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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

不屈の独創力(パイオニア)

岩SHOW

 名前が良いカードってあるよね。特にそのカード名がしっかりとカードの能力・効果と噛み合っていればより完成度が高まるってなもんだ。メッセージ性があれば、なお良い。

 最近、改めて良いなと思ったカード名は《不屈の独創力》。

 新しいものを創り出すのに必要な才能ってのはいろいろあるとは思うが、折れない不屈の意志ってのはかなり重要なファクターだろうね。誰も使いこなせていないクセの強いカードを用いて新たなデッキを世に送り出すこと、これこそマジックにおける独創力が試されるものである。世界中のデッキビルダーたちは折れない心で昼夜研鑽に勤しんでいるのだ。

 今回はそんな不屈の独創力を持って作られた、最近ジワリと存在感を増しているデッキを紹介しよう。パイオニアのコンボだ。キーカードは……この前フリだもんね、もちろん《不屈の独創力》だ。クリーチャーかアーティファクトを複数枚破壊する除去呪文であるが、代わりに破壊されたパーマネントのコントローラーは自身のライブラリーを上からめくっていって、クリーチャーかアーティファクトが公開されればそれを戦場に出す。これを壊されたパーマネントの枚数分繰り返す、完全な除去ではなくいわば入れ替えカードだ。

 このカードの面白いところは、対戦相手のパーマネントのみならず、自身のパーマネントも対象にできるところ。これで自分のアーティファクトかクリーチャーを破壊することで、コストを踏み倒して巨大なクリーチャーやアーティファクトを叩きつけてやろうってわけだ。

 夢が膨らむというものだが、構築は簡単ではない。これで破壊するためのアーティファクトかクリーチャーを用意しなければならないのだが、それをデッキに含んでしまうとせっかくの独創力でめくれるカードが普通のカードになってしまい、本当に同じものと入れ替えて終わり、なんてことになりかねない。

 一筋縄ではいかないこのソーサリー、使いこなすための工夫をご覧いただこう。

peter89 - 「不屈の独創力」
Magic Online Pioneer League 5勝0敗 / パイオニア (2020年3月8日)[MO] [ARENA]
8 《
3 《平地
4 《聖なる鋳造所
4 《凱旋の神殿
1 《断崖の避難所
1 《アーデンベイル城
1 《変わり谷
2 《寓話の小道
-土地(24)-

1 《龍王コラガン
1 《静穏の天使
1 《虚空の選別者
1 《約束された終末、エムラクール
-クリーチャー(4)-
4 《岩への繋ぎ止め
4 《メレティス誕生
3 《神々の憤怒
3 《焼けつく双陽
4 《不屈の独創力
4 《海賊の略奪
2 《エルズペス、死に打ち勝つ
2 《試練に臨むギデオン
2 《反逆の先導者、チャンドラ
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン
1 《先駆ける者、ナヒリ
1 《太陽の勇者、エルズペス
-呪文(32)-
4 《沈黙
2 《削剥
1 《敬虔な命令
2 《神聖の力線
1 《空の粉砕
2 《摩耗+損耗
2 《試練に臨むギデオン
1 《目覚めた猛火、チャンドラ
-サイドボード(15)-
 

 《不屈の独創力》から繰り出すクリーチャーは4種。戦場および墓地のクリーチャーを追放する《静穏の天使》、偶数コストの呪文を唱えることを禁じ、偶数コストのクリーチャーでのブロックも認めない《虚空の選別者》、13/13の規格外サイズに飛行・トランプル・プロテクション(インスタント)と揃った《約束された終末、エムラクール》、そしてそれらに速攻を与えて一瞬でゲームを終わらせにかかる《龍王コラガン》。

 独創力のXを2以上にしてこれらを複数体同時に出して、一気にプレッシャーを掛けたいところだ。コラガンが含まれていれば最高である。

 で、これらの4種以外にクリーチャーは不採用なのはご覧の通り、そしてアーティファクトも0枚。じゃあどうやって独創力のための種となるパーマネントを用意するのかというと、トークン生成カードを使うのだ。以下にそれらのカードをまとめて紹介していこう。

 スタンダードの白いコントロールでも大活躍の《メレティス誕生》はまさしくうってつけと言える。

 2マナと軽く、土地とライフを提供して円滑な回りと相手の攻撃から耐えるための時間を提供してくれる。そして0/4の壁! 序盤のブロック役として大変に優秀であり、小粒の攻撃をシャットアウトだ。

 同じく、ブロックに回すためのクリーチャー・トークンを生成する手段として《アーデンベイル城》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《太陽の勇者、エルズペス》がある。

 トークンを生み出すわけではないが、クリーチャー化する《変わり谷》を種として使うことも可能だ。

 アーティファクトを生成する手段としては、宝物を2個生み出す《海賊の略奪》がある。

 独創力のコストはそれなりにかかるので、これを唱えるためのコストにもなる点で宝物はありがたい存在だ。手札を捨ててドローし、独創力を引き込むための役目も担う。不要な除去はさっさと有効なカードに置き換えるべく捨ててしまおう。

 デッキとしては序盤はコントロールとして動く。豊富な赤白の除去で捌いて、上記のトークン生成カードと《不屈の独創力》から大型クリーチャーを展開し、一転攻勢に出て圧殺する。

 このデッキの良いところは、この独創力コンボを無理やりに狙いに行かなくてもなんとかなる点。各種ギデオンにエルズペス、そして《反逆の先導者、チャンドラ》《先駆ける者、ナヒリ》など、プレインズウォーカーが優秀なもの揃いなので、除去で更地にしてこれらで蓋をしているだけで勝てるゲーム展開もあるだろう。ハチャメチャなコンボを無理やりに決めるだけのデッキではない、こういうのは勝つためには大事な工夫だ。

 非常に独創性に富んだ構成ながら、Magic Onlineのリーグ戦で勝っているリストがちらほらと出現している独創力コンボ。荒唐無稽なようで手堅く組まれつつ、決まった時の爽快感はオンリーワンのものに仕上がっているので、ぜひともこのタイプのデッキに触れて、あなたの独創力もワンランク上のものへと押し上げてみてほしい。

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