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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール・アグロ(スタンダード)
グランプリ・京都2019、2000名を超える参加者の頂点に立ったベ・デギョン選手はこれが初めてのグランプリ参加だったという。今回のトップ8はかなり濃いメンバーが集まっていただけに、それら強豪を押しのけての優勝なのだから驚きだ。
彼はこの記念すべき初参加のグランプリに、「グルール・アグロ」を持ってきた。彼の地元のコミュニティにはマジックプレイヤーは少ないとのことだが、そこで頼りになるのは文明の利器。なんと、MTGアリーナでこのデッキで300回プレイして調整を行ったとのことだ。練習は裏切らない、素晴らしいね。
彼のように、これからは世界中さまざまな地域から強豪が誕生することだろう。ネット環境さえあれば、たった1人で始められるのがアリーナの良さ。そこでマジックを学び、力を蓄えてからテーブルトップのマジックの大会へと参加してくる……世界にはまだまだ強いヤツがいる、少年漫画的でワクワクせざるを得ませんな。
では、『ラヴニカの献身』環境のおさらいも兼ねて、改めて京都を制したそのリストを見てみよう!
9 《山》 1 《森》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《根縛りの岩山》 2 《グルールのギルド門》 4 《手付かずの領土》 -土地(24)- 4 《成長室の守護者》 4 《クロールの銛撃ち》 3 《凶兆艦隊の向こう見ず》 4 《ゴブリンの鎖回し》 4 《グルールの呪文砕き》 4 《再燃するフェニックス》 3 《スカルガンのヘルカイト》 -クリーチャー(26)- |
2 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 2 《溶岩コイル》 2 《争闘 // 壮大》 -呪文(10)- |
2 《軍勢の戦親分》 2 《シヴの火》 4 《燃えがら蔦》 2 《溶岩コイル》 2 《席次 // 石像》 1 《混沌をもたらす者、ドムリ》 2 《ビビアン・リード》 -サイドボード(15)- |
2~5マナまでのクリーチャーで攻める、アグロと言ってもやや中速寄りの構成だ。デッキの動き自体はシンプルで、相手のクリーチャーを除去して殴る、これを繰り返しての勝利を狙う。
デッキの特徴は、《ラノワールのエルフ》のような戦闘に参加しないクリーチャーが0である点。すべてが戦闘員なので、殴れないヤツばかり引いてしまう、といった嬉しくない引きムラを回避できるようになっている。
戦闘員ばかりではあるが、だからと言ってパワーとタフネスのみが印刷された者ばかりというわけではない。打点に優れたクリーチャーでありながら、別の役割を果たしてくれる者がしっかりと勝利に貢献してくれる。
ド定番の《ゴブリンの鎖回し》は低タフネスを薙ぎ払う。本人こだわりの《クロールの銛撃ち》で飛行クリーチャーを打ち落とす動きも強い。
《争闘 // 壮大》と併せて、ドレイクやジンやドラゴンら、高タフネスの飛行クリーチャーを連打するデッキにも負けじと食らいついていける。この2枚と《成長室の守護者》が戦士なので、《手付かずの領土》で土地構成も万全。
戦士ではないが《凶兆艦隊の向こう見ず》も良い仕事をしてくれる。
このデッキは手札を得する要素が《成長室の守護者》くらいなので、手札が切れて攻め手 or 除去が尽きてしまうのが怖い。その弱点を、相手の墓地から除去を拝借する形でカバーしてくれるのが嬉しい。先制攻撃もあるので、《ショック》《稲妻の一撃》と絡めて大型クリーチャーを打ち取れる点も魅力だ。
《グルールの呪文砕き》を4/4にするか速攻にするか、という判断は時に難しいかもしれない。
基本的にはサイズを重視し、除去に強いデッキが相手だったりすれば速攻で最低限の働きをさせよう。タフネスが4以上になると、「赤単」はメインでこれをカードを1枚で処理するのは難しいため、良い壁になってくれることだろう。
《再燃するフェニックス》も粘り強く、これらのカードを使って単色のアグロデッキ相手の耐性が高まっているのがこのデッキのセールスポイントだ。《スカルガンのヘルカイト》まで繋げられれば、対アグロ戦は勝ったも同然だ。
サイドボードは追加の除去、エンチャント&アーティファクト対策、鎖回しとのコンボ用の《席次》、プレインズウォーカーと、とてもバランスの良い構成。グルールは蛮族のギルドではあるが、意外と器用というか万能だ。どのデッキを相手にしても自分のスタイルを大きく崩さずにゲームができる、というのが「グルール・アグロ」の良いところ。
今環境では最終盤のグランプリを勝ち取ったが、次期環境ではどうなるか? 初心者でも頭を悩ませることなくプレイできるデッキなため、しばらくは人気デッキであり続けるんじゃないかなぁ。
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