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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オールドラゴン総進撃!赤単ドラゴン(パイオニア)

岩SHOW

 やあやあ、今夜もやってきましたデイリー・デッキのお時間だよ! 前回の予告先発通り、今回はパイオニアの赤いデッキを紹介しよう。

 皆はマジックの赤に対してどのようなイメージを持っているだろうか。5色の中でもトップクラスの攻撃的なカラーであることは明白だ。その攻撃性の象徴であり、マジックのファンタジーな世界観の形成に大きく貢献しているものといえば……ドラゴンだ。

 今日、ドラゴンは赤に留まらずに各色に存在してはいるが、ドラゴンが多い色といえばやはり断トツで赤。巨体が宙を舞い、炎を吐き、電光石火でライフを攻める、食物連鎖の覇者である赤いドラゴンたち。それ自体のバリエーションも多ければ、それらを支える部族シナジーを持ったカードも多数存在する。これらを束ねたドラゴンデッキで戦いたい、そういう原初的な欲求はマジックプレイヤーの心に一度は去来したはず。

 今回のデッキは、そんな思いを具現化させた正真正銘のドラゴンデッキだ!

Excile - 「赤単ドラゴン」
Magic Online Pioneer League 5勝0敗 / パイオニア (2019年12月25日)[MO] [ARENA]
17 《
2 《ラムナプの遺跡
4 《精霊龍の安息地
1 《精霊龍のるつぼ

-土地(24)-

4 《ドラゴンの雛
4 《ドラゴンの卵
4 《雷破の執政
1 《刃の翼ヴェリックス
4 《栄光をもたらすもの
1 《嵐の憤怒、コラガン
1 《龍王アタルカ

-クリーチャー(19)-
4 《乱撃斬
4 《龍詞の咆哮
1 《龍の大嵐
1 《吐炎
3 《火のるつぼ
4 《火の血脈、サルカン

-呪文(17)-
1 《砕骨の巨人
2 《嵐の息吹のドラゴン
1 《墓掘りの檻
2 《高山の月
3 《チャンドラの敗北
2 《丸焼き
2 《ミジウムの迫撃砲
1 《吐炎
1 《反逆の先導者、チャンドラ

-サイドボード(15)-

 

 パイオニア環境のありとあらゆるドラゴンを詰め込んだ、やんちゃが過ぎるリストだ!

 構築シーンにおいて実績のある《雷破の執政》や《栄光をもたらすもの》などの中マナ域のドラゴンを中心に組まれているが、これまで他のデッキで見ることは稀だった《ドラゴンの卵》や《ドラゴンの雛》まで採用されているのは驚きだ。

 これらは素のパワーが0ということで、死亡させるかマナを注ぐかしなければ打点として働かない。そんな小さなドラゴンたちでも《火のるつぼ》で強化すれば戦える!

 というわけでドラゴンたちを強化して殴る、中速デッキに仕上がっているのである。

 わざわざ強化してでも《ドラゴンの卵》《ドラゴンの雛》を使いたい理由は、そのコストの軽さにあるだろう。これらを展開すると同時に、ドラゴンが戦場にいれば対戦相手本体にもダメージを与えられる《龍詞の咆哮》なんかで除去したり、《龍の大嵐》の能力を誘発させたりと、手数でも戦えるようにしたわけだ。これらで4マナ以降の主役ドラゴンに繋ぐのである。《ドラゴンの雛》は《火の血脈、サルカン》が出す2マナでスッと唱えられる点も良いね。

 そう、このデッキの主役はドラゴンと同時に《火の血脈、サルカン》でもある。

 3マナという軽さが売りで、ドラゴン用のマナを生み出すことで展開力を高めるプレインズウォーカー。スタンダード落ちしてから久しぶりにその姿を見たが、彼は使ってみれば思っているよりも使いやすいナイスカードである。5色のマナを生み出せるので、《精霊龍の安息地》《精霊龍のるつぼ》と併せることで赤単でありながら《嵐の憤怒、コラガン》《龍王アタルカ》のようなゲームを決める強さを持ったドラゴンも運用可能となっている。

 手札を1枚捨てて1枚引くする能力も、《吐炎》と絡めれば枚数を失わずにカードを引き込める。

 サルカンを3ターン目に戦場に送り出し、彼のサポートでドラゴンを並べ、そして《火のるつぼ》やコラガンでパワーをグイッと上昇させて勝つ! その圧倒的な暴力、これぞまさにドラゴンを体現したデッキと言えるね。

 このデッキ、見れば見るほど《ドラゴンの卵》や《ドラゴンの雛》が放つ異彩が気になってくることだろう。実際にパイオニアのような環境でこれらが活躍するのだろうか? そう疑問に思うのも自然なことだろう。ひとつだけ確かなことは、このデッキは昨年末にMagic Onlineのパイオニアのリーグ戦で全勝しているのは事実である。パイオニア深い、マジック深いなぁ。

 多元宇宙で最も美しい生物であるドラゴン。サルカン同様にこの空の覇者にほれ込んだのであれば、そのサイズの大小にとらわれずにいろんなヤツを使ってみよう!

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