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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エルフボール(スタンダード)

岩SHOW

 マジックのプロシーンにおいてその名を轟かせているチャネル・ファイヤーボール/ChannelFireball。世界屈指のプロが集結したアメリカのプロチームであるわけだが、この名前の元ネタは古の必殺コンボ。《チャネル》でライフをマナに変換し、巨大な《火の玉》を投げつける! シンプルにしてストロンゲスト、これぞコンボ中のコンボ。最初のXダメージ呪文である《火の玉》は、何らかの方法でマナを多く得るコンボデッキのフィニッシュを担ってきた黎明期の象徴である。

 エルフを大量に並べて、そのマナ生成能力からXを含む呪文をぶちかますタイプのデッキを、《火の玉》の名残から「エルフボール」と呼ぶことがある。この「エルフボール」がなんとスタンダードに復活したという。その情報を追う取材班の前に現れたのは、道しるべのようなマナの光線……その先に待ち受けていたのは!

 《豊穣の力線》ッ!? 『基本セット2020』で登場した新たな力線だ。ゲーム開始時に手札にある場合、戦場に出すことができるエンチャントで、この《豊穣の力線》はクリーチャーがマナを出す場合、緑マナを1つ多く恵んでくれる。すなわち、これがあれば1ターン目に出した《ラノワールのエルフ》から2ターン目に2マナ出せるということ。土地と併せれば2ターン目に4マナを得ることも夢ではなく、もしも力線を複数枚出せちゃったりしたら……なんともドリーミングなカードではないか!

 これとスタンダード環境のマナ・エルフたちがスクラムを組んで、ゴリゴリとマナを生成し、大技に繋げる「エルフボール」最新型をお届けだ!

Ryan Clement - 「エルフボール」
スタンダード (『イクサラン』~『基本セット2020』)[MO] [ARENA]
19 《
-土地(19)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《僧帽地帯のドルイド
4 《培養ドルイド
4 《楽園のドルイド
4 《エルフの部族呼び
3 《養育者、マーウィン
4 《獣に囁く者
2 《終末の祟りの先陣
-クリーチャー(29)-
3 《イトリモクの成長儀式
4 《豊穣の力線
3 《破滅の終焉
2 《ビヒモスを招く者、キオーラ
-呪文(12)-
3 《金剛牝馬
4 《鉄葉のチャンピオン
2 《再利用の賢者
3 《夏の帳
3 《形成師の聖域
-サイドボード(15)-
Ryan Clement氏のTwitter より引用)
 

 現スタンダードに、こんなにもマナを出せるエルフがいたとは思わなかった、なんと5種類も! 中でも注目すべきは《養育者、マーウィン》。

 3マナと重めだが、エルフが出れば出るほどサイズが上がり、生み出すマナを増やす。これと《豊穣の力線》と他のエルフたちで大量のマナを手に入れる。そのマナを使ってやることは3つだ。

 どのプランも魅力があるが、やはりラストの先陣フィニッシュがそそられる!

 これを序盤に複数枚引いてしまうと邪魔になるので、その枚数自体は抑え目。だが、そこは「ボール」でカバーするので問題ない。緑のX呪文《破滅の終焉》だ。

 序盤はマナ・エルフなどを持ってくれば良いし、マナ生産体制が整っていれば猪の大群を呼び出してドカンと大ダメージ! この先陣の能力では警戒が付くので、マナ・エルフは殴りながらマナを出して上記の他のプランを同時に行うこともできるぞ。

 このデッキの大事な1枚は《獣に囁く者》。

 ただエルフを展開してマナを増やしても、それだけでは手札が枯れてしまう。このドルイドの力で、展開しても尽きない手札を手に入れられるぞ。ただでさえ力線を出すなど序盤から手札を吐き出していくデッキなので、このカードは貴重なアドバンテージ源。何も得られずに死なせる、なんてことはないように慎重に扱っていきたい。マーウィンを囮にするなど、その時々で最適な展開を心がけよう。《破滅の終焉》《イトリモクの成長儀式》でうまく見つけて、大技へ潤滑に繋げるべし!

 『基本セット2020』の登場により誕生したばかりのデッキだが、一部のエルフが使えるのはこの秋までの期間のみ。エルフ好きであれば、この夏は爽やかなグリーンで構成されたデッキをプレイしてみてはどうかな? 色を足してみるというアプローチも考えられるね!

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