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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
タフネス1の逆襲:か細いエルフがエンジンを回す(レガシー)
前回は《レンと六番》がいなくなったことで復権するであろうレガシーのデッキの1つ、「Death & Taxes」を紹介した。今日もその続きで、レンによる1点ダメージにタフネス1を狩られることがなくなってタフネス1を遠慮なく用いることが可能になり、また勢力を増す可能性があるデッキを紹介しよう。
このデッキはタフネス1を20枚近く採用しており、それらを組み合わせることで爆発力を得て戦うデッキだ。彼ら彼女らは同じ仲間たちで協力してマナを生み出す……エルフだ。
3 《森》 2 《ドライアドの東屋》 1 《Savannah》 2 《Bayou》 3 《吹きさらしの荒野》 2 《霧深い雨林》 2 《樹木茂る山麓》 4 《ガイアの揺籃の地》 1 《ペンデルヘイヴン》 -土地(20)- 1 《ラノワールのエルフ》 1 《エルフの神秘家》 1 《Fyndhorn Elves》 3 《遺産のドルイド》 2 《樺の知識のレインジャー》 4 《イラクサの歩哨》 4 《クウィリーオン・レインジャー》 4 《ワイアウッドの共生虫》 4 《エルフの幻想家》 1 《漁る軟泥》 1 《再利用の賢者》 1 《武勇の場の執政官》 1 《孔蹄のビヒモス》 -クリーチャー(28)- |
4 《垣間見る自然》 1 《輪作》 3 《自然の秩序》 4 《緑の太陽の頂点》 -呪文(12)- |
1 《カラカス》 1 《呪詛呑み》 4 《思考囲い》 1 《真髄の針》 4 《突然の衰微》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
レガシーの「エルフ」デッキは盤面に同種族を並べて強化して殴る、典型的な部族デッキのテンプレとは異なり、コンボデッキとして戦う。そのコンボの重要なパーツがタフネス1に固まっているのだ。それでは、それぞれの役割を紹介しよう。
1.マナエルフ
その名の通りマナを生み出すエルフ。お馴染みの《ラノワールのエルフ》やその同型である《Fyndhorn Elves》や《エルフの神秘家》らに加えて、このデッキのマナエルフは皆でマナを生み出すものを用いる。それが《遺産のドルイド》だ。
エルフを3体タップすることで緑マナを3つ得られるという能力を持ち、しかも召喚酔いなど関係なく戦場に出たばかりのエルフも能力のコストに充てられる万能っぷりだ。エルフを並べてこれからマナを出す。その並べるエルフに加えたいのが《イラクサの歩哨》。
緑の呪文を唱えるとアンタップする能力を持つ。ということは、これらをタップしてマナを得て、さらにエルフを唱えると……イラクサがアンタップして唱えたエルフと併せてタップしまた3マナ、といった具合にマナが尽きないループを形成することが可能だ。
《遺産のドルイド》に追加で、マナ生産効率は落ちるが2体タップで起動できて好きな色マナが生み出せる《樺の知識のレインジャー》も加わり、このデッキのマナ生産能力は2ターン目には他のデッキを置いてけぼりにしてしまうことだろう。
2.アンタップ+α
上述の《イラクサの歩哨》もそうだが、エルフをアンタップすることの意味はこのデッキではとても大きい。そこで自動的に起き上がるイラクサ以外にも能動的にエルフをアンタップする手段を搭載している。
《クウィリーオン・レインジャー》は森を手札に戻すことをコストに、クリーチャーを1体アンタップする。このコストは逆に考えれば、1枚しかない森からマナを得て、戻して出し直してまたマナを得る、というマナ加速としてプラスに働かせることもできる。また、《ドライアドの東屋》で相手のクリーチャーをブロックし、戦闘ダメージが与えられる前に森である東屋を手札に戻してうまくやりすごすという防衛手段としても用いることが可能だ。
もう1つのアンタップ役は《ワイアウッドの共生虫》。
こちらはエルフを手札に戻すことでクリーチャーをアンタップする。このコストも美味しく運用することが可能だ。《エルフの幻想家》を戻してマナを得てまた幻想家を出し直してドロー、というムーブを決められれば最高だ。
これらのアンタップ役と(1)の連中が組み合わさることで、ガチャガチャと1ターンに何度もアクションを決めることができるのがエルフデッキの強みである。
これらのタフネス1を中心としたスタッフによって、爆発的なマナが得られることはわかってもらえたことだろう。ここにもう1つ、何が加われば回転力が得られるだろうか。そう、ドローだ。
引いたエルフを出してマナを得てまた引いて……延々と回り続けるエンジンを得るには恒久的なドローが欲しい。ということでこのデッキの最大の武器が《垣間見る自然》!
クリーチャーを唱えればドローできるようになるこのソーサリーを唱えた後、可能な限りエンジンを回し続けて戦場を作り上げよう。2枚目、3枚目と繋げられればもう止まらない。ライブラリーを掘り尽くしてしまおう。《ワイアウッドの共生虫》のエルフを戻す能力はこのカードと組み合わさることで活きてくるってわけだ。
とてつもない数のエルフを並べ終えたら、フィニッシュに持って行こう。エルフから得たマナ、あるいは《ガイアの揺籃の地》から、あふれるマナを注ぎ込んで《緑の太陽の頂点》を唱えよう。
この呪文はコンボの途中に必要なスタッフをかき集めるためにもバンバン使っていこう、ライブラリーに戻るから後で引けるからね。
で、極大のマナを注いで何を持ってくるのかというと《孔蹄のビヒモス》だ。
エルフが10体以上並ぶこともザラなこのデッキ、ビヒモスの能力でとてつもないサイズに膨れ上がったエルフ&ビヒモスでパンチして終了! 実に単純明快で気持ちのいいフィニッシュだ。
《自然の秩序》からも持ってこれるので、フィニッシャーが見つからなくて負けという事態にはなりにくいようになっている。この呪文もまた頂点と同じく、必要に応じてコンボパーツとなるエルフや虫を持ってくるのにも使おう。
もう1体採用されている大型クリーチャー《武勇の場の執政官》にも注目だ。
このクリーチャーはビヒモスのように一瞬で勝負を決めるというわけではないが、エルフデッキにとって非常に有用な能力がある。優秀なエンジンを有しているデッキだが、いつでもブン回ってビヒモスでサクッと勝てるというわけではない。相手を倒しきれずにターンを返すと、各種コンボを逆に決められたり、あるいは全体除去で流されてこちらが負けるという可能性もある。
そこで、ターンを返さざるを得ない時には《武勇の場の執政官》で唱えられるとイヤな呪文タイプを指定して封じてしまうのだ。ソーサリーを指定すれば《終末》のような全体除去や《実物提示教育》《再活性》といったコンボのキーカードを封じられる。ターンが返ってきたらそのまま殴ったり、あるいはコンボを再始動して派手に決めてやれば良い。クリーチャー以外のあらゆる呪文タイプを止められるので、臨機応変に立ち回れる点が素晴らしい。
《レンと六番》がいたからタフネス1をキーとするデッキはちょっとなぁ、ということで一時期より数が少なかったエルフだが、果たして復権なるか。無視できない存在として留意せねばならない相手になることは確かだ。
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