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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ゴルガリ・ミッドレンジ(スタンダード)
ヴラスカはニコル・ボーラスとの取引のためにイクサランへと赴き、そこで《不滅の太陽》を手に入れた。これをボーラスの元へ送り届けることに成功し、彼女はその対価としてゴルガリ団のギルドマスターの地位に就くこととなった。そんな彼女の現在をカード化したのが《ゴルガリの女王、ヴラスカ》だ。
イクサランで冒険していたころをカード化した《秘宝探究者、ヴラスカ》とは随分と雰囲気が異なるね。それもそのはず、イクサランでジェイスと過ごした日々、ボーラスこそラヴニカの敵だと気づいて倒すことを誓った記憶は、現在計画的に消去されている。同じヴラスカでももはや別人、パラレルワールドの住人くらい差があるので……これらが戦場で共演するのも「アリ」だ。
2017年のルール改定で、同じタイプのプレインズウォーカーでもカード名が異なれば戦場に並べることが可能となった。このルールの恩恵を受けたスタンダードのデッキというのもなかなか登場しなかったが……ここにきて、魅力的なヴラスカ2種を搭載したデッキが大躍進!
今日は現スタンダード環境でも高い人気を誇る黒緑の中速デッキ、「ゴルガリ・ミッドレンジ」を紹介しよう!
8 《森》 7 《沼》 4 《草むした墓》 4 《森林の墓地》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《マーフォークの枝渡り》 3 《探求者の従者》 2 《野茂み歩き》 4 《翡翠光のレインジャー》 1 《管区の案内人》 3 《貪欲なチュパカブラ》 2 《ゴルガリの拾売人》 4 《破滅を囁くもの》 1 《千の目、アイゾーニ》 -クリーチャー(28)- |
2 《暗殺者の戦利品》 2 《採取 // 最終》 2 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 3 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -呪文(9)- |
1 《野茂み歩き》 1 《千の目、アイゾーニ》 3 《強迫》 3 《渇望の時》 1 《アルゲールの断血》 2 《ヴラスカの侮辱》 2 《最古再誕》 1 《採取 // 最終》 1 《ビビアン・リード》 -サイドボード(15)- |
ゴルガリと言っても色々ある。墓地を肥やして《千の目、アイゾーニ》で昆虫を大量発生させるのを狙った形、《陰惨な生類》でアドバンテージを得て《ゴルガリの略奪者》でフィニッシュするコンボ寄りの形……そんな中でも、いま流行りなのは探検に寄せた形だ。
探検能力で土地を手に入れて切れ目のない展開を狙い、時に能動的に墓地にカードを送り込んだりする。この能力を持ったカードを多めに採用して《野茂み歩き》の回復&サイズアップ能力を誘発させ、赤単やボロス(赤白)などのライフを攻める速攻デッキに対抗しようというわけだ。
このアプローチの良いところは、無理してデッキが歪んでいるわけではないという点。攻めのデッキに対抗するためにライフ回復するだけのカードをメインから採用してしまうと他のデッキ相手に使い道がなかったりするのだが、探検&《野茂み歩き》はどちらもクリーチャーとしての仕事を果たすので腐りにくいというわけだ。
デッキの動きは簡単で、クリーチャーを展開しながら《暗殺者の戦利品》《貪欲なチュパカブラ》そしてヴラスカ2種を用いて、クリーチャーをはじめとする相手のパーマネントを除去していく。育った《野茂み歩き》や《破滅を囁くもの》を用いて有利な状況のまま殴り勝つ。
速攻で勝つことはあまりないが、それほど悠長なデッキというわけでもない……ミッドレンジと呼ばれる中速デッキの、典型的な動きをすると思ってもらえれば良い。相手がクリーチャーデッキであれば序盤は受けに回って、相手が攻めてこないデッキならばこちらから積極的にクリーチャーを展開してと、臨機応変に戦えるのが強みだね。前環境の赤黒にやや似たところもあるかもしれない。
除去の連打で相手のカードとこちらのカードの交換が続く展開は理想的だ。このデッキではゴルガリらしく、墓地からカードを回収する手段も備えている。《ゴルガリの拾売人》は除去されたクリーチャーやブロックで使い捨てたチュパカブラ、忠誠度マイナス能力で墓地に落ちたヴラスカたちを回収する。《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の[+2]能力でチュパカブラを生け贄にして即回収という動きなんかできるとホクホクだ。
この拾売人も3/4というスペックを活かして戦闘させつつ、死亡したら《採取 // 最終》の《採取》でおかわり! このアドバンテージ獲得能力の高さには、多くのデッキが苦しめられるだろう。
《採取》を採用することでナチュラルに《最終》もメインデッキに入っていることとなり、トークン戦術などを用いる相手には突き刺さってくれるのがこれまたイカすね。
相手のクリーチャーを除去ってチーム・ヴラスカで戦場を支配する、王道的スタイルで勝利できる「ゴルガリ・ミッドレンジ」。このデッキはMagic Onlineのプロツアー予選を突破したものだが、なんとその予選では上位8名中6名がこのデッキを選択していた。そのリストはいずれも微妙に異なるもので、《ウルザの後継、カーン》《ビビアン・リード》まで採用してよりプレインズウォーカーでの支配を狙ったもの、《死の重み》《疫病造り師》《煤の儀式》など採用してより強烈な除去コントロールとなったものなどさまざまだ。
ゴルガリ団内での覇権争いもますます白熱していくだろう。これからのスタンダード、黒緑抜きでは語れないことになりそうだ!
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