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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
日本選手権直前!スタンダードまとめ 前編
前回予告した通り、今日は『基本セット2019』スタンダード環境にて活躍するデッキのまとめをやっていこうと思う。今週末に迫った日本選手権観戦のお供になれるようにバリバリやってくんでよろしくゥ! まずは攻めっ気あふれるアグロデッキから!
赤黒アグロ
ちょうど前回紹介したばかりなのでリストはそちらで! 《ボーマットの急使》《屑鉄場のたかり屋》《ゴブリンの鎖回し》とマナ・カーブに沿って優秀なクリーチャーを展開するだけで相手が苦しくなる、相変わらずの横綱っぷりを見せつける。
除去が強いのでさまざまなデッキに対処でき、押し込む力が強いのがここまで勝ちまくっている最大の理由か。除去が強い、という点にフォーカスして軽いところを抜いて中速になったり、クリーチャーを極力排除してもはやコントロールとなった赤黒も誕生したりと、構築の幅も広い。
目立っている、ということはもちろん対策される側であり、ほぼすべてのデッキに意識されている状態で日本選手権に臨むことになる。それでも対策なんざ跳ね除けて優勝をかっさらう、という展開になってもおかしくはない……そんな雰囲気が今の赤黒のリストにはあるんだよなぁ。
赤単ケルド
19 《山》
-土地(19)- 4 《ボーマットの急使》 4 《ギトゥの溶岩走り》 4 《損魂魔道士》 4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》 2 《航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ》 1 《地揺すりのケンラ》 4 《ゴブリンの鎖回し》 2 《アン一門の壊し屋》 -クリーチャー(25)- |
4 《ショック》 4 《稲妻の一撃》 3 《ケルドの炎》 4 《魔術師の稲妻》 1 《カーリ・ゼヴの巧技》 -呪文(16)- |
3 《熱烈の神ハゾレト》 3 《チャンドラの敗北》 3 《削剥》 2 《火による戦い》 2 《嘲笑 // 負傷》 1 《木端 // 微塵》 1 《山》 -サイドボード(15)- |
同じ赤でも安定感を重視したのが赤黒なら、爆発力重視なのが赤単だ。とにかく、速さには定評がある。1マナクリーチャー12体が口火を切り、サイズはそこそこながら果敢・速攻・ダメージ能力と、対戦相手のライフを削ることにかけては一流の連中が勢ぞろい。
これらのクリーチャーと本体にダメージを与えられる火力呪文とで、少しでも早くゲームを終わらせるのがこのデッキの狙い。
この手のデッキは相手のクリーチャーを除去して殴ると手札が減り、ダメージ源を失って最終的には息切れしてしまうのが常だが……そこを上手くカバーしてくれるのが、デッキ名にもなっている《ケルドの炎》。
手札をすべて捨てるという大きなデメリットを持っているが、そもそも手札が空なら問題なし! 追加の2枚ドローが赤単にとっては非常に大きく、また最終能力によるダメージ2点増加は《ヴィーアシーノの紅蓮術師》すらエンドカードに格上げするパワフルさがある。
きちんと回った時には相手に何もさせずに勝てるだけの力があるので、おそらくは2日間ブンブンと調子の良かったプレイヤーが駆け抜けてトップ8に1~2名は送り出してくるのではないだろうか。
クリーチャーで殴るデッキを殺しにかかっている《花粉のもや》などを使うデッキ(後述)も、サイドからの《嘲笑》で対抗することができる点にも要注目!
黒緑巻きつき蛇
8 《森》 4 《沼》 4 《森林の墓地》 4 《花盛りの湿地》 4 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《光袖会の収集者》 4 《歩行バリスタ》 4 《巻きつき蛇》 2 《茨の副官》 4 《打ち壊すブロントドン》 3 《ピーマの改革派、リシュカー》 3 《貪欲なチュパカブラ》 4 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー(32)- |
3 《ヴラスカの侮辱》 1 《ビビアン・リード》 -呪文(4)- |
2 《蔦草牝馬》 4 《強迫》 3 《致命的な一押し》 1 《喪心》 2 《造命師の動物記》 1 《生命の力、ニッサ》 1 《ビビアン・リード》 1 《秘宝探究者、ヴラスカ》 -サイドボード(15)- |
毎度おなじみ、《巻きつき蛇》デッキ! とにかく、息が長いデッキだ。
環境最初期は皆、新カードに目を奪われて他のデッキを使うのだが……なんだかんだ言って、蛇デッキは強いなぁと帰ってくる。これは8月中旬に行われたグランプリ・ロサンゼルス2018のトップ8入賞デッキであり、こんな感じで環境が煮詰まれば蛇がひょっこり現れて結果を残すのはもはや恒例行事だ。
+1/+1カウンターかエネルギー関連のクリーチャーの価値を《巻きつき蛇》で高めてやって、盤面を固めていきながら殴って勝つ。シンプルだけども奥が深いこのデッキは、毎回地味ながら着実に新戦力を獲得している。『基本セット2019』からは手札補充やパーマネント対策となる《ビビアン・リード》、2マナ圏の硬いクリーチャー《茨の副官》、黒いデッキのみならずコントロール系には強烈に効く《蔦草牝馬》と多くの新カードを取り揃えてある。
それ以上に注目すべき点は、クリーチャーでない呪文がメインに4枚しかないこと。それ自体は最近の蛇デッキには珍しいことではなかったが、その枠は《冒険の衝動》に充てられることが多かった。その分土地を削ってパンパンにカードを詰め込んだリストが多かったが、このリストでは土地を24枚しっかりと採用。4マナ以上の重いカードをきっちりと使用してゲームを制するスタイルだ。
蛇デッキは土地を6枚以上引いてもあまり使い道がなく、無駄ドローとなって苦しくなりかねない。その点をカバーする《茨の副官》を得たことでこうした構築になったのかもしれない。日本選手権では最終進化形が見られるか?
ここまで紹介してきたアグロ・クリーチャーデッキを食うために用いられるのがコントロールデッキだ、今日は最後にそれらの中でも最もインパクトの大きい、話題となったデッキを紹介しよう。
ターボ・フォグ
4 《森》 1 《平地》 4 《島》 4 《まばらな木立ち》 2 《陽花弁の木立ち》 4 《内陸の湾港》 4 《灌漑農地》 2 《氷河の城砦》 1 《霊気拠点》 -土地(26)- -クリーチャー(0)- |
4 《航路の作成》 4 《花粉のもや》 4 《根の罠》 3 《アズカンタの探索》 4 《楽園の贈り物》 3 《天才の片鱗》 1 《残骸の漂着》 1 《テフェリーの誓い》 4 《運命のきずな》 1 《ウルザの後継、カーン》 4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》 1 《自然に仕える者、ニッサ》 -呪文(34)- |
2 《遵法長、バラル》 2 《黎明をもたらす者ライラ》 1 《奔流の機械巨人》 1 《原初の潮流、ネザール》 3 《否認》 2 《ジェイスの敗北》 1 《神聖の発動》 2 《排斥》 1 《浄化の輝き》 -サイドボード(15)- |
ドローを進め、土地を並べる。プレインズウォーカーを出しながら《花粉のもや》《根の罠》を構える。
プレインズウォーカーおよびプレイヤーへの戦闘ダメージをこれらフォグ系呪文で防ぎながら、《運命のきずな》で追加ターンを得つつプレインズウォーカーの能力をガシガシ使ってアドバンテージを得ていく。そのうちにライブラリーが《運命のきずな》のみになって延々プレインズウォーカーの能力起動を続けて相手を圧倒する……
相手が出してくるクリーチャーという脅威に対して、対処せずに放置するという手法を取るのが斬新であり、ターンを得続ける一方的で無慈悲な勝ち方もこのデッキならでは。
先に取り上げたように「ダメージを軽減できなくする」という攻略法が明かされつつあり、やや向かい風だが……それでもこのデッキを選択するプレイヤーはいることだろう。環境がクリーチャーデッキばかりになるのか否か? そこの読みが重要だ。
というわけで前半はここまで。後半は中速デッキを中心に紹介・復習していこう。それじゃ、また明日!
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