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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

緑単でワイルドに行こう!(スタンダード)

岩SHOW

 MTGアリーナから世界へ。これは大げさな話ではなくなった。先日の発表によると、シーズンごとのランキングでミシックランク1000位以内のプレイヤーはミシックチャンピオンシップ予選に参加できるとのこと。予選を勝ち抜けば、世界の強豪達と相まみえる本戦に! さらにその先にはマジック世界選手権が待っている! これは熱いね。

 家で気軽にいつでもマジックができる、というのがアリーナの売りだったわけだが、ここに競技として熱中できる要素も乗っかってきた。世界を相手に戦ってみたい人も、のんびりまったり好きなカードで遊びたい人も、皆でアリーナをプレイしよう!

 アリーナ初心者からはよく「最初にどんなデッキを組んだら良い?」と質問される。僕はいつも「自分が組みたいデッキを組むのが一番大事」と前置きしながらも、アリーナの初期配布デッキについて説明する。

 最初にもらえる単色のデッキ計5個と、デイリークエストを消化することでもらえる2色デッキ計10個。これらには構築レベルで活躍しているレア・神話レアがそこそこ入っており、かつ《ラノワールのエルフ》《稲妻の一撃》のような基本的なコモン・アンコモンもほぼ揃う。

 それらの中から、自分が使っていて楽しいカードを軸に、パックを剥いたりワイルドカードを使用してカードを集め、デッキの完成を目指す……特に作りたいデッキがパッと思いつかない場合は、それがオススメだといつも答えている。

 また、単色デッキも同時に勧めている。レア土地を必要としない分、構築のハードルは下がる。単色デッキで遊んで得たパックなどの賞品を元手に、多色デッキへとステップアップしていくのが良いだろう。

 単色デッキといえば、初期デッキの中では緑単のものがなかなか強い。クリーチャーのサイズが大きく、他の単色初期デッキはいとも簡単に踏み潰してしまう。レア枠に《原初の飢え、ガルタ》がいるのも嬉しい。

 このデッキをベースに、将来的にはこんなデッキを目指してみるのが良いかもしれない、というリストを紹介しよう!

_Tia93_ - 「鉄葉ストンピィ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2019年2月17日)[MO] [ARENA]
22 《
-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《生皮収集家
4 《成長室の守護者
4 《クロールの銛撃ち
3 《原初の飢え、ガルタ
4 《鉄葉のチャンピオン
4 《打ち壊すブロントドン
4 《無効皮のフェロックス
3 《生体性軟泥
-クリーチャー(34)-
4 《冒険の衝動
-呪文(4)-
2 《殺戮の暴君
4 《捕食
4 《形成師の聖域
3 《押し潰す梢
2 《鋭射手の斉射
-サイドボード(15)-
 

 2018年春から夏にかけて流行した「鉄葉ストンピィ」。

 その名の通り《鉄葉のチャンピオン》を中心とした、マナ・コストに対して高いパワーを誇るクリーチャーたちで殴って勝つデッキで、これはその最新型だ。デッキを構成するのはほぼクリーチャーであり、それゆえに誰にでもプレイングの指針が分かりやすいのもオススメポイント。効率よくクリーチャーを展開し、いち早く相手のライフを0にする。この上なくシンプルで、だからこそパワフル! 不純物一切なしのワイルドさを感じろ!

 《ラノワールのエルフ》がこのデッキのベストスタートではあるが、《生皮収集家》でも悪くない。

 先日ストリーミング中に「《ブランチウッドの鎧》が入っておらず、《生皮収集家》を採用しているリストが多いのはなぜですか?」という質問を受けた。もし生皮を入れなかったら、このデッキの1ターン目の動きはラノワールか《冒険の衝動》のみになってしまう。《冒険の衝動》はその時に欲しいカード、たとえば手札にクリーチャーが大量にある場合にはそれを出すための土地を、その逆であれば大型クリーチャーを探すという形で使いたいので、1ターン目から唱えてもそんなに嬉しいカードではない。となると1ターン目にはラノワールがなければ何もしない、ということが多くなってしまいがち。その穴を埋めるのに、生皮は十分な存在だ。後続が出ればそのサイズも上昇し、自力でトランプルも持つ。1マナ1/1とスタートラインはしょぼく見えるが、立派な戦力なのだ。

 対して《ブランチウッドの鎧》は呪禁持ちがデッキに多ければ強いが、そうでないなら色々とリスクが大きい。これを用いるには《蔦草牝馬》を大量に投入するなどデッキの形そのものを大きく変えた方が良いだろう。

 1マナに続く2マナクリーチャーは定番の《クロールの銛撃ち》。

 《プテラマンダー》《弾けるドレイク》《大嵐のジン》などなど、今のスタンダードには飛行持ちが多数いる。これらを打ち落とす可能性があり、かつ2マナ3/2とパワーにも優れており、生皮を育てやすい……と、このデッキには欠かせない1枚だ。

 これに追加で採用されている《成長室の守護者》は2マナ2/2とサイズこそ平凡だが、その名の通り4/4に成長することができ、また同時にこのデッキでは貴重な手札を増やすカードだ。

 序盤ではそうそう能力を起動することはないが、中盤から後半には余ったマナで打点を上げて後続も補充できると器用なヤツ。それに序盤も、3マナ立てている状況であればこの2/2の攻撃を3/3以下のサイズのクリーチャーがブロックしてくることはまずないだろう。とりあえず殴って2点入れて、第2メインで他のクリーチャーを、と序盤からコツコツとダメージを稼いでくれる、いぶし銀の活躍を見せてくれるはずだ。

 3~4マナには《鉄葉のチャンピオン》《無効皮のフェロックス》らが揃っており、ここらを呼び出すことが出来れば地上での殴り合いにおいて大きく優位に立てるだろう。そしてこれらのクリーチャーを展開する頃には《原初の飢え、ガルタ》のコスとも随分と軽くなっているはずだ。そのままサイズによる暴力で圧殺してやろう。

 この重量打線に、新たなメンバーとして加わったのが《生体性軟泥》だ。

 毎ターン、ウーズ・トークンを生み出してそれらすべてに+1/+1カウンターを置いていく、文字通りの「これ1枚で勝てる」パワーカードの中のパワーカードだ。これの参入により、ガルタはより唱えやすくなり、ゲーム後半の余ったマナの使い道もできた。《ケイヤの怒り》などで盤面を掃除されてしまっても、その返しにたった1枚で盤面を再構築できる。今、緑単のデッキを使うのであれば、これを投入しない手はない。神話レアのワイルドカード、消費する価値は保証するぞ。

 サイドボードにはコントロール対策と、飛行クリーチャー&エンチャント対策のみという仕様も大変にわかりやすい。まずはメイン戦のみのモードで使ってみて、慣れてきたらサイドボードも用意してマジックならではの3本勝負を楽しんでほしいところ。そしてこのデッキにも慣れたら、次は赤や青を足して……とステップアップしていこう。

 アリーナを始めたばかりの人、これから始める人に向けて、これからもオススメのデッキなんかを紹介していこうと思うので、どうぞよろしく!

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