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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
黒単信心:究極のフィニッシャー灰色商人(新スタンダード)
初代テーロス期ってどんな環境だったのか? 配信をやっているとこう聞かれることがあった。確かに、『テーロス』ってもう6年以上も前か。そりゃあ知らない世代がいるのも自然な話だ。
『テーロス』は『テーロス還魂記』よりも「信心」に関するカードが多数存在していた。《波使い》や《モーギスの狂信者》のようなクリティカルな信心能力を持ったものがおおり、これらを活かすために《ニクスの祭殿、ニクソス》を用いた各色の信心デッキがスタンダードにおいて活躍したものだった。
ただ、最終的にはあらゆるトーナメント結果にあのデッキの名が多数並ぶこととなった。「黒単信心」である。
黒の長所として、まずクリーチャーやプレインズウォーカーを除去できる。他の信心デッキが並べたパーマネントに《英雄の破滅》などで干渉して好きに展開させない。《思考囲い》という、1マナで相手の手札を落とせる最強手札破壊も黒の武器だった。プランを崩すのにはこの上ないカードである。
そしてきちんと信心カウントを稼ぎつつ、アドバンテージを得られる《地下世界の人脈》《夜帷の死霊》《群れネズミ》といったパーマネントの数々……その信心を直接勝利へと繋げるのが《アスフォデルの灰色商人》。
こいつは……このゾンビはそりゃあもう強かった。信心分ドレイン(相手がライフを失いこちらが回復すること)する能力を持ち、こいつで10点ドレインしてゲーム終了なんてことは決して珍しいことではなかった。ライフが一桁になるともう生きた心地がしなかった。どっしりと構えながらも、このような飛び道具であっという間にゲームエンド可能なデッキはマジックにおける理想形とも言えるな。
そんな必殺の一撃を見舞える《アスフォデルの灰色商人》がスタンダードに復活だ!
『テーロス還魂記』にて再録された灰色商人、なんともタイミングの良いことにスタンダードにはすでに信心を稼げるシンボルの濃い黒いカードがあり、これらと組み合わせれば簡単にデッキが組めるのだ。
かつてスタンダードを支配した「黒単信心」、その後継機がここに登場ッ!
21 《沼》 4 《ロークスワイン城》 -土地(25)- 4 《どぶ骨》 4 《ヤロクの沼潜み》 2 《死より選ばれしティマレット》 2 《悲哀の徘徊者》 4 《残忍な騎士》 3 《ロークスワインの元首、アヤーラ》 4 《戦慄の存在》 4 《悪夢の番人》 4 《アスフォデルの灰色商人》 -クリーチャー(31)- |
3 《死の国への引き込み》 1 《ボーラスの城塞》 -呪文(4)- |
1 《死より選ばれしティマレット》 1 《悲哀の徘徊者》 4 《死霊の金切り声》 2 《強迫》 3 《害悪な掌握》 1 《ボーラスの城塞》 2 《エレボスの介入》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
《ヤロクの沼潜み》《残忍な騎士》《ロークスワインの元首、アヤーラ》といった信心深い面々を並べて盤面を作り、灰色商人の威力を高める。自分からゴリゴリと戦闘を仕掛けるわけでもないが、流れるように動けば一瞬で相手のライフが溶ける爆発力を持った中速のデッキである。
このデッキは灰色商人の再録と同時にやってきた期待の新人、ならぬ新悪魔《悪夢の番人》もいることで実戦的なものになるだろうとリリース前から囁かれていた。
番人がいる状態で自分のクリーチャーが死亡すると、それのコピーである1/1のトークンを生成できる。これで灰色商人1枚で2度ドレインをかますことができるッ!
忘れちゃいけないのは、番人で生成されるトークンは死亡したクリーチャーのコピーであり、きちんとそのマナ・コストも受け継いでいる点。コピー・トークンらの分もきっちりと信心をカウントしてライフをすり潰してやろう。
灰色商人を能動的に墓地に落とすには《ロークスワインの元首、アヤーラ》を用いる。
彼女は信心の塊であり、クリーチャーを生け贄に捧げてドローをもたらし、プチ商人とも呼べるドレイン能力で相手のライフを射程圏内まで引きずり込むかなりのやり手だ。
そしてもう1枚、こちらも新戦力の《悲哀の徘徊者》は生け贄により占術1が可能だ。
効果は薄いがマナもタップも不要な点が優れており、また本人が死んでも脱出で帰ってくるのは偉い。これらで商人を使い回して、一気にゲームを終わらせよう!
番人+生け贄エンジンをよりデッキの中核に据えたいと思ったのならば、以下のような形のデッキも組める。前環境の終盤に現れ、僕個人も愛用していた「黒単かまど」のアップデート版だ。
21 《沼》 3 《ロークスワイン城》 1 《魔女の小屋》 -土地(25)- 3 《大釜の使い魔》 4 《ヤロクの沼潜み》 2 《オルゾフの処罰者》 2 《悲哀の徘徊者》 3 《真夜中の死神》 2 《残忍な騎士》 4 《ロークスワインの元首、アヤーラ》 1 《荒涼とした心のエレボス》 3 《悪夢の番人》 4 《アスフォデルの灰色商人》 1 《夜の騎兵》 -クリーチャー(29)- |
3 《魔女のかまど》 2 《死の国への引き込み》 1 《ボーラスの城塞》 -呪文(6)- |
2 《死より選ばれしティマレット》 2 《不死の騎士》 3 《強迫》 2 《ファリカの献杯》 2 《死の国への引き込み》 1 《食らいつくし》 2 《エレボスの介入》 1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
《大釜の使い魔》と《魔女のかまど》で猫が出たり入ったり。これで相手の攻撃を受け流しつつグルグル回しているだけで、アヤーラと合わさればライフを着実に削っていける。《真夜中の死神》や《荒涼とした心のエレボス》がこれに加わればドローも進む。システムが完成すれば笑いが止まらない楽しさあふれるデッキだ。
黒単信心は単色であるが、だからこそ細部の変化がデッキの動きを大きく変える。それぞれ思い思いの黒いカードを放り込んで、自分に合った形を見つけていこう!
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