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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ジェスカイ・ウィノータ(スタンダード)

岩SHOW

 イコリア次元には人と怪物が住んでいる。これはマジックのあらゆる次元でもそうなのだが、この次元の物語は人と怪物の関係にフォーカスして描かれている。

 イコリアは怪物により支配された次元である。サイズは人間より小さなものから都市を踏み潰すものまでさまざまで、その大きさに関わらずいずれも危険なものである。見た目で戦力を判断しても、いざ戦えばその怪物が全く違った姿に「変容」する可能性があるのでタチが悪い。

 人間はその知恵と柔軟性とを駆使して、この次元の過酷な生態系を生き延びている。ほとんどの人間は都市を築き、聖域と呼ばれる城壁や堀で固められた安全地帯に住み、怪物の襲撃に備えている。

 だが、中には怪物との間に友情を築く者もいる。エルーダと呼ばれる、信頼や友情を越えて魂をひとつに結びつける絆によって相棒となり、ともに生きる人と怪物の姿を見ることがある。そうした人々は眷者と呼ばれ、都市を離れて怪物と生活する。

 眷者の中でも有名なのがウィノータで、彼女は獣との戦闘中に右腕を失うが、最終的にその獣との間にエルーダが芽生え、相棒となるに至った。タヌキっぽいメイクをしていることがちょっと話題になったが、なかなか壮絶なエピソードを持っていたんだなぁ。

 他の眷者と怪物に共闘の仕方を教える彼女をカード化した《軍団のまとめ役、ウィノータ》を使ったデッキの一例を見てみよう。

iaashadow - 「ジェスカイ・ウィノータ」
スタンダード (2020年4月19日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
2 《平地
4 《蒸気孔
4 《神聖なる泉
4 《聖なる鋳造所
4 《ラウグリンのトライオーム
2 《エンバレス城
2 《寓話の小道
-土地(26)-

4 《魅力的な王子
4 《徴税人
3 《迷い子、フブルスプ
4 《砕骨の巨人
2 《軍勢の戦親分
4 《軍団のまとめ役、ウィノータ
4 《裏切りの工作員
2 《石とぐろの海蛇
-クリーチャー(27)-
4 《急報
3 《孵化+不和
-呪文(7)-
2 《霊気の疾風
2 《ドビンの拒否権
2 《焦熱の竜火
3 《神秘の論争
2 《ヴァドロックの神話
4 《時を解す者、テフェリー
-サイドボード(15)-
mtggoldfish より引用)
 

 非人間クリーチャーが攻撃すると、それとの間に結びつきができた人間がライブラリーから飛び出してくる能力を持ったウィノータ。この能力を活かすのであれば、人間と非人間クリーチャーの両方を採用した殴るデッキを作ることになる。

 マナを支払わずにライブラリーから直接戦場に出す人間クリーチャーの中で最も強力なものは? それは《裏切りの工作員》だろう。

 相手のクリーチャーなりプレインズウォーカーなり、その他あらゆるパーマネントをこれで奪ってしまえば対戦相手はひとたまりもない。これをひとつのゴールとして設定したのが「ジェスカイ・ウィノータ」だ。

 とりあえずウィノータが出るまでの間は非人間を優先的に展開していきたい。《迷い子、フブルスプ》《砕骨の巨人》《軍勢の戦親分》《石とぐろの海蛇》といった面々を出していくわけだが、どれも単体でも打点があったりカード1枚以上の働きをしてくれる点が優れている。

 《急報》もこの枠で、カードもトークンのイラストもどう見ても人間なのだが、それは兵士のタイプしか持っていないので、ウィノータの能力をばっちりと誘発させる。

 また、これらのクリーチャーが攻撃することでめくれる人間カードの候補でありながら、非人間スロットも担当するのが《徴税人》だ。

 こちらのターンでの相手の呪文のコストを{1}増やすことでウィノータを除去されにくくするという仕事も地味ながら強いが、序盤に出して相手のクリーチャーをブロックしてさっさと相討ちさせても良い。死後能力でスピリットが生成され、これは飛行も持っているので気軽に攻撃できてウィノータと相性◎。

 《裏切りの工作員》《徴税人》と並ぶ人間クリーチャーとして《魅力的な王子》も採用されている。

 《深海の破滅、ジャイルーダ》デッキ(以前の記事)と言い、クリーチャーをコスト踏み倒して戦場に出すデッキでは引っ張りだこだ。この王子は序盤に出して占術することで《孵化+不和》の《孵化》と併せてウィノータを探しに行ったり、絶賛殴り合い中の場合はライフ回復でダメージレースを制する手助けをしてくれるわけだが、最高の役目としては《裏切りの工作員》追放係である。工作員を出し直してパーマネントをもう1枚いただき、反撃の芽を摘んでやるのだ。

 ウィノータはブン回った時の爽快感は抜群で、本人の4マナ4/4という高スペックも相まって一瞬でゲームを終わらせることも容易いのが魅力だ。見るからに楽しそうなデッキなので使用者も多いのだが、そのために目立ってしまっている。このコラムが掲載される頃には対策を過剰に施されてあまり勝てないポジションになっているかもしれない。

 先にも触れたジャイルーダや、《夢の巣のルールス》デッキ(以前の記事)などにまとめて対処できる《墓堀りの檻》がサイドボードに採用されるケースが増えることが予想されるので、それに対するアンサーも用意したいところだ。アーティファクト対策を用意するのはもちろんだが、ウィノータでクリーチャーが出なくとも普通に殴って勝ちに持っていけるようにしたいので、そういう面では《ヴァドロックの神話》は攻撃をねじ込むために大いに役立ってくれるだろうね。

 弱点はあるが、綺麗に回った時にはそれを意に介さない破壊力を秘めているデッキなので、このデッキとのエルーダを感じたプレイヤーはぜひ手に取って、そして自分にフィットする形に調整してあげてほしいね!

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