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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2017.07.27

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Oath of God-Pharaoh(スタンダード)

by 岩SHOW

 不可能を可能にする類のカードが大好きだ。最近の個人的ヒットは《ニッサの誓い》。このカードの軽視されがちな「あなたは、プレインズウォーカー・呪文を唱えるために、任意のマナを望む色のマナであるかのように支払ってもよい。」という常在型能力は素晴らしい。適切な色マナが用意できなくったって、プレインズウォーカーを呼び出すことができる。ワンダフル、アメージング。

 早速、このエンチャントを用いてデッキを作ってみたものだ。《ウルザの鉱山》《ウルザの魔力炉》《ウルザの塔》の3種類を揃えて大量の無色マナを生み出し、《ニッサの誓い》で《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》を探し出してくると同時に無色マナで唱えることを可能にして叩きつける! その名も「ボーラス・トロン」! 脳内では世界一のデッキだったが、フリープレイを数回やっただけで解体してしまった。う~ん、悔やまれるなぁ。もしもプロツアー『ゲートウォッチの誓い』の参加権利を持っていれば......(歴史的なエルドラージ大戦に巻き込まれ、無事に全敗していたことだろう)。

 「ボーラス・トロン」から1年半。そんなデッキのことをすっかり忘れていたのだが......『破滅の刻』で《王神、ニコル・ボーラス》が登場したことが嬉しすぎたのか、世界のどこかのやんちゃすぎるヤツがとんでもないデッキを組んで、Magic Onlineのリーグ戦を全勝で終えていた。いや、え、これマジなの。

_saberex_ - 「Oath of God-Pharaoh」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年7月17日)
3 《森》
1 《島》
2 《山》
4 《植物の聖域》
1 《伐採地の滝》
2 《燃えがらの林間地》
3 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》

-土地(20)-

4 《導路の召使い》
3 《牙長獣の仔》
4 《ならず者の精製屋》
2 《つむじ風の巨匠》
1 《不屈の追跡者》
2 《逆毛ハイドラ》
2 《栄光をもたらすもの》

-クリーチャー(18)-
4 《霊気との調和》
4 《ニッサの誓い》
1 《マグマのしぶき》
4 《蓄霊稲妻》
2 《削剥》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
1 《先駆ける者、ナヒリ》
1 《炎呼び、チャンドラ》
2 《王神、ニコル・ボーラス》

-呪文(22)-
2 《不屈の追跡者》
2 《マグマのしぶき》
4 《否認》
2 《光輝の炎》
1 《人工物への興味》
2 《慮外な押収》
1 《破滅の刻》
1 《先駆ける者、ナヒリ》

-サイドボード(15)-
MTGO Standings Competitive Standard Constructed League より)

 誰に聞いたら良いのかわからないので、原稿上でコミュニティ担当の金子さんに聞いてみようか。金子さぁん!これマジなの? ......「マジです」と言っている姿を想像しながら続けようか。いやぁ、無茶苦茶するプレイヤー、いるねぇ! 嬉しくなってしまう。黒マナを生み出す手段が《霊気拠点》と《導路の召使い》のみ、往々にして《ニッサの誓い》に支えられながら《王神、ニコル・ボーラス》を唱える......ティムール(青赤緑)カラーの中速デッキだ。いわゆる「ティムール・ミッドレンジ」ってやつね。前環境から生き延び続けているデッキだが......それらと一緒にして、果たしていいのだろうか。

 「ティムール・ミッドレンジ」は悲運のデッキでもある。もともと、このティムールカラーのビートダウンもできるしエネルギーを貯めるのが得意なカードパーツの集合体を下地に、白マナを捻出できるようにして《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》の無限コンボを搭載したデッキ「コピーキャット」は、『アモンケット』以前のスタンダードにおいて絶対的な存在として環境の頂点に君臨するデッキの1つだった。

 これがまあ、いろいろあって《守護フェリダー》が禁止になってデッキが解散。だったら、今度は同様のパーツを下地に、よりエネルギーに特化したコンボデッキを使うまでだい! と言わんばかりに、多くのプレイヤーがデッキを構成するパーツが流用できる「ティムール・マーベル」に乗り換えた。

 《霊気池の驚異》から《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を唱えるという、4ターンでゲームを終わらせる力を持ったこのデッキはプロツアー『アモンケット』で暴れに暴れまくり、結果《霊気池の驚異》は禁止に

 じゃあ......といつものティムール・ユニットである《導路の召使い》《ならず者の精製屋》《つむじ風の巨匠》《霊気との調和》《蓄霊稲妻》などは、今度は《栄光をもたらすもの》などと組んで真面目な中速デッキとして、健康的なデッキとして生きていく道を選んだのである。

 そんな「ティムール・ミッドレンジ」、やはり自分たちには危険なカードを展開するスタイルが合っていると言わんばかりに、今度は王神を搭載し始めた。......良いかな君たち、《霊気池の驚異》はもうないんだよ?......そうか、真面目に7マナ出して唱えるのか...ならばよし。

 前述のティムール・ユニットでエネルギーとアドバンテージを稼ぎながら、有利な盤面を作り上げていく。《栄光をもたらすもの》を走らせ、《反逆の先導者、チャンドラ》で蓋をして......《王神、ニコル・ボーラス》でフィニッシュだ! 欲張りすぎ! だから気に入った!

 先週、「ジェスカイ・コントロール」が王神を忍ばせている構築を紹介した時にて、王神を切り札として青黒赤3色のうち2色を扱っているデッキが強引に搭載する構築が流行ったら面白いね~なんて書いてみたが......ここまでのチャレンジャーが出てくるとは思わなかった......恐るべし、のボーラスのしもべたちよ......。

 土地を20枚まで切り詰めていて、果たして重たいボーラスを唱えられるのか? 《ニッサの誓い》《霊気との調和》で土地を探してなんとかするというスタイルは、同じようなデッキを組んだ人間としてはすんなりと受け入れられるので気にならない......いや、事情はだいぶ違うんだけれども。

 まあ、《反逆の先導者、チャンドラ》で2マナ出せればなんとかなるよ。何よりこれぐらい無茶なほうが、達成できた時に楽しい。マジックは、そうじゃなくっちゃ。無難なデッキに飽きたら、これぐらいわんぱくなデッキを使ってみてほしい。最強クラスのプレインズウォーカーでの圧殺と、次のターン王神を出せるという状況で負けてしまった悔しさは、思わず「もう1回!」と君の心を突き動かすはずだ。


プロツアー『破滅の刻』 日本語実況生放送
日程放送日放送時間放送ページ
1日目(予選ラウンド)7月28日(金)9:00~19:00ニコニコ生放送」「LINE LiveTwitch
2日目(予選ラウンド)7月29日(土)9:00~19:00ニコニコ生放送」「LINE Live
3日目(決勝プレイオフ)7月30日(日)9:00~17:00ニコニコ生放送」「LINE Live

※試合状況によっては放送時間が前後する場合がございます。

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