1枚でもある《絶え間ない飢餓、ウラモグ》にも触れておこう。

 迷路に終わりはあるが、コイツの飢えには終わりがない{10}ととてつもなく重いコストだが、しっかり動いたこのデッキでは難なく支払える。唱えただけでパーマネントを2枚も追放できるので、相手の攻め手を粉砕したり土地をぶち抜いて反撃の目を摘んだり、状況に合わせてパワフルに叩きつけよう。

 破壊不能を持つ壁役であり、また殴り出したら相手のライブラリーが一瞬で潰えるのでゲームを長引かせることもない。まあ、大体唱えたら相手が投了するんだけれどね。

 このカードも『ヒストリック・アンソロジー3』にてMTGアリーナへと参戦してきた。唱えて最も楽しいカードの1つなので、未体験の人はぜひ{10}を支払うことの愉悦を味わっていただきたい。

 今回は僕がアリーナのヒストリック・ランク戦(BO1)で使用しているリストを紹介させてもらった。このデッキは多くがよく似た構成だが、使用者によって微妙な違いがあるのが面白い。《風景の変容》で《死者の原野》と土地を複数持ってきてゾンビ軍団を一気に作り上げる大技を仕込んだり、何度除去されても戻ってくる《門の巨像》をフィニッシャーに据えたり。アグロデッキに押し負けることが多ければ《アーチ道の天使》を使うのもアリだ。

 各自でいろいろと使ってみて、理想の「終わり」をもたらすデッキ、作ってみよう!

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