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2017年6月13日 禁止制限告知

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2017年6月13日 禁止制限告知

Aaron Forsythe

2017年6月13日

原文はこちら

告知日:2017年6月13日

スタンダード

《霊気池の驚異/Aetherworks Marvel》[KLD] 禁止

他のフォーマット

 変更なし

発効日:2017年6月19日

『Magic Online』発効日:2017年6月14日

 禁止カード、制限カードのフォーマット別一覧はこちら

次回禁止制限告知:2017年8月28日


 フォーマットの健全性というものを考えるとき、いくつもの要素を検討することになります。1つの戦略が唯一の正解になるほど圧倒的か? 問題の戦略を蹴散らすことができる他のデッキは存在しないか? メタゲームの変化の兆しがあるか、あるいはメタゲームが現在変化しているか? メタゲームにおける一番強いデッキの比率が高すぎないか? プレイヤーはそのフォーマットに触れているか、触れているなら楽しんでいるか?

 『アモンケット』の発売以来、競技スタンダードのメタゲームで最も多数を占めている《霊気池の驚異》デッキは、古典的な評価においては根本的に壊れたデッキではありません。メタゲーム内に存在する他のデッキに対する勝率は、完全に支配したといえるようなものではありません(そういう意見があるにもかかわらず)。ここに、過去数週間のMagic Online Competitive Standard Leagueから集めたデータを示します(データの量としてはひとつの週末に開催されるグランプリの何倍もの規模になります)。1列目はそのデッキがどれぐらい使われているか、そして3列目がそのデッキのティムール《霊気池の驚異》に対する勝率です。

デッキの比率アーキタイプ対ティムール《霊気池の驚異》
26.9%ティムール《霊気池の驚異》50%
12.0%青赤コントロール45%
8.1%黒単ゾンビ38%
6.7%ティムール・エネルギー51%
5.8%赤緑《静電気式打撃体》59%
4.3%マルドゥ機体50%
3.5%エスパー機体61%
3.0%黒緑エネルギー54%
2.5%白青フラッシュ/ミッドレンジ57%
2.5%ジャンド神々51%
2.4%黒緑《巻きつき蛇》50%

 見ての通り、青赤コントロールと黒単ゾンビ以外の全ての有力デッキはティムール《霊気池の驚異》相手に互角以上の結果を残しています。

 この数字は、グランプリ、StarCityGames.com Open、プロツアーと高レベルになるにつれて、全体的に《霊気池の驚異》有利に移行していくということがわかっています。例えばグランプリ・アムステルダムでは、2日目7勝2敗の43%が《霊気池の驚異》で、上位32人の約半数に上りました。このデータは良い結果ではありませんでしたが、絶対的なものでもありません。つまり、店舗でのプレイにおいては、(証明こそできませんが)おそらく《霊気池の驚異》の存在比、勝率ともにさらに低くなっているでしょう。

 ただし、勝率と存在比だけが検討対象ではありません。私たちはここ数週間、プロから地元のプレイヤーまでさまざまな種類のスタンダード・プレイヤーに、禁止することとしないことそれぞれの利点について話を聞きました。そして、少なくとも、《霊気池の驚異》はスタンダードにおいて健全でもないし楽しくもないと、事実上誰もが言っていたのです。

 ティムール《霊気池の驚異》の存在比と勝率にずれがある理由の1つが、そのプレイのありかたと強烈なドローの可能性です。4ターン目の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》は事実上のゲーム・オーバーで、これはフランク・カーステン/Frank Karstenによれば(参考)およそ9.4%のゲームで発生します。10%のゲームがこれほど早く終わってしまうということは、当然ほとんどの皆さんにとって受け入れがたいことです。マジックの最高のゲームというのは、両方からのやり取りがあって成立するものです。この理由から、最強ではないにせよ《霊気池の驚異》は取り除かなければならないと確信しました。

 しかし、私たちは《密輸人の回転翼機》《約束された終末、エムラクール》《反射魔道士》、さらに《守護フェリダー》の禁止によって最近のスタンダードが大荒れになっているということも意識しています。プレイヤーの皆さんが自分のカードでプレイできるようにするという目的を考えた時、さらにもう1つデッキをプレイヤーの手から奪い取ることには大きな懸念がありました。

 そのため、私たちはいくつもの奇妙な常識はずれの方策を検討しました。他の戦略的トレーディングカードゲームで見られる、カード2種を同じデッキには入れられないが、どちらか1種類なら入れられる、「ペア禁止」というものについても議論しました。《真髄の針》や《強迫》といった普通ならスタンダードで使えないカードを使えるようにする、ということも検討しました。禁止でなく制限することや、エラッタによる機能変更まで検討したのです。しかし、究極のところ、それらは問題を解決する以上に問題を引き起こすものでした。今後、新しい手段を検討し続けていきますが、現時点では既存の安定した解決策を取ることにしました。皆さんと同じように私たちも、二度と選びたくないような解決策ですが。

 カードを禁止することを躊躇する典型的な理由の1つが、私たちはデッキ・タイプを完全に潰したくはないということです。幸いにも、ティムール・エネルギー・デッキが増えてきたことによって今回はその問題はかなり軽減されています。最近のMagic Online Standard Constructed Leagueで5勝0敗の結果を残したデッキをご覧ください。

ティムール・エネルギー
スタンダード
4 《森》
1 《島》
3 《山》
4 《植物の聖域》
3 《隠れた茂み》
2 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》

-土地(21)-

4 《牙長獣の仔》
4 《導路の召使い》
4 《ならず者の精製屋》
2 《不屈の追跡者》
2 《つむじ風の巨匠》
3 《逆毛ハイドラ》
3 《栄光をもたらすもの》

-クリーチャー(22)-
4 《霊気との調和》
2 《マグマのしぶき》
4 《蓄霊稲妻》
3 《否認》
1 《慮外な押収》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》

-呪文(17)-
2 《不屈の追跡者》
2 《儀礼的拒否》
2 《マグマのしぶき》
1 《払拭》
2 《造反者の解放》
1 《否認》
1 《食い荒らす炎》
1 《焼けつく双陽》
1 《慮外な押収》
2 《領事の旗艦、スカイソブリン》

-サイドボード(15)-

 《霊気池の驚異》と《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を、エネルギーを使う強力なクリーチャーに入れ替え、チャンドラを交換すれば事実上同じデッキです。時間をかけてティムール《霊気池の驚異》を組んだプレイヤーは比較的簡単にティムール・エネルギーに移行して同じカードを使い続けることができるでしょう。

 これについて考えると、このデッキの存在が《霊気池の驚異》がメタゲームにおいて不健全な部分であるということを証明しているといえます。以前の《サヒーリ・ライ》/《守護フェリダー》コンボと同様、《霊気池の驚異》/《絶え間ない飢餓、ウラモグ》もすでにトップメタにあるデッキに詰め込まれたコンボだったのです。

 最後に、私たちはこれらの禁止がプレイヤーやマジックに与える悪影響をはっきり認識しています。この判断がマジックの長期的な健全性のために良いものであると確信していなければ、このような決定は下しません(《霊気池の驚異》がローテーションによってスタンダードから消えるのは、2018年の後半になるのです)。もう1つ、柔軟性のために新しい禁止制限日程に移行しましたが、禁止するべきかすべきでないかの決定回数が多くなりすぎ、コミュニティに不安をもたらしてしまいました。しかし、いずれかの時点で、その時点はすでに到達しているかもしれませんが、禁止疲れは発生します。

 そのため、私たちは件の告知を撤回します。私たちは、プロツアー『破滅の刻』が終わるまで禁止制限告知を行いません。次回告知は、8月28日です。

 それでは、ゲームをお楽しみください。私たちは『破滅の刻』の発売と、スタンダードの変化を楽しみにしています。

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