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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:今年のデッキ2017
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:今年のデッキ2017
by 岩SHOW
2017年もいろいろありましたなぁ......皆にとって、この1年はどのようなものだったろうか。僕にとっては......まとめるのは難しいけど、マジックは相も変わらず最高の存在であり続けてくれたなと。いろいろなドラマが生まれ......そしてそこにはいつも、輝けるデッキがあった。世界中のプレイヤーが創意工夫をこらしたデッキリストを眺めているだけでも実に楽しい1年だったなぁ。
そんなわけで年内最終更新日である今日は、この1年で紹介してきたデッキの中からこれだなと思うものをいくつか振り返ってみよう! 手抜きじゃないぞ、ちゃんと後日談的なコメントも添えていくからな!
「Copycat(コピーキャット)」
2017年最初のセットは『霊気紛争』だ! もうすぐ、これの発売から1年が経とうとしているなんて信じられないよ! エネルギーに関するカードや、新型の機体などがよりパワーアップ、スタンダード戦線は一体どうなるのか......中でも、収録カードが公開されたときに話題となったのは《守護フェリダー》だ。《サヒーリ・ライ》と組み合わせることで1/4速攻のトークンを好きな数だけ生成することができる、2枚瞬殺型コンボには世界中のプレイヤーが注目していた。
比較的簡単なこのコンボはスタンダード環境をどう変えるのか? その様子を見るにはこれ以上ない舞台、プロツアー『霊気紛争』では......このコンボを搭載したデッキ「コピーキャット」は全く勝てなかった。今となってはなんだか不思議にも思えるが、警戒されていたことと、発売後2週間ではリストが全く固まっていなかったこととが合わさって、TOP8に1名も送り出すことはなかった。
ただ、プロツアーだけがマジックのすべてじゃない。その後、4色のエネルギーデッキとして動きつつ、おもむろにコンボで瞬殺を狙ってくるビートダウンとして完成した「コピーキャット」は......環境を支配してしまう危険性が非常に高い存在となってしまい、各地のトーナメントを荒らしまわった。結果、スタンダードで《守護フェリダー》は禁止されてしまうことに......
だが、モダンやヴィンテージにおいても同コンボを内蔵したデッキが登場、これからもマニア向けのデッキとして生き続けていくんじゃないかな。
「KCI~鉄工所は今日も大忙し~」
このデッキを取り上げる際に、どのような紹介文を書けば良いのか少し迷った。真面目にデッキのメカニズムを紹介しても良いのだが、それでは少々物足りないんじゃないかなと。真面目にやってしまうとデッキの特性上、あまりにも説明口調になりすぎて読んでいて面白くないしかつよくわからないんじゃ......という不安があった。
そこで思いついたのが、本家本元英語版のマジック公式サイトの記事を日本語訳したものである。というか、マロー(マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater)のあの熱さを文章化したもののテンションだ。「カラデシュはすごい!本当にすごいんだ!」とはしゃぐあのマローの情熱にならえば、「KCI」すごい!という思いが伝わるかなって......ただ、急に異常なまでにテンションを上げてどういうことだと思われるかなという懸念も。
そこで思いついたのが、架空のキャラクターに説明させるという方法だ。《クラーク族の鉄工所》を仕切るゴブリンの親方に語ってもらうことで、堅苦しくなりそうなコンボデッキの説明をコミカルなものにできたんじゃないかな......と。
自分の中では割と満足のいくものに仕上がったので、最近は続編も書いてみた。ちなみにオチに出てくる料理に関してはちゃんと元ネタがあるよ。
「モダン・ブートキャンプ」(第1回)
担当者から「モダン・グランプリ開催に向けて、モダン特集をやってほしい」との依頼が。普通に主要デッキを挙げているだけじゃあ、わざわざ特集とか言わんでもええよな......
と、どうするか考える間もなく一瞬で降ってきたのが、某映画にて新人を徹底的にしごきまくる軍曹。この軍曹の口調も好きなんだが、その軍曹役を演じた俳優がやっていたミリタリー番組での語りが実に好きで......そこからモダンを知らない若いプレイヤーを徹底的に鍛え上げる「SHOW軍曹」が誕生した。ノリで書いてしまって大丈夫か......と思ったが、OKが出てほっとしたのを覚えている。
モダンのデッキを改めて取り上げる、という企画なのだが......10回の連載ではとてもじゃないが全主要デッキを紹介することができなかった。モダンの多様性を再確認させてもらうとともに、信じて読んでくれていた方にはなんだか申し訳なかった。紹介してないデッキと当たって負けてたら勘弁な!
ただ、今でもネット配信をやっている時に「自分はモダン・ウォリアーです!」とコメントしてくれる方がいたりして、少しはお役に立てたのかな。ここだけの話、構想段階では「SHOW軍曹」は本家のようにもっと辛いコメントが多かった。軍隊風の決め台詞「この《蛆たかり》共がッッ!」なんてセリフも考えたのだが、自重したね(笑)。
「Oath of God-Pharaoh」
どこの世界にも無茶苦茶するヤツがいるもので。『イクサラン』ローテーション前の環境ではこのわがまま過ぎる5色エネルギーデッキがお気に入り。今年は『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』『イニストラードを覆う影』『異界月』と4セットが同時にスタンダードから退場していったんだなと今になって実感するね。
『破滅の刻』はパワーカードの宝庫であったが、その中でも使ってみたくなるカードNo.1は《王神、ニコル・ボーラス》に他ならない。
3色で7マナとハードルは高いが、戦場に呼び出すことに成功すればその暴力で対戦相手を滅茶苦茶にできてしまう。こういうドリーミングなカードがあるとスタンダードは楽しいね。後はこういうデッキを成立させるエネルギーデッキの強さよな。こういったデッキは2018年も暴れ回ることだろう。
でも、秋に『カラデシュ』『霊気紛争』がスタンダード落ちするのを忘れてはいけない......月日の流れのなんと早いことか。
「ラムナプ・レッド」
2017年は日本で久方ぶりのプロツアー、プロツアー『破滅の刻』が開催されたことも忘れちゃいけない。激闘を制したのは『破滅の刻』より得た新戦力によって1つ、2つ上のステージへと到達した赤単アグロ「ラムナプ・レッド」だ。決勝ラウンドに5名を送り出したことでも大いに話題になった。
こういうアグロデッキが暴れ回って決勝ラウンドは同一デッキばっかり、という結果になった時には、正直なところ同じような対戦カードが続いて配信を観る者としては飽きてしまうと思う。今回も「まーた赤単か」なんてコメントが出てくるかもな、しょうがないよな......
......なんて思いながら実況していたのだが。決勝ラウンドに残ったプレイヤーたちのプレイング、そして細かなサイドボードの違いが、見ている者を飽きさせないどころか、真夏の京都の熱気にも負けないほど熱くしたのだから驚きだ。本当に、名勝負のオンパレードだった。歴代スタンダードの赤単アグロの中でも、最強のデッキと言っても良いんじゃないかな。
軽量クリーチャーに火力、ハードパンチャー《熱烈の神ハゾレト》、そして土地すらもダメージ源にしてしまう《ラムナプの遺跡》。ここまで揃った2017年は、赤の年だったと言っても過言ではない(少なくとも下半期はね)。
以上、今年を代表するデッキ・書いていて楽しかった回のまとめでした。2017年も皆様に支えられながら、世界中のさまざまなデッキをご紹介することができました。
マジック25周年の記念すべき1年となる2018年、バシバシと強いデッキ、面白いデッキ、デッキにまつわるストーリーを紹介していきたい所存であります。1年間ありがとうございました、良い年を! 来年もよろしくお願いしますッッ!!
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