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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

Goodbye My Deck! 緑のデッキ編(スタンダード)

岩SHOW

 今日も『ラヴニカのギルド』発売ローテーションにより環境から去る、あるいは変化せざるを得ないデッキを紹介しよう。まずは残念なことに、キーパーツの退場により完全に消えることになるデッキから……

巻きつき蛇
Watanabe, Shuhei - 「黒緑巻きつき蛇」
日本選手権2018併催 The Finals予選赤 2位通過 / スタンダード (2018年9月9日)[MO] [ARENA]
8 《
4 《
4 《森林の墓地
4 《花盛りの湿地
4 《霊気拠点

-土地(24)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《光袖会の収集者
4 《歩行バリスタ
4 《巻きつき蛇
2 《茨の副官
4 《打ち壊すブロントドン
2 《ピーマの改革派、リシュカー
4 《貪欲なチュパカブラ
4 《新緑の機械巨人

-クリーチャー(32)-
2 《ヴラスカの侮辱
1 《霊気圏の収集艇
1 《ビビアン・リード

-呪文(4)-
4 《強迫
3 《致命的な一押し
2 《形成師の聖域
2 《喪心
2 《造命師の動物記
1 《ビビアン・リード
1 《秘宝探究者、ヴラスカ

-サイドボード(15)-
(日本選手権2018 サイドイベントより取材)

 長きに渡ってこのコラムを飾り続けた《巻きつき蛇》が主役のデッキも、ついにスタンダードから去ることに。お疲れ様と言ってやりたいね。

 +1/+1カウンターとエネルギーを多く得て、強い盤面を作り上げていくいかにも黒緑といった感じのデッキで、実に好みだった。殴り合いはサイズで制して、対コントロール系も《光袖会の収集者》や《ビビアン・リード》でカードを引き込みサイド後の手札破壊で勝負できる、スピード対決も《ラノワールのエルフ》からの加速で……と、オールラウンダーなのが強みだった。

 粘り強く、とてつもない打点を生み出して奇跡の逆転ファイトを繰り返した「巻きつき蛇」デッキともこれでお別れ。蛇自身はモダンで使ったりはできるので、思い入れの強い人は《硬化した鱗》とともにデッキを作ってみよう。

 また、「巻きつき蛇」デッキが終わっても黒緑は終わりじゃない。マナ基盤やその他汎用性の高いパーツと、『ラヴニカのギルド』より来るゴルガリ関係のカードを組み合わせて、新たな時代を築き上げるべし! ゴルガリスト(黒緑大好き集団)の腕の見せ所だ!

鉄葉ストンピィ
Matsumoto, Fumiya - 「鉄葉ストンピィ」
日本選手権2018併催 The Finals予選青 2位通過 / スタンダード (2018年9月9日)[MO] [ARENA]
12 《
4 《内陸の湾港
4 《植物の聖域
3 《ハシェプのオアシス

-土地(23)-

4 《緑地帯の暴れ者
4 《ラノワールのエルフ
4 《マーフォークの枝渡り
4 《鉄葉のチャンピオン
3 《不屈の神ロナス
3 《ピーマの改革派、リシュカー
2 《打ち壊すブロントドン
1 《翡翠光のレインジャー
1 《蔦草牝馬
3 《原初の飢え、ガルタ

-クリーチャー(29)-
3 《顕在的防御
3 《キランの真意号
2 《領事の旗艦、スカイソブリン

-呪文(8)-
1 《打ち壊すブロントドン
1 《蔦草牝馬
3 《呪文貫き
2 《自然の流儀
2 《否認
2 《造命師の動物記
2 《暗記 // 記憶
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
1 《ビビアン・リード

-サイドボード(15)-
(日本選手権2018 サイドイベントより取材)

 『ドミナリア』で《鉄葉のチャンピオン》を得て誕生した、緑単ないしそれに青や黒を足したデッキ……いわゆる「鉄葉ストンピィ」。このデッキはローテーションによりどう変化するのだろう。

 まず、率直に言ってキーカードは失わない。先述の通り、チャンピオンや《ラノワールのエルフ》といった開幕から強烈な盤面づくりを行う主力カードは『ドミナリア』産なのでローテーションで失われない。このデッキが別名「緑単ガルタ」と呼ばれるゆえんである、もう1つのキーカード《原初の飢え、ガルタ》だって現役だ。

 では失われるものは何か。それは……例えばこのリストの場合、メインデッキのクリーチャーでない呪文はすべてローテーションで使用できなくなる。要所でクリーチャーを護った《顕在的防御》の損失は痛い。また、ガルタの速やかな着地をサポートしていた機体カードが失われるのも苦しい。

 クリーチャー陣も例外にあらず。黒タッチ型では打点になりガルタのパワーカウントを務め、そして墓地から戻る能力で粘り強く戦ってくれた貴重な2マナ圏《屑鉄場のたかり屋》がついにスタンダードを去る。黒や青の多色型を支えた《導路の召使い》もいなくなるし、同じくエネルギー関係のカードであり、状況によっては1マナで展開できた3/4、《緑地帯の暴れ者》もお疲れさまだ。そして、これらのクリーチャーのパワーを上げつつトランプルも与えてダメージ効率をグイッと高めてくれていた《不屈の神ロナス》ともお別れの刻がきた。

 というわけで、「鉄葉ストンピィ」は中心パーツは残るものの、デッキを成立させてくれていたカードの大部分を失うことは避けられないのだ。

 でも安心してほしい、現行のカードでばっちり残ってくれる連中だっている。《マーフォークの枝渡り》&《翡翠光のレインジャー》の探検コンビは健在、これで土地を集めるもサイズで勝負するもよし。探検シナジーに大きく傾けた構築をしても面白いかもしれない。呪禁とパワー5を併せ持った《蔦草牝馬》はこれからますます活躍しそうだ。これをオーラで強化する方向のアプローチもアリか。

 そして『ラヴニカのギルド』からの新カード……これがまたワクワクさせてくれる。

 クリーチャーばかりでデッキを固めて《獣に囁く者》でドローしまくるのは楽しいはずだ。その際はコスト比で見たサイズが素晴らしくオマケの能力がどっさりついた《無効皮のフェロックス》も一緒に使いたいね。

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 軽いところでは《生皮収集家》はどんどんクリーチャーを展開すると大きくなってトランプルも得て……1マナクリーチャーなのに殴れる期間が長い上にガルタのサポートにもなりそうで、これはぜひとも使ってみたい。

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 多色に目を移すと……《秋の騎士》はとりあえず感覚で使ってみたいカードNo.1。特にライフ回復能力が活きてくる環境になれば大活躍することだろう。

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 《顕在的防御》の穴を埋めるには《確証》はやや重く、追放系除去にも効かないので頼りないかもしれないが……状況によって《確立》として使って盤面の立て直しなどができる点には注目したい。

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 多色に寄りすぎると鉄葉を唱えられるかが心配だが、《管区の案内人》などマナサポートもあるのでそこまで問題ではないだろう。

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 緑を中心としたデッキはセレズニアの横並べか、ゴルガリの墓地肥やしか、あるいはもっと新しい戦略を手に入れて、次期スタンダードでもきっと活躍することだろう。して……欲しいな、緑好きとしては。もうちょい別の方向性のデッキも組めそうなのだが、それについては後日!

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