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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
石鍛冶デルバー(レガシー)
《石鍛冶の神秘家》は名クリーチャーである。
ライブラリーの中から装備品を何でも手札に持ってこれる能力で、まず本体が倒されてもカード1枚分のアドバンテージを確保。召喚酔いが解ければタップ能力でそれらの装備品を直接戦場に出すことができる。《殴打頭蓋》を打ち消されることなく展開するのは黄金中の黄金ムーブ。このコンボとも言える2枚で、スタンダードからレガシーまであらゆるフォーマットで暴れ回っている。たった2マナでこれほどまでに働くクリーチャーは稀有な存在である。石鍛冶は強い。
《秘密を掘り下げる者》は名クリーチャーである。
1/1が3/2飛行という攻めっ気あふれる《昆虫の逸脱者》に変身だ。その条件が「ライブラリーの一番上がインスタント or ソーサリー」と緩いときたもんだ。《渦まく知識》《思案》でそれらを仕込んでやるのは手間とも呼べないイージーなもの。最速2ターン目に変身し、それを打ち消しで守りきってゴールインも多々。1マナでこれほどまでに働くクリーチャーは稀有な存在である。デルバー(掘り下げる者)は強い。
では、その強いクリーチャーたちを組ませたらどうか? これが案外、行われてこなかったアプローチである。
両者の能力には共通するところがなく、すなわち組ませたときにシナジーが形成されるわけでもない。そういうわけで石鍛冶は石鍛冶で、デルバーはデルバーでというスタイルがレガシーでは一般的なものになっている。
石鍛冶はやや受け寄りのデッキ、デルバーはガン攻めデッキという棲み分けがなされているが…だからと言って、両者を組ませてデメリットがあるわけでもない。実際問題、2ターン目の逸脱者に除去を撃ったら続けて石鍛冶が出てきた、という波状攻撃は強烈なものである。
メジャーなクリーチャーのマイナーなコンビネーション、これを突き詰めてグランプリトップ8を勝ち取った青白2色「石鍛冶デルバー」を見てみよう!
3 《島》 1 《平地》 3 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 1 《霧深い雨林》 4 《不毛の大地》 -土地(20)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《石鍛冶の神秘家》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《真の名の宿敵》 -クリーチャー(12)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《定業》 4 《剣を鍬に》 3 《呪文貫き》 3 《目くらまし》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《殴打頭蓋》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(28)- |
1 《封じ込める僧侶》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 3 《外科的摘出》 1 《水流破》 1 《侵襲手術》 1 《流刑への道》 2 《解呪》 2 《基本に帰れ》 1 《火と氷の剣》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
ベースになっているのは石鍛冶デッキだ。《剣を鍬に》と各種打ち消しで相手の行動を阻害、隙あらば石鍛冶で攻め出す。それらのカードを調達するために1マナドローが大活躍、というレガシープレイヤーにはお馴染みのスタイル。
青白2色ではやや物足りないとして、黒や赤を足す構築も多く見られる。色を足すとコンボデッキに対して強く出られるというのが利点だ。
ただ、色を足すのが容易なレガシーであるとはいえ、常にリスクはつきまとうもの。そこで、対コンボ相手に1ターン目から展開してさっさとゲームを終わらせられるデルバーを投入する……というアプローチが青白2色で実現できる石鍛冶デッキのネクストレベルへの到達だったというわけだ。デッキの三分の一、20枚がインスタント&ソーサリーであれば、変身も難しいことではない。同時にクリーチャーが4枚入るだけなので石鍛冶デッキとしても無理をせずにそのままの形を保っていられるというのもグッド!
《真の名の宿敵》もこのデッキを支える名クリーチャーだ。
デルバーでブンブン攻めている際には、こいつがプロテクションを活かして地上をガッチリと食い止める。石鍛冶から装備品でじっくりという戦いの末には、《殴打頭蓋》《梅澤の十手》を担いだ究極生命体と化してゲームを終わらせてくれる。どちらのデッキにも投入されていることの多いこのカードが、ある種の橋渡し的な役目も担っているように思える。
このデッキで扱いが難しいのは《渦まく知識》。
デルバーデッキであれば速やかな変身のためにさっさと唱えてしまいたいケースがあるが、石鍛冶デッキ的には手札に来てしまった装備品をライブラリーに戻して石鍛冶で回収してアドバンテージを得る、という動きがとても重要。そういう意味で気軽に使うと後々痛いかもしれないので……このデッキでは《定業》も2枚投入されている。
デルバーの変身はこれと《思案》で狙った方が良いケースもあるだろうし、そもそも手札を整える・7枚キープをしやすくするという本来の役目でも扱いやすくもなっているだろう。10枚の1マナドローに支えられて成立しているデッキなのだ。
ありそうでなかった組み合わせの研究というのは楽しいもの。どちらのカードパワーも証明されているのであれば、後はデッキとして形にする自分の力量の見せ所だ。レガシーであればそういったハイブリッド・デッキはいくらでも挑戦できると思うので、皆それぞれに思い浮かんだ案はまず試してみよう! 明日のトップ8デッキを作ってやろうぜ!
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